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 静香が重大な過ちに気付いた時には手遅れだった。
 のび太は事ある毎にドラえもんの道具を悪用し、調子に乗って失敗してきた男なのである。
 そんなのび太が一度味わってしまった、温かい中での解放感を手放すわけが無かった。
 最初のうちにもっと厳しく釘を刺しておくべきだったのだ。
 月のものが来ないことに気付いた時は、「しまった」と思った静香だったが、
 あれこれ考えるうちに、のび太は責任を取ってくれるだろうと思うようになっていた。
 あれ以来数ヶ月、コンドームの使用をめぐって多少の言い合いはあったが、
 それでものび太のセックスはいつも優しくて、いつでも最高の満足感を与えてくれたのだった。
 そんなのび太だから、もう信用しても大丈夫。静香はそう考えていた。
 偽名を使って自費診療で確認を済ませた静香は野比家を訪れた。
 昔と変わらぬ野比家の外観を、静香は感慨深げに眺めていた。
 のび太の悪戯に悩まされながらも楽しかった日々が昨日のことのようで、
 それでいて自分はママになりつつあるのだという気恥ずかしくて満ち足りた感覚だった。
 チャイムを鳴らすとすぐにのび太が顔を出す。
「やあ、今日は遅かったね」
 二階に上がると、静香はまず初めにドラえもんにお土産を渡す。
「ドラちゃん、今日もどら焼きを持ってきたわよ、慌てないでゆっくり食べてね」
 決まり文句になりつつある静香の言葉を無視して、ドラえもんは大好物を貪り食った。
 餌を横取りされかけた野良犬のように油断の無い目付きをしながら、
 静香が封を切ってやったものを次々に引ったくり、瞬く間に三十個ものどら焼きを平らげた。
「ほら、ポンコツ、しずかちゃんにありがとうは?」
 ドラえもんは億劫そうに鼻を鳴らす。
「感謝したら明日は四十個になるのかね~? 僕にはそうは思えないけど」
「いいのよ、ドラちゃん。じゃあ明日は四十個ね」
 のび太はドラえもんにゲンコツを張りながら言う。
「キリがないからやめときなって。とうとう十個単位で要求しだしただろ?
 もういい加減、こいつのことは諦めなよ」
「いいえ、きっとドラちゃんは元気になるわ。だから、のび太さんもポンコツなんて言っちゃだめよ」
 ドラえもんは窓の外を眺めながらゴロンと横になった。
「やることをやって、さっさと帰ってくれよ。君達がヒィヒィうるさくて、近頃昼寝も出来やしないじゃないか」
 初めは静香に対する羞恥プレーだったのだが、ドラえもんに聞かれながらのセックスにもだいぶ慣れてきていた。
「そのことなんだけど……わたし達、赤ちゃんを授かったのよ?」
 のび太が答えるよりも早く、ドラえもんが呟く。
「ほら見たことか、まったく君達は愚かだな~」
 のび太はドラえもんを蹴って転がす。
「わかったよ、しずかちゃん。責任を取るって約束したもんね。僕に任せておいて」
「じゃあ、……ありがとう、のび太さん!」
 静香は思わずのび太に抱きついた。そのまま濃厚なキスが始まったのだが、静香は急に顔をそむけた。
「どうしたの?」
「ごめんなさい、病院で確定したら急につわりが始まったみたい。わたしったら単純ね」
「じゃあ、今日は無理しないほうがいいよ。家で安静にしてたほうがいい」
 のび太はどこでもドアを取り出して静香の家に接続した。
「ありがとう、のび太さん。じゃあまた明日」
 軽いキスを何度も交わして別れを惜しむ二人は、まるで熱々の新婚夫婦のようだった。
「送ってくよ」
「もう、のび太さんったら、すぐ近くじゃないの」
 源邸に踏み込んだ二人の背中にドラえもんは呟いた。
「君達は実に馬鹿だな~」

 自宅に帰った静香は慣れない手料理など作って朝比奈を驚かせた。
 味はそんなに良くなかったが、
 これから練習すれば赤ちゃんにママの手料理を食べさせられるとワクワクしていた。
 疎かになりかけたヴァイオリンが奏でる『愛の喜び』が、
 練習不足に反比例して上達しているようにも思えた。
 ぬるめの風呂にゆったりつかって、膨らんでもいないお腹に話しかけたりもした。
 両親や許嫁にはどう説明したらいいだろう?
 そんなことをチラッと気にもかけたが、いざとなればのび太が秘密道具でなんとかしてくれるはずだった。
 はしゃぎすぎて疲れを感じた静香は早めに床につく。
「お休みなさい、わたしの赤ちゃん。ゆっくり眠って、また明日ママと遊びましょうね?」
 下腹部をさすって満足げに微笑むと、五分と待たずに深い眠りについた。

 のび太は自室でタイムテレビを眺めていた。映っているのはもちろん静香の姿だった。
「さて、責任を取るとしようか」
 のび太はおもむろにどこでもドアを取り出し、静香の部屋に侵入する。念のため石ころ帽子もかぶってきた。
 必要の無い抜き足差し足をして、のび太はベッドに忍び寄る。
 ――よく眠ってるな~。お腹に赤ちゃんがいるのって、すごく負担なんだろうな。
 四次元ポケットをまさぐり、のび太はタイム風呂敷を取り出す。
 掛け布団をめくると、静香はウ~ンと気持ちよさそうな声で唸った。
「今、楽にしてあげるからね」
 静香の下腹部にタイム風呂敷をかけると、のび太は頭の中でカウントして、計算しておいた時間を待つ。
「よし、これで元通りのしずかちゃんだ。また一緒にいろんなエッチを試そうね」
 掛け布団を元に戻し、寝顔の頬にキスをして、のび太は自宅に戻った。

 なかなか具体的な行動を起こしてくれないのび太に苛立ちながら、
 健康保険証を使えぬまま、静香は産科の定期検診を受けた。
 頼んでもいない数々の検査を強制され、静香は戸惑った。
 最終的に院長と事務長の二人から丁重な謝罪を受け、病院をあとにしたのだった。
 ――誤診だったなんて……。つわりまであったのに……。
 毎日学校帰りに通っていた野比家に寄らず、静香は自宅に戻り、ベッドに崩れた。
 しばらく経つと、どこでもドアからのび太が現われた。
「どうしたんだよ? どこか具合でも悪いの?」
 静香はハッと気付いた。のび太はまだ誤診のことを知らないはずだ。
 それなのに、『どこか具合でも悪いの?』というのは不自然である。
『つわりがひどいの?』とか、最低でも『具合が悪いの?』と言うのが普通のはずなのだ。
『どこか具合でも』ということはつまり……。
「……赤ちゃんを返して」
 震える声だが、静香は泣いていなかった。
「な、なんだよ?」
「赤ちゃんを返して……この人でなし」
 自殺未遂をからかわれ、初めて恥辱を受けた晩よりも恐ろしい形相でのび太をにらみつける。
 窓から差し込む真っ赤な西日を受けて、小刻みに震える静香の顔が血塗れのようにさえ見える。
「楽しい学生時代はまだまだこれからじゃないか。何をそんなに怒ってるのさ? 責任は取っただろ?」
「赤ちゃんを返せ!」
 静香はのび太の襟首をつかんで押し倒し、馬乗りになって何度も顔を殴打する。
「やめて……やめてくれ……やめろ……やめろって言ってるだろ!」
 あまりの剣幕に殴られっぱなしだったのび太だが、しまいには静香を突き飛ばしてビンタを張った。
「僕はまだ父親になる気なんかないぞ! ちゃんとタイム風呂敷で体を元通りにして、責任を取ったじゃないか!」
「……あなた人間じゃないわ。……返しなさいよ! この人殺し!」
 何度突き飛ばしてもつかみかかる静香に恐れをなして、のび太はどこでもドアをくぐった。
 静香の絶叫にも似た泣き声に、朝比奈が駆け込んできた。
 朝比奈の腕にまで爪を立てる静香をなんとか引き剥がし、朝比奈はホームドクターを呼び付けた。
 男二人がかりでなんとか静香を押さえ込み、肩に鎮静剤を打って騒ぎは終わった。

 数日経って、静香の父が学院に休学届けを提出した。
 取引先その他の令嬢の前で『病んだ娘』が失態など犯さぬよう先手を打ったのである。
 静香の情緒不安定ぶりを朝比奈から聞いていた両親は、月に一度の精神科受診を条件に、
「好きなことだけしてのんびり過ごしていればいいんだよ」と、静香を再び放任した。
『心の病』に対する紋切り型の姿勢だけを見せる両親に失望した静香だったが、
 この時ばかりはそれを有り難くも思った。
 子殺しの男を抹殺するためには、雑事に追われている暇は無かったのだから。

 休学から数日のうちに『無事に』生理が始まり、六日ほどして終わると、
 静香は『謝罪』のために野比家を訪れた。
 媚びを売って油断させるため、のび太お気に入りの黒いメイド服を着てきた。
 さらにはノーパンノーブラという初めての試みまでプラスしていた。
 黒いオーバーニーソックスの上端よりもスカートが短く、
 ほんの僅かでも油断すればお嬢様の秘貝が見え放題といういでたちに、
 送ってきた朝比奈の目も釘付けだった。
 車を降りる間際に静香は問う。
「……わたしを軽蔑してるかしら?」
「とんでもございません。強い欲求は生きるための原動力ともなります。
 野比様という特定のお相手とのことですし、
 若いお体がいくら欲しがったとて恥じることなどございませんよ。
 ただ、ご自分の体はきちんと守ってくださいませ。
 それだけはこの朝比奈と約束してくださいますな?」
「ありがとう、約束するわ……」
 静香の姿が野比家の中に消えると、朝比奈は財布を取り出し、リアシートに小銭を撒き散らした。
「おっと、これはいかん」
 後部ドアから上半身だけ突っ込んだ状態で、息も絶え絶えの変態翁は革シートを夢中でねぶる。
 僅かに汗ばんだシートに、お嬢様の名残蜜が光っているのを見付けたからだった。

 ドラえもんへのお供えが終わり、深々と頭を下げて暴力の件を詫びた静香だったが、
 のび太は腕組みして「フンッ!」とそっぽを向いてしまった。
 静香は構わず、のび太の横顔に、首筋に、ゆっくりと口付けて、じっくりと重く舌を這わせる。
 おもむろにのび太のチャックを下げ、トランクス越しの男根に頬ずりして甘いため息をつく。
 言葉で媚びを売れば手の内を悟られるような気がして、黙々と痴女を演じ続けるのだった。
 四つん這いになって、あぐらの中心にそそり立つものを口に含む静香。
 後から見ればジワリと湿った花園や、しとやかな肌色の菊門が丸見えだった。
 この時ののび太は既に粗チンではなくなっていた。
 ビッグライトとスモールライトを駆使して『静香専用』に微調整した日が懐かしい。
 お互いスッポンポンのまま、ライトを当てては跨り、少しグラインドしては抜いてライトを当て直す。
 そうやって笑い合った日々の思い出を無理矢理反芻しながら、汗臭い専用玩具を涎まみれにしてゆく。

 落ちてくる髪を左手でかき上げながら本格的に首を振ると、すぐに塩気の利いた粘液がにじんできた。
 肌色の部分を唇で噛むようにしながら、ズボンのボタンを外し、のび太の股ぐらを解放する。
 フリルカチューシャで下腹部をくすぐりながらのフェラチオに、肉鈴の先端が小刻みに震える。
 まだ横を向いて強情を張っているのび太のあぐらに無理矢理のし掛かり、
 天井を向いてこわばる青筋棒を左手で導き、対面座位で女陰にくわえ込んだ。
 頑なにそっぽを向き続けるのび太の横顔に、フリルエプロン越しの柔らかい乳房が押し付けられる。
 ノーブラの熱い水風船は音が出そうなほど激しいバウンドを繰り返している。
 中に着込んだ黒いワンピースとの摩擦が、小さな突起を固く敏感に引き締めてゆく。
 短いスカートの衣擦れが白けきった静寂の中に虚しく響いた。
 懸命に腰を振っても相手にされない寂しさが、刹那的に本来の目的を忘れさせた。
 無言のお仕置きがM女メイドの疼きを加速させ、絡み合う恥毛をメカブのように粘らせてゆく。
 泡になりそうなほどの淫汁がヌチャヌチャと卑猥な音を立てるにつれ、のび太の頭をかき抱く腕にも力が入る。
 押し殺して泣くような悲痛な喉音がのび太の脳を直接舐め回すようだった。
「……きそう……いきそう……」
 静香が小声で恍惚の始まりを訴えると、
 のび太は小馬鹿にしたように鼻を鳴らし、突然静香の中でダラダラと果てた。
 ため込まずにさっさと放出した射精は力が弱く、静香の奥底には届かなかった。
 ピクピク蠢く感触に気付いた静香は、悔しそうに唇を噛んだ。
「のび太さんの意地悪……。
 お詫びのしるしにピルまで飲んで準備してきたのに……。
 熱いのをいっぱいかけてほしかったのに……」
 本気で名残惜しくなって腰を揺する静香だったが、萎んだのび太はあっさり抜け落ちてしまった。
 静香は再び四つん這いになり、愛液と白濁に塗れ光ったフニャチンをグチュグチュと唇でしごく。
「やめろよ、くすぐったいじゃないか」
「……やっと口をきいてくれたのね。わたし、嬉しいわ」
 亀頭への無謀な攻めを諦めた静香は、いなり寿司や敏感でない皮付き部分を舌でくすぐった。
「やい、ポンコツ、あれ持ってこい」
「なんだよ、面倒だなあ~」
 ドラえもんは机の引き出しからイチジク浣腸を取り出した。
 新しいバイブかディルドだろうとタカをくくっていた静香の菊穴に、ブチュっと液体が注入される感触があった。
「な、何をしたの、ドラちゃん?」
「い~ち~じ~くかんちょ~」
 道具を紹介する本家本元の口調に感動すらおぼえる静香だったが、その内容に頭が真っ白になった。
「い、いやよ! そういうのはオシッコと汗だけだって言ってたじゃないの! それだけは許して!」
「どうしよっかな~? さすがに僕もスカトロは好みじゃないんだけどさ。だから、漏らしたらひどいぞ~?」
 のび太の視線を受けて、ドラえもんは子どもの二の腕ほどもある大きなバイブを用意した。
「さてと、僕は誰かさんのせいでスッキリしちゃったから、『大好きなドラちゃん』に遊んでもらいなよ」
 のび太は机の椅子に腰掛け、両腕を枕のようにしながら高見の見物を決め込んだ。
「ちゃんとイケたらトイレのことも考えてあげなくはないと思うけどな~。
 可愛い子ぶって『いっちゃう……いっちゃう』なんて言うんじゃなくてさ、
 もっとこう、雌の獣みたいによがり狂って見せてごらんよ?」
 色々な抗議の言葉が頭をよぎったが、下腹部がグルグル鳴りだしてそれどころではなかった。

「ど、ドラちゃん、お願い……早く……いかせて」
 静香は自ら仰向けになり、膝立て開脚の姿勢でドラえもんに懇願する。
「実に汚い女だな、君は。僕の手に漏らすんじゃないよ?」
 大抵の屈辱に慣れつつあった静香も、人前で脱糞しそうな恐怖に気が狂いそうだった。
 そんな状況でも、真性マゾヒストの淫裂からはドロリとした本気のジュースが幾筋も伝っている。
 元々投げやりなドラえもんは、右手に持った極太バイブを無造作にねじ込んだ。
「ひぃいいい……」
 濡れきっているとはいえ、太すぎる張り型を押しこまれる苦痛は相当のものだった。
 切迫した便意と相まって、一瞬意識が遠のいた。
 ドラえもんがスイッチを入れると、膣癖と腸壁がおぞましい二重奏を奏でる。
「ポンコツ、忘れ物してるぞ」
 ドラえもんはすぐに気付き、左手で小ぶりの桃色鞘を割りながら、
 張り裂けそうなピンクの小豆に枝分かれの先端を当てる。
「ひぃやぁあああ!」
 ウネウネとこね回す動きに微妙なピストン運動、
 そこに剥いたクリトリスへの直撃までが加わると、
 静香の全身に玉の脂汗が浮かんでくる。
 のび太は歓喜の表情で立ち上がり、静香の部屋から盗んであった水色のパンティーで汗を収集する。
「きったないな~。学院のマドンナともあろうスーパーお嬢様が汗だくだよ。
『汗ばんでいる』なんて可愛いもんじゃないね、こりゃ」
 絞れそうなほどに濡れたパンティーを嗅ぐと、のび太は意地の悪い笑みを浮かべる。
「うへっ、酸っぱいな~。静香お嬢様の汚い脂汗はくっさいな~」
 真に受けた静香はもげてしまいそうなほどに首を振る。
 その動きで気が緩んだのか、固く閉ざされた裏穴から、か細い悲鳴が漏れる。
「うひゃ~、しずかちゃんのくせにオナラしてるよ。あ~汚い、僕は幻滅したよ、まったく!」
 ドラえもんの手がグチャグチャと乱暴にバイブを出し入れすると、
 クリ豆が引っかかれて、痛い快感が静香を襲う。
「だ、だめ! そんなにしたら漏れちゃう!」
 いってしまえば脱力して漏らしてしまいそうだったが、いかなければ結局は漏らすことになる。
 常人なら数分ともたないはずの葛藤に、お嬢様のプライドが首の皮一枚で耐える。
 切なすぎる腹痛に裏門を締めると、どうしても正門まで狭めてしまい、
 ピストン運動を止めてしまいそうなほどに膣圧が高まる。
 食い込むようなうねりとピストンが静香を急速に追い詰めていった。
「ひぐっ……ひぎぃ……!」
 濁点混じりのしゃっくりのような浅ましい喘ぎ声を出し、静香の腰がビクビクと跳ね回る。
 力ずくのピストンを諦めたドラえもんは紅真珠への圧力に集中し、ググッと持ち手を押し下げる。
「だめっ……ぎ……ぎぢゃっ……ぎぃいいいいい……ぃいいやあああああああ!」
 演技などせずとも、のび太の望み通り咆哮に近いような絶叫を上げて、静香は達していった。
 透明人間に犯されているように腰をくねらせ、男が腰を振るような動きでビクン、ビクン、と痙攣を起こす。
「いや~、よく我慢したね。僕が試したときなんか一分も持たなかったよ?」
 荒い呼吸に喘ぐ中、蒸し上がった巨大バイブを抜かれるや否や、
 捲れ上がったスカートを腰に貼り付けたまま、静香は『がに股』で歩き出す。
 安心したときが危ないと気を引き締めてふすま戸を開けると、
 画鋲でしっかりとめられたタイム風呂敷に引っ掛かって足を止めた。時間を進める向きになっていた。
 静香は訳が分からくなり、歯を食いしばって振り返る。
「ああ、それね。君が大喜びしてる間にちょっとした悪戯をしてみたんだ。
 そういえば、君は急いでるんじゃなかったっけ?」
 静香はその意味に気付いて悲鳴を上げた。
「いや~~~~~見ないで~~~~~~!」
「しずかちゃん、残念賞~」
 凄惨な音と飛沫を上げて、粉々に砕かれた静香のプライドは散々に飛び散ったのであった。
 嫌がるドラえもんに汚物掃除を任せたまま、のび太は泣きじゃくる静香にハメ狂った。
 最大級の汚辱を与え、のび太自身深く幻滅したことで、最も理想的な造形の肉便器を手に入れた気分だったのだ。
 愛しい『しずかちゃん』のパーソナリティでさえ、もはや小うるさく夢見がちな馬鹿女でしかなかった。

 それからというもの、のび太は静香を部屋に監禁し、風呂もトイレも禁止して、
 徹底的に壊れた『静香型ダッチワイフ』の作成に乗り出した。
 朝比奈宛にメールなどを送ることも怠らず三週間ほどが過ぎると、
 のび太以外は誰も触りたがらないような『元は静香だった汚物』が出来上がっていた。
 それでものび太は毎日毎晩愛しげに、舌で『静香人形』を清掃し、
 足腰が立たなくなるほど何度も何度も犯しまくったのだった。
 初めは脱走を警戒していたのび太だったが、
 飛び散った糞尿で汚れたメイド服に身を包み、うつろな目でバケツに用を足し、
 手伝ってやらないと拭くことすらしなくなった静香を放置して出掛けるようになった。
 その日、のび太はサボりがちだった学校に出掛けた。単位を取り戻すために補習まで受けることになっていた。
 うつろだった目に光を点した静香は、ドラえもんに話しかける。
「ドラちゃん、シャワーを借りていいかしら?」
 ドラえもんは幽霊でも見るような目をして跳ね起きた。
「なんだ、君はまだ口がきけたのか?」
「ええ、残念だけど心がまだ死んでいなかったみたい」
 ドラえもんは再びゴロンと横になり、知らんぷりを決め込む姿勢になった。
「……ありがとう、ドラちゃん」
 不況続きでのび太の母も長時間のパートに出ていた。
 だから、のび太さえ出掛けてしまえば、あとはドラえもんと静香の二人きりなのである。
 予想外に過酷な道のりになったが、ようやく静香に逆転のときが訪れていた。
 のび太が引き返してこないかと怯えながら何度も何度も体中を洗い流し、静香人形はようやく静香に戻った。
 脱いだメイド服を手に真っ裸で部屋まで走る静香だったが、一応気は確かである。
 羞恥心がだいぶイカれてはいるが、異常事態において、それは無理もないことだった。
 ひどく臭うメイド服は諦めて、のび太の収納ボックスを漁ると、未使用と思しきコスプレ衣装の数々が出てきた。
 いつの間にか紛失したと思っていた静香のパンティーも、年代別に区分けされて大切に保管されていた。
 職業を感じさせない衣装は数点しかなく、仕方無く真っ黒なゴスロリを身に付ける静香。
 フリルとレースがいっぱいのワンピースはまたしてもスカートが短く、
 一緒に保管されていたパニエでスカートを膨らませるようになっている。
 野暮ったいカボチャパンツは履かず、レースの付いた黒いオーバーニーソックスを選ぶ。
 パンツが見えたら見えたとき、などと考えるあたり、羞恥から開き直って露出に目覚めたようでもあった。
 洗面所で身だしなみをチェックして、静香は満更でもない顔をする。
 ――こんな時だけど、こういうお姫様みたいな格好って、ちょっと興味があったのよね。
 ヘッドドレスをキュッと結んで戦闘準備完了。静香は階段を駆け上る。
 ――いけない、靴を忘れたわ。
 押し入れの反対側には衣装に合わせた靴も保管されていた。
 サイズが全て静香と同じだったのには少し鳥肌が立った。
 その中から黒いエナメルのストラップシューズを取り出して手に下げる。
「ドラちゃん、起きてるの?」
 何度も階段を往復してうるさかったはずだから、とても眠っているとは思えなかったが、
 ドラえもんはわざとらしいイビキをかいていた。
 ――ありがとう、やっぱりわかってくれているのね、ドラちゃん。
 静香は机の引き出しを開け、タイムマシーンに飛び乗った。向かった先は二十二世紀だった。