日曜日、とあるレンタルビデオ店の地下にあるアダルトショップ。開店前の店内では、
レジカウンターの向こうで神宮司清彦が不機嫌そうにパイプ椅子で舟を漕いでいる。
「あ~~要するに、麗南には先客がいて、すでに盗撮されていたと?」
「そ~ゆうこと、結構手が込んでのよ。ありゃ間違いなく内部の奴が仕掛けてるね」
俺はカウンターに肘を付き、小声で相づちを打つ。
「それはよ~く分かった。分かったからアレを説明しろ調教師ゴルァ!?」
神宮寺が勢いよく立ち上がり、指を差しながら叫ぶ。突然の大声に、その先にいた2人が驚いて
肩をすくめていた。近くにいた俺は耳が痛い。
「ビックリしたぁ~~、なんかあったのムツキ~ン?」
擬似男根のサンプル品を片手に、白崎渚が声をかけてくる。
「な、渚ぁ……やっぱりよくないよ、その、そういうの持つの……」
その隣で、葉月薫流が顔を赤くしながらオドオドしている。目のやり場に困っているようだ。
「あぁ、こっちの話だから気にするな。まだ色々と見てていいぞ」
ちなみに、今日は休日のため2人とも制服ではなく私服である。
 渚は胸の開いたカーキ色のVネックTシャツに、ヒップを強調するホットパンツ、黒のオーバー
ニーソックスという服装だ。ピッタリとフィットしたVネックTシャツは上半身のライン(特に胸)
を強調し、少しシャツが小さいのか胸が大きいのか、裾が引っ張られてチラチラとお腹が覗いて
見える。ホットパンツの方もオーバーニーソックスと合わせてムッチリした太ももをこれでもかと
強調している。ラフだが、渚らしいとにかく挑発的な格好だ。
 一方、薫流はピンクのミニワンピに白のブーツという出で立ちだが、こちらは薫流らしくない。
肩も出しているし、スカート丈もマイクロミニで太ももを惜しげもなく晒している。薫流が自分で
選ぶとは思えないが、その通り渚が選んだものである。薫流が自分で着てきた服装があまりに
色気がないということで、渚が予め前日に買っておいた服に着替えさせたのである。ちなみに
その支払いをしたのは俺。
「ねぇねぇムツキン! これ、これ買ってよ! あとこれも薫流用に!」
渚がはしゃいだ様子でリモコンローターやら手錠やらコスプレ衣装を持ってきた。どう考えても
自分で使うためではなく、薫流や他の娘をイジめるためのチョイスだ。
「……わかった、全部買ってやるから、少し待て。今ややこしいから」
「やりぃ! じゃあコスプレは観賞用とプレイ用の2着ってことで!」
渚は嬉しそうにコスプレ衣装のコーナーへと戻り、薫流は諦めた様にトボトボと後をついて行く。
「むぅ……なんともそそる後姿だな」
「俺も同感だが手ぇ出したら覚悟しとけよ。親と絶縁してるお前なら失踪届けも出ないし事件は
 発覚しなけりゃ事件にはならないから……」
「待て、目が本気だぞコンドーム。しかしな、お前だけ麗南のあんな可愛い子を2人も奴隷にして
 羨ましいじゃないか、存在感空気のくせに美味しいとこ独り占めして汚いぞ調教師」
本気で山に埋めてやろうかなコイツ。
「髪の長いほうは俺の彼女ね。汚いって、お前にはマドカがいるだろ。ミス西校じゃ不満か?」
そう言ってやると、神宮寺も言葉に詰まる。
「む……お前だって彼女と奴隷といるんだから俺にも麗南の奴隷が居たっていいじゃないか。
 いいかムツキン? 俺はセーラーが好きだ。俺はブレザーが好きだ。俺は女子高生が大好きだ!」
「長ぇよ。あとお前がムツキン言うな」
とりあえず顎に掌底打ちをして黙らせる。
「わかったわかった、あの2人レベルのは無理だけど、麗南の子もちゃんと紹介してやるよ」
「それでこそ心の友だ! それより、あの2人連れてどこに行くつもりだ?」
「ん~~ちょっと芸能界絡みでね。もしかしたらまたアイドルなり堕とせるかもよ」
新しい‘オモチャ’に飢えてる渚がいるからね。

 薫流と渚の2人を連れ、繁華街のとあるオフィスビルへとやってきた俺。
「これが芸能事務所なんだ~~意外とキレイ……で、ムツキンそのごついサングラスなに?」
「……ファッションだ」
勿論、ファッションでこんなゴツクて重いサングラスはかけない。これは興味本位で購入した
テレグラスに『ウルトラミキサー』で秘密道具の機能を合体させたものだ。目幅・視力調整用の
つまみを回すことで『万能グラス』『読心ルーペ』『催眠グラス』など効果の切り替えが可能であり、
『スケスケ望遠鏡』の自動焦点マイク機能を持たせたイヤホンも付いているため、覗き口に耳を
当てなくとも見ながらその地点の音が聞けるようになっている。少し重いが、使い勝手は抜群だ。
「ムツキン存在感がサングラスに負けてる」
「余計なお世話だ! いいから早く来い」
入口から入ってすぐ出迎えがあった。きっちりとスーツに身を包んだ、茶髪なのに七三分けの
小柄な男性が両手を振りながら駆け寄ってきたのだ。
「近藤ちゃん久しぶり~~そこの2人が見学? やだ~~凄い原石じゃな~い!」
まさかのオネェキャラ全開に、薫流は俺の背中に隠れ、渚は笑いながら合わせて両手を振っている。
「言った通りでしょ? でも契約はさせませんからね里見(さとみ)さん」
「やだ~~‘さん’じゃなくて‘ちゃん’にしてって言ったじゃない。ど~も初めましてっ、
 『スタジオフェリス』のチーフマネージャーやってる里見と申しますヨロピク~~」
典型的なオカマのノリで自己紹介しながらも、丁寧に名刺を差し出す里見さん。
「きゃ~~面白~い。てゆっか里見ちゃんの顔サッカー選手のデコ(ポルトガル代表)そっくり~~!」
「やだ~~どんだけ~~!」
うん、やっぱりデコそっくりだよな。分かる人はどんな顔かすぐ分かるだろう。ノリノリな渚に
対して、ノリについていけない薫流はまだ俺の背中に隠れていた。
…………
「あっ、それでね、今日はちょっと近藤ちゃんに相談したいことがあるのよ~~」
オフィスの見学中に、何かを思い出した里見さんが俺に話を振ってきた。
「うちの子なんだけどね、愛沢エリナって、最近プッシュしてる子なんだけど」
「あっ、知ってる知ってる! 最近映画とかドラマ多いですよね。ファッション誌とかも」
渚の隣で、薫流もうんうんと頷いている。フェリス所属のタレントは、俺も大体は把握している。
確か今年高校生になって、清純派や妹系で売ってたかな。
「事務所で1回だけ会いましたね。軽く挨拶した程度ですけど、何か問題ある子なんですか?」
挨拶だけなら感じの良い子だったが……まぁわざわざ悪い印象を残そうとはしないか。
「それがねぇ、去年映画が当たって新人賞とか獲ったでしょお。それで今ギャランティーも上がって
 金の卵だからみんな大切にしてるんだけど、エリナちゃんの方はそれで天狗になっちゃてるのよぉ。
 それで1回注意したんだけどぉ反抗期だしぃ、大手からの引き抜きとかもあるから扱い難しくてぇ」
なるほど。メディアを通してみる印象とは随分違うらしい。まぁそれはそれで演技派ということか。
「最近はすっごいミニスカート穿いて男のスタッフさんとかの反応見て楽しんだり、思わせぶりな
 こと言ったりしてこっちはもうヒヤヒヤもんなのよぅ」
「ほおっ!! すっごいミニスカート!?」
渚が思わず身を乗り出した。
「それはいけませんね。放っておいたら男漁り始めてキス写真とか流出しますよ!」
「そう! それなのよ~~一応ね、男性経験はないらしいんだけどぉ、最近すごい興味を示すように
 なってねぇ。今の時期スキャンダルは避けたいんだけど心配で~~」
「ダメよそんなのっ! 断固阻止しなきゃ、そういうイケナイ子にはオシオキが必要ですっ!
 男漁り始める前に、コッチに引きずり込むんです! ねぇムツキン!?」
……お前は薫流の代わりになる子が欲しいだけだろう。
「まぁ、兎にも角にも顧問役員としてそれは見過ごせませんね。今日、いますか?」
「いるわよ。今から会う?」
「会います! 任せてくださいよ里見ちゃん!」
俺が返事をする前に渚が身を乗り出して快諾する。まぁ……早いか遅いかの違いか。
「それじゃ、今から会いましょうかね」

 里見さんに愛沢エリナがいる場所を聞き、俺は2人を連れて控え室に向かった。念の為、
改造テレグラスの『万能グラス』機能を使って所在の確認もしてある。
「失礼しまーっす! 必殺仕置人、参上!」
「ノックぐらいしろよ全く……邪魔するよ」
「し……失礼します」
ノックしようとした俺を押し退け突入するや決め台詞と決めポーズの渚、そのあとを頭をかきながら
俺が部屋に入り、最後に薫流がペコリと頭を下げて入室しドアを閉める。
「な……なんなのアンタたちっ!? ノックぐらいしなさいよ!」
突然の乱入劇に呆気にとられていた愛沢エリナが、不機嫌そうに声を荒げた。
 なるほど、話に聞いた通りのミニスカートだ。薫流のより短いくらいだろう。上着も露出の多い
キャミソールで、清純派と言うには無理がある挑発的な格好だ。
「あれぇ、俺のこと覚えてないかな?」
「はぁ? 知らないわよアナタのことなんて。追い出してよマネージャー!」
「あ、すいません! あの、どちら様で……?」
部屋の隅に控えていた地味目の女性が慌てて俺達と愛沢エリナの間に入り、オズオズと尋ねてくる。
「あぁ一度挨拶した程度ですからねぇ。顧問役員の近藤です。あ、名刺ですどうぞ」
「こっ……!? し、失礼しました! 無礼な口をきいてしまいましてっ!」
状況を悟ったらしいマネージャーの女性は、大慌てで何度も深々と頭を下げ平謝りをする。それを
後ろで見ている愛沢エリナの方は、まだピンときていないらしい。
「えっと、マネージャーさんちょっと席外してもらえますか? 愛沢さんのプライベートでのことで、
 色々と話がありますんで……ねぇ?」
『催眠グラス』の機能を使い、マネージャーさんにはあっさりと部屋を出て行ってもらう。これで
俺達と愛沢エリナだけが残った。
「ちょっとマネージャー! なんで出てくのよ!? アンタ達なんなのっ!?」
「タレントなら自分が所属する事務所の役員の名前くらい覚えておくんだな。それに口が悪すぎる、
 清純派ってのはこういうのを言うんだぞ」
そう言って俺は隣にいた薫流を抱き寄せる。愛沢エリナが見ている前でということもあり、薫流は
顔を赤くして慌てたが髪を撫でてやるとやがて力を抜き身体を預けてきた。
「その清純だった薫流の身体でムツキンは毎日のように朝は満員電車で痴漢プレイ、そして夜には……、
 対してアタシは! 学校は盗撮されてるからと朝から痴漢プレイで敏感になった身体を持て余してる
 薫流を見ているだけの生殺し……こんなのいつまでも我慢できるかあぁぁぁーーっ!!」
「きゃああぁっ!? ちょっ、離しっ……あむぅ……!?」
今まで抑えていた煩悩を爆発させた渚が、ソファーに座っていた愛沢エリナに飛び掛った。
素早く後ろに回り込むと、両足を絡めて逃げられないようホールドし、愛沢エリナの顔を両手で
固定して強引に唇を奪う。
「ん……んぅ、んっ!? んふぅぅ……んあ、ぁあ、やめ、やめてよっ!」
「んふふふ~~肌スベスベねぇ、脚も細いし~~こういうの興味あるんでしょ? お姉さんが
 色々教えてあげるわ~~そこに薫流みたいに、じっくり開発してあげる……♪」
そう言って渚は愛沢エリナの細い太ももに指先を這わせ、首筋に舌を這わせる。じっくりと、感度を
確かめるように指先を這わせていき、徐々にミニスカートの中へと潜り込ませていく。
「こ~んなミニスカート穿いて……男の反応見て楽しんでるんだってねぇ? 薫流のより短い
 じゃない……そんなエッチな子にはオシオキしないといけないわぁ……」
何か文句を言おうとした愛沢エリナだが、その前に俺は『身がわりマイク』を向けた。
「いっぱいオシオキしてください……えっ、ちが、違うわよ、やめてよ変態!」
愛沢エリナは慌てて言い換えるが、それで渚にスイッチが入ったらしい。
「いい……いいわぁ……ツンデレって萌える! いや燃えるわ! ムツキン、やってもいい?」
責め甲斐のある獲物を獲た喜びにふるふると身体を震わせ、目を輝かせる渚。
「いいよ~~。さて、俺達も楽しもっか、薫流?」
俺の言葉に、薫流がぱっと顔を上げる。まだよくわかっていないらしい薫流のキョトンとした顔を
見ていると、なんとも苛めたい気分になってくる。
 俺はポケットにいれてあるスイッチをONにした。

 スイッチをONにすると、無機質な振動音が響くと同時に薫流の身体がビクンと震えた。
「……っ!? あ、や……やだ、睦樹さん……ダメ、こんなとこで……」
薫流の膝がカクンと折れ、慌てて俺にしがみ付く。キュッと閉じられた太ももを撫でてやると、
面白いくらいビクビクと震えて反応を示してくれる。
 室内に響く機械的な振動音に、渚も愛沢エリナも気づいたのだろう。薫流が右手で押さえている
スカートの中央をじっと見つめている。
 それに気づいた薫流が懇願の目を向けてくるが、当然のように逆効果だ。俺は愛沢エリナの
向かいのソファーに座り、開いた脚の間に薫流を座らせ、両膝の下から手を入れてM字開脚の
ポーズをとらせる。
「やっ、ヤですよ、こんな……あぁ、こんな格好、恥ずかしいです……」
M字開脚にされたせいで捲れ上がったミニスカートから、レモンイエローのショーツが覗く。その
中央では、卵型の何かが振動していた。神宮寺の店で買ったリモコンローターだ。
「ふふっ、見てごらん……すっごいイヤラシイでしょ? あの子、ちょっと前までバージンだった
 のよ……ほら、腰クネらせて感じてる。見られて感じちゃってるのよ……」
「や、やだぁ……そんなこと、ない、もん……そんなこと言わないでぇ……」
渚の言葉責めと、同姓に自分の恥ずかしい姿を見られているという状況が薫流を追い詰める。
愛沢エリナは、非現実的な状況に呆気にとられながらも、俺が次にどうするのか、期待の
目を向けていた。
「ひゃっ、あんっ!」
こちらに気を取られている隙を見逃さず、渚が堕としにかかる。ピンクのショーツ越しに、愛沢エリナ
のクリトリスを執拗に責め、たくし上げられたキャミソールから覗くお揃いのピンクのブラジャー
越しに乳首も責める。
「ん~~可愛い反応。興味のある年頃だもんねぇ……自分でしてるんでしょ? 胸はないけどぉ、
 アタシは好きよ。同級生とか後輩とか、よく胸のことで相談にくるんだけどね、み~んな
 乳首イジめてあげると可愛い反応するのよね~~エリナちゃんも敏感かなぁ?」
するりとブラの中へ指を滑り込ませると、愛沢エリナの身体がビクンと跳ね上がった。
「んふふ……敏感♪ あの子みたいにエッチな身体にしてあげる」
「や、やめてよっ! 変態! あ、く……け、警察に言うわよ! こんな事務所やめてやるから!」
そう叫ぶと、愛沢エリナはジタバタと暴れて強引に渚を振りほどき逃げようとする。
「ん~~事務所辞められちゃ困るなぁ。渚、説得してくれ」
そう言って俺は、予め出しておいた『透明ハンド』を使い、愛沢エリナを再び渚のもとへ押し返す。
この『透明ハンド』は普段から出していても見えないので使い易い。
「えっ? うそ、なに、なんなの……きゃん」
「はい捕まえた! イケナイ子ね~~事務所の人たち困らせちゃダメじゃない。でもぉ、ムツキンの
 許可も出たことだし、事務所辞める気も警察呼ぶ気も無くなるまで、溺れさせてあげるから♪」
渚の目がいよいよ本気になる。愛沢エリナは下手に逃げようとしたのが不味かった。
 一方で、先ほどからリモコンローターの刺激を受け続けている薫流がモジモジと身体を動かしだす。
「ん、どうした薫流。イキそうか?」
「あっ、やっ、そういう、わけじゃ……お願いします、止め、止めてください……」
ほんっとに感じやすいなぁ……ふむ、せっかくだし薫流の感度を愛沢エリナに味わせてやるか。
たっぷりと、快感に溺れさせてやろう……。