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鏡の中の世界とか、地下に別世界が存在するのかと言われれば、僕ははっきり『そんなものは存在しません』と答えるだろう。が、超能力者や、幽霊が存在するかと聞かれれば、Yesと答える。 僕……花京院典明は、そういう人間であった。 というのも、僕自身が超能力に当たる力を持っているからだ。 スタンド、ハイエロファント・グリーン。それが僕が、自分の不可思議な力に付けた名前だった。 気が付いたのは小学生にあがる直前ぐらいか。突然、自分の身体から緑色の触手が出てきた。 驚いて両親に泣きついたが、両親には見えていないようだった。 翌日友人に、この話をしたが、やはり見えてはいないようだった。 凄く、寂しくなった。誰も、僕のこの力が見えないのだ。 この世界には、たくさんの人間がいる。しかしその中に、果たして自分と真に心が通じ合う友人は出来るのだろうかと、考えた。 ませていると、僕自身そう思う。気が付けば僕は、グループからはずれていた。 そんな僕の遊びは、一人で出来ること。絵を描くことや、ゲームだった。 高校に上がって、さらに多くの人間と接することになった。が、相変わらず、僕の力が見える人間はいなかった。 しかしながら、代わりに趣味が合う友人は出来た。 その友人達と、心が通じ合うか? と言われればNoだが、今までの、クラスメートとしての会話しかしない連中と比べれば、ずっとマシだった。 今、僕の目の前にいる平賀才人は、そういう友人の一人であった。 「花京院、どうした? 」 「いえ、なんでもないです」 どうやら彼は、修理したパソコンを取りに、わざわざ秋葉原まで来ているらしい。 そういう僕はといえば、OH!THAT'S A BASEBALLの2を買いに来たのだが。 こうやって、彼とは何度か出くわしたことがある。 今回も、軽く立ち話をした後、いつものように分かれる、ハズだった。 「……!! 」 訳の分からない楕円形の、鏡のような『何か』。そこに、才人が身体を半分ほど埋めていた。そしてその何かは、才人を飲み込むように包んでいく。 「『ハイエロファント・グリーン』ッ!」 とっさにスタンドで才人の身体をつかむ。何度か試して解ったことだが、このハイエロファント・グリーンは人間一人引き上げるのは、わけない程度の力がある。ぐっと力を込め、引き上げようと試みる。 「………!?」 コンセントの穴に、ピンセットを入れた時の様な感覚が全身を襲い、そのまま僕は意識を手放した。 夢だ。こんな事、僕は体験していない。だけどこれは『現実』であり、『既に起こったことだ』。何故か、僕はそう認識した。 『僕』は家族で、夏休みを利用してエジプトに来ている。そういえば、今年の夏休み、エジプトに旅行に行こうと言う話が出ていたのを思い出した。 これはひょっとして未来のことか? それとも平行世界? そんなファンタジックでメルヘンな事を考えつつも、僕は劇を生で見るように、その記憶をたどっていく。 DIOと名乗る吸血鬼に友達になろうと言われ、DIOの存在感に負けて、精神的に屈したこと。 真に仲間と呼べる人たちに会ったこと。 承太郎と言う男に、助けてもらったこと。 ポルナレフと名乗る男と共に、彼の妹の敵を討ったこと。 アブドゥルという占い師に、承太郎の母についてのコメントをスルーされたこと。 犬…イギーが助っ人としてつれてこられ、それが頼りになるのかと、疑念を抱いたこと。 恐怖を乗り越え、ジョースターと呼ばれる老人と共に、DIOに挑んだこと。 そして…… 「マヌケが…… いいだろう……教えてやる。ザ・ワールドの真の能力は、正に世界を支配する能力であることをッ!!」 「メ…ッセージ…で…す… これが…せい…いっぱい…です。ジョースター……さん、受け取って…ください… 伝わって………ください……」 吸血鬼DIOの秘密を暴き、致命的な傷をおいつつも、最後にそれを伝えて死んだこと。 そこで、記憶は途切れた。そしてその記憶の歯車と、僕がガッシリとかみ合ったのを実感し、理解した。 これは『終わった世界』の僕の記憶だと云うことを。 そして今、自分はこの運命からはずれてしまったと云うことを。 次に僕が目を開いた時。そこには身に覚えのない、澄んだ青空が広がっていた。 ----

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