第2章 中編
「……50Mプールぐらいあんじゃねぇか?ここ。」
トリステイン魔法学院の食堂は(ry …とにかく広くて豪華です。
この学院では、マントで学年分けしてるみたいだ……。
一年生は ”marrone”(伊:茶色の) 二年生は ”nero” (伊:黒い) 三年生は ”viola”(伊:紫色の)
一年生より、三年生の方が凄い魔法とか使えるのか?
食堂には生徒以外にも教師が朝食をとりに来ていた。
(教師か…。 それこそ”凄いヤツ”がいてもおかしくないな)
キョロキョロと辺りを見渡していると、ルイズが講釈し始めた。
「どう? 凄いでしょ。」
「あぁ。とても豪華だし、人もいっぱいいるな。」
得意げにふふんと鼻を鳴らし、話を続けるルイズ。
「トリステイン魔法学院が教えるのは、魔法だけじゃないのよ」
「魔法だけじゃない?」
「メイジはほぼ貴族なの。貴族たるべき教育を、存分に受けるのよ」
食事も”貴族らしく”ってことらしい。 マナーは勿論、質と量も。
ほんとは、この食堂へは『平民』は一生入れないらしい。
それはそれは。とあいまいな返事を返しつつ、ルイズのため椅子を引く。
桃色がかったブロンド娘は気品良く、椅子に腰掛ける。
「隣に座っても?」
こちらもマナーとして一応御主人様にお伺いを立てる。
「残念でした。 あんたは…」
そこまで言って、ルイズは固まってしまった。
どうした? スタンド攻撃でもされたか? オラオラですか? 無駄無駄ですか?
「……」
「もしかして…」
「……」
「オレの分、準備していない?」
「…Yes!Yes!Yes!……(OH MY GOD!)……」
この学院では、マントで学年分けしてるみたいだ……。
一年生は ”marrone”(伊:茶色の) 二年生は ”nero” (伊:黒い) 三年生は ”viola”(伊:紫色の)
一年生より、三年生の方が凄い魔法とか使えるのか?
食堂には生徒以外にも教師が朝食をとりに来ていた。
(教師か…。 それこそ”凄いヤツ”がいてもおかしくないな)
キョロキョロと辺りを見渡していると、ルイズが講釈し始めた。
「どう? 凄いでしょ。」
「あぁ。とても豪華だし、人もいっぱいいるな。」
得意げにふふんと鼻を鳴らし、話を続けるルイズ。
「トリステイン魔法学院が教えるのは、魔法だけじゃないのよ」
「魔法だけじゃない?」
「メイジはほぼ貴族なの。貴族たるべき教育を、存分に受けるのよ」
食事も”貴族らしく”ってことらしい。 マナーは勿論、質と量も。
ほんとは、この食堂へは『平民』は一生入れないらしい。
それはそれは。とあいまいな返事を返しつつ、ルイズのため椅子を引く。
桃色がかったブロンド娘は気品良く、椅子に腰掛ける。
「隣に座っても?」
こちらもマナーとして一応御主人様にお伺いを立てる。
「残念でした。 あんたは…」
そこまで言って、ルイズは固まってしまった。
どうした? スタンド攻撃でもされたか? オラオラですか? 無駄無駄ですか?
「……」
「もしかして…」
「……」
「オレの分、準備していない?」
「…Yes!Yes!Yes!……(OH MY GOD!)……」
「………(ドジこいたーッ! 昨日厨房に言い忘れてた! とっておきの作戦があったのに!こいつはいかーん! チクショー!!)」
「……それはねぇよ。 ルイズ…」
「き、貴族でも、極々稀にミスはするものよ!」
「………」
今度は使い魔が黙る。何か訴えるかのような目つきでルイズを見つめる。
「……な、何よ?」
「―――ミスより」
「は?」
「ミスよりキスがいいな……」
「…なッ!!」
今度はルイズが赤くなる。それにして感情の起伏が激しい娘だ。
「御主人様より、『ごめんねのキス』を頂ければ幸いです…」
仰々しくお辞儀をして、ゆっくりと頭を上げる。
…ヤバイ。 肩を小刻みに震わせている。 キレるな。これ。
調子に乗るんじゃあない!とテーブルにあったフルーツを投げつけられる。
貴族のマナーは一体何処へ……。
「『食べ物を粗末にしちゃいけません!』って、危ないっ!」
至近距離である。いくら少女の力でも痛い。
特に落とさないように、掌で受けるから痺れる痺れる。
数個投げると、ルイズは椅子に座りなおし、そっぽをむいたまま告げる。
「……そ、それでも食べてなさい!」
「……キスは?」
今度は燭台を投げようとするルイズを見て諦めた。
「……それはねぇよ。 ルイズ…」
「き、貴族でも、極々稀にミスはするものよ!」
「………」
今度は使い魔が黙る。何か訴えるかのような目つきでルイズを見つめる。
「……な、何よ?」
「―――ミスより」
「は?」
「ミスよりキスがいいな……」
「…なッ!!」
今度はルイズが赤くなる。それにして感情の起伏が激しい娘だ。
「御主人様より、『ごめんねのキス』を頂ければ幸いです…」
仰々しくお辞儀をして、ゆっくりと頭を上げる。
…ヤバイ。 肩を小刻みに震わせている。 キレるな。これ。
調子に乗るんじゃあない!とテーブルにあったフルーツを投げつけられる。
貴族のマナーは一体何処へ……。
「『食べ物を粗末にしちゃいけません!』って、危ないっ!」
至近距離である。いくら少女の力でも痛い。
特に落とさないように、掌で受けるから痺れる痺れる。
数個投げると、ルイズは椅子に座りなおし、そっぽをむいたまま告げる。
「……そ、それでも食べてなさい!」
「……キスは?」
今度は燭台を投げようとするルイズを見て諦めた。
…朝は『濃い目のエスプレッソに、砂糖をたっぷり入れたヤツ』って決めてんだがなぁ……。
怒るルイズから逃げるため、食堂の壁際まで逃げてきていた。
でもエスプレッソどころか、コーヒー自体あるかどうか……。
パスタやピッツァは? そもそもトマトはあんのか? …すげー不安だ。
朝食は軽めに済ませる性質(たち)のスクアーロは、フルーツと思わしきものに噛り付く。
リンゴだよな?… こっちは…どう見てもオレンジ……。
元の世界とほとんど似ているが、なんとなく違う気がするフルーツを味わう。
味は悪くない。というか美味い。……良かった。これで食事は期待できる。
この味が”美味い”という感覚ならば、料理も高水準だろう。
しかし、これはあくまでも貴族用だ。
使い魔でしかも平民(とされている)の自分の食事はどうだろう?
朝はともかく、昼食や夕食が貧しいものであったら……。
「かなりヤバイな…(自制が利くかどうか… きっと暴れるね…)」
交渉なり、実力行使なりで、どうにかしなくては……。
ルイズと交渉するか…? だめだろうな… きっと…。
窃盗・恐喝でもするか…? …それじゃ、ただのチンピラだ。 …最終手段だな…。
もっと、楽で確実で。できれば美味いものを…。
怒るルイズから逃げるため、食堂の壁際まで逃げてきていた。
でもエスプレッソどころか、コーヒー自体あるかどうか……。
パスタやピッツァは? そもそもトマトはあんのか? …すげー不安だ。
朝食は軽めに済ませる性質(たち)のスクアーロは、フルーツと思わしきものに噛り付く。
リンゴだよな?… こっちは…どう見てもオレンジ……。
元の世界とほとんど似ているが、なんとなく違う気がするフルーツを味わう。
味は悪くない。というか美味い。……良かった。これで食事は期待できる。
この味が”美味い”という感覚ならば、料理も高水準だろう。
しかし、これはあくまでも貴族用だ。
使い魔でしかも平民(とされている)の自分の食事はどうだろう?
朝はともかく、昼食や夕食が貧しいものであったら……。
「かなりヤバイな…(自制が利くかどうか… きっと暴れるね…)」
交渉なり、実力行使なりで、どうにかしなくては……。
ルイズと交渉するか…? だめだろうな… きっと…。
窃盗・恐喝でもするか…? …それじゃ、ただのチンピラだ。 …最終手段だな…。
もっと、楽で確実で。できれば美味いものを…。
一年生の女子生徒が数人、こちらを”ちらちら”見ているのに気づく。
笑顔で手を振る。 あ… 貴族様だから、怒るか無視する?
(あれ… 笑ってる… というか、喜んでる?)
以外にも邪険にするでもなく、キャッ!キャッ!とはしゃぎながら食堂を出て行った。
少しだけ気分が和んだ。
なるほど。どこの世界でも”乙女は乙女”なのか。
ついで(…といっては失礼だが)に、料理を運ぶメイド達にも手を振る。
一人一人、目が合った順に手を振る。
流石に仕事中であるし、目の前で貴族様の給仕をしているからか、表情や仕草に変化は無い。
そりゃそうだ。と割り切ろうと思った時、一人の黒髪のメイドが横を通る。
(この子には、最初の方で手を振ったな… 黒髪か… うん!”ディ・モールト”可愛い!)
通り過ぎると思った時、目の前で立ち止まり、感謝の意を述べきた。
「御心遣い、ありがとうございます。 貴方様も、お仕事頑張ってくださいね」
…マジで? この世界の女性は優しいなー。 …たとえ社交辞令だとしても。
コチラコソ、アリガトウ。キミモガンバテネ。 ……何故かカタコトでお礼を返す。
メイドは微笑を湛えたまま、礼をして厨房の方に下がっていく。
なるほど、貴族相手(オレは違うが)には笑顔と礼儀が基本てか?
感心しながら、メイドが下がっていった厨房の方をぼーっと見る。……厨房?
笑顔で手を振る。 あ… 貴族様だから、怒るか無視する?
(あれ… 笑ってる… というか、喜んでる?)
以外にも邪険にするでもなく、キャッ!キャッ!とはしゃぎながら食堂を出て行った。
少しだけ気分が和んだ。
なるほど。どこの世界でも”乙女は乙女”なのか。
ついで(…といっては失礼だが)に、料理を運ぶメイド達にも手を振る。
一人一人、目が合った順に手を振る。
流石に仕事中であるし、目の前で貴族様の給仕をしているからか、表情や仕草に変化は無い。
そりゃそうだ。と割り切ろうと思った時、一人の黒髪のメイドが横を通る。
(この子には、最初の方で手を振ったな… 黒髪か… うん!”ディ・モールト”可愛い!)
通り過ぎると思った時、目の前で立ち止まり、感謝の意を述べきた。
「御心遣い、ありがとうございます。 貴方様も、お仕事頑張ってくださいね」
…マジで? この世界の女性は優しいなー。 …たとえ社交辞令だとしても。
コチラコソ、アリガトウ。キミモガンバテネ。 ……何故かカタコトでお礼を返す。
メイドは微笑を湛えたまま、礼をして厨房の方に下がっていく。
なるほど、貴族相手(オレは違うが)には笑顔と礼儀が基本てか?
感心しながら、メイドが下がっていった厨房の方をぼーっと見る。……厨房?
―――厨房関係者を味方につける?
余った食材なら、少しぐらい分けてくれるだろうし、さらに料理できるやつなら申し分ない。
良し。決定。後で厨房に行こう。
とりあえず、行けば何とかなるだろう!
気づくと、昨日は何も食べていなかったせいか、果物を残さず全て食べていた。
遠くにいる御主人様も、どうやら食事を終えたようだ。
さあ、御主人様の元へ馳せ参じますか―――。
余った食材なら、少しぐらい分けてくれるだろうし、さらに料理できるやつなら申し分ない。
良し。決定。後で厨房に行こう。
とりあえず、行けば何とかなるだろう!
気づくと、昨日は何も食べていなかったせいか、果物を残さず全て食べていた。
遠くにいる御主人様も、どうやら食事を終えたようだ。
さあ、御主人様の元へ馳せ参じますか―――。
「…意外と順応してるなぁ。オレ。」
自分の適応能力の異様な高さを感心しながら、うんと背伸びをした。
なんだかんだで、朝飯抜きにせず、
ちゃんと自分に果物を(投げつけて)与えたくれた
(すこ~しだけ)優しい御主人様に
(すこ~しだけ)感謝しながら
ルイズの元へ歩き出す―――。
なんだかんだで、朝飯抜きにせず、
ちゃんと自分に果物を(投げつけて)与えたくれた
(すこ~しだけ)優しい御主人様に
(すこ~しだけ)感謝しながら
ルイズの元へ歩き出す―――。
「…あんた、一年生とかメイドに『手』振ってたでしょ? 笑顔で。」
「え? あ、あれは…。 挨拶です。挨拶。」
「今日から三日間、ご飯抜き。」
「……飛びてー」
前言撤回! 全然優しくない!
…早く食料事情を何とかしなければ……。
「え? あ、あれは…。 挨拶です。挨拶。」
「今日から三日間、ご飯抜き。」
「……飛びてー」
前言撤回! 全然優しくない!
…早く食料事情を何とかしなければ……。
―――今晩当たり襲いかかろうか?
……なんとも不穏当なことを考える鮫であった。
「The Story of the "Clash and Zero"」
第2章 ゼロのルイズッ! 中編終了
To Be Continued ==>