名無し89さん


「のび太君、いい加減「のろいのカメラ」で遊ぶのはもうやめなよ。」
「えー、いーじゃない、ドラえもんだって、「のろいのカメラ」でスネオに復讐したじゃない。」

ふとしたことから、「のろいのカメラ」を手に入れたのび太。
もう何日間も「のろいのカメラ」で遊んでいた。
さすがのドラえもんも、見るにみかねて忠告したが、「ドラえもん世界」の通例として
のび太はサッパリ耳を貸さなかった。

「スネオとボクのことは、オアイコってコトで終わったの。
 それにのび太君、君の使い方はどこかヘンだよ。」

「ドラえもんみたいに復讐につかってないだけ、ボクのほうがマシだよ。」
「・・・」

グゥの音も出ないドラえもん。
それもそのはず。
ドラえもんとちがって、たしかにのび太は
「のろいのカメラ」を復讐の道具としては使ってはいなかった。

いちおう説明しておこう。
「のろいのカメラ」とは22世紀の未来からドラえもんが持ち込んだ復讐道具である。
カメラは撮影した被写体の人物そっくりの人形をつくりだす。
この人形はいわば「呪いのわら人形」のようなもので、人形に加えられた刺激が、
被写体本人にも伝わる仕組みである。

「ボクは「のろいのカメラ」を、愛の道具として使っているんだよ。フフフ・・・。」

薄ら笑いを浮かべながら自信満々に話すのび太。
その手に握られている人形は、全裸の源しずか嬢であった。
なかば盗撮同然に撮影したものから、作られた「しずか人形」。
人形をなでるのび太の手つきは、どこか妙にイヤらしい。

可愛そうな源しずか嬢。
キレイで気立てが良くて、おまけにアタマもイイという三拍子そろった古典的美人。
けれども下手にのび太に優しくしたのが運のつき。
入浴姿を覗かれるわ、パンツを覗かれるわ
のび太のストーカー的覗き行為で、今まで散々な目にあっているのだが、
今回もまたとんでもない目に逢っているのだろう。
さらにのび太と結婚するという、無残な未来が待ち受けているわけだから
何とも気の毒としか言うほか無い。

「さぁ、しずかちゃん、これから二人で楽しい事しましょうねぇ~
 今日は何をしようか?昨日はおマタの前を綿棒で遊んだし、
 一昨日はボクのお口で体をキレイキレイにしてあげたし・・・へへへ」

「のび太君わかってる?
 人形にあたえた刺激はしずかちゃんにも伝わってるんだよ!」

あまりのおぞましさに、おもわず口を挟むドラえもん。
のび太はお得意の屁理屈で応戦だ。

「分かってるよ!まったく、ドラえもんはうるさいなあ~。
 だ~か~ら~ボクは、「のろいのカメラ」を愛の道具に使ってるんだよ。
 ボクの愛をしずかちゃんに、伝えるためにね!」

もともと人形遊びが好きだったがのび太。
どうやらしずか嬢への一方的な恋愛感情が、単なる「人形ごっこ好き」を
いびつな変態人形性愛へと昇華させてしまったらしい。

「そうだ!今日はしずかちゃんのお尻をマッチ棒で可愛がってあげる!
 きっと楽しいぞぉ~!グフフフ・・・」

さすがは小心者ののび太。
相手が無抵抗だと、歯止めというものが、まったく効かなくなる。
もう三日間、「しんけいの病気」でしずか嬢が学校を休んでいるというのに、
責めの手を少しも緩めようとはしない。
物言わぬ「しずか人形」を相手に、のび太の悪戯は、エスカレートするばかりだった。

(いけない・・・このままじゃあ、しずかちゃんはもちろん、
 のび太君まで、おかしくなってしまう。ただでさえアレなのに、これ以上症状が進んじゃえば・・・)
「のろいのカメラ」をスネオへの復讐に使った引け目もあって、今まで静観してきたドラえもん。
だがしずか嬢のアナルが危機にさらされるのを目前に、ようやく介入の意思を決めた。
いつものコトながら、どこかしら遅すぎる決断であった。

「ダメだよ!のび太君!ダメッ!!」
意を決したドラえもんは、憤然と声を上げた。

「うるさいなぁ、ドラえもんは。いま大事なところなんだから、アッチ行っててよ!
「のろいのカメラ」なら、ホラッ返すから、ボクのことはほっといてっ!!」

一体、なにがどう大事なのか?この点は深く考えないことにする。
ともあれ、お楽しみを邪魔されたのび太は、怒鳴り声をあげながら、「のろいのカメラ」を放り出した。
だが今度はドラえもんも引き下がらなかった。

「のび太君、そんな一方的なのは愛じゃないよ!
 愛っていうのは、愛する二人が互いに高めあっていくもの!!
 君が今やってるのは、卑劣な痴漢行為!!!
 しずかちゃんだって、大いに迷惑してるんだよ!!!!」

怒りをあらわにするドラえもん。、あっけにとられて見つめるのび太。
その隙をつき、ドラえもんはのび太から「しずか人形」を奪い取り、
すかさず四次元ポケットのどこかにしまいこんだ。
(これでしずかちゃんはもう大丈夫。空気もあるし温度も一定だから安全だ・・・。)

ホッとしたドラえもんを待ち受けていたのは、憤怒に燃えるのび太・・・ではない。
ゲロ泣きに暮れるのび太であった。

「ひどいよ、ドラえもん!
 ボクだって分かってたさ、しずかちゃんが迷惑してるって!
 でもどうしようもなかったんだ!他に手がなかったんだもん!
 最近しずかちゃんったら、ぜんぜんボクのこと相手にしてくんないし、
 いくら未来にボクとしずかちゃんが結婚するったって、
 このままじゃ、出来杉にとられかいそうで・・・(長いので中略・・・)
 だいたいドラえもんが、「のろいのカメラ」なんか持ち出すから
 こうなったんじゃないかーっ!」

手前勝手な責任転嫁と自己弁護が続くが、
発達障害のケがあるのび太に、ドラえもんはとことん優しい。

「ヨシヨシのび太君。人形は返してもらったけど
 君のこともチャンと考えてあるから大丈夫だよ。だからホラそんなに泣かないで・・・。」

この優しさが、のび太のダメさを拡大再生産しているのだが 
どういうわけか、ドラえもんはまるで気にしない。
ひょっとすると22世紀のセワシが予定した未来への道のりを実現させるのが、
ドラえもんの第一の任務であって、のび太の正常発達は二の次なのかもしれない。

ともあれドラえもんは、「四次元ポケット」から「どこでもドア」を取り出した。

「あれ・・・ドラえもん、どこへ行くの?」

「しずかちゃんが入院している病院へ。
 のび太君、君も来るんだ。しずかちゃんに愛を伝えたいんでしょ。
 だったらしずかちゃんと君とで愛を交歓しなきゃ。
 君の愛でしずかちゃんを虜にするんだ。」

「で・・・でも・・・そんなことできないよ。はずかしくって。
 それにしずかちゃんに断られたら・・・嫌われたら・・・ボク生きていけないッ!!!」

「大丈夫だよのび太君。その辺はちゃんと考えてあるから・・・。」

「ヘ?」

「まず「Yロウ」を使うからしずかちゃんは拒否できない。
 それに「スモールライト」を使えば、不器用な君でもしずかちゃんを、うまく愛せるだろ?
「ヘソリンガス」も併用すれば、しずかちゃんもきっと、君の言いなりになってくれるよ。
とにかくこれで、のび太君としずかちゃんの結婚は、確実になるさ」

「すごいよ、ドラえもん!!!」

以下省略。


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最終更新:2007年05月19日 13:28