私は横幅がかなり広い石階段を登っていた。
上も下も暗闇の先に消えてて終りが見えない。空は暗い紫色だった。
(ああ、ここは白玉楼なんだなぁ)とぼんやりと思考。声は一切出せなかった。
上も下も暗闇の先に消えてて終りが見えない。空は暗い紫色だった。
(ああ、ここは白玉楼なんだなぁ)とぼんやりと思考。声は一切出せなかった。
突然、かなり離れた背後の階段下から男の子の声に呼び止められる。言葉は聞き取れなかった。
振り向くと、緑の小袖を着て額に黒いハチマキをした白髪の少年が居た。
こちらを睨みながら長刀を突きつけている。不法侵入者に対して、怒っている様子。
振り向くと、緑の小袖を着て額に黒いハチマキをした白髪の少年が居た。
こちらを睨みながら長刀を突きつけている。不法侵入者に対して、怒っている様子。
声が出せず、弁明もできないので、私は階段の先へ登って逃げようとした。
すると、先程までは誰も居なかった前方の階段に、緑のベストを着た白髪の女の子が立っていた。
頭には見覚えのある黒いキクラゲみたいなリボン。
小太刀の鞘を両手で胸に抱き抱え、こちらをじっと見つめている。大人しそうな子だ。
すると、先程までは誰も居なかった前方の階段に、緑のベストを着た白髪の女の子が立っていた。
頭には見覚えのある黒いキクラゲみたいなリボン。
小太刀の鞘を両手で胸に抱き抱え、こちらをじっと見つめている。大人しそうな子だ。
背後から男の子が飛行して迫って来ている。
先へ進んで逃げたいのだが女の子は通してくれない。
先へ進んで逃げたいのだが女の子は通してくれない。
「…迷っているんですか?」
ボソリ、とその子は小さな声を口にした。
(え?)
意味がわからない。というか、早くそこをどいてください。
ボソリ、とその子は小さな声を口にした。
(え?)
意味がわからない。というか、早くそこをどいてください。
「…迷っているんですね?」
女の子は再び聞いてきた。 ああヤバイよ、長刀を振り上げた男の子がもうすぐ背後に。
私が焦っていると、スラリ、と女の子が鞘から小太刀を抜いてもろてで握って構えた。
なんか言葉を私に掛けていたが、よく聞こえなかった。
確か、可哀相…、とか、今迷いを断ってあげますからうんうぬん、とか言ってた気がする。
女の子は再び聞いてきた。 ああヤバイよ、長刀を振り上げた男の子がもうすぐ背後に。
私が焦っていると、スラリ、と女の子が鞘から小太刀を抜いてもろてで握って構えた。
なんか言葉を私に掛けていたが、よく聞こえなかった。
確か、可哀相…、とか、今迷いを断ってあげますからうんうぬん、とか言ってた気がする。
高熱で死に掛けていたのだが、起きると大分楽になっていたので書き込んでみる。