「ドイツが作った対フランス要塞」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ドイツが作った対フランス要塞」(2008/01/06 (日) 21:40:52) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<p><u><strong>ドイツが作った第一次世界大戦頃の地下要塞~Mutzig</strong></u> <u><strong><img alt="" align="middle" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=alsace.jpg"></strong></u><br> <br> マニアック度★★★★★<br> <font color="#999999"><font size= "1">言葉がわからないと厳しいので、辛めに判定</font><br></font>行きにくさ★★★★★<br> <font color="#999999" size="2"><font size= "1">遠くないところに集落はあるけれど・・・</font><br></font><br> ストラスブールの西約30kmほどのMutzigというところに、ドイツ統治時代に作られた地下要塞があります。<br> <br> <br> <br> アルザスで近代の要塞といえばマジノ線ですが、ここはマジノ線とは一線を画するもの。マジノ線との違いを説明するならば、「マジノ線より古い時代のもの」という一言に尽きます。<br> <br> <br> 何しろこの要塞が作られたのは20世紀初頭のこと。普仏戦争でナポレオン三世が破れ、アルザスロレーヌ地方<font color="#999999" size= "1">(と言われるけれど、実際はアルザス全域に当たるBas-Rhin/Haut-Rhin両県とロレーヌ地方の現Moseille県のみ)</font>がドイツへ割譲された後~第一次世界大戦開戦の頃になります。1936年に竣工したマジノ線から少なくとも20年は遡るという年代モノ。なお、この場所に造られた理由は、Bas-Rhin県の県都ストラスブールとMoseille県県都であるメッスに作られた要塞の、射程を補う意味だったそうです。<br> <br> <img height="151" alt="" width="200" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E7%A0%B2%E5%8F%B0.JPG"><br> <br> <br> 古いが故に、というよりはむしろ「その後一度戦争が起こったため」と言うべきか、当時要塞内で実際に使用されたものは残念ながらほとんど残っていません。あるのは、運び出すことが難しかったと思われるもの・・・発電機やパン焼き釜、調理用の大鍋といった大物ばかり。そのため、内部は閑散としています。<br> <br> そして、展示物の少なさを説明で補う形になるために、ガイドの解説が必然的に長くなります。よって、解説(ドイツ語かフランス語)がわからなければ、かなり辛い2時間半が待ち受けることになります。<br> <br> <br> しかもですね、仮に言葉がわかったとしても、日常会話では到底使わないような単語が出てくるという落とし穴があるんです(大砲、将校、トーチカ、等々)。従って、ガイドツアーの言葉が多少理解出来るだけでなく、戦争モノに興味があって予備知識がある人でないと、面白いと感じないかもしれません。<br> <br> <img alt="" width="150" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%A4%A7%E7%A0%B2.JPG"><br> <br> 逆に、このあたりをクリア出来るなら(戦争モノに詳しい人か、言葉がきっちりわかる人、或いはそういった方が同行する場合)、例え戦争モノに特別興味を抱いていなくても、比較的馴染みの薄い第一次世界大戦頃の「時代」を感じ取れて面白いと思います。<br> <br> <br> Muzigは第一次世界大戦時に使われた要塞ですが、戦争に興味の無い人間なら「何故第二次世界大戦で使わなかったのか?」という素朴な疑問が浮かぶと思います。<br> <br> 理由はおそらく、「防衛方向が違ったから」と「古かったから」。<br> <br> 防衛方向については、第二次世界大戦開戦時にフランス領だったアルザスにおいて、ドイツ領時代に作られた要塞に存在の重要性が見出せないことは地図から容易に想像出来ます。ストラスブールに防衛拠点があれば、そっちで事足りますし。<br> <br> そして、古いというのは老朽化という意味ではありません。この頃は近代化が飛躍的に進んだ時期で、第二次世界大戦が戦車などの重火器の時代であったのに対して、第一次世界大戦は馬や銃剣を使った時代。その時代の古さが、数少ない展示物から見て取れるのです。<br> <br> たとえばこれ。<br> 要塞周辺を偵察するためのものです。<br> <img alt="" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%81%B5%E5%AF%9F%E7%94%A8.JPG"><br> さすが1910年代の代物だけあって、原理は非常に原始的。<br> これに兵士を乗せて、あらかじめ架設された全長8kmほどのレールの上をトロッコよろしく走らせるというものです。カプセル内には舵やブレーキどころか駆動動力すらありません。そして、身を守る為の銃器も。機関銃などで打ち落とされる恐れのない時代だからこその代物なんでしょうね。<br> <br> 或いはこれ。<br> 右は将校の軍服です。正面から頭に思いっきり剣を振り下ろされると致命傷になるというので、それを妨げるためにヘルメット(?)の頭頂部に突起が設けられています。騎馬・銃剣の時代ならではの代物と言えます。<br> <img height="272" alt="" width="200" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%9B%BD%E5%90%8D%E6%A8%99.JPG"><br> <font color= "#999999">(中央は、ドイツ統治時代に独仏国境に掲げられていた国名標です。ドイツの国名標は、「永久にここが国境である」という意味で鉄製のきちんとしたものを、対するフランスは「ここは暫定国境、いずれ返してもらう」という意思表示から、木製のちゃちな代物を置いたそうです。写真には収めませんでしたが、この左側にちゃちな木製国名標が置かれています。そして、フランスの思惑通り第一次世界大戦終結後にこの地を取り戻す訳ですが)</font><br> <br> <br> ここは、保塁(砲台)がなければ「100年前に軍隊が展開していた物騒な土地だった」などとは気付かないほど、緑に囲まれたのどかな高台にあります。ここに興味がある方は、マジノ線と併せて見学することをお勧めします。<br> <br> <br> <br> あんまり関係ないと思いますが、チケットを売っているところに「危険だから、施設内に250人以上の人間を入れちゃダメ」という国防省の通達が貼られていました。<br> <br> <u>おまけの一言</u><br> 地下要塞内は気温が14度前後となっています。<br> 特に真夏の見学時には羽織るものを忘れずに。<br> <br> <strong><u>Fort de Mutzig<br></u></strong>18, bld Clemenceau<br> 67180 Mutzig<br> tel: 06 08 84 17 42<br> <br> <a href="http://www.fort-mutzig.eu">www.fort-mutzig.eu</a> 英仏独<br> <br> ドイツ語での予約・問い合わせは<br> Zeppelinstrasse 23<br> 76709 Kronau<br> tel: 07253/31393<br> <br> <strong>OPEN</strong><br> ドイツ語とフランス語のガイドツアーのみ。<br> 所要時間2時間半。</p> <table style="width: 348px; height: 102px" cellspacing="1" cellpadding="1" width="348" border="1"> <tbody> <tr> <td> </td> <td> <p align="center"><font size="2">4/1~10/31<br> (右記期間を除く)</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">7/1~9/15</font></p> </td> </tr> <tr> <td> <p align="center"><font size="2">仏語</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">14:00,15:00,16:00<br> (土日のみ)</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">10:00,14:00,15:00,16:00<br> (無休)</font></p> </td> </tr> <tr> <td> <p align="center"><font size="2">独語</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">13:30,14:30(土日のみ)</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">10:30,13:30,14:30(無休)</font></p> </td> </tr> </tbody> </table> <p>グループは、ツアー出発時間に制限なし(要予約)<br> <br> <strong>行き方<br></strong>詳細は後で書きます<br> <img alt="" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%85%A5%E3%82%8A%E5%8F%A3.JPG"><br> <u>車</u><br> 正確にはMutzigの隣町Dinsheimからアクセスします。<br> <br> <u>公共交通機関</u><br> 多分無理</p>
<p><u><strong>ドイツが作った第一次世界大戦頃の地下要塞~Mutzig</strong></u> <u><strong><img alt="" align="middle" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=alsace.jpg"></strong></u><br> <br> マニアック度★★★★★<br> <font color="#999999"><font size= "1">言葉がわからないと厳しいので、辛めに判定</font><br></font>行きにくさ★★★★★<br> <font color="#999999" size="2"><font size= "1">遠くないところに集落はあるけれど・・・</font><br></font><br> ストラスブールの西約30kmほどのMutzigというところに、ドイツ統治時代に作られた地下要塞があります。<br> <br> <br> <br> アルザスで近代の要塞といえばマジノ線ですが、ここはマジノ線とは一線を画するもの。マジノ線との違いを説明するならば、「マジノ線より古い時代のもの」という一言に尽きます。<br> <br> <br> 何しろこの要塞が作られたのは20世紀初頭のこと。普仏戦争でナポレオン三世が破れ、アルザスロレーヌ地方<font color="#999999" size= "1">(と言われるけれど、実際はアルザス全域に当たるBas-Rhin/Haut-Rhin両県とロレーヌ地方の現Moseille県のみ)</font>がドイツへ割譲された後~第一次世界大戦開戦の頃になります。1936年に竣工したマジノ線から少なくとも20年は遡るという年代モノ。なお、この場所に造られた理由は、Bas-Rhin県の県都ストラスブールとMoseille県県都であるメッスに作られた要塞の、射程を補う意味だったそうです。<br> <br> <img height="151" alt="" width="200" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E7%A0%B2%E5%8F%B0.JPG"><br> <br> <br> 古いが故に、というよりはむしろ「その後一度戦争が起こったため」と言うべきか、当時要塞内で実際に使用されたものは残念ながらほとんど残っていません。あるのは、運び出すことが難しかったと思われるもの・・・発電機やパン焼き釜、調理用の大鍋といった大物ばかり。そのため、内部は閑散としています。<br> <br> そして、展示物の少なさを説明で補う形になるために、ガイドの解説が必然的に長くなります。よって、解説(ドイツ語かフランス語)がわからなければ、かなり辛い2時間半が待ち受けることになります。<br> <br> <br> しかもですね、仮に言葉がわかったとしても、日常会話では到底使わないような単語が出てくるという落とし穴があるんです(大砲、将校、トーチカ、等々)。従って、ガイドツアーの言葉が多少理解出来るだけでなく、戦争モノに興味があって予備知識がある人でないと、面白いと感じないかもしれません。<br> <br> <img alt="" width="150" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%A4%A7%E7%A0%B2.JPG"><br> <br> 逆に、このあたりをクリア出来るなら(戦争モノに詳しい人か、言葉がきっちりわかる人、或いはそういった方が同行して解説してくれる場合)、例え戦争モノに特別興味を抱いていなくても、比較的馴染みの薄い第一次世界大戦頃の「時代」を感じ取れて面白いと思います。<br> <br> <br> Muzigは第一次世界大戦時に使われた要塞ですが、戦争に興味の無い人間なら「何故第二次世界大戦で使わなかったのか?」という素朴な疑問が浮かぶと思います。<br> <br> 理由はおそらく、「防衛方向が違ったから」と「古かったから」。<br> <br> 防衛方向については、第二次世界大戦開戦時にフランス領だったアルザスにおいて、ドイツ領時代に作られた要塞に存在の重要性が見出せないことは地図から容易に想像出来ます。ストラスブールに防衛拠点があれば、そっちで事足りますし。<br> <br> そして、古いというのは老朽化という意味ではありません。この頃は近代化が飛躍的に進んだ時期で、第二次世界大戦が戦車などの重火器の時代であったのに対して、第一次世界大戦は馬や銃剣を使った時代。その時代の古さが、数少ない展示物から見て取れるのです。<br> <br> たとえばこれ。<br> 要塞周辺を偵察するためのものです。<br> <img alt="" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%81%B5%E5%AF%9F%E7%94%A8.JPG"><br> さすが1910年代の代物だけあって、原理は非常に原始的。<br> これに兵士を乗せて、あらかじめ架設された全長8kmほどのレールの上をトロッコよろしく走らせるというものです。カプセル内には舵やブレーキどころか駆動動力すらありません。そして、身を守る為の銃器も。機関銃などで打ち落とされる恐れのない時代だからこその代物なんでしょうね。<br> <br> 或いはこれ。<br> 右は将校の軍服です。正面から頭に思いっきり剣を振り下ろされると致命傷になるというので、それを妨げるためにヘルメット(?)の頭頂部に突起が設けられています。騎馬・銃剣の時代ならではの代物と言えます。<br> <img height="272" alt="" width="200" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%9B%BD%E5%90%8D%E6%A8%99.JPG"><br> <font color= "#999999">(中央は、ドイツ統治時代に独仏国境に掲げられていた国名標です。ドイツの国名標は、「永久にここが国境である」という意味で鉄製のきちんとしたものを、対するフランスは「ここは暫定国境、いずれ返してもらう」という意思表示から、木製のちゃちな代物を置いたそうです。写真には収めませんでしたが、この左側にちゃちな木製国名標が置かれています。そして、フランスの思惑通り第一次世界大戦終結後にこの地を取り戻す訳ですが)</font><br> <br> <br> ここは、保塁(砲台)がなければ「100年前に軍隊が展開していた物騒な土地だった」などとは気付かないほど、緑に囲まれたのどかな高台にあります。ここに興味がある方は、マジノ線と併せて見学することをお勧めします。<br> <br> <br> <br> あんまり関係ないと思いますが、チケットを売っているところに「危険だから、施設内に250人以上の人間を入れちゃダメ」という国防省の通達が貼られていました。<br> <br> <u>おまけの一言</u><br> 地下要塞内は気温が14度前後となっています。<br> 特に真夏の見学時には羽織るものを忘れずに。<br> <br> <strong><u>Fort de Mutzig<br></u></strong>18, bld Clemenceau<br> 67180 Mutzig<br> tel: 06 08 84 17 42<br> <br> <a href="http://www.fort-mutzig.eu">www.fort-mutzig.eu</a> 英仏独<br> <br> ドイツ語での予約・問い合わせは<br> Zeppelinstrasse 23<br> 76709 Kronau<br> tel: 07253/31393<br> <br> <strong>OPEN</strong><br> ドイツ語とフランス語のガイドツアーのみ。<br> 所要時間2時間半。</p> <table style="width: 348px; height: 102px" cellspacing="1" cellpadding="1" width="348" border="1"> <tbody> <tr> <td> </td> <td> <p align="center"><font size="2">4/1~10/31<br> (右記期間を除く)</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">7/1~9/15</font></p> </td> </tr> <tr> <td> <p align="center"><font size="2">仏語</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">14:00,15:00,16:00<br> (土日のみ)</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">10:00,14:00,15:00,16:00<br> (無休)</font></p> </td> </tr> <tr> <td> <p align="center"><font size="2">独語</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">13:30,14:30(土日のみ)</font></p> </td> <td> <p align="center"><font size="2">10:30,13:30,14:30(無休)</font></p> </td> </tr> </tbody> </table> <p>グループは、ツアー出発時間に制限なし(要予約)<br> <br> <strong>行き方<br></strong>詳細は後で書きます<br> <img alt="" src= "http://www22.atwiki.jp/enalsace?cmd=upload&amp;act=open&amp;pageid=13&amp;file=%E5%85%A5%E3%82%8A%E5%8F%A3.JPG"><br> <u>車</u><br> 正確にはMutzigの隣町Dinsheimからアクセスします。<br> <br> <u>公共交通機関</u><br> 多分無理</p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: