ゼロの奇妙な使い魔 まとめ

愚者(ゼロ)の使い魔外伝

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だれでも歓迎! 編集
レコン・キスタ。
アルビオン王国を中心に起こっている宮廷革命運動の中心組織。
そのアジトの一室に一人の男がいた。
名前はジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
これはアルビオン王国が滅んだ戦いでの、彼の行動の記録である。

「入るよ」
ノックの音と共にフーケが入ってきた。
ワルドは振り向くことなく話す。
「何の用だ?」
「そろそろ出撃だから呼んで来いってさ。まったく、何で私が使い走りなんて…」
フーケが文句を言うがワルドは無視して作業を続ける。
「何をやってるんだい?」
「…仮面を作っているんだ」
「もう持ってるだろう?」
「いや、本体が付けるヤツだ。目印になる物が有った方がやりやすい、と言われてな」
今回のワルドの任務は戦闘ではない、手紙の奪取だ。
故に偏在を戦闘する者と奪取するに分け、味方への目印にする。
その際に戦闘する者の仮面を着けている場合は援護攻撃に、
奪取する者の仮面を着けている場合は防御に、
そのように分けた方がやりやすいのではないか、という意見が出たのだ。分かりやすく言うとサッカーでキーパーだけユニフォームの色が違うのと同じような理由だ。
あまり意味が無さそうだとは思ったが『あまり手間ではなさそうなのでとりあえずやっておいてくれ』と上官に言われてはやるしかない。

だが一つ問題が発生した。
最初は渋々と作っていたのだが、だんだんワルドはそれが楽しいと思ってきた。
よって机の上には15種類の仮面が並んでいた。

「どれが良いと思う?」
「私に聞くな」

制作No.07
正方形の下に逆三角形を付けた様な形の白い仮面。
目の所は大きな黒い丸で、口は赤い色で形は上が無い半円形。
結局ワルドはこの仮面を選んだ。
「決め台詞も考えてある」
「それはいいから早く行きな」

しかしワルドは仮面を着け、ポーズをとった。どうあっても決め台詞を見せたいらしい。

「いろどりましょう食卓を
みんなで防ごうつまみ食い
常温保存で愛を包み込む
カレーなるレターハンター
快盗ワルドただいま参上!!」

「はいはい、凄いね」
フーケはもうコメントする気もないらしい。
「だろ?だろ?」
さっさと行けよ。


そして目的の城が見える場所まで移動する。敵はパーティー中らしい、奇襲には好都合だ。
「ユビキタス・デル・ウィンデ……」
偏在の魔法を唱える。この魔法は唱えたものの分身を作り出す魔法だ。
ワルドが作れるのは最大で四人。自分を合わせて五人で戦うのが普段の使い方だが今回は違う。
分身四人を囮にして、その隙に本体が手紙を盗んでくる作戦だ。
敵の真ん中に突っ込むのに本体も行っては危険だ。だから分身で騒ぎを起こし、混乱させる。
盗みに行くのはワルドでなくても良いのだがワルドなら分身の状態を把握できる為、逃げやすい。
分身四体が仮面を付け、突入した。

分身を突撃させ、ころあいを見計らって本体はルイズの部屋にフライで回りこみ潜入する。
「ふっふ~ん。潜入完了♪」
鼻歌を歌いながらルイズの部屋に入っていた。
「まずは鞄からだな」
鞄を漁る。そして封筒を見つけた。
「これだな。アルビオンの封筒だし間違いない!」
意気揚々と手紙を懐にしまい、再び漁り始めた。
「他には何かないかな~♪むむっ!これは!」
何か見つけたのか?
「ルイズのパンツだ!ラッキー!」
ラッキー、じゃねえだろ!
「これを好きにしていいんだよな?俺ロリコンだし問題ないよな?」
認めた。ロリコンって自分で認めたよコイツ。
「被ったり、舐めたり、何をしても良いんだよな!?」
そのまま何をしようかしばらく考えるロリコン仮面。
だがしかし…ロリコンは偏在の全滅を感じた。
「うん?偏在が全滅したか、仕方ない名残惜しいが引き上げよう」
窓から帰っていくロリコン。

イギーが来た時、そこは『かなり無残に』荒らされていた。

フライで飛びながらロリコンは考える。
「うーん。やっぱりパンツは持ってきた方が良かったかな?」
何を考えているんだお前は。
「やっぱり取りに行こう!」
そしてUターン。
だが城は火に包まれていた。
「あれ?城が燃えてる?」
燃えてるね。
「パンツも燃えちゃう!」
そういって全速力で城に戻るロリコン。
そして城の屋根に着地し、ルイズの部屋の場所を思い出す。
「えーと、えーと、どこだっけ?」
迷い続けてやっと思い出した時、

城で爆発が起きた。

「うわわわわわわわわ!」
爆発に巻き込まれはしなかったが、今の爆発で火の手が強くなり、このまま取りにいったら命が危ない。
彼は命かパンツかの二択に迫られた。
「パンツに決まってる!とう!」
華麗にルイズの部屋に飛び込む。
だがそこには何も無かった。
「部屋を間違えたか…」
だな。

そして出ようとして足を滑らせ、ころんで頭を打って気絶した。

次に目が覚めたときはベッドの上だった。
「おお、ワルド子爵。目が覚めたかね」
声をかけてきたのはレコン・キスタの総司令官クロムウェルだった。
「ここは…?」
「我々のアジトだ。だが安心したまえ、戦いには勝った」
「そうでしたか…」
どうやらあの後死なずに済み、仲間によって運ばれたらしい。
「して…目的の手紙は?」
ロリコンは懐から封筒を出し、クロムウェルに手渡す。
クロムウェルは封筒を開け、中の物を読み始めた。
だが、その表情が次第に曇っていき、一応最後まで読んだ後にロリコンに声をかけた。
「これは、目的の手紙ではないようだが?」
「え?うそ?」
敬語を使えよ。
ロリコンも封筒の中身を読む。

だがそれはアンリエッタがウェールズにあてた手紙ではなく、アルビオンにあるレストランの食事券だった。
「…今度食べに行きます?」
「あ、良いね、行こう」


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