ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

嫉妬! 贈り物に気をつけろ!

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匿名ユーザー

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嫉妬! 贈り物に気をつけろ!

ルイズの部屋に戻った二人は、さっそくデルフリンガーを鞘から抜いた。
「さて、いきなりだがお前が知ってる事を全部話してもらうぜ。拒否権はねー」
「はい何でも喋りますですから命だけは助けてお願い!」
「じゃあ喋りな。『使い手』とは……何の事だ?」
「解んね」
ルイズが杖を構え、承太郎はスタープラチナを出した。
「ちょっ、マジで解んないの! おめーさんを見てたら急に頭に浮かんだだけさね!」
「ねえ。私、ちょっと精神力使い果たしたみたいで、今あの魔法は使えないのよ。
 だからジョータローがやっちゃって。遠慮は無用よ」
「仕方ねー。見かけより頑丈そうだが、とりあえずへし折ってみよう」
スタープラチナが刀身を握りしめる。その握力にデルフリンガーはビビッた。
「イヤアアッ! やめて! マジ! 思い出すから! ねっ!?
 つーかヒントくれよヒント! おめーさん達何者だい? 教えて!」
「……レコン・キスタのスパイという可能性は考えられない?
 私達から情報を聞き出すつもりとか」
「しかし……あの武器屋に入ったのは偶然だ。その可能性は低い」
「どちらにせよこっちから情報を与える必要は無いわね。
 姫様から秘密って言われてるんだもの。ヒントなんて論外よ」
「こういう時……俺の国では対処法がある。それをやってみよう」
「やってみて」
「オラァーッ!」
地球の叡智が生み出した対処法!
それは記憶喪失になった人間や、壊れた機械に対して非常に有効である!
……と一部の人は本気で信じている方法。すなわち、叩く。
しかも承太郎は! 斜め45度の角度で叩くという熟練者っぷりを見せた!

「ギャアアアアアアアアアッ!!」
殴られた金属音をデルフリンガーの悲鳴がかき消す。
構わず承太郎は二度、三度と斜め45度のチョップをスタープラチナで執行した。
結果!
「『使い手』なんだから、俺を使ってくれねーと思い出せるもんも思い出せねーかも」
必死に言い訳をした。
だがそれもそうだと思える内容だったため、さっそく振ってみる事にする。
承太郎の左手のルーンが輝き、デルフリンガーは「おっ」と呟いた。
「どうした。何か思い出せたか?」
「おめーさん、すごいね。体力はあるし、変な幽霊出せるし、ルーンが光ると何かパワーアップするみてーじゃねーか。こりゃおでれーた」
「どうやら俺達の情報が目的のようだな。ぶち砕いてやるぜ」
「デルフリンガーは砕けない! 完! って、待って待って落ち着こうぜ」
「…………」
「いや、何か今思い出せそうになったのよ。このルーン何か懐かしいような。
 だからしばらくの間、俺の事は保留にしとこーぜ。何か思い出したら話すから」
「やれやれだぜ」

こうしてデルフリンガーは承太郎が預かる事になった。
もし『使い手』に関する事を誰かに話そうとしたら、即座にジャンクにしてやると脅しをかけまくったので多分大丈夫だろう。
デルフリンガーの起こす騒動はとりあえずこれで終わりかと思った。
が、デルフリンガーが引き金となって大変な事が起きた。

『ルイズが承太郎に剣をプレゼントした』

この事実が! 三人の乙女を突き動かした!!


ケース1 微熱のキュルケ
「ダーリン! ルイズに剣を買ってもらったんですって?」
「ん……まあな……」
「何だかずいぶんとボロっちいわね。錆びてるじゃない」
「……ああ」
「でも意外だわ。ダーリンったら、剣まで使えるのね」
「いや、全然」
「え、そうなの? まあいいわ。私からもプレゼントよ!」
「……これは?」
「投げナイフセットよ。竜の羽衣が弾切れを起こした時、困ったでしょう?
 だから飛び道具もあった方がいいと思って。
 ジョータローのあの能力を使って投げれば、そこいらの魔法なんか相手じゃないわ」
「投げナイフは性に合わねーんでな。遠慮しとくぜ」
キュルケ――投げナイフセット、失敗。

ケース2 雪風のタバサ
「これ」
「いらん」
タバサ――タバサ特製はしばみ茶八号、失敗。


ケース3 シエスタ
「あの『ひこうき』に乗る時、寒そうでしょう? ですから、これをどうぞ」
「ほう、手編みのマフラーか。ありがとよ。……ん? これは文字か?」
「はい。あ、ジョータローさんは異世界から来たから読めませんよね。
 それはですね、ジョータローさんの名前です」
「こんな字をしていたのか。……こっちは?」
「そっちは……その……私の名前です。め、迷惑ですか?」
「…………しかしずいぶんと長いマフラーだな」
「あ、実はこれ二人用なんです。こうして、二人で……キャッ」
「……やれやれだぜ」
シエスタ――二人用マフラー、成功。

さて承太郎にフラれたシエスタが、なぜプレゼント合戦に参加しているのか。
それは同僚の女の子からアドバイスを受けたからである。
「まだあきらめるには早いわよ。今は駄目でも、あきらめずにアタックし続ければいつか振り向いてくれるかもしれないわ」
という訳でシエスタは承太郎を振り向かせるべく、戦線復帰を果たしたのだ!
そんなシエスタにさらなるチャンスが訪れる。
「……ところでシエスタ、頼みがあるんだが」
「はい、何でしょう?」
「俺に文字を教えてくれないか? ……帰るめどが無くなっちまったから、読み書きができねーとこれから不便しそうに思えてな」
「わ、私でよろしければ、ぜひ!」
大喜びで承諾し、チャンス到来春到来とシエスタの頭の中がハッピーになる。
「ちょっと待った!」
が、ここで第四の女が現れる。キュルケ、タバサ、シエスタに続く彼女の正体は!?


ケース4 ゼロのルイズ
「ミス・ヴァリエール! どうしてここに!?」
「ジョータロー! 文字なら私が教えて上げるわ。
 私はあんたのご主人様だし、実技以外の成績はいいんだから!」
「ま、待ってください。ジョータローさんは私にお願いしてきたんです。
 それを横から奪い取るなんて、いくらミス・ヴァリエールでも酷すぎます!」
「フンッ。あんたメイドでしょ? 朝昼晩、メイドの仕事で忙しいわよね?
 いつ教えるの? ねえ、いつ文字を教える時間なんてあるのかしら?」
「うっ……み、ミス・ヴァリエールだって授業があるじゃありませんか!
 それに、学ぶのと教えるのとじゃ、勝手が違います!
 恐れながら、ミス・ヴァリエールに教師の真似事は難しいかと!」
「そそ、それでもあんたよりはマシよ! 古代ルーン文字だって読めるんだから!」
「解りました。こうなったらジョータローさんに決めてもらいましょう」
「上等よ。さあジョータロー、どっちに文字を習う?」
二人が振り向いた先には、すでに承太郎の姿は無かったという。
ルイズ&シエスタ――文字の勉強、失敗。

ケース5 雪風のタバサ再び
「やれやれだぜ……」
「あ」
「ん? タバサか」
「何かあったの?」
「いや、ちょっと文字を習おうと思ったんだが、いい相手がいなくてな。
 コルベールは多忙、ルイズはうるせーし、ギーシュからは習う気がしねー」
「……読み書きできないの?」
「……俺の故郷は遠いんでな。ここで使われてるのとは違う文字を使ってる」
「なら私が教える。お茶とお菓子も用意して――」
「断る」
「……そう」
タバサ――文字の勉強+タバサ特製はしばみ茶八号とお菓子、失敗。


ケース6 微熱のキュルケ再び
「あらジョータロー、どうかしたの?」
「いや何でもない」
「そう?」
キュルケ――事情を知らず不戦敗。

ケース7 雪風のタバサ三度目の正直
「ん? まだ俺に用があるのか?」
「お茶は出さずに字を教える。騙して飲ます気は無い」
「……そうか」
タバサ――文字の勉強、成功。

翌日。
「実家に帰る事になった。ごめんなさい」
いずこかから来た手紙を読んで、タバサは急に実家に帰る事になった。
それになぜかキュルケもついて行く事になるのだが、それはまあどうでもいい。
ともかく承太郎が文字を学ぶチャンスは遠のいたのであった。
ちゃんちゃん。

「……できた、できたわ」
寮のとある一室で、彼女は会心の笑みを浮かべていた。
彼女の前には、小瓶に入ったポーションがひとつ。
「フフフ……後は、これを飲ませるだけ。待ってなさい……」
新たなる事件が目前まで迫っていた。
「待ってなさい、ギーシュ!」
しかしターゲットはギーシュ・ド・グラモン。

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