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&u(){&bold(){蒸留酒博物館~Lapoutroie}}
マニアック度★★★★☆
行きにくさ★★★★★
eau-de-vie オードヴィ
直訳すると「命の水」。
「水」とは言いながら、この単語が示すものは
正確には「水」ではありません。
けれどある意味「水」。
言い得て妙、というべきか・・・これは「蒸留酒」を指す言葉です。
アルザスの西に連なるvosge山脈は多くの果物が獲れることで知られており、昔からその果物を使って蒸留酒が作られています。アルザスワインに似た細い形の透明な瓶が目印で、お土産物屋などで様々な種類のeaux-de-vieを目にする機会もあるのではないかと思います。
そのeau-de-vieの博物館が、vosge山脈の麓から少し入ったところにひっそりこっそり建っています。
「博物館」とは言っても、あるeau-de-vieメーカー(おそらくは家族経営の)が個人的に運営しているものであって、大袈裟なものではありません。その内容は、蒸留酒の製造に使っていた古い道具や装置を並べつつ、趣味で集めた蒸留酒を展示しているというもの。広さは田舎のレストラン程度でしょう。
しかし、ここが面白いのは、ひと目見ただけで収集者の熱い情熱を感じる世界各国蒸留酒コレクションの数々と、それとは対照的な雰囲気を漂わせる蒸留酒製造道具との落差です。
後者は、系統的に並べられてはいるものの、所々解説が付いている程度で展示自体に気合が入っているようには見えません。解説はもちろんフランス語ですが、時折思い出したように併記されているのが、ドイツ語と何故かオランダ語。解説があっても日常生活では馴染みのない単語が混じっていたりするので、多かれ少なかれ予備知識と想像力を求められる内容となっています。
それらの間を縫うように置かれているガラスケースには世界各国の様々な蒸留酒のミニボトルが所狭しと展示され、奥の一角の壁面にはフルボトルが壁を覆い尽くさんばかりに整然と並べられています。特にミニボトルのコレクションはすさまじく、世界にはこんなにたくさんの蒸留酒があるのかと驚かされるほどです。
#image(館内.jpg)
ここに写っているガラスケースは、ミニボトルの展示ケースではありません
ついで言うと、フルボトルのコレクションもこれが全てではありません
通常、こういった展示はガラスケースの中とはいえ埃を被っている場合が多々あるもの。ですがここは違います。ケースに入っていないフルボトルのコレクションはさすがに埃も蜘蛛の巣も被っていますが、ガラスケースに飾られているミニボトルに限っては埃ひとつ被っていません。それも、館内にはぎっしり詰まった4段のガラスケースが5つも6つもあるというのに、です。
しかも、と言うか当然と言うべきか、ミニボトルはことごとく未開封のまま。それだけの数がありながら、同じ銘柄のボトルが目に付くなどということもありません。
コレクションの中にはサントリーオールドや響といった日本のお酒もあるので、沢山あるミニボトルを一つ一つを確認していく作業は、さながら宝探しをしているような気分にさせてくれます。
ミニボトルコレクションに蒸留酒への愛情を感じながら足を進めていくと、またもや情熱を感じるスペースに出くわします。それは、南仏の有名な蒸留酒Pastisに関するガラスケース。RICARDや51,DUVALといった有名メーカーの販促グッズを、ガラスケース丸ごと一つ割いて展示する熱の入れよう。Pastis以外でそんな特別展示はありません。もちろんここも埃は被っていません。ここはeaux-de-vieの博物館ではないのか!と思わずつっこみたくなること請け合い。
趣味と蒸留酒への愛情を感じる展示スペースを抜けると、そこは試飲販売のスペース。この博物館を運営しているRene de Miscault(René de Miscault)というメーカの製品がずらりと並んでおり、全て試飲することが可能となっています。
Rene de Miscaultが作っているのは、eau-de-vieだけではありません。他にもリキュール、creme de fruit、アルザスワイン、アルマニャックなどなど様々なお酒があります。新しい製品の製造にもチャレンジしているらしく、オーソドックスなものだけでなく目新しい製品も並んでいます。
そのうちの一つ。色が美しい松のliqueurと青いPastis。
#image(新製品.jpg)
Pastis販促グッズのケースを見て「ココの人、絶対Pastisが好きだよ!」と思いながら販売スペースに足を踏み込むと、青いPastisが棚に鎮座しているので結構笑えます。
青いPastisは通常とは違う作り方をしていて、普通のPastisよりまろやかなのだそうです。試飲した方も「確かにまろやかだ」と証言しておりました(作り方を聞いたのですが、後で調べたら混乱してわからなくなった)。ただし、Pastis自体かなり癖のあるお酒ですし、水で割ると案の定毒々しい青になりますので、着色料に抵抗がないPastis好きの方へのお土産としては喜ばれるでしょうが、一般的な日本人に受ける土産物にはなりません。
少し山の方へ入りますが、蒸留酒を好んで飲まれる方なら、少なくともこのミニボトルコレクションは楽しめると思います。
おまけの一言
creme de fruitは、果物をアルコールに漬けてエキスを抽出したものに、砂糖を足して作ります。かなり甘いですが、蒸留をしないので、その分アルコール度数が低く、果物の香りや色が残っています。中でも白ワインで割るとキールkir、スパークリングワインで割るとキールロワイヤルkir royalになるクレーム・ド・カシスcreme de cassisが有名です。
試飲の際「どれか甘めのものを」とお願いする、とこのcreme de fruitが出てきます。eau-de-vieを基準にして「甘めのもの」を想像すると、痛い目に遭いますよ。
&u(){&bold(){Le musee des eaux-de-vie}}
85, rue du General Dufieux
68650 LAPOUTROIE
tel : 03 89 47 50 26
www.musee-eaux-de-vie.com
入場無料
OPEN
12/25以外年中無休
9:00~12:00,14:00~18:00
行き方
後で書きます
&u(){&bold(){蒸留酒博物館~Lapoutroie}}
マニアック度★★★★☆
行きにくさ★★★★★
eau-de-vie オードヴィ
直訳すると「命の水」。
「水」とは言いながら、この単語が示すものは
正確には「水」ではありません。
けれどある意味「水」。
言い得て妙、というべきか・・・これは「蒸留酒」を指す言葉です。
アルザスの西に連なるvosge山脈は多くの果物が獲れることで知られており、昔からその果物を使って蒸留酒が作られています。アルザスワインに似た細い形の透明な瓶が目印で、お土産物屋などで様々な種類のeaux-de-vieを目にする機会もあるのではないかと思います。
そのeau-de-vieの博物館が、vosge山脈の麓から少し入ったところにひっそりこっそり建っています。
「博物館」とは言っても、あるeau-de-vieメーカー(おそらくは家族経営の)が個人的に運営しているものであって、大袈裟なものではありません。その内容は、蒸留酒の製造に使っていた古い道具や装置を並べつつ、趣味で集めた蒸留酒を展示しているというもの。広さは田舎のレストラン程度でしょう。
しかし、ここが面白いのは、ひと目見ただけで収集者の熱い情熱を感じる世界各国蒸留酒コレクションの数々と、それとは対照的な雰囲気を漂わせる蒸留酒製造道具との落差です。
後者は、系統的に並べられてはいるものの、所々解説が付いている程度で展示自体に気合が入っているようには見えません。解説はもちろんフランス語ですが、時折思い出したように併記されているのが、ドイツ語と何故かオランダ語。解説があっても日常生活では馴染みのない単語が混じっていたりするので、多かれ少なかれ予備知識と想像力を求められる内容となっています。
それらの間を縫うように置かれているガラスケースには世界各国の様々な蒸留酒のミニボトルが所狭しと展示され、奥の一角の壁面にはフルボトルが壁を覆い尽くさんばかりに整然と並べられています。特にミニボトルのコレクションはすさまじく、世界にはこんなにたくさんの蒸留酒があるのかと驚かされるほどです。
#image(館内.jpg)
ここに写っているガラスケースは、ミニボトルの展示ケースではありません
ついで言うと、フルボトルのコレクションもこれが全てではありません
通常、こういった展示はガラスケースの中とはいえ埃を被っている場合が多々あるもの。ですがここは違います。ケースに入っていないフルボトルのコレクションはさすがに埃も蜘蛛の巣も被っていますが、ガラスケースに飾られているミニボトルに限っては埃ひとつ被っていません。それも、館内にはぎっしり詰まった4段のガラスケースが5つも6つもあるというのに、です。
しかも、と言うか当然と言うべきか、ミニボトルはことごとく未開封のまま。それだけの数がありながら、同じ銘柄のボトルが目に付くなどということもありません。
コレクションの中にはサントリーオールドや響といった日本のお酒もあるので、沢山あるミニボトルを一つ一つを確認していく作業は、さながら宝探しをしているような気分にさせてくれます。
ミニボトルコレクションに蒸留酒への愛情を感じながら足を進めていくと、またもや情熱を感じるスペースに出くわします。それは、南仏の有名な蒸留酒Pastisに関するガラスケース。RICARDや51,DUVALといった有名メーカーの販促グッズを、ガラスケース丸ごと一つ割いて展示する熱の入れよう。Pastis以外でそんな特別展示はありません。もちろんここも埃は被っていません。ここはeaux-de-vieの博物館ではないのか!と思わずつっこみたくなること請け合い。
趣味と蒸留酒への愛情を感じる展示スペースを抜けると、そこは試飲販売のスペース。この博物館を運営しているRene de Miscault(René de Miscault)というメーカの製品がずらりと並んでおり、全て試飲することが可能となっています。
Rene de Miscaultが作っているのは、eau-de-vieだけではありません。他にもリキュール、creme de fruit、アルザスワイン、アルマニャックなどなど様々なお酒があります。新しい製品の製造にもチャレンジしているらしく、オーソドックスなものだけでなく目新しい製品も並んでいます。
そのうちの一つ。色が美しいもみの木のliqueurと青いPastis。
#image(新製品.jpg)
Pastis販促グッズのケースを見て「ココの人、絶対Pastisが好きだよ!」と思いながら販売スペースに足を踏み込むと、青いPastisが棚に鎮座しているので結構笑えます。
青いPastisは通常とは違う作り方をしていて、普通のPastisよりまろやかなのだそうです。試飲した方も「確かにまろやかだ」と証言しておりました(作り方を聞いたのですが、後で調べたら混乱してわからなくなった)。ただし、Pastis自体かなり癖のあるお酒ですし、水で割ると案の定毒々しい青になりますので、着色料に抵抗がないPastis好きの方へのお土産としては喜ばれるでしょうが、一般的な日本人に受ける土産物にはなりません。
少し山の方へ入りますが、蒸留酒を好んで飲まれる方なら、少なくともこのミニボトルコレクションは楽しめると思います。
&u(){おまけの一言}
creme de fruitは、果物をアルコールに漬けてエキスを抽出したものに、砂糖を足して作ります。かなり甘いですが、蒸留をしないので、その分アルコール度数が低く、果物の香りや色が残っています。中でも、白ワインで割るとキールkirに、スパークリングワインで割るとキールロワイヤルkir royalになるクレーム・ド・カシスcreme de cassisが有名です。
試飲の際「甘めのものを」とお願いすると、このcreme de fruitが出てきます。eau-de-vieを基準にして「甘めのもの」を想像すると、痛い目に遭いますよ。
&u(){&bold(){Le musee des eaux-de-vie}}
85, rue du General Dufieux
68650 LAPOUTROIE
tel : 03 89 47 50 26
www.musee-eaux-de-vie.com
入場無料
OPEN
12/25以外年中無休
9:00~12:00,14:00~18:00
行き方
後で書きます