ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

影の中の使い魔-5

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匿名ユーザー

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夕食の時間、シエスタはデザートを配膳していた。
今日は色々あった。ほとんど謎の使い魔がらみだったけど。とにかく疲れた。
あの使い魔は結局気づいたら消えていた。本当に何がしたかったんだろう?嫌がらせ?
でもエプロンは返しにきてくれたわけだし、悪い人(?)でもないのだろう。
とにかく今日は早く仕事を済ませて、さっさと寝てしまおう。今日は厄日だ。
そんなことを考えていたら、手前に座る金髪の少年のポケットから何か小瓶のようなものが落ちるのを見た。
すぐにそれを拾い、落とし主であるギーシュ・ド・グラモンに声を掛ける。
こうしてシエスタのその日最大の災難が始まった。

「疲れた…」
ルイズは紅茶を飲みながらぼやく。
半壊の教室の掃除は一人でやるには相当の時間と労力を必要とした。
こんなことならキュルケの手伝いの申し出を受ければよかったかもしれない。
そう思って、部屋を見渡しキュルケの姿を探す。
青い髪の少女と一緒におしゃべりをしているのを発見する。
だがいつもよりその顔色が悪いような気がした。
(もしかしてまだ気にしてるのかな……)
少し罪悪感が心に産まれる。もう使い魔のことを言ってもいいかもしれない。
ただ逃げられたことをどう説明するか……。
「その香水は、もしや、モンモランシーの香水じゃないのか?」
「そうだ! その鮮やかな紫色はモンモランシーが調合している香水だぞ!」
急にガヤガヤと騒がしくなる。見ると、数人の生徒が集まっていた。その中心にはギーシュとメイド。
ギーシュがなにやら否定の言葉を並べ、その隣にいるメイドはさっきからどうしていいか分からずオロオロしている。
いつものギーシュの恋愛話か。どうでもいいや。
ルイズはさっさと自室に戻ろうと、残りの紅茶をいっきに飲むため、カップを口に持っていった。
「チャンスをやろう!」
「ぶッ!」
リアルに紅茶噴いた。

ギーシュは混乱していた。
メイドに「落としましたよ」と言われ、見るとそれはたしかにモンモランシーから貰った香水。
なんとか誤魔化そうとするも、回りの連中にはやしたてられてしまい、騒ぎが大きくなる。
このままではモンモランシーにもケティにもばれてしまう!
3択-一つだけ選びなさい
答え①ハンサムのギーシュは突如誤魔化すアイデアがひらめく
答え②仲間がきて助けてくれる
答え③誤魔化せない。 現実は非情である

答え-③ 答え③ 答え③…………しかし答えは違っていた!意外!その答えは④!
答え④変な奴がきて誤魔化せない。現実は非常識である

「チャンスをやろう!」
突如聞こえた、異質な声。見るといつのまにかメイドの背後に黒づくめの奇妙な亜人が立っている。
はやしたてていた連中も、メイドも声を失いこの奇妙な闖入者を見ている。
ザ・ワールド!時は止まる!
……………………その世界で最初に動いたのは、亜人と二人の少女だった。
「お前には向かうべき二つの道がある!ひとつは……「ギーシュ様、やはり、ミス・モンモランシーと…」」
亜人のセリフをかき消すようにギーシュに話しかけてきたのはケティである。
「え?ケティ!ち、違うんだ!」
急に話しかけられ反応できない。ギーシュはろくな弁解もできずに、ケティから頬をはたかれるしかなかった。
「もうひとつは!!さもなくば『死への…………「やっぱりあの一年生に手を出していたのね?嘘つき!!」」
また何か亜人が話そうとするが今度はモンモランシーに邪魔される。
モンモランシーはギーシュが何か言う前に、ワインをかけて行ってしまった。

呆然。何が起きた?なんなんだこいつは?
ギーシュは亜人を睨みつける。すると、自分が睨まれていると勘違いしたのかメイドがビクっと震えた。
そういえばこのメイドが事の発端じゃないか。 くそうこの平民が!でもけっこうかわいいな。
だがそれはそれ、これはこれ。
「君のせいで二人のレディの名誉に傷がついたんだぞ!どうしてくれるんだ?」
ギーシュがメイドに詰め寄る。
メイドは泣きそうな顔になって、ひたすら謝罪の言葉を並べた。
その平謝りする姿がいくぶん滑稽で、少し優越感を覚えたギーシュはさらに続けた。
「君たちのその黒づくめの格好を見てるとこっちの気分まで暗くなってくる。
 平民とはいえ貴族の前に出る時くらいは、もう少しまともな格好をしたらどうだい?
 …………と言ってもメイドの君の黒いのは、生まれつきだろうから変えることはできないか」
そういって笑うギーシュに、同調して回りの数人の生徒からも笑い声があがった。

「黒いの」
その言葉はシエスタの心を締め付けた。
それは後ろの使い魔の格好と、自分の髪と瞳の色のことを言っているのだろう。
大好きだった祖父から受け継いでいるこの黒い髪と瞳は、珍しい色だった。
それを馬鹿にされるのは、自分だけでなく祖父まで馬鹿にされているようで悔しかった。
シエスタの瞳からポロポロと大粒の涙がこぼれ始めた……

その時
「それ以上の侮辱は許さないわよ」
シエスタは背後から声を聞いた。
その声の主は使い魔ではなかった。その主人であるミス・ヴァリーエル。『ゼロ』のルイズ。
ピンクの長い髪と、鳶色の瞳。今、その瞳からははっきりと怒りの感情を読み取ることができた。
「ルイズ」
主人を見つけた、使い魔の場違いな声が部屋に響いた。


To Be Continued 。。。。?

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