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秋森良樹編 第四話『ずっとそばにいてくれたキミ』(5)


 赤、青、黄、白、薄緑、水玉、ストライプ、バックプリント、総レース……。
 ローレグ、ハイレグ、すけすけ、ひも、お子様……。
 教室では色も素材もデザインも、取り取りのパンティたちがその姿を見え隠れさせていた。
「やぁ~、ユミったらそんなお子様ぱんつ~」
「いいでしょっ! 気に入ってるんだから」
「ねね、これどこで買ったの~? すごくセクシーじゃない。高かったでしょ?」
「ふふーん……なんと、駅前のお店でブラとセットでにぃきゅっぱだったのだ!!」
「あ、これトリンプの新作ショーツだ。レースがキレイ~」
「薄いねぇ、これ。ワレメちゃん、くっきりだよ」
「ひもなんてやーらしぃー。解いちゃえ解いちゃえ」
「そういうあんたもTフロントじゃない。脱がせちゃうよ~?」
 クラスの女子たちは、互いのスカートをめくり合っては、はしゃいだ様子で
それぞれのパンティを評し合っている。中には自分でスカートをいっぱいまでたくし上げて、
屈み込んだ複数人に感想を聞いている者や、ストリッパーのごとく机に上がって、
体育すわりの大また開きや大きく傾いた横座りの体勢でパンチラをさせている者まで。
 神聖と言わているはずの学び舎は、女子によるパンティ品評会の会場と化していた。
 俺が登校した時には、この学校は『普通』だった。先輩に暴走気味の悪戯を仕掛けた後も
『普通』だった。そうなると地下で『タンマウォッチ』が壊れて、再度時間を止めるまでの間に
何かがあったんだろうが……いったい、なにがあったんだ?
「おお、良樹か。そんなところに突っ立ってどうした?」
 突然『あらかじめ日記』に書かれていた事が現実化した事に、入り口で硬直している俺を、
窓際で長い髪を風に遊ばせていた時人が見つける。
「いや、なんでも……」
 なんとか返事を返し、女子の手でめくられ続けるスカートの中身に視線を送りながら
いつもの集団に歩み寄る。……実質五分前にノした亮輔が何事もなく立っている事を
いささか不思議に思ったりしたが。


「良樹、知ってるか? 今日はあの『水沢琴美』のシングルがでるぞ」
「へぇ、あの『悲哀歌手』の?」
 アイドル関係に耳聡い長久の言葉に相槌を返す。ただしその視線は、俺の脇の机にうつぶせて、
お尻のワレメが覗く水色のスキャンティを評論してもらっている女子に注がれているが。
 長久は俺の目線の先をまったく気にしない様子で「そうそう」と頷く。他の男達も、
自分達の周りで起こっている桃源郷の光景に、一切興味を示していないようだった。
「水沢ってすげーよなぁ。最近のアイドルと違って、容姿じゃなく歌唱力で売ってるんだもん。
しかも中学生だよ?」
「ああ、信じられないよな」
 上の空で返事をしながら、Y字の食い込みをいじられているお尻から目を外す。
その隣の机には、立てた両膝を大きく開いた、俗に言う『M字開脚』をして
たくし上げた短いスカートを顎で抑え、股間を友達に見てもらっている女子がいた。谷本だ。
白レース編みでハイレグカットのヒモパンの脇から、真っ黒いちぢれ毛が幾本もはみ出している。
「やっぱりどうしてもはみ出しちゃうね~」
 ハミ毛の本人である谷本が、パンティから覗き出た陰毛をなんとか布の中に押し込めようとして
嘆息する。それを見ていた須崎が、はみ出ているそれを軽く引っ張った。
「薄いからって、普段処理をしないからよ。こんなカットの大きいのじゃ、
はみ出るに決まってるじゃない」
「だって、剃ると後が痛いしチクチクするし、抜くのはもっと痛いし……」
「線香で焼くのよ。それだと先が丸くなって後がちくちくしないの。知らないの?」
「やった事ない……火傷しそうで怖いし……」
「……ま、夏になっても、スクール水着だけでずっと通してたキョウコじゃ、無理ないか。
……けどね?」
 その友達は指先を、毛から股布に引っ掛けてそのまま脇にずらす。
ぴったりと閉じた割れ目がわずかに露出した。
「うわっ……」
「なんだ、良樹?」
「い、いや、なんでもねーよ」
 思わずあげた小さな悲鳴を誤魔化して、こっそり辺りをうかがう。



 俺たちぐらいの男なら、是が非でも拝み倒したい『観音様』を覆う神秘のベールが
わずかとは言え取り払われているのに、視線を向ける者はいない。
それも無理して目を逸らしている様子でもなく、それが当たり前の会話の一部として
捉えられているようだ。
「わっ、ユカ、そんな所恥ずかしいよ」
「これはないでしょ、こ・れ・は」
 谷本の非難を無視して、須崎は閉じられた淫裂と、奥にあるココア色のすぼまりとの間に生える
短い毛の束をつまむ。
「前はともかく、お尻までびっしり生えてるのはいただけないわよ?
無駄毛の処理は女の子の身嗜みなんだから、ちゃんとやりなさい」
「だって、誰にも見られない所だし……」
「『だって』じゃないの、このズボラ娘! 知っちゃった以上は放って置けないわ。
少し刈ってあげるから、ぱんつちょっと持ってなさい」
「ユカのお節介~。恥ずかしいよ~」
「毛をこんなにしてる方が女として恥ずかしいわよっ」
 そう言って、谷本に膣口もアヌスも丸見えになるほど股布を脇にズラせて固定させると、
須崎は露出した陰毛にソーイングセットの小さな鋏を当てていく。ジャキジャキと言う
ある意味心地よい音と共に、黒々としたアンダーヘアーが学生机の上に落ちていった。
「……て事なんだけど、良樹、聞いてるか?」
「あ、ああ……聞いてる聞いてる。で、次のアルバムがなんだって?」
「その次のアルバムのジャケットがさぁ……」
 『常識的に』、あまりにありえないその様子に思考が停止してしまった。不審げな長久たちを
何とか誤魔化して、女子更衣室でもありえなさそうなその光景に、『日記』に書き付けた
ある文章が思い浮かぶ。

『今日学校に行ったら、全学年の女子一同が男子の視線も気にならない様子で
挨拶代わりにスカートめくりを行っていた。男子達はなぜかそれが当たり前の光景と考えていて
どんないやらしい下着や状況が出てきても、興奮したりする事がなかった』



 いまさら改めて確認するまでもないが、間違いなく俺が『あらかじめ日記』に書いた序文が
そのまま実行されていた。時間指定の部分にタイムラグがあったり、
なにをどうしたらこんな情景が実行されてしまうのかは理解できないが……。
少なくとも地下室で確認した通り、『あらかじめ日記』は壊れてはおらず、
これ以降に書き込んだ文章も全て行われる事が分かった。それはすなわち、明日の分に書いてある

『昨日あった常識はずれの事は、俺を除いた全員が全て忘れていた。
それとなく昨日の事を尋ねても、はぐらかす様子も無く、『普段の日常の事』として
かけらも覚えていないようだった』

……も実行される。つまり、今日一日はやりたい放題なんでも出来るって事だ!
 まぁ、ナニをやってもOKと言っても、そうそう無茶はするつもりは無い。
元々、今回は『秘密道具はどこまで都合よく使えるか?』っていう実験だし、
『タンマウォッチ』の前例を考えれば、故障しやすい道具に頼りきって何かあった時、
誤魔化しが利かない恐怖もあるからな。
 なにより、明日になれば『全て無かった事』になるとは言え、俺の無茶に付き合わせて
一時でも泣く女なんて見たくない。同じエロい事するなら、お互いに被害なく、
気持ちよくいられるのが一番だ。
「……はい、綺麗になったわよ」
 須崎がはさみについた毛をティッシュでぬぐうと、谷本はふっくらとした頬を困り顔にした。
「も~、前までつるつるにする事ないじゃない~。全部見えちゃってるよ~」
 谷本の言う通り、アリの門渡りからアヌス周辺に生えていたちょろ毛だけではなく、
薄いが丘全体を覆っていた叢が軒並み刈り取られている。カミソリで剃ったわけではないため、
残っている根元と産毛状の下生えが、さわやかな朝日にきらめいた。
 当然、包皮に包まれた肉真珠と極小さなヒダの集まりも、隠す所なく露出している。
秘部に刃物を当てられた緊張からか、そこは汗をかいたように湿っているのが分かった。
 谷本は刈り取られた叢痕を指先でなでる。
「ちくちくする……パンツはいたら、きっとむずがゆいよ」
「じゃ、今日一日ノーパンでいたら? こすれる物がなきゃ痒くないでしょ」


 ため息をついた谷本に、須崎は『普通なら』ありえない提案をする。谷本は
顎で押さえていたスカートを落として、困ったような笑いを浮かべた。
「え~、恥ずかしいよ……」
「でも穿いてたら痒くてイヤって言うんなら、そうするしかないじゃない。
ま、責任とって私もノーパンでいてあげるからさ」
 言うが早いか、須崎は自分のスカートに手を突っ込むと、ためらいなくパンティを抜き取り
指先でくるくるとまわして微笑んだ。水色の横縞だ。
「うーん……それならいっか」
 谷本も激しく間違った納得をして、スカートに手を入れる。両サイドのヒモを解いて、
オムツの様に広がったパンティをそのまま前に引き取った。
都合、大また開きになったその中心で、小さなバラと菊花が華芯を小さく開いていたのが見えて、
俺は生唾を飲みこんだ。
「そうそう、赤信号、みんなで渡ればなんとやらって……あ」
 須崎の指から、振り回されていたストライプパンティが外れる。遠心力の掛かったパンティは、
なんの偶然か俺の顔目掛けて飛んできた。
「うおっ……」
 ぱふっ、という軽い音と共に顔面に命中したパンティを、とっさに嗅いでしまう。
すぐに落ちて手の中に収まったが、わずかに染み付いたチーズ臭が鼻の奥に残った。
「あ、ごめんね秋森くん。パンツぶつけちゃって」
 落とした小銭を拾ってもらった程度の気安さで、須崎は俺の手からパンティを持っていく。
本当なら相当恥ずかしいはずの『脱ぎたてパンティを男の顔にぶつけた』という事実ですら、
今はその程度の反応で済ませられる事らしい。
「……い、いや、別に気にするな」
 俺もそっけなく返そうとして、うっかりどもってしまう。
『当たり前の事』のはずなのにおかしな反応をしてしまったと、彼女の顔色をうかがったが、
須崎は特に奇妙だと思った様子もなく谷本の所に戻っていった。
「おっ、なんだ良樹、どもっちゃって? お前須崎に気があんの?」
「ちげーよ。喉につばが引っかかっただけだ」
 ニタニタと笑う亮輔に、呆れ顔を返してやる。こいつのからかい癖は、
なんど痛い目にあっても直らないようだ。


「んで、どんな話してたんだっけか?」
 『普段通り』を装って話を止めていた長久に尋ねる。同時に、机の上に立てた通学鞄に
もたれるようにして、ふくらみが目立ち始めた股間を隠す。念のため、
腰を机のヘリに押しつけて横からも分かりにくくした。制服の上着もあるし、
これで大丈夫だろう。
「水沢のコンサートの事さ。再来月、こっちのホールでやるって言うから、
今バイト探してる真っ最中なんだ」
 小遣い少ないからチケット買えないんだ、いいバイトない?と苦笑する長久に
考える振りをして、二人のノーパン少女組をこっそり伺う。
「今日さ、グリーンクリスマス寄ってかない? 新しいメニューが増えたらしいよ」
 ムダ毛処理の終わった谷本は机から降り、椅子に腰掛けている。時折、
もじもじと太ももをすり合わせるような仕草をするのは、
スカートにでも切り残しが当たってくすぐったいのだろうか?
「ほんと~? あそこのスイーツって美味しいのよね。なにが増えたの?」
 一方、須崎は同じ机に肘をついて、ノーパンのお尻をこちらに突き出す、
非常に無防備な姿勢だ。
「えっとね……」
 二人が会話に集中しているのをいい事に、突き出されたお尻の稜線を眺める。
下に何もつけていないせいか、真中、お尻の割れ目にそってセーラーのスカートに
柔らかそうな溝が刻まれていた。
 俺はその形を確かめるように視線を下げていく。
「うぉ……」
 漏れかけた感嘆を、喉の奥でなんとか押し留める。その反動か、顔が熱くなった。
 溝の終点、布地の終わった所から、薄めの下生えに包まれた肉の突起と、
お尻の割れ目に続くような一本の筋が、ちらりと顔を覗かせていた。
 ちょっと待て! いくらなんでもスカートが短すぎないか!?
「……」
 予想外のチラリズムで、急激に存在を主張しだすムスコを強く机に押し付ける。
正直かなり痛いが、こんな一目の多い所で勃起しているところなんて見せられない。


「……ところで良樹。お前さっきからどこを見ているんだ? てんで上の空のようだが」
 ほとんど会話に加わらない俺を訝しんだのか、時人が周囲を見渡す。
「……特に、面白い物は見当たらないようだが」
 時人の目には、間違いなくすぐそこにある須崎や教室中の痴態が映っているはずなのだが、
やはり認識できていない。
 ……改めてすげーな、『あらかじめ日記』って。
「ほんと、どうしたんだ、良樹。ずっとぼんやりしっぱなしで」
 長久も不審げに問い掛けてくる。
 関心している場合じゃなかったな。時人たちにとって
『当たり前の光景』に気を取られていた、なんて言うわけにもいかないし。
「ごほん」
 俺はわざとらしく咳をする。
「いや~、夕べ少し寝苦しくってさ、窓開けて寝たんだ。
そうしたら風邪引いちまったらしくて……」
 ナハハハ、と大げさに苦笑いをしてみせる。とっさの言い訳としては上等だろう。
「なんか顔赤いもんな。熱あんのか?」
 ほら、思った通りに勘違いしてくれた亮輔が乗ってきた。親友たちをだます事に
ちょっと良心が痛んだが、今はこっちの方が好都合だ。
「……あー、どうだろ? 計ってくんの忘れたから」
「無理はしない方がいいよ。季節の変わり目なんだし。俺も学校に来た時、頭痛がしたしな」
「俺もだ。どうにも調子が悪くなったら俺の所にこい。某テニス漫画を参考に作った、
健康ドリンクの試飲を頼みたいからな」
 長久と時人の気遣う言葉が、痛みを加速させる。おかげで肥大化した一物は鎮まってくれたが、
個人的にひどく居心地が悪い。
「時人、その健康ドリンクって、マンガで滅茶苦茶不味いって評判のあれか?」
 それから意識をそらすため、気になった事を尋ねてみる。時人は大きく頷いた。
「ああ。なんどやってもまともな味になってしまってな、原作のあの味を出すのに苦労したぞ」
「……そんなのに苦労してんじゃねぇよ……」
「ふっ、オタクたるもの、自分の手で再現できそうな物は再現してみる物なのだよ」
 自慢げに胸を逸らす時人に、すこしだけ頭痛を覚えた。



 教室中で咲き乱れる女子一同の痴態から、「今日はいつでも見れるから」と意識を逸らして、
時人たちとの会話に集中した。
 俺たちのすぐ傍で行われたスカートめくりや、下着の投げ合いなどには
流石に目を向けてしまったが、それ以外では過敏になった一物を反応させずにすんだ。
押し付けて隠すのも、痛くてしかたがないからな。
 適当に時間を止めてスッキリしようかと思ったが、この後に考えている悪戯の事もあり、
我慢する事にした。……刺激されっぱなしで、少々辛いのが正直な所なんだけど。
「みんなー、もうチャイム鳴るわよ。席について」
 がらり、と戸を開けて姉さんこと、我らが女教師船田真里菜が入ってくる。
自席に戻るクラスメートに混じって俺も席に着くと、今日の姉さんの姿を観察した。
 今日の姉さんの服装は、クリームイエローのスーツにタイトスカート。
いつもはいているスカートよりも多少丈が短いようだ。
 足は濃い黒のストッキングに包まれて、そこから透けている肌がやたら艶っぽくみえる。
 いや、足だけじゃなく、姉さんの全身から放たれる雰囲気自体が、なにか艶っぽい。
 アップにまとめられた髪も、白いうなじも、スーツの前をゆったりと持ち上げる胸も
いつもどおりのはずなのに、ほんの数日前までは感じなかった色艶が溢れているようだった。
 ――数日前。それは姉さんを抱いた日だ。姉さんの恥ずかしそうな顔も、柔らかな唇も、
重ねた肌の温もりも、甘いよがり声も、俺の童貞を飲み込んだ蜜壷の具合も、
何一つ欠ける事無く鮮明に思い出させる。
 だからか? お堅い感じがするくせに姉さんの柔和な雰囲気を消しきれていない、
女教師然とした格好に、やたらと色気を覚えてしまうのは。
「……」
 少し腰を引いて、思い出し勃ちした一物を目立たないようにすると、
姉さんから視線を逸らす。このまま見つめていたら、理性が飛びかねなかった。
「せーんせ、えい♪」
「きゃっ!」
 直後、姉さんの悲鳴が上がる。
 視線を急いで戻すと一人の女生徒が背後から、
姉さんのスカートを思いっきりたくし上げていた。俺の目は、露出した黒い下着に釘付けになる。


「わぁ、ガーターベルトだぁ。いろっぽ~い」
「ちょっと、春野さん。いきなりびっくりさせないでよ」
 困ったような姉さんの声を遠くに聞き、頭の中が真っ白になりながら生唾を飲み込む。
 ガーターベルト自体は、ネットのエロ画像なんかでよく知っている。
だから見慣れているはずの光景に、ここまで衝撃を受けるとは思わなかった。
 オーバーニーの黒いストッキングと、それを支える腰からのサスペンダーが作るU字の空間。
黒い布地と白い地肌のコントラストが恐ろしくまぶしい。
「どこで買ったんですか?」
「インターネットの通販よ。インポート物で良い物を扱ってる所を見つけたの」
 視界をそこに限定し、さらにその中心へと誘導するような作りの真中には、
無地の黒いパンティが控えていた。急角度で切れ上がるパンティは極薄で、
二重織になっている股布以外は完全にシースルー。丁寧に刈り込まれた陰毛と、
わずかに薄い布地を押し上げている雛尖のふくらみまで見えるようだ。腰のゴムの下、
まるで覗き窓のように開いた逆三角形の切り込みが、
見た目以上に姉さんの大事な所を覆う布地が少ないように錯覚させる。
「わぁ、いいなぁ……私にも教えて~」
「いいけど、そろそろ下ろしてくれない? 流石にめくられっぱなしじゃ恥ずかしいわ」
「はぁい」
 突然視界を黄色い布地で遮られた事で、俺は我に帰った。
春野が、めくりあげたスカートを元に戻したのだ。その部分以外が見えなくなるほど、
俺は集中していたらしい。
 慌てて教室を見回すが、当然の事ながら今の光景を気に止めている男子はいなかった。
むしろ、女子の方が興味津々で姉さんを見ている。
「みんなおはよう。ちょっと早いけどホームルーム始めるわよ」
 姉さんも、今の事を当たり前と気にもとめずに教壇に立つ。その姿は、
俺の腕の中でよがっていた事を想像もさせないくらいに穏やかで、暖かくて、理知的だった。
「きりーつ」
 棒読みのクラス委員の号令に、ガタガタと椅子を引く音がし、チャイムが重なった。



☆新年の挨拶
作者「遅ればせながら、新年あけまして」
一同「おめでとうございます~」

良樹「……しかし、華が予定よりも随分少ないな。美久に先生、それに先輩だけか。
   本当なら『女護ヶ島』から出向組と正ヒロイン級が最低二人いるはずだったんだろ?」
作者「……みんな忙しさと体調不良とPCクラッシュが悪いんだい(泣) 今年も、
   来週二週間は休み無しだし……。
   ああもうっ! 新年早々、暗い話はやめやめ。登場済みキャラの整理もかねて、
   一人ずつ自己紹介と今年の抱負を語ってもらおう。
   最初は私。今年は良樹編を最低でも3人目まで完結させて、先出しした外伝に繋げる事っ。
   じゃ、後はヒロインズが登場順に。まずは青の振袖で華美な中に落ち着いた印象を漂わせる
   船田真里菜女史から」
真里菜「……お願い、これ以上女の子を増やさないで……。
    みなさま、明けましておめでとうございます。手癖腰癖の悪い良樹くんの管理人兼、
    良樹くんの心に永遠に刻まれる初体験の相手にして魅惑の女教師、船田真里菜です。
    今年の抱負はやっぱり……節操のない弟を私という鎖で身も心も繋いで、他の女の子に
    目もくれなくさせる事かしら?」
良樹「……うわ、滅茶苦茶しばられてぇ……」
作者「いきなり過激な……台詞だけ聞いてると、AVに出てくるような淫乱教師だよ」
真里菜「あら、そう? いろんな虫が寄ってくる厄介な人を恋人に持つのなら、
    当たり前の事よ。良樹くんもまんざらじゃないみたいだし……もっとも、
    ずっと近くに居る事しかできなかったお子様には無理かしら?」(チラ)



美久「むっ! 次はわたしね。
   スレのみなさん、あけましておめでとうございます。えーと、予定では
   これから色々と艶姿を披露する事になる、良樹のためならたとえ裸エプロンでも
   女体盛りでも喜んで! 料理は愛情、早瀬美久です。今この席にいるわたしは、
   良樹の恋人になった後のわたしだから、思い返すと恥ずかしくて頬が火照ってくるけど、
   第四話のこの先、良樹に骨の髄まで真っ白に染まるほど愛されるわたしを想像して、
   いっぱい使ってください……
   ……うう~、やっぱり良樹以外に想像の中だけだって使われるのはいや~」(ぽふ)
真里菜「ちょっと美久ちゃん、良樹くんの胸に飛び込むなんて反則よっ!」
良樹「使うなんて生々しい事言ってんじゃねえっ! ほら、それより今年の抱負だ抱負」
美久「もう少し居たいけど……今年のわたしの目標は、しっかりみっちり、
   良樹をわたしの虜にする事! 良樹の事なら、服の数から趣味から
   Hな本やビデオ全部の隠し場所に性癖まで熟知した、幼馴染の実力を見せてあげるっ!!」
良樹「いやマテ、最後のやつはマジか(汗)」
真里菜「あら、そんなぺったんこな体じゃ、良樹くんは喜ばないわよ?
    せめて私くらい豊かな体じゃなきゃ」
美久「そりゃ、わたしは幼児体型だけど……体が小さいし走りこんでる分、
   締まりには自信があるよ!」
真里菜「あら、それなら少し鍛えれば私だって……」
美久「良樹と先生の身長差じゃキスが……」

作者「……せーぜつな痴話喧嘩になってきたので、場所を移そう……」
良樹「つーか二人とも、酒はいってねえか?」
雪奈「あの……お二人とも、控え室で私が持ってきたこれを飲んでいらっしゃいました」
作者「……ろまねこんてぃ……なんでこんな物が?」
雪奈「祝い事にはお酒が付き物だと父様が。私はお止めしたのですが、
   先生が勢いづけよとおっしゃられまして、美久さんもそれに乗られまして……」
良樹「向こう……なんか収集つかなくなってるぞ。亮輔と長久なんて、
   二人の言葉にあてられて鼻血噴いてうずくまってるし、時人は男泣きに空を見上げてるし」


作者「お酒は二十歳になってから。ところで、雪奈嬢。全員和装なのに
   一人だけ深緑のドレスってのは目立つね」
雪奈「ええ……本当は和装を用意するつもりでしたが、母様があえてここは目立ちなさいと
   無理に……それにこれ、とっても恥ずかしいんです」
良樹「胸の切れ込みがヘソまで行ってればなぁ……
   それにカップも乳輪がギリギリ隠れるくらいだし……その胸で和服なんて着られるのか?」
雪奈「普通の物は無理ですね。お琴やお花のレッスンの時などは、胸の部分だけ立体縫製した
   特注品を着ているんですよ」
作者「ま、そのあたりは追々本編で。ついでに言うと、今背景で裾を割って
   太ももを全開露出して真里菜女史に自慢している美久嬢の晴れ着は、
   薄桃色で桜をイメージした物だよ、この世界の外の人。
   それでは雪奈嬢、自己紹介よろしく」
雪奈「はい。
   皆様、初春の慶びを申し上げます。お見苦しい格好をお見せしている事を
   お許しください。私、桜杜学園三年、高すぎる背丈と大きすぎる胸が悩みの種の、
   桜塚雪奈と申します。良樹さんと席を並べさせて頂いている事から皆様もご存知の通り、
   私も『秋森良樹編』のヒロインの末席に加わらせて頂いております。とは申しましても、
   私は僭越ながら準主役を演じさせていただくエピソード、第五話『ただしいこと』(仮)に
   出演する前ですので、良樹さんにはまだ『恩人』以上の感情はもっておりません。
   いえ……どちらかというと、小さくて可愛い人形のような方、という感じでしょうか」
良樹「ちいさ……? ……背の高い女なんて……女なんて……(泣)」
雪奈「ああ、良樹さん、そんなに落ち込まないで下さい。きっとすぐに伸びますから……。
   ええと、それからですね、第五話本編内か後書きで詳しくお話されると思うんですが、
   私の外見モデルは『慟哭、そして…』というセガサターンゲームの
   『青木千砂』という方だそうです。この方の身長を2m近くまで引き上げて
   胸をどかんと大きくしたのが私だと言う事です。性格モデルは特に無く、
   『お嬢様っぽくおっとり気質で』作ったそうです。それでですね……」
作者「……時間に制限があるから、そろそろまとめに入っておくれ~」


雪奈「あ、はい、ごめんなさい。それでは自己紹介はこれで切り上げさせていただきまして、
   今年の抱負ですが……第五話以前でしたら『お友達と仲良く』で、
   良樹さんの恋人になってからはそれに加えて
   『良樹さんに愛されるために女を磨く』になります。
   では、甚だ簡単ですが、私の挨拶を終わらせていただきます」
良樹「……まともだったなぁ。前の二人の流れから心配してたんだけど」
作者「一番壊れない子だからね。さて、女性陣の挨拶が終わった所で次は……」
時人「男の番だな。亮輔と長久は出血多量でタンカで運ばれたから、先に俺から(ry」

作者「……誰も野郎の挨拶なんて聞きたがらんからカットね。ただし、締めの挨拶は
   本編主人公、秋森良樹に頼みましょう」
良樹「明けましておめでとう。この話の主人公で、四次元ポケットを拾った幸運な男、
   秋森良樹です。俺を一言で言い表すなら、チビスケ。性格は多少ぷっつん癖がある以外は
   まぁ、普通な方だと思います。それ以外の部分は本編を見てもらうとして……
   使用済み女性下着やパンチラ大好きな性癖なのだけど、第四話(4)時点では
   その自覚がまだ薄い状態です。そのため、俺の悪戯はそっち方面に走りがちだから
   読者のみんなには、少しばかり喰い足りない状況が多々出てくるかと思うけど、
   許してください」
作者「……おや、背景になっていた二人が服を調えながら戻ってきたな……。
   やはり彼氏の挨拶は聞き逃せないか?」
良樹「で、今年の抱負という事だけど……ここは俺の決意を話させてもらいたい。
   第四話終了時点で俺は、美久と真里菜先生という、二人の素敵な女性を恋人にしている。
   正直、俺にはもったいなさ過ぎる人たちだと思う。だが、彼女達が
   他の誰でもない俺を選んでくれたのだから、俺は彼女達にふさわしい男になってみせる。
   彼女達の想いの全てを受け止めて、全力で愛せるだけの能力を手に入れて、
   絶対に彼女達を幸せにしてみせる!」

美久「良樹……」
真里菜「良樹くん……」


良樹「そして、彼女たちを受け止めて、それでもまだ十分な余裕があるのなら……
   俺の在籍する桜杜学園を、俺だけのハーレムにしてみせるっ!!
   だから読者の皆さん、それまで暖かく長い目で見守って……」

美久&真里菜「黙れ女の敵っ!!」

(SE:ドカーン!)

良樹「100tハンマーが二つぅっ!?」
作者「なんで私まで~っ!!??」

(SE:キラーン)

真里菜「……まったく、ちょっとでも感動しちゃった私がバカみたいじゃ……な……い……」
美久「ほんと、まったく、よし……き……ったら……」
雪奈「あらあら……先生も美久さんも、今ので完全に酔いが回ってしまわれたのですね。
   可愛らしいお顔で眠っていらっしゃいます。
   良樹さんと作者さんは星になってしまわれましたし、時人さんは
   『真のオタクになるための修行に』と出て行かれてしましたし……私だけですね。
   それでは皆様、お時間もよろしいようですし、私どもからの新年の挨拶は
   ここでお開きとさせていただきます。皆様の、幸多い一年をお祈り申し上げます」
(ぺこり、ぽろん)
雪奈「きゃあっ! 胸がっ!! ……ああ、皆様、見ないでくださいませ……」(////)

[幕]