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第15話 「それから日が経ちました。」

…陰が小笹に告白している頃…



朝美「ご主人様…」
珍しく、朝美が真剣な面持ちで話しかけてきた。
「ん?」
朝美「実は…」
朝美の話はこうだ。
俺に調教されてから、朝美は一般生活でも少しはおとなしくなった。
しかしその変化に気づいた女がいた。
その女は当初、おとなしくなったのは偽加藤事件のせいかと思ったらしいのだが、朝美の親友を自負するだけあり、
見破り、朝美を問い詰め、朝美は自分のものだとばかりに襲ったのだという。

「…朝美、明日、付き合え。」
朝美「え?」

朝美は何がなんだかわからないといった表情をしている。
「…俺とデートしようといっているんだよ。どうだ?」
朝美はぱあっと表情を明るくした。
「…ククク、それとこれを下に着て来い。朝からな。」
俺は紙おむつ(改造して横漏れ・臭い漏れをしなくした)と、時間を止めて作った『机の引き出しの中に保管していた、
奪って引き出しにしまっておいた朝美の汁がたっぷり染み込んだ下着数枚(無論もう乾燥してる)を解いて作ったシャツ』を渡した。

朝美はその臭いに気づき、ものすごく恥ずかしそうな顔をした。
明日は平日。朝からということは学校にいるときも着ているということである。

(ククク……明日はそのくさいのを着せたまま街中を引き回してみるか。)
そんなことを思いながら、俺はあらかじめ日記に『その女が明日、俺と朝美のデートを尾行する』と書いた。


………

翌日。一般的な下校時間、陰は国立安房国里見高校の入り口付近に立っていた。
当然、小笹を待っての事である。



……そのころの朝美…
人ごみの中で。
「朝美、ここで歩きながら小便を漏らせ。何事も無いようにな…」
朝美「えっ?」
「何の為にオムツをはかせたと思ってるんだ?」
朝美「う…うぅ…はい…」
朝美(あぁ…酷いです…これを穿いているのは、朝美の恥ずかしい汁が街中で垂れ流しにならないようにと、
ご主人様が気を使ってくださったんだと思ってたのに…)

……どうやら朝美の脳の腐食度はどんどん上がっているらしい……


……
………

「おい、そこのお前」
陰「…僕の事ですか?」
「お前しかいないだろう。そこで何をしている?」
陰「人を待っています。」(といいつつ『構うんじゃねぇ! 本気で殺すぞ!?』といわんばかりの殺気を開放)
「(ビクッ!)…し…失礼しました…」

なんてことを三回ほど繰り返したところ、待っていた人物が姿を現した。
すばやく、彼女の前に立ちふさがる。

陰「……あの…」
小笹「あ…貴方…もしかして…陰?」
緊張した声で答える。
陰「……は…はい。」
小笹「……なんてカッコしてるんですのよ…」

陰の格好は普通だった。街中を歩いている普通の高校生のようであった。



………首から下は。


陰「なるべく、違和感の無いようにしたつもりなのですが…」
首から上は、包帯で覆われていた。ミイラ男である。昔の透明人間である。

小笹「街中でその志々○真実みたいな頭は違和感ありすぎですわよ。」
陰「…そ…それもそうですが…袋よりは違和感ないかと…それに、ここ(学園)の前で外して奴と間違えられるのも…」
小笹「……あ…」
その理由にやっと気づいて固まった小笹に、質問をぶつける。
陰「そ、それで…あの…回答は…」
小笹「あ、ああ、あれね。あれは………
八房と鉢合わせしちゃったら嫌でしょう? だから、別な場所で話しましょう。」
陰の手を掴み、グイッと引っ張り、そのまま走り出す。

タッタッタッタッ……

陰(て…手を握られてしまった…)

精神年齢はまだまだ未熟な陰君。はてさて、どうなることやら。



……その頃の主…

人通りの少ない路地の中…
「朝美、今度はここでうんこを漏らせ。無論、歩きながらな…」
朝美「そ、そんな…」
「いやならいいぜ? ここでうんこ座りのポーズで漏らさせるだけだから。」
朝美「あう…でも…」
「大丈夫、朝美は浣腸が大好きな変態なんだからここで漏らすくらい、やろうと思えば出来るさ。」
朝美「わ、わかりました…」
ん、と朝美は力を入れ始める。
朝美「んん…あぁ…見ないでください…」
俺は「乳首 起ってこないかなー」と、朝美の胸を見ながら、朝美の尻をもんだ。
朝美「ひゃうぅっ? いやぁ…」
「どうした、早く漏らせよ。」
朝美「あうぅ…」
ムリュリュ…
生暖かく、やわらかい感触が手に伝わってくる。
朝美「んはぁ~…」
「ククク…気持ちよかったか?」
朝美「……」
朝美は黙りながらも、コクン、と首を縦に振った。

………

小笹「ま、ここでいいでしょう。さあ、包帯を取ってくださいまし」
陰「…そうですね。よいしょ…っと。」
数分後、二人は喫茶店の前にいた。

小笹「ここは喫茶店という奴ですわね。入るのは初めてですわ。」
陰「僕は…外に出たのが昨日が初めてです。」
小笹「あら、そうでしたの?」
普通に話すように普通じゃない会話を交わし、店内に入った。


ズズッ…
二人してコーヒーを飲む。
無言で向き合い、たまに目線が合い、慌ててそらす。
陰(え、えーと…これってデートだよな?
  …てことはOKなんだろうか? いやいやいや、いたわりこめたさよならのつもりか?
  ええい、ままよ!)
陰「あの…」
カランカラン
店員「いらっしゃいませー」
陰が口を開いたその時、入り口から客が入ってきた。カップルとおぼしき二人組みだった。
陰は女の顔を見たことがあるような気がした。男の顔はものすごく見覚えがあった。
陰は固まった。
小笹「どうしたんですの?」
陰「しっ!」
黙るようジェスチャーするとカップルの位置を確かめ、テーブルの真ん中に顔を寄せる。

陰(振り向かないで。今、小笹さんの後ろ側の奥の席…)
小笹(な、何ですの?)
陰(……主がいる)
小笹(え?)
陰(主と朝美さんがいらっしゃる。)
小笹「え…むぐっ!」
声を上げそうになるところを慌てて押さえる。
小笹(なんでまたこんなところに…)
小笹の体が子刻みに震えだす。
陰(大丈夫、手出しはさせません。それに、まだ気づかれていません。)
小笹(でもなんで…朝美さんとデートなのかしら?)
陰(……いえ…主がそんなことをするとは思えません。詳しくは知りませんが、いわゆる羞恥プレイというやつでは?)
小笹(……うっ…(顔を真っ赤にして)それは…ありえるかも…)
主はニヤニヤしながら朝美に何か話しかけ、朝美は顔を真っ赤にしながらうつむいている。
それは注文の品を食べているときもそうだった。
陰(とにかく、気づかれないよう、おとなしくしましょう。)
小笹(わかりましたわ……でも、後姿で気づかれたら…)
陰(ぽりぽり…)
陰は何かを考えるようにし、頬をぽりぽりとかくと…
がばっ!
いきなり小笹を胸に抱き寄せた。

小笹(え…なにっ…?)
陰(えーと…その…あの…ほら…あれですよ…)
小笹(…あれ?)
陰(そう…その…僕の胸に隠れていてください……)
小声でそう言うと、陰は顔をトマトのように真っ赤に染めた。

結局、何とか気づかれぬままやり過ごすことができた。
「「はぁー…」」
主たちが出て行くのを確認すると、二人して大きなため息をついた。
そして、気づいてしまった。
二人を追いかける少女の姿があることに。
陰(………
  警告してあげたいけど…
  あの子の行動も、主の遊びの一つだったら…)
陰はその少女を止めることをしなかった。
陰にとって世界とは、小笹が主の魔の手に渡らなければいいというだけなのだ。




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最終更新:2007年08月21日 17:41