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  *  *  *

「美和子」

相方と共に潜伏していた由美の側に、一台のセダンが降車する。
セダンから降車した高木と美和子が由美に声を掛け、その後ろからスーツ姿の男が二人遅れて降車する。

「ちょうど、機捜(機動捜査隊)と合流したトコだった」

美和子が言う。

「じゃあ、これで六人」
「PB(交番)から二人、裏固めてる」
「隊のモンも最優先でこっち向かってるが…」

由美の言葉に美和子が言い、機動捜査隊の刑事が割り込む。

「時間、無いわね」

由美の言葉に一同が頷く。

  *  *  *

「おい、何やってたんだ、よ…」

廊下で玄関ドアの前に立った少年が押し退けられるや、開いたドアに安全靴が差し込まれる。
チェーンロックすら掛けられていない事を見て取った高木と別の男性刑事の二人が一気にドアを開く。
玄関で腰を抜かした馬鹿を筆頭に、ほとんどがトランクス姿のチンピラ共は
雪崩れ込んだ精強な一団に為す術もなく制圧される。

「わあっ!」

リビングでチンピラを締め上げていた美和子が、隣の部屋から高木の間抜けな声を聞いた。

「梓、さん?…」

寝室に踏み込んだ美和子の口から疑問形が漏れたのは、無惨な髪型のせいばかりではなかった。
その美和子の目の前で、全裸の梓が高木の腰に縋り付き、カチャカチャとベルトを外そうとしている。

「ちょーだい、薬ちょーだい、フ○ラもオマ○コもエッチな事なんでもするからちょーだい、
梓のオナ○ーなーんでも見せてあげるみんな撮っていーから頂戴、早く、早く頂戴っ!!」

へらへら歪んでいた梓の顔が切羽詰まったものになり、機捜の刑事が梓を引きはがす。
次の瞬間、フラットにおぞましい絶叫が響き渡った。

「やああああっ!やめて殺さないで殺さないで私何にも見てない誰にも言わない誰にも言わない
何でもするエッチな事なんでもするフ○ラもオ○ニーもオマ○コもエッチな事なんでもするから
するからするからエッチするからセックスするからやだやだやだ殺さないで殺さないでいやああああっ!!!」

蹲る梓の腿の赤い斑点に身震いした美和子が梓の両肩を掴む。

「梓さん、私、美和子佐藤美和子、警察、分かる?助かったの梓さん助かったの、
前にも、お兄さんと助けてあげたでしょう、又…」
「やだやだやだ騙されない騙されない私の事試してる逃げないか試してる逃げたらお仕置き逃げたら痛いの
やだやだやだ殺される殺される殺される殺さないで殺さないで何でもする何でもするからやだやだ
怖い怖い怖い薬、薬ちょうだい、薬、怖いの気が狂いそうなの薬ちょうだいねえ薬ちょうだいよおっ!!」

絶叫する梓を、高木とミニパト組も加えた五人がかりで押さえ付ける。
経験上、これだけは何人いても足りない事はよく知っている。

「駄目よ、梓さん、梓さんもう大丈夫なの助かったの、
だから、病院に行って悪い薬やめて治療するのよ梓さん」
「やああっ!薬、薬薬薬いいいいっっっ!!!」
「…連れて行って…」

  *  *  *

機捜隊の刑事が、確保した中の頭らしいのを寝室に引きずり込む。

「色々確認したい事があってここに来てもらったんだけど」

美和子のつま先を腹に埋められ、後ろ手錠のチンピラがくの字になって蹲る。
閉じられた寝室のドアの前には高木が立ち、薄暗い部屋に数人の人影が林立する。

「拉致監禁マワシに薬、今は厳しいわよ、詰まらない意地張ると十年じゃ全然きかないわね。って言うか…」
「死んで見る、マジで?この状況だと証言なんてどうにでもなるんだけど」
「お、おい、今時そんなガキみてぇな脅し…」

制服姿で拳銃を抜く女性警察官の言葉に、多少の経験値のあるチンピラがへらっと笑うが、
その冷え冷えとした声、目つき、見え透いた脅しだとチンピラの頭でいくら否定しても、
本能がチンピラの体からガクガクと震えと寒気を止めなかった。

  *  *  *

「合図をしたら、俺様がいいと言うまで、そのライターを付けっぱなしにしておく様に」

チンピラの兄貴分と言う肉体に我が高貴なる精神をはめ込んだままの俺様は、
「かべ紙秘密基地」の中央ホールで、露出メイド服姿の我が牝奴隷七川絢に堂々と命ずる。
今の俺様の脚には中将、絢の脚には軍曹の「階級ワッペン」を張り付けた革リングが装着されている。

「着火」

俺様の合図と共に、絢の手で「シナリオライター」が着火される。
俺様の精神をはめ込まれたまま勝手に動くチンピラの肉体は、
手近に置かれた写真に紙コップのぬるま湯を浴びせる。
ぬるま湯を浴びた「チッポケット二次元カメラ」の写真が本来の俺様の高貴なる肉体に化け、
今現在の俺様の精神がはめ込まれたチンピラの肉体は、たった今写真から化けた肉体の脚に
「瞬間固定カメラ」で撮影する。
「瞬間固定カメラ」での撮影により固定を解除された本来の俺様の肉体は、
「シナリオライター」にのみ忠実に、
近くに置かれた大将の「階級ワッペン」を張り付けた革リングを脚に装着してから、
「トッカエ・バー」を握り、その「トッカエ・バー」の先端で今の俺様の精神がはめ込まれた肉体に触れる。
その瞬間、互いの肉体と精神は生まれた時のままの持ち主に調和する。

「貴様は俺様がいいと言うまでシェーのポーズで待機。
あー、七川君、ライターの火を消し給え。そして、壁に手を着いて尻を突き出すのです」

既にシナリオ上の拘束も消えた状態で、牝奴隷七川絢は堂々たる絶対的主人の俺様の命じるまま、
壁に手を着き高々と尻を突き出す。
牝奴隷七川絢の背中にキューピッドの矢をぶっ刺し、ミニスカをぺろんとまくり上げた俺様は、
ぷりんと突き出した尻を平手で一発張って我が肉体のキレを再確認してから、
何度使い込んでも「タイムふろしき」のご都合主義のお陰で実に初々しいその奥のピンク色の一帯に
「ソノウソホント」で速効性強烈媚薬と化したクリームを十分にすり込む。
「きょうじき」によって目の前の牝奴隷が一時間を過ごす間に
それ以外の場所では一分しか経過していない様に調整した俺様は、
カップに入ったインスタントラーメンである「CUPMEN」に用意した熱湯を注ぎ込む。

「くはあぁあー、ご主人様ぁ♪」

腹ごしらえを終えた俺様は、「きょうじき」で時間設定を元に戻した目の前の牝奴隷が
くねくねと愛おしく振り立てている尻を抱え一息に貫く。やはり、自分のチ○ポに限る。
牝奴隷七川絢の中に十分注ぎ込み、
くなくなと頽れた絢に命じてその口で後始末をさせて下着とズボンを上げさせてから、
当の牝奴隷七川絢にはカチューシャと「階級ワッペン」のベルトだけを残して全裸になる様に命じ、
命令に従った絢にはバスタオルでざっと体液の始末をさせた後、「厚みぬきとりバリ」で一突きにする。
どの道、後で記憶を改ざんしてつかの間の日常とやらに回帰させる訳だし、
もう一人の目撃者に至っては証言する術がなくなるのだから何等問題は無い。

  *  *  *

「どこでもドア」で、俺様と、
「階級ワッペン」上は俺様の真下の下官となったチンピラが到着したのは、廃工場の中だった。
「大きく脚を開きぃー、両腕も上に上げて大きく開くぅー、
その姿勢のままー、俺様がいいと言うまで動かないー」
ガランとした土間のスペースと化した建物の中で、にわか下官に命じた俺様は、
市販の手袋を装着し、「チッポケット二次元カメラ」の写真に湯を垂らす。
写真から、大きな作業用テーブルに乗せられた
ミネラルウォーターの500ミリリットル入りペットボトルが五本姿を現す。
ペットボトルの栓を抜いた俺様は、壁に掛け時計を設置する。
「あー、俺様が手を叩いたら今の命令は解除で新しい命令が発動です。
新しい命令は、その姿勢のままー、この時計が十五分を示すまで動かない事いいですねー」
俺様はパンと手を叩くと、ポケットから取り出したスローイング・ナイフを放つ。

「か、はあ…」

全てに的確な俺様の狙い通り、
胸からナイフを突き立て血反吐を吐きながらぷるぷると震えていたチンピラがその場に頽れるのを見届け、
左手に握ったペットボトルの口にポケットから出したマカロフの銃口を差し込んで引き金を引く。
抜けた底から水が漏れるかどうかと言うタイミングで四回同じ事を繰り返して
いちいち底の抜けたペットボトルを放り出した俺様は、
五本目のペットボトルの底をチンピラの盆の窪の髪の毛に押し付けてから同じ行動を繰り返す。
そこに転がる死体から脚の革リングを外してから「タケコプター」で浮上し、
「かるがるつりざお」で死体を釣り上げた俺様は、
そのまま死体を建物の中に駐車した乗用車の開いたトランクに積み込み、つりざおを外す。
地面の一角にぺらぺらの牝奴隷七川絢を敷いてスポイトの水を垂らした俺様は、
その場に用意した「フリーサイズぬいぐるみカメラ」の着ぐるみに入る様に命じる。
そして、俺様も「フリーサイズぬいぐるみカメラ」で作った別の着ぐるみに入る。
どの道、後で記憶を改ざんしてつかの間の日常とやらに回帰させる訳だし、
他に目撃者もいないのだから何等問題は無い。

「今、この建物の中で使用されている「フリーサイズぬいぐるみカメラ」の着ぐるみは超高性能なんですねー」

「ソノウソホント」を装着し、俺様はうそぶく。実際の所はよく分からないので念のためだ。

「姿形のみならず、丸でカメラの被写体の人物が本当に触ったのと寸分変わらない状態で、
触ったものから指紋も掌紋も採取されると言うんだから驚きですねー」

  *  *  *

廃工場に駐車し、トランクに肉の塊を積んだ車を運転した俺様が到着したのは、夜の河原だった。
「かたづけラッカー」対応虫眼鏡を「ウルトラミキサー」で合成した眼鏡と
「石ころぼうし」を装着した俺様は、「かたづけラッカー」を吹き付けた死体を
「かるがるつりざお」でトランクから釣り上げ、「タケコプター」で川の中心へと移動する。
「カチンカチンライト」で固めた川面に上陸し、死体からつりざおを外した俺様は、
そのまま死体だけを固まった川の中心に置いてさっさと退却する。

  *  *  *

着ぐるみを着た牝奴隷は一旦「チッポケット二次元カメラ」の写真に入っていただき、
同じ車を一人運転しながら、俺様は全開に開いた運転席に視線を走らせる。
「きょうじき」によってあらゆる事を人の何倍もの速度でこなせる
余り初夜を迎えたくない身体状態の俺様にとっては、その車の速度は亀にも等しかった。
のろのろと防波堤の縁に差し掛かった車から悠々と脱出した俺様は、
「きょうじき」で時間設定を元に戻してから「どこでもドア」でその場を立ち去る。

  *  *  *

「足取りは掴めたのかね?」

米花警察署の廊下で、目暮に聞かれた美和子は首を横に振る。
榎本梓監禁暴行事件を捜査していた警視庁刑事部と米花警察署では、実行犯の大半を確保したものの、
肝心のリーダー格とされる暴力団準構成員の行方を掴めずにいた。

「マル被はレイプビデオの製作グループですね。被害届の似顔絵から余罪が何件か出て来ています。
ただ、今回の件に関しては、金で雇われたと言うばかりで、クライアントと連絡を取っていたのは…」

美和子の口から出る失踪中の主犯格の名前を聞き、目暮は嘆息する。

「申し訳ありません」
「直前までいたが、ふらりと出かけている間に入れ違いで踏み込んだ…そう言う事もあるのが捜査だが…」
「発見が遅れたばかりに、梓さんも、その上キーマンまで…」
「今から諦めていてどうする、君らしくもない。四課でも組関係を徹底的に締め上げて、
一課と四課で足取り、交友関係を徹底して洗っている最中じゃないか」
「申し訳ありません」

美和子が頭を下げる。疲れている、無理も無いと目暮も思う。
「逃げ三矢」事件では胃に穴の空く様なプレッシャーの下、寝食を忘れての長期捜査の挙げ句のあの結論。
今回も、結果論ではスタートでつまずいている。捜査は即ち結果論。
常に班対班の捕った逃したの目に晒される捜査一課。
敏腕をもって勝ち抜いて来た美和子だからこそ、応える筈だ。
そんな事より何より、今、病院にいる梓は文字通りの生き地獄。
あの屈託のない彼女に出会う事は、恐らく、もうない。
どんな言い訳をしても、自分達が間に合わなかったから。その結果を日々見せつけられる。
その時、美和子が電話を取る。

「もしもし…何ですって?」

電話を切ったその顔は、青ざめていた。

「どうしたのかね?」

美和子の口からは、失踪中の主犯格が準構成員として属していた組の名前が上がる。

「新潟県警がガサ入れして、殺しで一人挙げました。
容疑は死体遺棄、阿賀野川で蜂の巣にされた土左衛門が揚がったそうです」
「おい、まさか…」

頷いた美和子の顔は、無念に歪んでいた。

  *  *  *

「だから、盗まれたっつってんだろっ!」
「で、盗まれた姐さんの車ん乗って新潟までドライブ、挙げ句チャカ積んだまま海にドボン、
Nシステムにも映ってるんだよ、下手な小細工してんじゃねーぞおいっ!!」

新潟県警の取調室で、東京から連行して来た組員相手に捜査一課の刑事が怒号を上げる。
阿賀野川で揚がった死体の鑑定には幾分の時間が掛かったが、そこからの県警の動きは素早かった。
それと言うのも、遠目に見ていた作業員の通報により、新潟県警では死体の運搬に使われた車を確保しており、
トランクに残された毛髪や血痕と死体の各種鑑定の結果、
同一人物である可能性が高いとの簡易鑑定結果を受けた県警は車の足取りを徹底的に洗い直した。
車はナンバープレートが外され車体番号も削られていたが今時その程度の偽装を剥がすのは容易な事。
Nシステム他各種の監視カメラのデータなどから乗員や殺害現場の割り出しも思いの外スムーズに行われ、
死体の身元が分かった時点で新潟県警の方針は決定していた。

  *  *  *

「だから、知らねえっつってんだろ!何遍言ったら分かるんだっ!」
「ふざけんじゃねーぞてめえっ!!」

声を荒げた小五郎に、取り調べの刑事も又机を叩いて怒鳴りつける。

「まだ分かってねーのか、ええっ!?ネタ上がってんだよ、
DNAもなんもかんも、ぜーんぶてめーがやったって鑑定結果揃ってんだ。
警察への挑戦のつもりか、ええ、名探偵さんよぉ」
「だから、何なんだよ、俺が“逃げ三矢”?いい加減にしろっ!」
「いい加減にしろっ!!」

刑事は、今度こそ小五郎の胸倉を掴む。

「てめぇ、誰に手ぇ出したか分かってて言ってんだよなぁ、
とことん舐められたモンだな、田舎県警なんざ屁でもねぇってかぁ?
俺らが東京まで乗り込んでってキッチリ全部押さえたんだ、ごまかせるモンじゃねぇ、
東京の一課がどうだろうが関係ねぇんだよまだ分かんねーのかよああっ!?」
「すぐに分かるさ」

いきり立つ刑事の肩を、後ろから年配の刑事がぽんと叩いて言った。

「まあ、時間はたっぷりある。シャブを抜く時間もな。
あんたも警察の飯食って来たんだ、自分の立場がどうなってるか、すぐに分かる、なぁ」
「てめぇみたいのがいたってだけでも反吐が出る。ましてや協力者の名探偵って、
東京の一課何やってたんだかなぁ」
「早い方がいーぞぉ、どの道今の容疑じゃ死刑は無いんだ、ネタは上がってる、早い方がいい。
あんな美人の奥さんと娘さん泣かせてなぁ」
「あんた、娘がいるんだよなぁ。
親父が最低最悪の凶悪レイプ魔で目の前でガサ掛けられて裏付けで任同掛けられるってのが
どう言う事か分かっててやってんのかよおいっ!?
てめぇの娘が同じ事やられたらどうなんだよふざけてんじゃねーぞっ!」
「蘭…蘭、蘭…お、おおおおいっ…蘭、蘭が俺が被疑者ガサ入れ蘭、蘭…
蘭…蘭、学校で…知らねぇ、俺は何にも知らねぇ、暴行事件なんて嘘だ、だから、だからおい出してくれよ、
おいっ、じゃねぇと蘭、蘭が蘭がいじめられる俺、俺のせいで、俺じゃない、俺じゃない…」
「遅いんだよ今さら、もう、駄目なんだよ。みんな割れちまってんだからよぉ、全部てめぇのせいなんだよ」
「これ以上はな、もう、粘れば粘るだけどんどん悪くなるぞ。
娘さんのためにも、なあ。もう全部喋った方がいい」
「…違う…俺じゃない俺じゃない俺じゃない…蘭…蘭…英理…」
「もう無理なんだよっ!」

怒鳴り役の刑事がバアンと机を叩き、宥め役が小五郎の横に付く。

「榎本梓の件もな、東京支社は人違いなんて寝言抜かしてるが、俺達はそうは考えない。
これは警告だ。次は本当に娘をやるってな。な、そうなんだろ?」
「梓、ちゃんが…」
「可哀相になぁ、おんなじビルってだけでよぉ。
ズタボロにマワされた上に、よっぽど体質が合ってたんだな。
短時間だったけど滅茶苦茶にヅケられて、今は入院中だけどどっぷりシャブ中イッちまってる。
あんたもこの稼業の飯食って来たんだ、これ以上広げてどうすんだよ」
「あんたの家族の事はこっちで守る。その前に、関わった奴は根こそぎにしてやるよ。誰であろうがだ。
あそこまでやられて退ける話じゃねーんだよこっちはだから腹くくって喋れおいっ!!」

  *  *  *

「蘭、開けるよ」

英理のマンションを訪れ、寝室のドアを開いた園子は目を見張った。

「やめて蘭っ!」

そして、バラバラと黒髪の散らばるベッドに駆け寄り、今もブチッと髪の毛を引き抜いた蘭に縋り付いた。

「現実、なんだよね…」
「蘭…」
「現実、なんだよね…もし…もし…だとしたら…」
「いいから、蘭…」

正直言って、園子は、自分が聞きたくなかった。

「…もし…だとしたら…私より…私なんかよりずっと…ずっとずっと苦しんで辛い思いで…
…そんな事になってたのに私…私、そんな事になってたのに私何も…」
「蘭のせいじゃない、そんなの、蘭のせいじゃないよっ」
「梓さんだって、梓さんだって私のせいで、私が、私がお父さんの娘だったから梓さん?私が、私…」
「蘭のせいじゃないって!」
「でもっ!!」
「…それに…それに、蘭、もしも、もしもだよ、もしもそうでも蘭。
おじさんがそうだったとしても蘭、私は蘭の事は、蘭の事はずっと見て来た。
私は、ずっと毛利蘭の親友だから、この結果がどうであろうと、私は、蘭の、
毛利蘭の親友、その事には、変わりないから、絶対変わり、ないから…」
「園子…」

“…覚悟、決めなきゃなんねーのか、どうなんだよおっちゃん…”

微かに鼻に掛かった様な声と言うか息を漏らし、眉根を寄せた目でそんな二人を見る事しか出来ないコナンが、
心の中で問いかける。

“…いや…まだ、まだだろ、まだ、今まで振り回されてただけだ。
ボロボロに疲れ果てるまで、ありとあらゆる可能性を探し回ってすら…”

  *  *  *

「…でも…親友だからね…蘭…」
「…園子…」
「見ぃーつぅーけたぁー」

隠れ家マンションの一つで夜を迎えてソファーで寛ぐ俺様の前で、
圧倒的な存在感で映像を映し出しているのは「メカメーカー」で大迫力スクリーンと化した「タイムテレビ」。
新潟県警取調室の鬼の取り調べ、そして親友同士の一幕を観賞し、一人満足の言葉を吐いた俺様の口に、
「うそつ機」によってその映像が出来のいい自主製作映画であると思い込んだ牝奴隷メイド七川絢が
ベルーガキャビアの乗った純金スプーンを差し込む。
その得も言われぬ美味に気をよくした俺様はと言えば、もう一本用意した純金スプーンにキャビアをすくい、
牝奴隷メイド七川絢の口に差し込んで十分にむぐむぐさせてから
アイスペールのストリチナヤをグラスに注がせる。
胃袋に火を付けて舌を洗った俺様は、辛うじてメイド服と分かるデザインの
腹丸出し谷間丸出しブラウスをぺろんとまくり上げ、こぼれる乳房の弾力を手ずから確かめる。

「はぁあー…」

脳天から「キューピッドの矢」を突き立て、「うそつ機」で十分に性的敏感度を上げられた
牝奴隷メイド七川絢が、俺様のむにゅむにゅとした手の動きだけでかっくんと俺様に向けて頽れた所で、
「きょうじき」を使ってひとまずそんな隣の乳丸出し奴隷メイドを静止同然の姿にする。
テーブルの上の写真をピーッと引き裂き、着火したマッチと共にテーブルの灰皿に放り込んだ俺様は、
満足の笑みと共にソファーに掛けて堂々と開いた自らの足下を見下ろす。

「んー、どうだー、我が忠実なる牝奴隷塚本数美よー、
かわいー後輩の愁嘆場を目の当たりにしながら
憎たらしい最低クソ痴漢野郎の前にひざまずいてしゃぶるチ○ポの味はー?」

メイド仕様の白いカチューシャを揺らしながらぐぷぐぷと首ごと口を動かし、
本来強気な目を閉じ瞼の隙間から涙をこぼす事でしかその感情を表す事が出来ないと言うのは、
見下ろして実に爽快なる光景である。
思い出す、せっかく狭い檻から地獄の一丁目に引き戻してやっても無感動に光を失いつつあった
この牝奴隷塚本数美のハートに熱い恐怖と苦痛の感情を取り戻してやった、
毎度の無断釈放記念の祝い事に注ぎ込んだ手間暇情熱の数々。
最近は他人の肉体を使う機会が多い俺様が、
直々に人間サンドバッグに指名して心行くまで自前の肉体のキレを確認し、
グラ○ドキ○ニオンの崖っぷちを踏切線にした走り高跳びのノーロープバンジー命令。
「きょうじき」でスーパースピード人間と化した俺様によって、
綺麗に裸体を捻りながら水滴の尾を引いてゆっくりと落下している所を回収した後は、
俺様の背後に大の字に立たせた数美の背後の壁を標的として
決して振り返る事なく引き金を引き続けたマカロフ全弾装填発射の実弾射撃訓練。
俺様が振り返った時には、白目を剥いて泡を吹きながら脚ベルト一つのほぼ全裸で大の字に立つ牝奴隷に
裂帛の気合いと共にお仕置きの回し蹴りを食らわせてもぐらぐらするだけでそのポーズを崩そうともしない。
脚ベルトに貼った「階級ワッペン」と着弾点を事細かに記載した「あらかじめ日記」の効果を
改めてこの目で確認した後は、股間から滴らせ足下に水たまりを広げながら立ち尽くす粗相に対し、
主たる責任としてたっぷりと湯を張った広いバスタブにどっぷり沈めて丸洗いするのは当然のこと。

「んー、どうだー、我が忠実なる牝奴隷塚本数美よー、諸悪の根源のチ○ポの味はー?」
「は、はひ、ご主人様の逞しいチ○ポ、とってもおいひいでふ…」
「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!たまんねーバカだこいつーwwwww
てめーの人生ブチ壊して後輩イジメまっしぐらのチ○ポがたまんねーってどんだけ淫売なんだこの馬鹿www」

背筋を反らし笑いの止まらぬ俺様の昂ぶったmyハートには、
すすり泣きの声と共に加えられるまだまだ稚拙な程の口と舌の動きが心地よい。

「どうだ?旨かったか?」
「はい、ご主人様の熱い濃厚ミルクを呑ませていただき、とっても美味しかったです」
「んー、後輩のくっさいメロドラマを大音量で聞きながらのフ○ラチオはまた格別だっただろう」
「は、はい、最高、でした…」

ソファーに掛ける俺様の前で三つ指を突く牝奴隷塚本数美を見下ろし、
白いカチューシャの下の黒髪を掴み上げた俺様は、涙に濡れる顔を舐める様に観賞する。

「はぁーっ、ああーっ、あぁあー…」
「そうだー、自分で動くんだぞ自分でー、いい声してんぞアヘ顔サイコー」
「あああー…」

ソファーに大きく広がる俺様の二本の脚、その中心で丹念にしゃぶられ奮い立った三本目に向けて
自ら腰を下ろし熟れ切った蜜の奥へと沈ませる淫乱メイド奴隷塚本数美。
絶対なる俺様の力をもってすれば痕跡を消す方法などいくらでもある乳首ピアスの鈴がチリチリと鳴り、
本人の知らぬ間にたっぷりと媚薬をすり込まれた肉体が、命令抜きにも数美の腰を動かし、
止め処ない熱い蜜と共に恥辱の涙を溢れさせながら、
数美はいつしかヘラヘラ笑ってガックリと俺様に覆い被さる。

「さあ、散歩に連れて行ってやろう。毎日狭い檻の中で過ごしている被疑者塚本数美への
ご主人様の心憎い配慮であるぞ」
「は、はい、ありがとうございますごしゅじんさま」

足首近くに二等兵の「階級ワッペン」を張った黒革リングを装着し、
通常のデザインから前面胸部と腰骨から下のみを取り去ったデザインの
黒地白フリルメイド服姿の牝奴隷塚本数美を前に、
俺様は乳首ピアスと釣り糸で繋がった握り付きの鉄輪を握って玄関ドアを開け、前進を促す。

  *  *  *

「さあ、行くぞ我が忠実なる牝奴隷塚本数美よ。檻の住人には贅沢なお外だからな。
貴様の知っている場所はことごとく連れて行ってやろうではないか、んー」
「あううぅ…」

ドアが閉まった頃には、一人ずつの二枚の通学写真となった、ついさっきまで二人並んだ一枚の通学写真は、
灰皿の中でとうに白い灰となって辛うじて形らしきものを保っていた。