外に出て買物をするのがおっくうな俺はいつもネットで買物している。
お小遣いも溜まったし念願のデジカメでも買おう。
パソコンを立ち上げ、いつものようにお気に入りからアマゾンにアクセスする。
「さてと、エレクトロニクスから・・・ってあれ?」
しかし表示されたページはアマゾンではなかった。
パッと見アマゾンだが、微妙にレイアウトが違う。
それにタイトルも『未来アマゾン』になっている。
「今日は4月1日でもないし・・・ウィルスでネタサイトにでも飛ばされたかな」
俺はページを閉じようとしたが、オススメ商品の項に気になるものが目に飛び込んだ。
『着せ替えカメラ』
「着せ替えカメラって、思いっきりあの漫画に出てくるやつじゃないか」
ばかばかしいと思いながらも、気になった俺は商品のページにクリックしてみる。
「2000円か。買おうと思っていたデジカメより全然安いな。」
迷わず俺はカートに入れて会計ページに飛んだ。
「って、どこかの暇人が作ったネタサイトだ。本当に届くわけないのに俺は何をやってるんだか」
自分でもばかばかしいと思いながら、しかしいつもの癖でパッパと会計をすませてしまった。
その後ページを閉じようとした時、
ピンポーン
家のチャイムが鳴った。
今は家に俺しかない。こんな時間に誰だろうと思いつつ玄関に行き扉を開けた。
が、誰もいない。変わりに家の前にダンボールが置かれていた。
箱には『未来アマゾン』と書かれている。
まさか・・・。
部屋に戻りダンボールを開けてみると、中にはさっき注文した着せ替えカメラがあった。
カラフルなデザインはパッと見おもちゃだ。
箱の中にはカメラ以外、取扱説明書も何もない。が、もしこれが本物だとすると・・・
俺は部屋の窓を開けてた。ここはアパートの3階だ。
見下ろすと人通りの少ない路地が見える。
今は下校途中だろうか、女子高生が1人通っているだけだ。
俺は窓からそっと顔を引っ込めて、見つからないように注意しながらその女子高生に向かってカメラを構える。
ファインダーから見える女子高生はこちらに気づく様子もない。
自分の行為がまるで盗撮者のようだなと思ったが、これからする事は盗撮以上に酷い事になるだろう。
もしこの着せ替えカメラが本物だとしたらの話だが・・・な。
女子高生がアパートの前を通過したのを見計らって、
シャッターを押した。

ヒュッ。
一瞬だった。
紺のセーラー服は消え、肌色が現れた。
制服、くつ、下着、身を包んでいたあらゆるものが消え、一糸纏わぬ裸体の少女が現れた。
しかし女子高生は悲鳴を上げなかった。
一瞬すぎて自分の身に何が起こったかわからなかったのだろう。
だが、状況を理解しても女子高生は悲鳴を上げる事はできない。
悲鳴を上げれば誰かが来てしまう。
急いで電柱の影に隠れ、しゃがみ込む。
背後からチラッと見えた顔には困惑と焦りが浮かんでいる。
「本物だ・・・」
生まれて初めて見た母親以外の女性の裸体よりも、
今自分が手にした玩具のようなカメラが「本物」だという事に俺は興奮した。


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最終更新:2008年05月19日 21:49