*  *  *

「ふむ」

登校前、「ウルトラミキサー」から姿を現した腕時計を装着し、梅雨槻は満足げに頷く。
用心に超した事は無い。

  *  *  *

「あーあー、四時限目は体育館で全校集会になります。繰り返します。
四時限目は体育館で全校集会になります」

彩南高校内で全校放送が終わるかどうかと言うタイミングに、三時限目終了を伝えるチャイムが鳴る。

「きりーつ、れーい」

号令と共に、校内の各教室でざわざわと動き出す。

「校長、なんだってんだ?」
「先生も知らないみたいって…」

2年A組の教室でも、猿山と結城リトがちょっと困惑して言葉を交わす。

「あー、じゃあみんな体育館に向かってー」

クラス委員西連寺春菜が呼びかけながら周囲をきょろきょろと見回す。
担任からは家の事情だと言われている古手川唯がいない。こういう時に頼りになるのだが。

  *  *  *

「石ころぼうし」で存在感を消しつつ体育館のステージに立つ梅雨槻は、順調な集合状態に満足する。
「予定メモ帳」に登校している全校生徒の集合を明記している以上、集合に漏れがある筈が無い。

「あーあー、わたくしこの度、文部科学省生物教育特別教材主任に任命された梅雨槻です」

集合を見た梅雨槻が、ステージ上で「うそつ機」を装着しての大嘘演説を開始した。
既に、「うそつ機」によってこの肩書きを名乗った上で校長も説得済みである。

「えー、まずはですね、急な話になりますが、2年A組の古手川唯さんは
海外留学が決定し、既に旅立ちました。

この留学はですね、あくまで身分を隠して秘かにその国の地域に潜入して
レポートを作成してこそ意義があるものであり、
その事が漏れては意味をなさない、即座に失格になってしまう極めて特殊なものです。

そして、古手川さん本人とこの学校にとって非常に重要な名誉がかかっているものですので、
どうか皆さん、古手川さんがこの偉大なる留学を無事やり遂げて本校に戻って来る事を、
静かに待ってその帰りを歓迎して差し上げようではありませんか」

穏やかな梅雨槻の説明に、ざわついていた体育館の中にもどこか納得した様な雰囲気が漂う。
そんな体育館の中でも、ステージの一角においては、
「アワセール」によって時間制限つきで「うそつ機」への耐性を与えられた
古手川唯の顔から血の気が引いていた。

「では、本題に入ります。
これから皆さんには、文部科学省特別指定校として、新型特別教材動物の観察授業を行っていただきます」

梅雨槻の大仰な説明に、体育館内は再びざわつき始めた。

「つまりですね、文部科学省で教材として新たに取り入れられる事が決まった動物について、
観察する授業をこの学校でテストケースとして行って欲しい、そういう事です」

「それでは、これから私がいいと言うまで皆さん目を閉じて下さい。
私が合図をした時、この演卓の前に立っているのが、
その特別教材動物、あくまで教材である動物です。いいですね、はい、目を閉じて下さい」

指示を出した梅雨槻が「シナリオライター」を着火させる。
ライターの効果で、体育館の教師も生徒も従順に目を閉じる。
梅雨槻が指を弾くと、その効果で「階級ワッペン」による禁止命令を解除された古手川唯が、
「かくれマント」を自ら剥いでふらふらと動き出す。これも「シナリオライター」の効果。

「はい、目を開いて」

その時、僅かな沈黙の後、悲鳴やら歓声やらどよめきやらが体育館に渦巻いた。
それはまあ、灰色っぽいモフモフなレッグウォーマー以外ほとんど全裸の巨乳系スタイル抜群美少女、
それもよく知っている顔の少女が目の前に立っていたら、騒ぎにもなると言うもの。

「あー、はいはい、先ほども言った通り、これはあくまで動物です。
人間に良く似た動物であり、人間の中でも古手川唯さんによく似ている様に見えるかも知れませんが、
これはあくまで教材のための実験動物です。
もう一度言いますが、これは、人間に非常によく似た教材用の実験動物です。
従って、この動物への実験、観察を通じて、人体の構造と言うものについてより深く学習する。
それが、この文部科学省推薦特別学習の趣旨なのであります」

既に「メカメーカー」で開発した着火維持装置にかけられた「シナリオライター」の効果で
誰か一人の拍手に合わせ、体育館に拍手が響く。
それを聞きながら、「アワセール」で言葉を失い「シナリオライター」に拘束された唯は
青ざめて全校生徒に晒している惚れ惚れとする様な裸体を僅かに震わせる事しか出来ない。

「とは言え、この動物にそっくりな古手川唯君に出会う可能性も絶無ではありませんので、
目印はこの首輪とこの脚、それ以外は全裸がデフォ、そう記憶して下さい」

  *  *  *

「あんっ」
「んー、大きさ、手応えまで古手川さんそっくりだねー」

梅雨槻が首輪の鎖を引いて唯を連行していた昼休み、
廊下を歩行中、背後から忍び寄る籾岡里紗から丸出しの乳房を鷲掴みにされた唯は、
甘い呻きと共にその身をよじっていた。

「でも、感度はこっちの動物の方がいいのかなー、
ほれほれー、乳首もコリコリー」
「あっ、あんっ、ああっ…」
「やっぱすげー…」
「揉みてー…」
「反対する理由は無い、やりたまえ」

ヒソヒソ話の男子生徒に向けて、そう言った梅雨槻はぱあっと両腕を広げた。

「言ったろう、これは教材の動物なのだと。
であるからして、自らの手触りでその構造と反応を学ぶ。それ自体が素晴らしい学習なのだと」
「マジかよ」
「動物なんだよな」
“…ち、ちょっと…”
「あああっ!」
「おーっ、すげーっ!」
「やっぱやわらけーっ!」

即座にどっと押し寄せた男子生徒の乱暴な手触り。
悲鳴を上げた唯だったが、その声はどこか甘く切ないものだった。

「デカ乳やわらけー」
「はっ、ああんっ、や、はああんっ」
“…こ、こんな…こんな学校でハレンチな…”
「あああっ!」
「揉まれて喜んでるぜーこの動物ー」
「ほれほれむにゅむにゅーっ」
「あああんっ(いやあぁぁ…)」

意思を伝える事が出来ない、逆らう事も出来ない唯は、
只只、「ソノウソホント」で淫乱化された肉体の反応するまま、
甘い呻きをまき散らして身をよじる事しか出来ない。

  *  *  *

「いやー、惜しかったなーっ」
「なんだよ猿山」

教室でパチンと指を鳴らした猿山に、又何かしょーもなさそうな予感を感じたリトが尋ねる。

「ほら、さっきの古手川系実験動物、あの古手川系な巨乳揉み放題だったって」
「はあっ?」
「それがマジで古手川系だったんだって、古手川そっくりの揉み心地だって、
籾岡の保証付きだったってんだから間違いないだろ」

「うんうん間違いない、あれは古手川さんだった、
大きさと言い張りと言い、古手川さんそっくりの上級美巨乳。感度は動物の方が良かったけどねー」
「感度ねぇ…」
「もーちょいだったんだけどなー競争相手多過ぎでさー、この教室にも来るんだよなー」

発火するリトの脇で、猿山はしぶとく未練に浸っていた。

  *  *  *

その頃、当の古手川唯は、2年B組の教室後方で、今まで同様のほぼ全裸の姿で蹲っていた。
既に昼休みの教室には人だかりが出来ているが、
そんな中で梅雨槻がクラス委員に鎖を引き継ぐ。

「ふーん、やっぱり古手川に似てるなー」

男子生徒の一人がしゃがみ込み、垂れる黒髪をかき分けて感心している。

「この動物って、鳴いたりするのか?どーなんだおい」
「…ワン…」
「ん?」

男子生徒が唯の髪の毛をぐいっと引っ張る。

「ワン、ワンワン」
「ふーん、基本犬なんだ。お手」

女子生徒らしいくすくす笑いが漏れ、今も勝手に手が動いた唯は身を震わせる。
分かっててやってる、動物ではなく古手川唯と知っていていたぶっている。
そうなのではないか、客観的に見て当然考えるべき事。
旧1年B組の勢力が大きい事クラスである事がそうした思いをより強くするが、
だからと言って、勝手に反応する体、自由に出来ない体をどうする事も出来ない。

「おい、これ」

梅雨槻が置いていった教材用ズタ袋から、生徒が何かを見つけ出す。

「おー、食ってる食ってる」

実際、朝から消費しているカロリー量に比べて、
若干のレトルト雑炊を与えられただけの唯は空腹だった。
それよりも、体が勝手に反応して、目の前に置かれたドッグフードの皿に顔を埋めて口を動かしてしまう。

「そーれっ!」
「ワンッ、ワンワンッ!!」
「おーっ、すっげーっ」
「乳ぶるぶるーっ!」
「キャハハーやったーっ♪」

四つん這いでダッシュし、フリスビーを口にくわえながら、
蹲りたくなる精神を無視した唯の肉体は皆を向いてキラキラした瞳を向けてしまう。

「おーし、いい子いい子」

男子生徒に頭を撫でられ、フリスビーを取り上げられながら、くすくす笑いが唯の心をズタズタに引き裂く。

  *  *  *

授業開始のチャイムが鳴った。

「生徒が自主的に、創意工夫を持って学習すべし。
生徒がどの様に扱うか、それ自体も教材モニターの対象である」

男子生徒の一人が梅雨槻が置いていったマニュアルを読み返し、
別の生徒がデジカムを唯に向ける。
来るべきものが来る。覚悟しなければならない。
そう思いながらも、どうせもう、自分の体はあれだけ汚されたのだから。
心のどこかでその様に思っていた、その甘さを後に唯は手酷く後悔する事になる。

「えーっと、机はこんな感じで」
「ほら、立て立て」
「観察観察ー」

教室の中央に机が集められ、その机の上や教室後方の床には、
いつの間にか用意されていたビニールシートや体育用マット、クッション、マットレスが敷かれる。
集められた机の前で唯は二人の男子生徒に両腕を取られ、支えられて立たされる。

男女を問わず、ほーっとため息が漏れる。
外見で言えば、自然な黒髪に目鼻立ちの形良く整った美少女。
それも、白い乳房は豊かに膨らみながら若さの特権できゅっと上向き、
そんな豊かな白い土台に桃色の乳首は可憐な程に控え目。

お臍の下は当然と言うべきか艶やかに黒く飾られ、
むっちり肉付きのいい太股から白い脚が形良く延びている。

教室の生徒達が知っているこの動物のそっくりさんは
性格も服装も一部の隙も無いオカタさで一見ほっそりとして見えるが、
こうして見ると、むしろ早熟な程のナイスバディ。

やや常識外れな所のある彩南高校でも、見た目で言えばそんな早熟にスタイル抜群の美少女、
それも知り合いのそっくりさんが全裸で間近に立っているのだから、
感慨深いのも当然の反応と言える。

「えーと、壊れない程度に色々と実験しながら肉体的構造を観察し記録して下さい、だって」
「観察ねー、やっぱ一番の特徴は…」
「あっ!」

しみじみとした雰囲気の中、一人の男子生徒の掌が伸び、唯が声を上げた。

「このデカパイだよなー」
「おーっ、やっぱ古手川系未確認生物おっぱいもでけーっ」
「ひゃー、やわらけーっ」
「あぐっ、あああっ!」

ハレンチな、と言う叫びが言葉にならない。
その代わりに漏れる声には、どこかハレンチな響きが混じっているのを唯の心は恥じずにはおれない。

「なんか喘いでないこのどーぶつ?」
「古手川そっくりそっくりデカパイー」
「一年トキそうでも無かったのにねー」

「だからこれ古手川似の動物だってー」
「本物も急成長だってー、ハレンチハレンチって使いもしないくせにさー」
「んー、やっぱこっちも生えてるんだなー」
「人間そっくりってホントなんだなー」

クラス中に晒し者にされて好き放題に言われる。
発狂してもおかしくない状況。気丈な性格だとは言っても、普通ならば

「泣き顔を見せてはいけませんよ唯君」

囁きにぞわっとした唯が思わず周囲を見回すが、
「かたづけラッカー」を吹き付けた「糸なし糸電話型トランシーバー」を
「マジックハンド」で耳元に押し付けられた唯には、
「かくれマント」を被った梅雨槻の姿を確認する事は出来なかった。

「はい、笑顔」
「おっ、笑ってる」
「なにー嬉しいのこの子何が嬉しいのー?」
「このハレンチなポーズが嬉しかったりするの古手川二号ってー」

梅雨槻に囁かれ、元・クラスメイトの女子生徒の掌にぐいっと頭を押されながら、
唯の心は笑顔な目尻から涙が溢れているのを自覚していた。

  *  *  *

「はっ、はああんっ」
「やーん、色っぽいーキャハハー」
「おーっ、やわらけーっ」
「でかくて柔らかくてたまんねーっ」

「次俺次ーっ」
「私もやってみたいー」
「授業なんだからー、こんなのどーお?」
「ああんんっ!」
「おーっ、レズ乳首こりこり感じてるーっ」

ドッと教室に響く笑い声を聞き、屈辱と羞恥に震えながらも、
両腕を取られて剥き出しの白い乳房を好き放題に揉みしだかれる。
その頂きでピンク色の小さな蕾はピッと尖って
同い年の少女の指触りが唯の全身に甘い電流を走らせ、唯は白い喉を見せて身悶えし、甘く喘ぐ。
自分自身が一番ハレンチで嫌だと思いながらも、そうやって嘲笑と欲情の目から逃れる事がかなわない。
何よりも、唯は今、必死でごまかしたいがために、太股を摺り合わせている。

「ちょwwwこの娘濡れてるwwwww」
「は?」
「ほらー、なんかもー太股までツヤツヤ溢れてんじゃなーい?」
「濡れてるってあれ?マジ?」

「犬の粗相、にしてはなんかとろっとしてるよねー」
「やだーwwwww動物だから発情してるってー?」
「おっぱい感じるんだー、ほらほらー」
「はっ、ああっ、ああんっ、ああっ…あー…」
「あれー、もしかしてイッちゃったークスクスクス…」

軽いめまいと共に、両腕を支えられながら息を切らしていた唯は、
遠くに頭の痛くなる様な無邪気な笑い声を聞いていた。

  *  *  *

「ほら、座れよ、脚開いてー」

されるがまま、唯が集められた机の縁、そこに置かれたクッションの上に座る。
ビニールシートを掛けられた机の上で、唯はゆるゆると、しかし確かに、両脚を机の縁に乗せ、M字に開く。

「すっごい…」
「すげぇ…」
「ふーん、やっぱピンク色なんだー」
「でもすっごい濡れ濡れやらしーんだー」
「デカパイもみもみそんなに良かったのー?」
「わー、これほらつるんて出て来てるこんななんだー、えいっ」
「あんっ!」

男子生徒はおろか女子生徒も、ほとんどの者が目の当たりにした事もない、
それもぐじゅぐじゅに潤った剥き出しの女性器を目の前にして言葉を失っている。
その中で、既につるりと頭を出した硬い芽を女子生徒の指でピンと弾かれ、
さすがにこの激痛にはうめき声を禁じ得なかった。

「もーっ、やさしーくしてあげないとだめでしょー」
「えへへー」

男子生徒としてはチャンスとあらばなんとしても見たい、その事に変わりはなくても、
この異常な状況に当てられた堂々のガールズトークの迫力にはやや譲り気味になりつつあった。

「どんな風になるか、ちゃんと観察しないと単位も危ないって書いてあったしねー」
「んんっ、はあっ、あ…」

女子生徒の一人が、唯の中から溢れる蜜を指に絡ませ、
その指でじわじわと周囲から中心の女の芽に絞り優しく段々強く刺激する。

「やっぱり感じてるんだー」
「ほっぺ赤くしてはぁはぁしてるしー」
「こっちもどくどく溢れてるしー」
「指入る指入るー、うわー、凄いぬるぬる絡みつくー」

下ネタガールズトークの背後で、多くの男子生徒は前屈みに懸命であった。
実状で言えば、まだ、一部のノリノリ生徒の背後で大半は好奇心を禁じ得ない、そういう状況だった。

「こんな発情して、人型だったらオ○ニーとかしたりしてなー」
「まさかー」
「ほらー、オナ○ーやって見ろよ古手川二号ー」

その時、ピッとした表情で瞬きした唯に、一部の生徒は違和感を覚える。

「え、何?」
「まさか…」
「はああんっ!」

剥き出しの陰核をつるりと撫でた自分の指触りに唯がたまらず悲鳴を上げ、
生徒たちは目をぱちくりとさせた。

「はっ、は、はあっ、はあああんっ!」
「はいぃー?」
「マジデスカーwwwww」

剥き出しの少女の秘部に伸びた右手、その指が熱く溢れる愛液をすくいながら、
ぷっくり突き出した突起の粘膜を摘みその粘液が溢れる裂け目に潜り込みこね回す。
その動きの度に唯が甘い悲鳴を上げ、黒髪をバサバサ揺らして喘ぐ。

そうやって、桜色に染まりながらぷるんぷるんと揺れる豊かな膨らみを、
左手で支える様にして掴み、その手でこね回して快楽を呼び込んでいる。
観衆は、最早、目を見張る事しか出来ない。

「ああっ、イクッ、ああっ、イクッ、いくっ、いくうっ、ああいくうぅぅぅぅぅっっっっっ!!!」

M字に開いていた脚がV字になってきゅっと縮まり、
白い喉を見せて反り返る唯の全身がビクビクと痙攣する。
そのまま、つーっとヨダレの伝う顎がガクンと下りるのと共に、唯の全身から力が抜けた。

  *  *  *

「はぁー」
「すっごーい」
「何?動物のくせにイクとか言ってるのこの犬ってマジ発情期?」
「やー、もう公開オナで絶叫エクスタシーってハレンチ杉wwwww」

そんな唯の前で、ようやく生徒達から声が漏れ始めた。

「マジで女ってこんなオナッてんの?」
「まさかー、AVだけでしょこんなのー」
「古手川一号は分かんないよー、家じゃ独りでハレンチしまくりのムッツリだったりしてー」
「すっげぇそれーwwwww」

顔を上げる事が出来ない。
本当は耳も塞ぎたかったがそれは出来なかった。

「おーい、これこれー」
「んー、何だー?」
「何これー?」

そんな唯とはちょっと離れた所で、生徒達のはしゃぐ声が聞こえて来た。

「おい、ちょっとここ寝ろよ」

男子生徒の声に、唯の肉体は従順に従う。
集合した机に敷かれたマットレスの上に、唯の伸びやかで、そして豊かな裸体が横たわる。
その表情は、どこか物憂げに引き付けるものがあった。

「はい、ちょい脚開いて脚」
「つーか…そのままチンチン!」
「ひゃーwwwww」

マットレスを背中に仰向けに寝そべり、自分が今どれだけハレンチなポーズを取っているか、
もはや、その事を意識から遮断する事で唯の精神は辛うじて破綻を免れていた。

「おーっ、丸見えー」
「うわー、まだぬるぬるだしー」
「…ひゃっ!…」

ぶるりと神経を震わす感触に、唯の体は悲鳴と共にビクッと机の上を跳ね、
唯の黒い瞳にニヤニヤとした笑いが映る。

「動くなよー、気持ちいーんだろー」
「うわー、ビクビクwwwww」

ぶーんと鳴りながら、パールローターが乳首を離れ膨らみを這い回る。
一瞬だけ、一度のエクスタシーを迎えほぼ収納された陰核に触れた別のローターも、
今は既にぬるぬるに濡れ光る太股をマッサージしていた。

「ん、んんんっ…」
「ふふーん、気持ちいー?もっとイカセて欲しいー?」
「ほらー、又とくとくやらしいオツユ溢れて来てるー」

期待していない期待していないと頭の中で必死に繰り返しながらも、
自分のもじもじとした腰使いが笑いを誘っている。
頭の中に響く笑い声が頭の中と外、どちらで作られたものか、唯にとってその違いにさ程の意味は無かった。

「ポーズそのままー、バッチリ気持ちいーのいくからねー」
「はーい、いきまーすっ」
「オッケー」

顔を上げる勇気は、最早唯にはなかった。
教室の中で机の上に全裸で寝かされ、
ポーズはそのままで、顔見知りも多い同級生が頭とは反対側に大集結している。
顔を上げた途端に発狂してもおかしくないシチュエーション。

「せーのっ!」
「…やっ…はっ!…うくっ…あくうぅぅぅぅっっっ!!!」

号令と共に、三箇所から体の中心へと、振動から化けた白い何かが唯の神経も精神も瞬時に貫き通す。
先ほどの公開自慰行為に懲りた唯はきゅっと口を閉じ、全身に力を込める。
その仕草こそが又、あからさまなものよりそそると言う奥深さを悟るには、
唯の経験は余りに浅く、潔癖に過ぎた。

「へえー、古手川二号はこんな可愛い顔でイッちゃうんだなー」
「古手川ヤナ奴だったもんねー」

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最終更新:2010年02月10日 18:37