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「透明人間目ぐすり、透明ペンキ、石ころぼうし、透明マント、かくれマント、片づけラッカー…
結構あるもんだなぁ」

「ひゃっ!?」
「どーしたんゆーな?」
「何?なんにゃっ!?」
“…フヒヒヒwゆーなたんの急成長パイオツぷるんぷるんデプゥwwwww…”
「ひゃあっ!」
「ち、ちょっ、髪、動いてない?」
“おっといけねぇ”
アキラの乳房をぐにっと掴み、ついでに頬ですりすりしていた長い黒髪から慌てて手を離した偽ネギが、
「涼風」の床をそーっと移動する。
“…オポポポポwwwwwせくすぅぃぃぃーーーー・だいなまぁーいとっっっ!!!”
桶一つ持って移動する千鶴の前で、偽ネギは蹴り飛ばされる寸前までしゃがみ込む。
「ひゃはははっ!ちょっ、さよちゃんそこだめっ!」
“先日はバカネギが失礼申し上げました。クラス№4の巨乳、大きさと言い張りと言い
グッジョブでございますです”
それでも、さすが素材はネギ、
ハッと振り返ると、瞳に大量の同心円を描いた真名がタオルの中から静かに取り出していた。
ジャキッ
“ヒョォォォォォーーーーーーーーーーッッッ!!!”
大浴場にワンワンと銃声が響き渡り、
床に水音だけ立ててダッシュする偽ネギの後を着弾が着実に追い詰めていく。
「お嬢様、下がって。神鳴流決戦奥義・真・雷光剣っ!!」
“ちょwwww決戦奥義wwwwwwwwwww”
「馬蹄崩拳!」
くわっ!
「アデアット!」
「イケーアスナーッ!」
“大剣キタ―――――――――――――――――!!!”
「あーーーーーーうーーーーーーーー」

「ハア、ハア、ハア……………」
ロフトの上で、朝から一日の予定を熟考していた偽ネギが、
一瞬の内にげっそりやつれてきりかえ式タイムスコープをしまいこむ。
「や、やっぱフツーじゃねーよこのクラスガクガクブルブル」
「ネギー、何してんのよー」
「は、はーい」
まあ、今更小便臭い小娘相手にコソコソお触りしなくても、昨日は何度腰にタイムふろしきを巻いたか知れない。
図書館島裏に建てた愛の巣で、跪き哀願する美人女教師二人の上に堂々と君臨し、
這いつくばって尻を振るビッチ共を二人まとめてバックからガンガン責めまくりりヒイヒイ泣かせてやった後も、
風呂に入ってはその質と言い量と言い余所でやれば二桁の諭吉が消えても消えても追い付かない
美女二人に挟まれての超絶濃厚バスタイムを過ごし、
それが終わってからも、
世話やきロープがバリッとメイキングしたベッドの上での最後の聖戦はどれだけ続いたか知れない…
そもそも男と女の基本的な、文字通り「性質」の違い、
それも、ついさっき童貞を捨てた十代突入したばかりのぼーやが女盛り二人まとめてガチでお相手と言う辺り、
いくら秘密道具のフォローがあってもその事自体まだまだお子ちゃまの浅知恵と思い知らされた。
そんな偽ネギだったが、それでも、ベッドの上に大の字に転がり白目を剥いて泡を吹く刀子を尻目に、
ツヤツヤと満足して慈母の微笑みを浮かべるしずなの太股に頭を預けての至福の一時を過ごした。
本当に時間を忘れて存分に安らぎの時間をまどろんだ後、偽ネギは瞬間固定カメラで二人を硬直させ、
タイムベルトで適当な時間に戻ってからタンマウォッチでタイムロックを掛けた。
一人ずつ、硬直した美人女教師を自宅近くに運ぶと、そこでタイムロックを解除、固定カメラも解除し、
メモリーディスクで甘い、と、言うか
口一杯にシロップを流し込まれた様な一時に就いての記憶を消去、改変した。
そう、これはテストだ、小さな城を作って壁の中で生きたお人形遊びなんて、
この偉大なる力、偉大なる「ネギ」様を前に小さい小さい、
そう、これから新世界の
とにかく、君臨する男にはお試し期間のささやかな楽しみに過ぎない。

「おはようございます」
「あ、お早うございますとーこ…葛葉先生」
学校の廊下で、ツヤツヤ輝いた刀子がいつになく爽やかな笑みを浮かべて挨拶し、
偽ネギが言い直した時もにっこり微笑んでいた。
「学園長と西からの報告事項は後ほどまとめておきますので、昼休みにでも」
「はい、分かりました」
「それでは」
刀子は、優しい笑みを浮かべたままぺこりと頭を下げた。
“…マジで記憶変わってんだろうな?ま、体は正直だな俺の味を忘れられねぇって奴かフヒヒw”
「何かいい事でもあったのですかね刀子さん」
偽ネギの隣で、刀子の弟子でもある桜咲刹那が言った。

「比べるまで気付かなかったのですが、
これまで何重にもまとわりついていたドス黒い怨念じみたものが雲散霧消して
何やら爽やかなオーラが…」
「…どんだけ欲求不満だったんだあのオバハン…ボソッ…」
「今、何か仰いました?」
「いいいいいえ、けして何一つとして…」
目の前で刀子の白黒反転した目を見つめながら刀子の朗らかな口調を聞く偽ネギの喉元には
半ば鞘から抜けた野太刀の刃が光っていた。

職員室が大揺れした瞬間、偽ネギはタンマウォッチを使う。
「…きゃっ?」
「だあああっ!!ごめんなさいっ!!!」
「何をやっているのかね瀬流彦君っ!!」
「…ヒソヒソ…どさくさ紛れに羨ましい…」
新田の怒号をBGMに、瀬流彦が両手で鷲掴みにしたしずなの胸を離した。
「わっ、余震っ!?」
ほくそ笑んだ偽ネギがタンマウォッチを押す。
「あぶぶふぶっ!」
「あら、ネギ先生、ごめんなさい」
「いえいえ、えへへー…」
「…全く…」
「ボソボソ…ラッキースケベ…」
偽ネギの頭を胸の真ん中に挟んでぎゅーっと抱き締めていたしずなが立ち去り、
そっと視線を避けてほくそ笑んだ偽ネギが再びタンマウォッチを使い、掃除用具箱から災難訓練機を回収する。
多少愉快な余韻で頭の回転を滑らかにしてから、タイムロック状態で席に戻り思案を巡らせる。

「はーい、ではここの読み、アスナさんお願いします」
「ちょー、ネギまたあんたーっ!」
「ご指名ですわよアスナさん。やっぱりオサルさんには荷が重すぎましたかしら?」
「このーっ、いいんちょ!」
「やれやれーっ」
見せかけの朗らかさで授業を進めていた偽ネギだったが、
半覚醒状態のエヴァと目が合いそうになり、慌ててポケットのタンマウォッチを使う。
そう、目下最大の悩みがあのエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。
只でさえ秘密道具の優位性すら限りなく怪しくなるこのとんでもないクラス、
このとんでもない学校の中でも、
ネギの記憶からして、少しでも隙を見せたらこちらの正体が一瞬で見透かされそうな恐怖がある。
それだけの実力者の上隠れストーカーなのだから始末に負えない。
この秘密道具と言うのは基本的に人間基準で作られているらしいから、
あのバケモノそれも真祖相手にどこまで通用するか極めて未知数。
おまけに、エヴァ・リゾートに入られては時間操作すらどこまで使えるか分からない。
とにかく、早くどうにかしないと偽者と見透かされたら終わりだし
そんなに長い間ごまかしの通じる相手ではない。
一応色々考えた結果、
地球はかいばくだんでエヴァ・リゾートごと吹っ飛ばしたとしてもそれで死ぬ保障もなければ
あそこの性質上仕掛けたまま自分が脱出できなくなる可能性の方が高い。
こちら側にいる間にタンマウォッチを使い、
山奥でもぐら手袋で掘った十数メートルの穴に大蒜で埋めるのがまだ現実的だが、
どっちにしろ失踪させるのはさすがにまずい。
そしてもう一つの問題。
この四次元ポケットの道具、対象年齢が余り高くないのか、無駄にヴァイオレンスな道具は結構あるのだが、
狙った女をアヘアヘのメロメロのドロドロのグチャグチャにベッドの上でヒィヒィ泣かせてよがり狂わせるのに
丁度いい道具と言うのはなかなか見付からない。
いや、あるにはある様なのだが、ストーカー製造用品だったり昨日みたいに範囲が限定的だったり
「愛情」その他抱き合わせ性能で自分みたいな「鬼畜」には向かなかったりと帯に短し襷に長し。
そう考える内、偽ネギの脳天に裸電球が点灯した。
無理も二つ重なれば可能になるかも。最後に勝つのは地道な努力。
もっとも、それをやるのは…

放課後、茶々丸を従えたエヴァンジェリンが下駄箱を開くと、一枚の西洋封筒が目に付いた。
エヴァがそれを開き、中から一枚のルーズリーフを取り出す。
次の瞬間、ほんの一瞬生徒玄関は誰も気付かない内に絶対零度の世界となり、
その後も圧倒的に真っ黒なダーク・オーラのど真ん中でエヴァが震えていた。
「18時、世界樹で待つ・Nagi」
こんな事をするのは、ネギ・パーティーの誰かしか考えられない。
ガキの悪戯も何も関係ない、行くしかない、行って、このふざけた冷凍挽肉志願者の願いを叶えてやるしかない。

18時、世界樹で待つエヴァの表情は、苛立ちながらもほんの僅かでも浮き立っているのが
茶々丸には分かっていた。
茶々丸の心にも何かもやもやといらいらとしたものがある。
完全には理解出来ない感覚だが、これは、許せないと茶々丸も思っていた。
「久しぶりだな」
エヴァがハッと振り返った。
「俺だ、ナギだ」
木陰から現れたのは、魔法薬の年齢詐称薬で青年に化けうそつ機を装着した偽ネギだった。
「お、まえ…」
「待たせたな、My.honey」
何か言われる前に、偽ネギはぎゅっとエヴァを抱き締めていた。
「会いたかったぜ、エヴァ…」
「貴様…」
何と言おうが、エヴァの腕は偽ネギの背を抱き締めていた。

「お前に、折り入って頼みがある」
「何だ、今更?」
迫力の欠片も無い涙声だった。
「ネギ、我が息子の事だ」
「な、なんだ、ぼーやの事か?」
「ああ、さる偉大な予言者に聞いた所では、あいつにはとてつもない女難の相が出ている」
「だろうな」
エヴァがふっと泣き笑いをした。
「あいつは、クソマジメで品行方正でそっち方面には鈍感の堅物でおおよそ俺の息子とは思えない朴念仁だ。
だが、やたらめったらに女を引き付けてモテまくると言う点だけは明らかに俺の息子らしい」
「ふん、まあ、貴様の悪名が高すぎて放りっぱなしだったからな、反面教師と言う奴だろうが」
「ダーク・エヴァンジェリンに言われたくもないものだがな。
そこでだ、このままいけば、あいつは確実に女で身を誤る。
あいつの事だ、もう既に、ぐだぐだ相手も決めないままずるずるとうじゃうじゃ仮契約でもしてるんだろう」
「まさにその通りだ」
「全く、このままいけば本契約も引きずられるままずるずると、
なまじあいつの能力が高いだけにいい様に食い物にされて身を滅ぼす事になる。
本来ならば俺が世界中を連れ回してその道を叩き込んでやる所だが、
あいにくとそれが出来ない事情がある。
だから、エヴァ、お前を見込んで頼みたい」
「私を?」
「ああ、あいつに教えてやって欲しい、あいつのマスターとして、
あいつがマスターとして女に君臨する術を、
お前の、数百年かけて培って来た…怒るな…超越した、その最高の女としての魅力の全てをかけて、
あいつにその術、女の何たるか、本契約にあっていかなる美女姫君を相手に、決して引けを取らぬ…
教えて、やって欲しい…」
「おい、どうした?どうしたナギッ!?」
「う、ううむ…いかん…頼む、エヴァ、俺の、愛、した…」
「どうしたナギッ!?んっ!?」
うそつ機を外した偽ネギの唇がエヴァの唇に触れ、エヴァの閉じた瞼から一筋涙が溢れた。

エヴァが気付いた時には、そこに立っているのはエヴァと茶々丸だけだった。
「茶々丸…私は、夢でも見ていたのか?…」
「いえマスター、私の記憶にも明確に、マスターは確かにナギさんと抱き合い…」
「あー、分かった分かった…ナギ…私の呪いも解かずに貴様は、好き勝手…」
タイムロックを掛けた偽ネギは、エヴァが目に掌を当てる姿を間近でとっくりと眺めて笑い転げた。