全裸美少女がとぐろをまいて熟睡する巨大ベッドのど真ん中で眠りに就いていた偽ネギだったが、
さすがに慣れと言う事か、休暇九日目の昼近く、
一度目覚めると三人の美少女の動きの分担はテキパキとしていた。
千鶴の作るトーストにスープ、ベーコンエッグにオレンジジュースの朝食兼昼食もいい感じの仕上がりで
楽しい談笑の一時を過ごす。
山荘の後片付けを終えた偽ネギは、その山荘の一室の四隅に鍋を置いて鍋にナワバリエキスを垂らしてから
その部屋に三人を呼ぶ。
そこで、なんとかあいあいパラソルの効果を解除し、メモリーディスクで記憶を改ざんした後、
瞬間固定カメラとチッポケット二次元カメラで三人を撮影する。
石ころぼうしを被り時差調節ダイヤルつきどこでもドアで休暇前日の学園に移動した偽ネギは、
タイミングを見て人気の無い場所で千鶴の写真に湯を掛け、
千鶴を拉致した一秒後にタンマウォッチで時間を停止、
千鶴を拉致された場所に移動してから時間停止を解除し、千鶴を瞬間固定カメラで撮影する。
同じ作業をあやか、夏美についてもタイムベルトで時間を繰り返しながら実行した。
三人を元の時間に戻した偽ネギは、山荘に戻り、
その玄関近くに縦2メートル横1メートルほどのプラスチックの青い板を置く。
続いて、麻帆良近郊の山中に入り、同じサイズの赤い板を置く。
スペースイーターを取り出し、行き先が青い板になる様に場所を指定して、赤い板に穴を空けさせる。
赤い板と青い板を繋ぐ超空間のトンネルが出来た所で、
二枚の板を回収しチッポケット二次元カメラで撮影し保管する。
その後で時差超調節ダイヤルつきどこでもドアで休暇八日目昼過ぎの、
これから665号室美少女軍団とのエロエロドロドロパーティーが予定されている山荘近くに移動する。
石ころぼうしを被りイージー特撮カメラを用意した偽ネギは、
山荘内に侵入して何度となく時間を遡りながら、
撮影している偽ネギから見て過去の偽ネギと三人の美少女が織りなす乱痴気騒ぎの限りを
様々な角度、距離から撮影しまくる。

撮影後、偽ネギは休暇前日夕方の麻帆良学園に移動する。
そこで、石ころぼうしを被って下校途中の犬上小太郎に接近し、
瞬間固定カメラとチッポケット二次元カメラで撮影した。
そして、休暇九日目夕方の図書館島裏に移動すると、
かべ紙秘密基地の中に稼働中の地球セットのかんさつ鏡を外してその中に入り、
人造地球上に造っておいた無人島の一つに移動する。
そこで石ころぼうしを被った偽ネギは小太郎の写真に湯を浴びせ、
現れた小太郎を瞬間固定カメラで撮影すると同時にシナリオライターを着火。
予定していた動作を一通り終えた小太郎は、
シナリオ通り地面に落ちているワスレンボーを拾い自分の脳天を一撃する。

「ん?ここは?」
「気が付いたか犬、貴様の偉大なるマスターエヴァンジェリン様が来てやったぞ」
フリーサイズぬいぐるみカメラでエヴァンジェリンの着ぐるみを着てうそつ機を装着した偽ネギが、
小太郎の目の前で腕組みして言った。
「貴様にはこの無人島で一日か二日ほどを過ごしてもらう。これは師匠命令だ。
私の別荘と同じでこの島の時間軸も外部とは違っているから留守にしている事は心配せずにいい。
以上だ、質問は認めない」
言うだけ言うと、偽ネギは改めて小太郎がほとんど静止して見える様にきょうじきで時間を調整し、
近くの林の中で着ぐるみを脱ぎ石ころぼうしを被ってきょうじきで小太郎の時間を戻した。

「何なんや?」
正直意味不明な展開であるが、あの怖い方の師匠ならそれぐらいの事はやりかねない。
深く考えるのはやめて林に入って行った小太郎だが、
森の中に響く鳥の声、そして、程なく見えてきた澄んだ流れの小さな川や滝を目にしただけで、
笑みを隠しきれなかった。
更に森の奥に分け入り、沼地を見付け泥を探って又ニヤリと笑みを浮かべる。
それから、更に進んだ所には、小屋まで建っていた。
木組みの高床式の上に建っている小屋は、ちょっとしたコテージ風ですらあった。
落ちていた梯子を木組みに掛けて小太郎が小屋に入ると、その中はがらんとしていて
ちょっとした戸棚が幾つかあった。
「おっ」
そこにぼとんと姿を現したアオダイショウに、小太郎はにっと笑みを向ける。
小屋の中から小太郎が探し出したのは、サバイバルナイフ一振りと桶がいくつか。
鍋や小物もいくつかに寝袋まで見付かった。
小太郎は、桶を開けて中身を確かめる。
「玄米、味噌、塩…ほんまかいな」
小太郎の顔は、呆れた表情だった。

夜の森に入った小太郎が、茂みに気弾を放った。
程なく、黒い犬が山鳥を一羽くわえて戻って来る。
小屋に戻った小太郎は、小屋周辺の空地に竈を組んでその焚き火に鍋を掛けて玄米を炊き、
山鳥の羽をむしりワタを取って塩を振り木の枝で串刺しにして、別の焚き火で炙り焼いてかぶりついた。

同じ頃、同じ人造地球上の別の無人島では、
偽ネギが捕獲した野ウサギを焚き火で煮込んでシチューを作っていた。
ライ麦パンとウサギのシチューで夕食を終え、キャンピングカプセルに入って就寝する。

翌朝、小屋で目覚め、夜の内に作っておいた味噌焼むすびを一つ腹に入れた小太郎は、
残りの焼むすびと手近で捕まえたコジュケイの炙り焼きで腹を膨らませて海岸に向かう。
小屋で見付けたヤスを手に海に潜った小太郎は、見事なシマアジを仕留め、
伊勢エビと一緒に流木の焚き火で塩焼きにしてかぶりついた。

朝、キャンピングカプセルで目覚め、海で手づかみで捕れる伊勢エビの味噌汁と雑炊を作って平らげた偽ネギは、
昼には島の奥に入り、山奥の谷川でヤマメの串焼きの昼食にかぶりついていた。
そして、夜にはスペースイーターの超空間抜け穴が空いたプラスチックの赤い板を取り出し、
抜け穴をくぐって予め青い板の置いておいた小太郎のいる島へと移動する。
この青い板が小太郎のいる島にある事は、念のためヒミツゲンシュ犬に食わせておいた。

「おうっ、ネギ、来てたんか」
偽ネギが小屋の辺りに行くと、石の竈に焚き火を燃やし、小太郎が上機嫌で夕食を取っていた。
「うん、今夜がラストだから迎えに来たよ」
「なんや、そうか」
「引き揚げは晩ご飯食べてからでもいいんだけど、美味しそうだね」
これは偽ネギの本心でもあった。
「ああ、いい鹿シメたさかいな、ちょうど良かった、こんなん一人じゃ食い切れんで食ってくか?」
「うん」
小太郎の誘いに、偽ネギは無邪気な笑顔で応じた。
「それで、どうこの島?」
「ああ、なんか修行ちゅーより焼肉食い放題に来たみたいなモンやな。
何やもう一晩あったら牡丹鍋も食えたのになぁ」
骨付きの炙り焼きを手づかみにカラカラ笑う小太郎に、偽ネギも笑みを浮かべる。計画通り。
偽ネギも、遠慮無く肉塊の炙り焼きに味噌鍋、雑炊を貪り食う。
「かぁー、食った食ったぁ」
「だね」
偽ネギもにっこり笑った。
「じゃあ、一休みしたら引き揚げで、
帰ったら出発した日の同じ時間になる様にそう言う時間軸になってるから、
千鶴さんには僕から外でご飯食べるって言っておいたから」
「おう、悪いなネギ」
「だから、着替え用意したから水浴びだけしちゃって。千鶴さん達びっくりしちゃうし」
「分かった」


小太郎が着替えを終えた後、偽ネギと小太郎は砂浜に向かう。
そこで、偽ネギはタンマウォッチを使った。
時間が停止している間に、偽ネギは石ころぼうしを被って小太郎の正面に立ちタンマウォッチのスイッチを押す。
小太郎が異常に気付く間もなく、瞬間固定カメラとチッポケット二次元カメラで小太郎を撮影した偽ネギは、
別に用意したスペースイーターを使った赤い板青い板トンネルで
かんさつ鏡の出入り口のある人造地球上の西暦1000年東海地方某所に移動する。
実の所、小太郎がいた島と偽ネギのいた島はきょうじきで島の一日がそれ以外の一分になる様に調整されており、
島の時間を元に戻した偽ネギは、かんさつ鏡から地球セットの外に出て、
休暇九日目夕方の図書館島裏から休暇前日夜の麻帆良学園都市内の
タイムテレビで調べた無人ポイントに時差調節ダイヤルつきどこでもドアで移動。
そこで、石ころぼうしを被ったままの偽ネギが小太郎の写真に湯を垂らし、
現れた小太郎を後ろから瞬間固定カメラで撮影してから道具をしまい、石ころぼうしを外す。
「ん?ここは?」
「ああ、無事転移したみたい。さっきも言った通り、出発した日の夜だから、じゃあ、又明日」
「おう、又明日な。こりゃ修行ちゅうより休憩やな、ゴチんなって怖いマスターにも礼でも言わな」
「あの性格だから、言ったらシメられるかもね」
「そやな、じゃ」
“…さて、と…後はキティちゃんの記憶もこれに合わせとかないとな…”


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最終更新:2008年09月15日 00:18