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ゼロの予報図-2」(2007/07/02 (月) 20:32:02) の最新版変更点

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「わ…ワケわかんないこと言わないでよ! しかも『誰だ?』って  また質問で返してるじゃないの!」 目の前の少女が怒っている。確かに、ワケがわからない。自分でも、そう思う。 混乱してるのかもしれない。冷静に考えてみよう。 ダメだ。何も思い出せない。 何もすることがないし、わからないので、ボーっと少女の行動を見ていた。 頭頂部の寂しい男となにやら言い争って、こっちに戻ってきた。なんだか顔が赤い。 「感謝しなさいよね、貴族にこんなことされるなんて、普通一生ないのよ!?」 どんなことしてくれるって言うんだ? そして何かごちゃごちゃしゃべりだした。 『我が名はルイズ……』だとか言っている。この子の名はルイズというのか。 少女、ルイズが手を動かしている。しゃがんで、と言いたいのだろうか。 多分そういうことだろうと推察し、しゃがんでやる。 キスをされた。唇が柔らかい。一瞬だけの口付けの後、ルイズは俺から離れた。 「ぐおっ!?」 突然、左手に猛烈な痛みが走る。 「心配しなくても、すぐに痛みは引くわ」 本当だ、もう痛くない。 気付いたらさっきの男が傍にいた。俺の左手を見ている。 「ふ~む、珍しいルーンだね」 その男は『る~ん』とやらから目を離して、俺の頭をちらちら見ている。 帽子がほしいんだろうか? それからその男が浮いた。名残惜しそうに帽子を見ている。 「すごいな……」 オレは思ったままを口に出した。 周りの奴らも、ルイズ以外が全員浮いた。人間って浮けたのか。 「なに? 魔法がそんなに珍しいわけ?」 「まほう?」 「魔法見たこともないわけ? こりゃ飛んだ田舎モン召喚しちゃったわ。飛んでないけど」 なんだ、魔法だったのか。人間って、魔法が使えたのか。 俺も飛んでみよう。 ダメだ、飛べない。 「どうやって飛ぶんだ?」 「聞いてなかったの? 魔法よ。でも平民のアンタにゃ一生無理ね」 へいみん? 平民ってどういうことだろう。 「飛べないのはお前も一緒だろ~? 『ゼロ』のルイズなんだからな!」 「飛べない同士、歩いて帰ってくるんだな!」 そんなことを言って、上の奴らは飛んでいってしまった。 「ほら、ボーっとしてないで、ついて来なさい!」 ルイズが俺を呼んでいる。特にすることはない。ついていくことにする。 原っぱの中をふたりで歩いていく。 ルイズは飛ぼうとしない。ひょっとして、オレが飛べないからだろうか。 ルイズは前を歩きながら平民がどうの召喚がどうのと呟いている。 「大体アタシ、ファーストキスだったのよォ~~!?」 「ルイズ」 「へ!?」 突然名前を呼ばれて驚いたようだ。立ち止まってこちらを振り返っている。 「いい天気だな…」 空を見上げる。ルイズも空を見る。 「…ええ…そうね………」 素敵な青空だった。

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