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「あの、お嬢様?」
「何、せっちゃん?」

登校途中、問いかけた刹那は、自分に向けられた黒く潤んだ眼差しに思わず息を呑んだ。

「いいいえ、ななな、何でもございません」
「変なせっちゃん」

そう言いながらはあっと一度嘆息する木乃香を見て、刹那は思わず横を向いて口笛を吹きそうになった。
それを横目で見ていた偽ネギは、「ウルトラストップウォッチ」で時間を停止する。

「はえ?」

「ウルトラストップウォッチ」で肩を叩かれた木乃香が、思わず周囲を見回す。

“…さすがラブラブ一直線のトリ、バカレッドとは目の付け所が違うぜ。
お嬢様のうるうるお目々真っ赤なほっぺで丼三杯はいけまつかーwww
真っ赤なほっぺにちょーっと服がこすこすだけでもあへあへ敏感お肌もかわいーんですけどー…”
「あーあー、このかさんの体に発動している「ソノウソホント」の効力は、
ただ今をもって解除となりました」

「ソノウソホント」を装着した偽ネギがあっさりと宣告してから
「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押す。

「はえ?」
「どうしました、お嬢様」
「ううん、あれ、今、うち学校行く所やったな」
「もー、何言ってるのよこのかー」

「かたづけラッカー」で消去してダイヤルを極小に近い所にセットされた「ワスレンボー」を
やはり「かたづけラッカー」で消去した「四次元ポケット」にしまう偽ネギの脇で、
意味不明な発言をする木乃香と明日菜が苦笑を交わした。

  *  *  *

登校後、トイレで「ウルトラストップウォッチ」を発動させた偽ネギは、
「タケコプター」で学園近くの山林に移動していた。

そこで、「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押した偽ネギは、
「チッポケット二次元カメラ」の写真に湯を垂らし、
撮影されていた新品のスチール物置を実体化させる。

物置に「貸し切りチップ」を張り付け、扉を開けて中に入った偽ネギは、
中が見えなくなるぐらいの布ノレンを入口に張り付け、「技術手袋」で床を切断して大穴を空けて、
剥き出しになった地面に「ポップ地下室」を爆発させる。

相当大胆なスペースを取った「ポップ地下室」に入った偽ネギは、
「きょうじき」で地下室で一週間が経過しても外部では一分しか経過しない様にセットしてから、
用意して「フエルミラー」の二度写しで増殖させておいた「チッポケット二次元カメラ」の写真を
大量に取り出して次々と湯を浴びせていく。

そこに大量に現れた、元々は葉加瀬のラボから盗まれて「フエルミラー」でコピーされた茶々丸姉の素体には、
この場合極小である必要は無いので
「メカメーカー」でハンドル手動充電器と接続可能に改造された「ロボッター」が装着されている。
そんな茶々丸姉の群れに、偽ネギはテキパキと指示を出していく。

「宇宙完全大百科」で、名簿に記載された順番に本日現在のサイズを検索する係。
検索されたサイズを用意した用紙に書き込む係。
用紙を「設計機」に投入して、用紙でリクエストされた通りの図面に変換する係。
図面に従い、用意された材料を調達する係、調達された材料を図面通りに裁縫する係。
梱包する係、「空飛ぶ荷ふだ」に宛名書きする係、「空飛ぶ荷ふだ」を装着する係。

一通りの指示が終わりと、淡々と作業が開始された。
一通りの指示を出した偽ネギは、
「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押してから地下室を退去し、
「タイムベルト」で少し過去に遡ってから再び「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押して
「タケコプター」で学園への帰路についた。

  *  *  *

今朝未明、二枚の「予定メモ帳」に

「麻帆良学園中等部全校生徒が×時×分に体育館に集合する」、
「麻帆良学園中等部全教職員が×時×分に体育館に集合する」、

と書き込んでいた偽ネギが山林の物置小屋から戻って程なく、学園では朝の全校集会が開かれた。

そこで、一度「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押した偽ネギは、
充電器付き「ロボッター」を装着した茶々丸姉素体の「フエルミラー」コピーと共に
「タケコプター」を装着して無茶苦茶広い校舎を巡り、

教室、職員室の扉や窓を開けて回ってから、
集合場所に戻った茶々丸姉素体を「チッポケット二次元カメラ」で撮影し、
何食わぬ顔で体育館に戻って「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押した。

そこで、予定通り、偽ネギが壇上に上がる。
ここで発言する事は、今現在も装着している「うそつ機」を使って職員室での了承も取り付けている。

「あーあー、皆さん、ネギ・スプリングフィールドです。
今朝は、イギリス紳士の僕から流行と常識と言う事についてちょっとお話ししたいと思います」

自分で言う偽ネギに所々可愛らしくクスクスと言う声は聞こえるが、
発言自体の信憑性を疑うと言う発想はあり得なかった。
それは当然だと最初から考えている偽ネギは、一冊の薄っぺらいカタログ雑誌を振り上げた。

「この雑誌、この雑誌に、今の流行が書かれているんですね。
ここに書かれている流行って、これに乗り遅れると言う事は、
オサル通り越してネズミから進化をやり直すのと同じぐらい、
ここに書かれている流行と言うのは完全に社会の常識であり、
ここに書かれている流行を率先して実践すると言う事は、
ウルトラ・スーパー・デラックスカッコカワイーな人間として非常に素晴らしい事なのでありまーっすっ。

ですから、完璧にこの日本社会の社会通念の常識になっていると言う事は、
学校の規則はもちろん法律でも、
この流行の通りの事をする事は当然に許されている、そう言う事なのですねはい。

まあ、流行と言うものには流行廃りがありますので、
この雑誌に書かれている流行の品質保持期限は明日の午前三時をもって終了する訳ですけど。
それでですね、全校生徒及び全校教師、職員の皆様方におかれましては、
教室と職員室に戻ったら自分の机の上に紙包みが置かれていると思いますが、
それが、皆さんの本日の学校指定服です。ええそうです学校指定服です。目印として…」

偽ネギの言葉と共に、用意されたスクリーンに何か得体の知れないマークが映し出される。

「このマーク、このNマークと、クラスと出席番号とイニシャル、
これがセットになったエンブレムが入っているのは、誰が何と言おうがその人の本日の学校指定服です。
そうです学校指定服なんですから、服装違反になる筈が無いんです。

この事はー、既に職員会議でも理事会でも国会でも国際連合安全保障理事会でも確認済みの事であります。
本日の指定服と言う事は、つまり、今日が終わるまでは完全有効、その後は普段通り、そーゆー事です。

あーあー、偉大なるネギ先生より、本日の流行についてのありがたーいお話が終わりました。
おーっきな拍手ー」

“…バ、バカ杉こいつらwww”

拍手される本人に言われたにも関わらず鳴り響く割れんばかりの拍手に、
偽ネギが降壇しながら懸命に尻をつねっている頃、
校舎上空は黒雲の様な大量の配達物に覆われ、それは指定された机目がけて校舎の窓に吸収されていた。

だから、偽ネギは、全校集会が終わる前に一度「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押して、
充電器付き「ロボッター」を装着した茶々丸姉素体の「フエルミラー」コピーと共に
「タケコプター」を装着して無茶苦茶広い校舎を巡り、開け放たれた窓や扉を閉めて回った。

それから、集合場所に戻った茶々丸姉素体を「チッポケット二次元カメラ」で撮影し、
何食わぬ顔で体育館に戻って「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押してから閉会、退場に加わる。

  *  *  *

退場と共に、「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押した偽ネギは、
そのまま3‐Aの教室に移動し、「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押すと共に、
教室内で一日が経過しても外部では一分しか経過しない様に設定された「きょうじき」のスイッチを押す。

そして、教室の四隅に鍋を置くと、その鍋を「かたづけラッカー」で塗装して「なわばりエキス」を垂らし、
黒板側の左手にあった鍋を黒板側の右手にある鍋のすぐ側に移動してから
「きょうじき」の時間設定を元に戻すと共に「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押す。

元々いた全校集会退場の群れに戻った偽ネギは、そこで「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押して
いつもの喧噪の中のチビネギと化す。

隙を見て「石ころぼうし」を着用した偽ネギは、3‐Aの教室に入って可愛い仔羊モトイ生徒達が
「雑誌作りセット」で作られた雑誌を貪り読み尽くした頃合いを見計らって、
鍋を元の場所に戻してから一旦教室を出て、「石ころぼうし」を脱いで教室の中に入る。

「はいはーい、それでは皆さーん、まずは机の上の紙包みを開けてーってみんな開けちゃってますねー。
それで、ピルケースの中の薬を飲んで、右の脛にワッペンの着いてる黒い革のベルトを装着してくださーい」

黒板前に立ち、パンパンと手を叩いて言う偽ネギの言葉に皆が唯々諾々と従ったのを見届けた偽ネギは
一瞬ニヤッと悪魔の笑みを浮かべて、黒板側の左手にあった鍋を黒板側の右手にある鍋のすぐ側に移動した。

「あー、本日は研究授業と言う事で、午前中の授業はぜーんぶ僕が受け持ちまーす。
それから、教科も予定のものとちょっと変わるのてその辺よろしくです」
「はーい♪」

元々が信頼厚きネギの偽者。「うそつ機」を使って職員室でも授業変更の了承を取っている偽ネギの言葉に、
「スナオン」の浸透した脳味噌は疑うと言う気配を微塵も見せない。

「はーい、それではー、一時間目は家庭科の授業を開始しまーす。
もしかしたら、普段よりも授業時間がながーく感じるかも知れませんが、
それは気のせいですので気にしないでくださーい」
「はーい♪」

後ろ手に持った「きょうじき」で、教室内で一日が経過しても外では五分しか経過しない様に
時間を調整した偽ネギの言葉に、呆れていても頭では納得している千雨他一部を除き、一同元気よく返答する。

「先ほど全校集会で机の上にあるのが学校指定服だと言うお話をしましたが、
見ての通り、ここにあるのは布です。
3‐Aに関しては特別に、これから家庭科の授業として、ここから指定服を作っていただきます。
これから僕の指示に従って、完成したのが皆さんのmy指定服です、いいですねー」

「はーい♪」

「えー、それでは、採寸から始めますがー、
これは、スーパーウルトラデラックスA級仕立てライセンスの持ち主である僕、
ネギ・スプリングフィールド師匠直々に採寸する事になっています。

いいですかー、これはー、皆さんが流行の学校指定服をゲッチューするための
大変重要で大変名誉な作業なのです。これは、僕にしか出来ない作業ですので、
素直に僕の指示に従って一人一人隅から隅までずずすいっと採寸にご協力おねがいしまーす」
「はーい♪」