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(三人称モード)
残りの全裸女性達は、左側の大型モニター周辺に座らされていた。
両サイドのモニターには、今現在の蘭が映し出されている日売テレビの生放送が掛かっている。

「…ひどい…」

むしろ愉しそうな蘭の姿に美和子が呟いた。自分にそれを言う資格は無いと思いながらも。
蘭に取り憑いた狂気の正体が、何となく分かりそうな気がしていた。

「ひどいモンだなー」

そんな全裸女性の群れの後ろで、黄覆面が言った。

「ここの男共のほとんどが、こーんなエロエロシーンずーっと見せられるだけで見せられっぱなしなんだからな。
我らとしては人質の暴発は最小限に食い止めなければならない。
よって、ここは、一番刺激的だった面々をもって責任をもって解消してもらう」

白覆面が男子生徒を次々と指名し、指示すると、彼らは調整室や用具室からボンベや巨大なビニールを運び出してくる。
これらの道具については、真の首謀者がうそつ機を使ってイベント機材の一環としてごまかしていた。
ビニールが膨らみ、平べったい円筒形のエア・ステージが左側のステージ前に作られていた。

「上れ」

まず、美和子、数美、彩子がステージ上に乗せられる。
一方で、誘導された三年生の男子生徒の集団がぞろぞろとステージを取り囲み始めた。
ステージの床を均等に三分割した線とステージ床の縁が交差する三つの点。
その点の近くに、ステージ上の三人の全裸女性は座らされていた。
ステージの外側を向いて座った、座らされた三人は、言われるままに大きく脚を開き、両手で自分の胸の膨らみや太股を滑らかに撫で始めた。
ピッと短いホイッスルと共に、胸を撫でていた左手に力が込められ、太股を撫でていた右手は一挙に核心を責め始めた。

「ああっ、あっ、あっ」
「あんっ、ああんっ」
「あーっ、ああっ、あーっ…」

くちゅくちゅと言う音が響き、指に絡み付く止め処ない程に溢れる感触、
何より動きの一つ一つに突き抜ける様な感覚が自分でも信じられない程だと思いながら、美和子が顎を反らして薄く開いていた目をふと前に向けると、目の前で目をまん丸くしていた男子生徒が横を向きながらチラチラと美和子を見る仕草に、美和子は吹き出しそうな余裕すら覚えた自分の感覚の麻痺を恐れる。
そして、後ろと言うか横と言うか微妙な角度からも、熱い声とぴちゃぴちゃとかき回す音が絶えず聞こえる。
肉体的には十分女だとは言え、普段制服を着ていたらその意味では何と言う事もない女の子なのだろう、どんな作用でこんなあからさまな女になり牝に変貌するのか、やはり、釣り橋効果と言うものか、そして、目の前で剥き出しにされている或いは本来であれば絶対あり得ないシチュエーションでそれを解放されてすらいるギラギラとした若い欲望がそうさせているのかと、薬物込みの巧みな誘導を前にそんな事すら考えてしまう。

「砲台準備ーっ!」

白覆面が手を上げ、美和子の目の前の少年達が動き出す。

「狙えーっ!」
「はあーっ、あっ、あっあっあぁーーーっ!」

美和子の横目の視界に、おかっぱの後ろ髪をばさっと乱し顎を反らした彩子が体を大きく開いて脱力する姿が映る。

「んっ、くうっ!…」

丸で共鳴する様に、数美がきゅっと全身を引き締めて脱力し、美和子も頭を突き抜けるものには逆らえなかった。

「てぇーっ!!」

声と共に、薄れる視界に黄色っぽい無数の放物線を見たと思った美和子の記憶は、全身に弾けるぬるっと熱い感触で埋め尽くされた。

「一つ、ここまで耐え難きを耐えて来た君たちに褒美をとらそう」

日売テレビのカメラに向かって、白覆面は改めて恐るべき言葉を発した。

犯人に拘束されていないテレビ番組には、ヘリコプターからの空撮映像が映し出されていた。

「犯人は死にたくなければこの一帯に近づくなと発言しました。
既に犯人の発言から三十分余り、避難は…爆発です、爆発しましたっ!」

映像はリプレイされ、撮影されていたデパートの窓という窓からオレンジ色の光が吹き出した。

「又爆発ですっ!」



「佐藤刑事…」
「?…んっ!」

全身に粘つく迸りの跡にこれをどうしようかと思っていた所で、不意に声を掛けて来た彩子に唇を奪われた美和子が呻いた。

「やっぱり、綺麗なひとですね、佐藤刑事」

既に使い物にならなくなっていた眼鏡を外した彩子に、細められた瞼の間からぽーっと妖しいくらいに見つめられ、美和子はぞわっとしたものを感じていた。

「佐藤刑事、こんなに汚れてしまって」

言いながら、彩子は美和子の顔をぺろぺろと舐めていた。
どうするべきなのかと美和子は考えた。刑事として大人の、女として。
誰もが何かに縋りたい今、この中でも最も心を壊されている彩子を突き放すと言う事が許される事なのか?
突き放すと言う決断が出来ないまま、ぺろぺろと顔の汚れを舐められた美和子は、もう一度ぽーっと美和子を見つめる彩子を自ら抱き締め、どちらからともなく唇を重ね合った。
呆然とそれを見ていた数美は、背後でどさりと言う音に気付く。
数美が振り返ると、全身あの生臭い異臭と粘つきにまみれた蘭が虚ろな瞳で座り込んでいた。

「…毛利…毛利、大丈夫?ごめん、私が、私があんな私…んんっ!」

数美の唇を奪った蘭の、激しい舌の動きに数美の目が見開かれた。

「…新一ー…」

散々数美の口を蹂躙し、糸を引きながら離れた蘭の口から透明な声が漏れ出る。

「こんなにキス上手になったよ新一ー」

自分を負かした者が自分を見ていない、自分の胸に嫉妬としか思えない感情がわき上がっている事に数美は軽い驚きを感じる。
そんな蘭を、数美はぎゅっと抱き締めた。

「そうだね、上手になったね毛利。いいよ、いいんだよ、狂ってさ、狂って楽になるんだったらさ、私も、そうしたいよ…」
「…数美先輩…」

髪の毛を撫で続けていた数美は、無邪気な笑みを見せた蘭の唇に自らの唇を重ねた。



「んっ、んんっ…」

抱き合い、蘭の弾力を感じている内に、数美の手は蘭の胸に伸びていた。
掌に弾ける十分な手応え、そして、数美が力を込めると可愛らしい喘ぎ声が返って来る。

「ん、んっ…」

そんな数美の胸からも、確かな快感が突き上げた。

「あ、んっ」

彩子の指が、つーっと臍から下に滑り込み、美和子が声を上げた。

「ふふっ、可愛い美和子さんも」

美和子の目の前で、彩子が無邪気な程の微笑みを浮かべる。
その傍らでは、向かい合って抱き合ったまま座る蘭と数美が、互いに互いの指でぴちゃぴちゃと蜜を出所からかき回し、あられもない程の声を響かせている。

「あんっ、美和子さんっ」
「彩子ちゃんさっきから私の事随分いじめてくれたわね」

ゆらあっとした雰囲気で美和子が言う。余計な事は考えられなくなっていた。
ただ、目の前の小娘に散々な姿を晒し、もっと甚大で精神が破壊されるぐらいに巨大過ぎる被害はひとまずおいといて、
やられっ放しではいられないと言う妙な対抗心だけがあった。

「あ、あっ、美和子さんあっ、やめ、やめないであんっ」

美和子に乳首を吸われながら、女の部分を美和子の指にまさぐられ背筋を反らせる彩子の声は切迫したものになって来ていた。

「そう?私の指がそんなにいいのかしら蜷川さん?」
「はい、いいです、ですから…」
「こんなに溢れさせて、こうするといいのかしら蜷川さんは?こう?」
「あ、あっ、美和子さんっ、お願いです、もっと、もっとそこあっ」
「そう?もっと気持ちよくして欲しいの蜷川さん?」
「はい、して、して下さい美和子さんっ、も、もっと触って気持ちよくぅはうぅぅぅっ!!」

大きく開いた股の中心に顔を突っ込まれ、一番尖った所をストレートに吸われた彩子が悲鳴と共に背筋を硬直させた。

「おっ、おっおっ、おおぉーーーー」

一度脱力した彩子は、とろんとした目で美和子に同じ事をしていた。
時折、彩子はうっとりとした目で、眉根を寄せる美和子を見上げながらぴちゃぴちゃと美和子の成熟した女に舌を這わせ続ける。
甲高い声を絞り出してぐったりとした美和子と彩子が唇を重ねた。

「当たりくじ22番、2-2である」

白覆面がボールを掲げる。

「では、これより渡すカードに、四人の内の一人の名前を書く事」

体の赴くままに69から貝合わせまで相手を取っ替え引っ替え女同士貪り合っていた四人の姿は、今、グラウンドの水飲み場にあった。
四人とも、全裸のまま蛇口の付いている壁に両手を着き、ざっと水洗いされた後、背後に並んだ男子生徒に貫かれている。



「どうだ、佐藤美和子警部補殿、生きのいい男子高○生に取っ替え引っ替え突っ込まれてる感想は?」
「…は、はい、いいですっ、若いギンギンのチ○ポ突っ込まれて凄く気持ちいいです高○生との淫行サイコーです…」

カメラを持った黄覆面にマイクを向けられ、美和子が答える。
必要上わざと媚びた声を作っていると自分に言い訳をしなければならない程、美和子の声は甘いものになっている。
そのカメラは、そんな美和子の横顔からライトを当てながら体の下に潜り込む。

「ん、んっ…」

背後からぷるぷるとした感触が伝わり、美和子が頽れる。
その横では、並んだ全裸少女達も壁に手だけを着いて腰を抜かしている。

「コンプリートだな。
では、眼鏡っ娘と言う属性を持ちながらクラス全員アンケートから四人と言う素晴らしく寂しい数字を叩き出した蜷川彩子お仕置きターイムッ!」
「いいいっ!」

めいめい自分が選んだ、取りあえずこの中で一番ヤリたい女性の中に欲望を放出した2年2組の男子生徒達は、命令されて彩子の腰を力ずくで再び浮かせ、その尻に一人ずつ大振りのビンタを浴びせて言った。

2年2組の男子生徒達がぞろぞろと体育館に引き揚げた後、別に現れた四人の男子生徒が水飲み場で四人の全裸女性の側に付き短いホースでその体に水を浴びせながらタオルで拭っている。
この男子生徒の腰に巻き付けられた爆弾付きの鉄ベルトが籠城事件中のこの暴挙を可能としている。
そんなベルトとパンツだけを身に着けた男子生徒が生まれたままの姿の全裸の女性を磨いているのだから、彼らが例え見ない様に見ない様にと思っても自分の状態が目に見えて分かってしまう。

「あー、ちゃんと洗えよー、隅々までなー。
ただし、あそこは表だけデリケートにな。中までは洗わない方が却っていいそーだ」

見張りの黄覆面が見透かした様に言う。
やむを得ず、男子生徒達は柔らかな胸の膨らみや尻にタオルを伸ばす。

「…ありがとう…」

どこか夢見る様な眼差しの蘭に言われ、担当の男子生徒が硬直する。
そんな弱々しい手つきに、時折磨かれている全裸女性が悩ましい声を出すのだから、その度に緊張はするし下着の中は痛くなる、下手をするとカメラの前でそのまま大量放出する無様すら目の前に迫っているのだから気が気ではない。

まだ青空が広がる下、蘭は、自分を磨いてくれた男子生徒に向かい合い、やはり用意されたエアマットの広がっているお立ち台の上に座っていた。

「…毛利先輩…」

男子生徒は、心ここにあらずな蘭の肩を掴み、抱き締め唇を重ねる。蘭は拒まなかった。
彼は空手部の一年生だった。つまり先程やはり先輩に当たる塚本数美の全裸フ○ラと言う異常事態にあえなく陥落したのだが、それは男として仕方がない事として、普段の彼は、蘭に憧れ以上の感情を抱いていた。だからこそ、それは叶わない事である事も痛い程知っていた。

「ん、んっ…」

そんな蘭の熱い舌が後輩少年の口にねじ込まれる。



さっきから、モニターを食い入る様に見ていた彼は、蘭が今キスしている相手が自分ではない事をよく知っている。
しかし、現実にこうして肉体だけでもキスをしている、今すぐにでも死ぬ様なそんな時に。

「…ごめんね…」

蘭がぽつりと言った。

「え?」
「汚いでしょ?あんなに私の口男の子の…」

後輩少年は、ガッと蘭の唇を奪い、舌をねじ込んでいた。蘭は、自分の事を見ていたと繰り返しながら。
はあはあ息を吐きながら離れた少年を、蘭はきょとんと無邪気なぐらいの表情で見ている。

「毛利先輩」

そのまま少年は蘭をマットに押し倒す。カメラも、遠巻きの包囲も関係の無い事だった。

「ああっ」

少年が蘭の乳房にむしゃぶりつき、蘭が声を上げる。

「ああっ、毛利先輩っ、俺もうっ…」

その声に、蘭はこくんと頷いた。

「ん、うっ…」

蘭の中で沈めた途端に果てながらぎゅっと蘭の体を抱き締める少年の背を、蘭は静かに撫でていた。

徹底して淫靡にして濃厚な青空本番ステージで絞り尽くした蘭と絞り尽くされた相手が半ば足腰立たずにお立ち台を降りるのと入れ違う様に、数美と空手部の一年生男子がステージに上る。

「ごごごごめんなさいっ!」

程なく、慌てふためいた声が響いたお立ち台の上では、自分も全裸になった少年の前で、拭ったばかりの全身におびただしく黄色っぽい液体を浴びた数美が横たわっていた。
いくらこの状況、命令されてやらされている事を双方納得せざるを得ない状況であっても、彼は普段の数美をよくよく見ているだけに腰を抜かしていた。
数美は、そんな少年の唇をちゅっと吸った。

「はうっ!」

既にぐにゃりと垂れつつあったものをちゅぽっと口で吸われ、少年は声を上げた。

「慌てるな、ぶっ飛ばされるとか思った?
こんなの、もう、仕方ないんだから」
「あ、あっあっ…」

投げやりとも聞こえる声の後、少年の男性は数美の中で見る見る力を取り戻していった。

“…名簿屋で買う範疇じゃない、と、すると…
実行犯だけじゃない、協力者をこの中から洗わないと…”

お立ち台の上で身を起こし腰を上下させながら広々としたグラウンドに甲高い声を響かせる彩子の下で散々搾り取られた後でも最後の力を振り絞って、マットに仰向けに横たわり腰を少しでもくねらせている演劇部の一年生男子のそれでもどこかぽーっとした顔を見ながら、美和子はすっと体育館に視線を走らせて考える。
そう、この上で交わった男子生徒、彼らが相手の女の子に普段から抱いている感情は見れば分かる。
この三人の容姿その他からしてそういう男子生徒が少なくない事の予測は付いても、三人が三人明らかにそうであれば、意図的と考えるべき。



そして、そんな事は、部外者には簡単に分かる話ではない。誰かが提供しなければ。

「いっ!」

黄覆面にバチンと剥き出しの尻を叩かれ、美和子は否応なく今の立場を思い出す。
この身を無力に剥き出しにされ、そして、刑事の目を剥き出しにしていたのだとしたら、それは自分だけの問題では済まなくなってしまう。正義は心に秘めていればいい、今は。

「…行きましょうか…」

犯人グループが何やらゴーグルを装着して天井への銃撃を開始し、体育館内はパニックに陥った。
天井が破れ、突入服の男が次々と体育館に落下、その時点で命があろうが無かろうが、覆面集団の銃撃が確実に絶命させて行く。
銃声がやみ白覆面がマイクを握っていた。

「SATの鼠共は始末した。落下したデカイ体で大事な人質にも死者が出たらしい。
制裁措置を発動するっ!まずはこれ一つ分であるっ!!」

白覆面が、引き抜いたリボルバーを体育館の人質に向けた。

「目暮警部」
「名古屋のデパート爆破は見ての通り、県警が調べている。
犯人からメールで報せて来た通り、福岡のデパートからも設置済みの爆弾が発見された。
時間こそ約24時間後にセットされていて解除手順も向こうが報せて来た通りだったが、
最初に屋上で爆発があって十五分後にガラスが全て吹き飛び最後にビルそのものが倒壊する設計。
使用されているのはHMX、携帯でも時限装置でも可能、
そればかりか、向こうの言い分では犯人グループの一人の心臓の鼓動と爆弾の起爆装置が直結しているともな。
犯人からのメールでは“デパートは”これで終了、との事だ。
このメールは報道各社に公表する様に脅迫されている」

目暮が押し殺す様に言う。
画面の中で延々と続けられる陵辱。
体育館に戻され、エアステージの上で大股開きに座った状態で後ろから貫かれ、口にもねじ込まれ両手にも握らされ、間断無い程に白い雨を浴びている美和子の姿を前に、警視庁の指揮本部の中では殺意を隠す事すら出来なかった。
ちょっとカメラがずれると、塚本数美と蜷川彩子が膝を着いて男を口に出し入れさせられ、後ろから貫かれながらやはり両手に握らされその手でしごかれたものから顔や黒髪に迸る。
それは、横たわった男子生徒の上で身を起こし、ぎしぎしと腰を揺らし続けている蘭に関しても似た様なものだった。

無限とも思えた陵辱。
それはそうだ、かなり減ったとは言え四人で全校の男子を相手にしたのではないか。
実際には残りの女生徒達にも矛先が向けられたのだが、エアステージの四人が圧倒的だったのは確か。
改めての銃殺に恐慌を来した大勢の男子生徒に徹底的に陵辱され、待ちきれない少年たちにせめて間近で見てしごき出したものを浴びせられ、しまいにぐったりと横たわる四人は満足の放尿すら浴びせられた。
それすら、こびりついたものが溶ける様な感覚を覚えた。
そんな、もう現実とは到底思えない体験を経て、いつの間にか四人は身を寄せ合い、互いに舐め合っていた。
それをじっと伺うカメラも遠巻きの視線も頭にはない、傷口を舐め合うと言う表現がピッタリの光景だった。




「…としましては、まことに遺憾ながら人命尊重の見地により…
会長の談話として強い憤りを覚えると共に…」

小林澄子教諭は、公営放送協会のニュースを映していたテレビを無言で消す。
その隣でコナンが真っ青な顔をして震えている。
今までは局の性質からも事件の状況をなるべく控え目に放送するだけだったが、これが来ると言う事はそう言う訳にはいかないのは確か、少なくとも小学生、それも身近な人間が被害に遭っているコナンに見せていい内容ではない。

ひたすらに都合の良く、扇情的な場面を再編集したダイジェスト映像が流され、改めて世界中に自分達の、表現する言葉すら無い姿、これからの一生全てを改めて何度でも崩壊させると言っても過言ではない映像が放送されていても、エアステージの四人は最早惚けた様に座り込んでいるばかりだった。

「これは、確かなのか?」

指揮本部で、パソコンの画面を前に目暮が言う。
それは、沖野ヨーコと鈴木園子が持っている爆弾の解除コード、
某マンションに設置された爆弾の位置と解除方法、
体育館内に設置された爆弾の位置と解除方法、
犯人の心臓と直結した起爆装置は既に解除した事、
以上を書き込んだメールだった。

「犯人グループが体育教官室に集まり、動きを止めました」

最新機材で犯人の動向を把握していた捜査一課特殊班の生き残りが報告する。

「このタイミングなら、確実に人質と分断できるな白鳥君」
「はい」

白鳥が返答し、背後からぐおっと気配が沸き上がる。

「高木君」

短銃を手にした高木の肩を白鳥が叩く。

「君は、正しかった。あの時点で、破局的に死者が増える危険な作戦を決して望みはしなかった筈だ」

美和子は、ぼーっと高木を見ていた。
十人以上の捜査員と共に自分の側に現れ、銃口を上に上げ腕で大きく手招きをしている。
結構格好いいと思った。つまり、自分と同じ空間の出来事とは思えなかった。

「大丈夫ですか?」
「もう大丈夫ですよ」

美和子に毛布を渡したのは、面識もある捜査一課性犯罪担当の女性刑事だった。

「きゃあっ!」

不意に、ずれていた思考のピントが合った。

「佐藤さんっ!」

悲鳴を上げて腕で体を隠す美和子に、高木が駆け寄る。

「わ、私は大丈夫、私の服、取って…」

その時、爆発音と共に用具室のドアが吹っ飛んだ。
美代子がハッと振り返ると、エア・ステージの上に蘭が毛布も落として全裸のまま突っ立っていた。



「…やあぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!…」

耳を突き破る様な悲鳴。

「新一いぃぃぃぃぃーーーーーーーーっっっ!!!」

飛び出した蘭とタックルした高木が床でもつれ合った。

「新一っ、新一いいっ!!」

掴み所の難しい裸体で高木からすり抜けた蘭が、とてつもなく高い絶叫と共に駆け出そうとする。

「駄目っ蘭ちゃんっ!!」

後ろからしがみついた美和子と蘭の瞳には、オレンジ色の業火が鮮やかに映っていた。

「新一、新一いっごめんね新一私が私がぁあんな嫌な事考えて新一新一
離して離して新一新一がいるのぉいやあっいやあああああっっっ!!!」

美和子と高木にしがみつかれ、耳の破れそうな悲鳴を響かせる蘭の前に数美が駆け込む。

「毛利っ!」
「この娘、錯乱してる。空手の使い手だから気を付けて」

美和子が言い、数美が当て落とし毛布を掛けた蘭を三人の警察官に引き渡す。

「何ですって?」
「どうしたの?」

イヤホンの耳を押さえた高木に美和子が尋ねる。

「犯人グループ全員、自決です。教官室で自分の口に拳銃を撃ち込み、恐らく即死…」
「…全員、死亡確認…」
「通告されたマンション内の爆弾、全て解除回収しました。念のため捜索を続行します」
「沖野ヨーコと鈴木園子の爆弾、反応停止、回収しました」





「お、おいおいおいおい…」

テレビなんて見たくもなかった。蘭にどんな言葉を掛ければいいのか、
それ以外に考える事も出来なかった、その事自体、考えて答えが見付かるものでもなかった。
そんなコナンでも、通りがかりのテレビに自分の死亡ニュースが映し出されていたらそれは驚くと言うものだ。

「本当に生きていたのかねっ!?」

コナンが公衆電話から電話を掛けても、コンタクトには苦労した。
何しろ死亡が確認されているので、工藤新一として目暮に電話を掛けても
その前の段階で悪戯電話と言われてしまう。
仕方がないので阿笠、優作と巡り巡ってなんとかかんとか電話越しに目暮の絶叫を聞く事が出来た。

「それで、僕が死んだと言うのはどう言う状況だったんですか?」

蝶ネクタイ型変声機で新一の声を出しながらコナンが尋ねた。

「ああ、取りあえず、
君が体育館の用具室に押し込められたのは蘭君を含め君を知っている何人もの生徒が見ている。
そこから脱出した者がいないと言う事もな。
その用具室が火災となった。詳細はこれからだが、出て来た死体は爆発の上灰に等しい有様で、
余りの高温に指紋もDNA鑑定も絶望的だと言われている」
「そうですか…」

この場合幸いにもと言うべきか、小林教諭に民放テレビから遠ざけられていたコナンは、コナンは体育館の中で「工藤新一」が何をしたのかまだ詳しく分かっていない。
ただ、蘭や佐藤への異様な執着は断片的に分かって来た。



それほど精巧な替え玉を用意して、一体何をしようと言うのか、テロ事件に巻き込まれたのではない、狙われたのだと、
だとすると、自決で終わったとは思えない。
バリバリ頭を掻きながら、コナンは何とか解決の糸口を考えようとする。
それより問題なのは…

「それは無いわね」

阿笠邸で話を聞いた哀がコナンに言った。

「組織の犯行じゃない。組織ならこんな馬鹿馬鹿しい目立つやり方はしない。
それより、生きている事、伝えたのね」
「ああ、そうするしか仕方ねぇからな」

ドツボだった。
この事は、目暮から蘭に伝わるだろう。本人が言っていたのだから間違いない。
そして、その事を新一は止められなかった。止める理由が無かった。
蘭の側にいたい。ずっと側にいたい。それはコナン、工藤新一自身が誰よりも渇望している事。
そして、不可能な事。

「目暮警部には、少しだけ待って欲しい、遺体の鑑定で別人だったって線で何とか頼んでおいたが…」
「その状況だと、科捜研の鑑定を捏造させる事になるわね」
「まあ、息子の生き死に捏造されて文句言う家族もいねぇんだからその辺は何とか頼みたいトコだけど、
待って、もらうしかねぇのかな?」

コナンが口を開いた。

「電話も試作品も無しで、中途半端な事しないで蘭を待たせる事しか、出来ないのか…」
「そうよ」

哀が、ぐっと食いしばって言葉を発した。

「僅かな喜びが、今度こそ絶望に変わってしまう。
事件があるからって、今の蘭さんから離れる事が出来る?
そんな事したら…」

拳が埋まったソファーの響き、それを聞く哀の背中は震えていた。

「分かってるよ…
事件だからって言って、これ以上のデカイ事件なんてあってたまるかよ。
ああ、蘭があんな目に遭うより大事な事件なんて、あってたまるかよ…」





「新一のお母さん」

虚ろな目でベッドに身を起こしていた蘭の表情に、僅かに生気が蘇る。

「今回は本当に、言葉も無い」

沈痛な顔で近づく有希子に、蘭がぺこりと頭を下げる。

「こんな時になんだけど、気を強く持って聞いて」
「はい…」

自分があれだけの目に遭って、この先一生その事で苦しめられる事が目に見えていて、
そして、最愛の男性が目の前で死んだ。この上何を驚く事があると言うのか。

「新一は、生きてるわ」
「え?」
「新一は、生きてる」


「だって、え?あの時、あの時だって私新一があそこで…」
「あれは、なんだか知らないけど偽者よ。事件直後、驚いた新一本人が目暮警部の所に電話を掛けた」

有希子がICレコーダーを再生する。実際に行った目暮との会話を変声機で再現したものだったが、
蘭の顔に見る見る喜色が上る。

「…問題はその後…」
「その後?」
「新一は、海外で国際的な麻薬シンジケートの関わる事件に巻き込まれてた。
FBIの知り合いが伝えて来た所では、目暮警部に連絡を入れた直後、定期連絡が途切れて音信不通になった」
「それって…じゃあ…慌てて連絡を入れたから、新一…」
「それは無いわ、新ちゃんがそんなドジ踏む訳ないもの。
でも、連絡が取れない状況になっている事に違いないわ。
FBIでも極秘に行方を捜している。大げさにしたら本当に命が危なくなるから。
目暮警部も、新一の死亡確認だけは取り消すけど、それ以上の事は公表しない筈よ」
「…新一…新一が、生きてた…でも、新一が危ない…」…

青い顔で震え出した蘭を、有希子がぎゅっと抱き締めた。

「新一は生きてる、きっと帰って来る。蘭ちゃんを残して逝ったりはしない、絶対に。
だから、だから蘭ちゃん、お願いだからうちの馬鹿息子の事、少しだけ待っててくれる、ね?」
「お母さん…」



(俺様一人称モード)
「うふふふあはははうひゃうひうひゃはははうへほほほほほほほほほほ…」

この成功、何度噛み締めても癖になる。踊り出したくもなると言うもの。
パソコンには、余りの事件の凄惨さから何度も行われた法改正をあざ笑うかの如く、
何度でもいつまでも流れ続けている ネ申 映像の数々が映し出されている。
うん、 ネ申 映像とは言い得て妙である。 ネ申 である俺様が創造した映像である以上当然の事だ。
一踊り済ませた俺様は、部屋の中心でズボンと下着を下ろし、
床に這いつくばる牝奴隷蜷川彩子にしゃぶらせる。無論、衣服など着けさせてはいない。
そしてもう一人の牝奴隷二号が幼いくらいの華奢な裸体を見せて一緒にしゃぶる。
今朝電車で見かけたのだから名前等知らん。必要なら確かめる。
要は、あのポケットがあれば洗脳するも記憶を改変するもどうにでもなると言う事だ。
分身ハンマーで呼び出した我が分身にもはん手紙ペンを使わせてレス原稿を書かせながら、
鬼畜ゲーム関係のチャットで、それらしい手駒を探しうまく誘導してオフ会に引っ張り出した。
そうやって引っ張り出された五人の愚かな手駒は、うそつ機の効果で、
異常な高性能により販売中止となった体感ゲーム機「コクーン」の
新バージョン体験試乗であると思い込んだまま、最後はシナリオライターの指示通りゲームオーバーした訳だ。
大雑把に言って手駒共は二十代ー三十代非正規雇用つまり負け組、
部屋からは大量の鬼畜ゲーム・同人誌。訳知り顔にコメントするには十分だ。
このうそつ機は、使える。
この清廉潔白な俺様でも知っているくらいの裏社会の人間を次々と説得して誰が使えるかを聞き出しては
聞き出した時の記憶をメモリーディスクで消去し、
最終的には北海道の中堅暴力団幹部からの信頼を勝ち取り、ロシア軍から今回使用した武器の一部を仕入れた。
その一部を除いては、文字通り秘密道具を駆使してもっと確実なルートで買収し手に入れたものだ。


そして、そのやーさんとの連絡用に使った他人名義で契約し、たましいふきこみ銃で手駒の一人に操作させたノーパソを体育館で死んだその手駒の自宅に置いておいた。
そのノーパソには犯行の企画書やら使った口座のデータやら何やらが入っている。
ロクでもない悪銭をため込んだ豚共の「連続資産家強盗殺人事件」の証拠も残しておいたから
資金面でも問題はない。
そして、そこから捜査の手が伸びる直前、やーさんはシナリオライターに書かれた通り、
自宅に火薬と灯油を撒いてから中国製の赤星マカロフで自分の口の中をぶち抜いた。
警視庁に潜入し調査した範囲でも、これにより背後関係の捜査は頓挫した。
当然だ、元々痕跡等存在しないのだから。
俺様にも多少の慈悲はある。あの偽者には最初にマカロフで額の真ん中に穴を空けてから、
口に焼夷手榴弾を突っ込み死体にゲル燃料と酸化鉄とアルミ粉末を惜しげもなく注ぎ込み
時限装置付きの焼夷手榴弾を用具室に仕掛けておいたのだが、
精密鑑定の結果別人と判明したのは少し予想外だった。まあ、その程度の事は誤差の範囲内だ。
机を掴み、尻を突き出す二人の美少女に後ろから突っ込みながら、
俺様は改めてその向こうの芸術映像に浸る。
そう、あの牝豚共には、一生これがついて回る、これが、世間が見るあいつら、

「一生一生いっしょおうぅぅぅぅーーーーーーーーっっっっっおうっ」





「下らない事をしたもんだ」

「帝丹高校体育館襲撃事件」の基本となるイベント開催、警察側の配置、作戦、
最低限の身の安全の保障と言った基本的な企画書となるあらかじめ日記を書き終えた俺様は、
その美しい声に振り返った。
そこには、毎日鏡で見慣れた端正にして凛々しい顔があった。

「何だと?お前は?」
「その、下らないゲームの結末を知っている人間さ。そう言えば分かるだろう?」
「タイムベルトか」
「ご名答。これから、帝丹高校の体育館であの牝豚共とついでにピチピチ女子高生相手に
阿鼻叫喚酒池肉林の学園ハイジャック鬼畜陵辱ゲームって訳か」
「当然だ、これで、あの牝共、完膚無きまでに貪り尽くしやり尽くしひぃひぃ泣かせて
完全に世界中の真ん中で踏み潰して…」
「いや、完璧じゃあ、ない」
「何だと?」
「俺様がやる事にしては穴があると言っている。
確かに、廃人寸前まで追い込む事は出来た。だが、そこまでだ」

未来の俺様から、一枚の写真を受け取った。

「精神的にも社会的にもどん底と言うものを見せてやる、そこまでは出来た。
だが、家族や友人に支えられ、そして、何より最も深く愛し、支え続けた幼なじみと結ばれ、
ガキを産んで幸せを満喫している。
何の事はない、貴様のやった事はちょっとした遠回りに過ぎないと言う事だ」

既に、目の前から奴は消えていた。
俺様の手に握り潰された、夫と、足下に立つ子の横で赤子を抱き、
優しく微笑む小市民的な甘ったるい写真を残して。



「これは、誤差の範囲に過ぎない、よくある事だ。失敗などある筈が無い。
いいだろう、よくぞ報せた。見せてやろう。 ネ申 に逆らうと言う事がどう言う事か、
俺様の超絶に天才な頭脳をもってすれば全ては計画通り問題にない予備が届くであると言う事を
あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃあぁふひひひひひひひひひひひひあひゃひゃひゃひゃ
ナンジャラモンジャラホニャラカピー」

まずは、飯にしよう。それから、前祝いに2、3人かっさらって来よう。
俺様の威光に相応しい素晴らしい天罰への前祝いとして。
放たれたダーツは、壁に貼られた大量の写真の一つに突き刺さる。
黒髪ショートカット、ブレザー制服の女子高生の小生意気な面、
そのつんとした鼻を鋭利な針が貫いていた。







「名探偵コナン」×ドラ○もんの道具を悪用してエロ小説クロスオーバー企画

「あいつが来る」エピソード・ゼロ -終了-

本編に続く