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聖夜もどき



ボッ。
夕刻の部屋の中に小さな炎がともる。
灰皿という、普段夕貴とまったく縁のないアイテムは、その役目に満足しているかのように見えた。
「これでよしっと」
火が完全に消えた後、残っていたのは長方形の灰。
夕貴はそれを見ると『四次元ポケット』から正方形のシートを取り出す。
シートを床に広げると、部屋が一瞬にして暗くなり……
「ユーキっ!ちょっとっ!」
魔方陣の中から小悪魔ベルデレイティアの登場である。
服装は変わらず薄手の黒レオタードと体の随所に巻かれた革バンド。
「やっほ、ベルちゃん」
「やっほじゃなーいっ!ユーキ、またカード焼いたでしょ!?」
「だって要らないし。それとも支配された方がいい?」
「う゛」
名前を夕貴に知られているベルは、基本的に夕貴の命令には逆らえない。
主従の契約を結べばベルは夕貴の使い魔とならなければならないのだ。
「だからってさ、毎度毎度えっちな事させて……そりゃボクだって嫌いじゃないけど」
ベルが『デビルカード』をもらってくれと言いに来るたび、夕貴が応える条件は決まっている。
すなわち「ヤらして♪」だ。
「言い訳作っときゃ悪魔企業だとかに言い訳きくっしょ?」
「え?ま、まあね……そこまで考えててくれたんだ。別にいいのに……ところで……もう、する?」
「んーん、今日はベルちゃんを誘おうと思って。あたし達のパーティーに」
「パーティー?」


1月6日。今日は夕貴の提案による「クリスマスと正月のぶんを今ここでやってしまおう新年会」だ。
クリスマスにバイトで忙しい希美香、元旦には本職で忙しい綾城兄妹。
正月期間は人手も足りず、希美香も簡単には休めない。
こんな半端な日程になったが、皆は夕貴の心遣いに感謝していた。

「あけまして……おめでとう!」
夕貴がグラスを掲げ、音頭を取る。その顔は今年一年を象徴するかのような笑顔。

『おめでとうございます』
まったく同時に同じ台詞を言った、綾城兄妹。
いつも通りの宮司と巫女。彼方は何かあった時にお客様に対処できるため、藍は……言わずもがな。
どうせ今日も夕貴と○○○な事をしてしまうのだろうという、一種の諦めと期待である。

「あけましておめでとうございますです!」
希美香は最近、財政がわりと楽になってきたという事で今日のバイトは夕方までで終わり。
母親が新しい定職を見つけられたんだとか。
希美香自身は夕貴と過ごす時間が多く取れる、という期待も多く、財布の潤いより心の潤いを求めたい所。

「おめでと~」
皆には初お目見えの悪魔ベルデレイティア。
何が起ころうと動じない綾城兄はもちろん、藍と希美香も特に疑問を見せない。
……羽と尻尾が出てるのだけど。服装も異様なのだけど。
夕貴は皆の寛容な精神に感謝した。


飲み物はコーラやオレンジジュースといったノンアルコール飲料、が、今年は秘密兵器が有る。
「あ~……なんだか、体が熱いです……」
「ゆ、夕貴センパイ?これ、お酒……じゃないですか?」
ペットボトルの口に付けられた『ホンワカキャップ』が、照明を反射してキラリと光った。
二日酔いもなく、体に悪影響を残す事もない酩酊用の道具。
依存症になる可能性は無いわけではないが、まあそのへんは酒と一緒。
「お酒じゃないよ。そうだね~、この……恋人達の熱い夜に酔った、んじゃない……?」
グラスを光に透かしつつ、夕貴は自分の唇を見せ付けるようにペロリと舐める。
「ゆ、夕貴さん……」
「センパイ……」
夕貴の「恋人」発言に藍が真っ赤になって下を向き、希美香は両手を頬に当ててかぶりを振る。
後輩2人組、早くも夕貴の繰り出す魅了攻撃にノックアウトされてしまった。
(か……可愛い~)
夕貴自身も藍と希美香のその仕草にノックアウトされかけていたが。

こうなってくると面白くないのは小悪魔ベル。
そりゃまあ確かに夕貴と体を重ねた回数は、多分この中で一番少ないんだろうけど。
「恋人達、だけじゃないでしょお?」
ベルが夕貴の首に腕を絡める。悪魔と言ってもちゃんと酔うらしく、顔が赤い。
「ユーキとボクは、セック○フレンドだもんね~」
「!」
ゆらりと藍の体から激烈に熱いオーラが吹き上がる。
夕貴は今すぐここから逃げ出したくなった。


と、藍がいきなり夕貴の体を抱えて引き寄せる。
「ダメでぇすぅ……夕貴さんはぁ、わたしたちの、恋人なのっ!」
「はいっ!?」
すっとんきょうな声をあげてしまう夕貴。
藍がこんなに自分を主張するんて珍しい。
……いやホンワカキャップのせいだろう。目の端に入った1.5?の空ボトル、見なかった事にしたい。
希美香と2人で1.5??ちょっと早すぎないか?
そりゃあこの年の女の子っていうのは好奇心が強いものだけど、お酒のようなものをぐいぐいと……

「って、希美香ちゃーん!!」
「は~い?」
「ヒトが考えてる隙に……んっ、うく……」
眼前に迫ったと思った時にはもう遅く、夕貴は唇を奪われ口腔内を犯されていた。
希美香と「初めて」を迎えてから結構体を重ねて来たけど、こんなに激しく求められた事は無い。
驚く暇もなくオレンジジュースの匂いを感じ、同時に希美香の唾液が夕貴の喉を下ってゆく。
歯や舌の裏まで舐めねぶられ、夕貴は口に施すものとしては最大級の前戯をされてようやく開放された。
「うふ……うふふ、センパ~イ……好きです、すごく好きです。大好きです」
なんだか、感動してしまった。
こんな風に好きだと連呼されるのは、ただそれだけでも心臓が高鳴る。
まして相手が潤んだ瞳の美少女で、本気で自分を慕ってくれているとあっては、幸福感で死んでしまっても
おかしくないだろう。
しかし今の夕貴にはそんな良い雰囲気に浸っている暇は無かった。


「ひゃ!?」
藍が器用に夕貴の服をはだけさせ、すぐさま右の乳房に吸い付く。
「ちょ、藍ちゃん!?っ、綾城兄が見てるってば!」
「……どこに兄さんが居るんですか?」
「へ?」
部屋の中を見回してみる。
居なかった。
目に入るものといえば3人の美少女とジュースのボトルと料理とお菓子、そして……
部屋の隅にポツンと置かれた『吸音機』。おまけにいつ敷かれたんだか布団が3枚。
「(…………つまり、好きにヤッていいと)」

急に、夕貴はまたもや口を塞がれた。
今度の相手は藍。
と、理解すると同時に炭酸飲料が夕貴の口の中に入って来る。
「ん……」
ごくり。
「好き、は負けませんよ、希美香さん」
藍が希美香の方を向いて微笑む。
それに応えるかのように、希美香は夕貴の下半身に手を伸ばした。
「あ、藍ちゃん!?希美香ちゃん!?」
小悪魔ベルよりも積極的に夕貴に絡んでくる藍と希美香。
普段おとなしく控えめなぶん、一度タガが外れるとブレーキが利かないようだ。
影響されて積極的になってくれるかと思いベルを連れてきたが、2人がここまで乱れるのは計算外。


「あ、やっ!ちょ、ちょっと希美香ちゃんいきなり過ぎだって!」
「でも……センパイ?ここ、もう湿ってるみたいですけど……」

綾城彼方は理性のかたまりのような少年である。
ゆえに、耳から入ってくる刺激的な音声に惑わされず己の仕事だけをこなせる優秀な人間である。
「あと2時間はお客様も来ませんね……」
自室にて『タイムテレビ』の早回しでチェックを終えた彼方。

「ダメダメダメーっ!ユーキを最初にイかせるのはボク!っきゃふ!?」
「あら……早いもの勝ちですよ~。ねえ希美香さん?夕貴さんに鍛えられた舌と指、試しません?」
「ほええ、まだ会ったばかりなのにですか?……でもベルさん、夕貴センパイの匂いがします……」

綾城彼方は優れた協調性と自制心を持つ少年である。
ゆえに、周囲の人間に性的な興味を抱く事なく日々を過ごす事のできる人間であり……
己の性欲を、作られた画や映像で処理する事が慣例になっている。
人、それをむっつりすけべと言う。
「お風呂はこれでよし……『ドライ・ライト』を掘って来ませんとね」
綾城家の土地の下には、夏の間に太陽のエネルギーをドライ・ライトに変換して溜め込んである。
少し少女達の嬌声が大きいような気がして足を止め、そこで彼方は気がついた。
吸音機の缶をセットするのを忘れていた事に。

「夕貴さ~ん、どこに行くんですか?逝くなら私達と天国に……」
「ユーキ、油断しないでよ……フフッ、3対1ならさすがのユーキでも……」
「あ、藍ちゃん?希美香ちゃん?ベルちゃん?……顔がマジなんだけども」


綾城彼方は多大なる愛情を万人に注ぐ事のできる少年である。
ゆえに、妹である藍や友人である夕貴の「望み」のために働く事を苦としない人間である。
人、それをパシリと呼ぶ。
「……参拝客も来ないとは思いますが……足止め用に一反木綿、蛇骨婆、鬼火、お願いします」
彼方が袖をひとふりすると妖怪達がわさわさ現れる。
この『つめあわせオバケ』、彼方のセンスにかなりハマったようだ。

「あっ、はっ……ボクのお尻……指が2本も入ってるぅぅ!」
「んっふふふ、確かに油断大敵だよねぇベルちゃん。でもそれはあたしに限った事じゃ……んんっ!」
「センパイ、センパイっ、私の、私で、感じてくださいっ……きゃん!?あ、藍さん?ぅああう!」
「希美香さん……今言います。好きです。世界で2番目に好きです」

綾城彼方は寛大にして冷静なる聖母のごとき少年である。
ゆえに、誰かの愛液が障子に付着しようが襖をふやけさせようが畳を湿らせようが座布団を浸食しようが、
廊下までアンモニア臭がしようが自分の部屋まで栗の匂いが届こうが、黙って後始末をする人間である。
「……藍、立派な色事師になってしまいましたね……」
ドライ・ライトを拳大に3かけらほど掘り出して来て、ひとかけ浴槽に放り込む。
残り2欠けは細かく砕いて保温ボックスに入れ、蓋を閉じて小さなひしゃくを側に置いた。
こうしておけば、察しのいい夕貴や藍はドライ・ライトを必要なだけ足してくれるだろう。
一仕事終えた所で彼方は時計を見た。
ホンワカ放射能を浴びた飲料の量から見て、あと30分程度は彼女達の酔いも続くと思われる。
明日の朝食の下ごしらえでもしておこうか……


大切な部分を隠しもせず乱れに乱れている少女達のパーティー会場は、佳境に入ろうとしていた。
趣旨とはいささか外れた気がしないでもないが……
いや、愛し合う少女達にとっては姫初めも大切な行事のひとつであろう。
「ゆ、夕貴さん、これ……!?」
「や、やあっ、触られると……きゃふ……感じちゃいますです……」
自分の頭のてっぺんを触って驚く藍、自分の腰に生えた「その」部位をしごかれて悶える希美香。
夕貴が左手に持っているのは『動物変身リング』。
「いやまあ、せっかくの戌年だし♪」
「ユーキって本当、ヘンな道具持ってるね~」
4人の少女は見事に犬耳としっぽを生やしていた。

人間の体から「耳」と「尻尾」だけを生やすにはどこの部分に変身リングをかすめさせればよいか。
自分の体で試行錯誤した結果、夕貴はパーフェクトな融合パターンを見つけ出した。
……本当にくだらん事には努力を惜しまない少女である。
「ほらほら藍ちゃん、ふぅーっ♪」
「ひゃふんっ!?や、やあ……耳、上の耳、ダメですぅ……」
ぽてっと垂れた藍の犬耳をちょっとめくって息を吹きかける。
元々絡み合っていた事もあって感じやすくなっている藍の体は、たやすく夕貴に弄ばれていた。
「あっ、あっ、あ……しっぽ、そんなにされたら……ヘンになっちゃいますです……」
「はあああん♪や、ユ、ユーキぃっ!尻尾、お尻に入れないで……あああああーっ!」
四つん這いになって夕貴の方にお尻を向けて悶えている希美香とベル。
熱い吐息を漏らし、もう頭の中は何も考えられない状態だろう。
希美香にはふさふさした茶色の犬耳と尻尾、ベルには艶がある短く黒い毛の犬耳と尻尾が生えている。


「はい希美香ちゃん、藍ちゃんの胸……触ってあげてて」
「あ……」
藍の首にいつの間にかかけられていた首輪。
その藍の上に位置を移動させられ、希美香は藍の上に倒れこむ。
「希美香さん……あ……お願い……します……」
藍は、上に乗った希美香の体の重さを感じた。
自分とそんなに変わらない身長なのに、とても軽い。細い。抱きしめれば折れてしまいそう。
今は出会った頃ほどではないとは言え、浮き出た肋骨が、荒れた手の平が、細い関節が、目に痛い。
……いとおしい。

「藍さん……ん……ふぅ……私にも……してくださいです……」
サラリとした触感の見事な黒髪。筋肉と脂肪の調和した、未成熟なのに極度に完成された脚線美。
希美香は藍の体を見るたびに思う。
綺麗だ、と。
夕貴と体を重ねるたびに、藍と抱き合うたびに思う。
これはきっと夢なのだと。
でも……いつも、夢らしからぬ、即物的な肉欲を満たしてくれるのが……
『あああああっ!!』
希美香の秘部を藍のそれへと密着させ、その間を往復させる舌がある。
もちろん犯人は夕貴だ。
希美香の腰をしっかりと捕まえて離さず、希美香が逃れようとする動きは藍の敏感な部分に伝えられる。
「あ、せ、センパイ!?や、ああっ!」
「き、希美香さん、いいっ、いいですぅ、もっと……」


酔いの回った頭では、理性というものが顔を覗かせる事さえ珍しい。
夕貴は下にベルを組み敷きその胸を揉みしだきながら、藍と希美香の貝合わせにちょっかいを出す。
笹本夕貴、彼女は相手の性感を満足させる事に全力を尽くす人間だ。
そして、自身の五感を満足させる事に全力を尽くす人間でもある。
いかに肌があらわになっても、藍の巫女服、希美香の制服、ベルのレオタードが脱がされる事は無い。
だって浪漫だから!(大馬鹿)
「ユーキ!ユーキぃ!入れて、ボクのアソコ、もうドロドロになってるからっ、早くぅ!」
小悪魔ベルの淫らなおねだりが、少女達の興奮をさらに煽る。
「ゆ、夕貴さん……私も……私も、欲しいですぅ……!」
「センパイ、私も……覚悟、できてますから!ください……センパイ……」

……一瞬意識が飛んだ。
幸福感だけでイく事ができるかも知れない。
でも……
夕貴は、まだ藍や希美香の処女の証をもらいたくはなかった。
だから。
特製『サンタイン』で自分の体を自在に液体にできるようにして、
体の各所に少しずつ色々な『水加工用ふりかけ』をかけた。
「あっ……あ、あああああっ!や、やあ……気持ち……」
「気持ち悪い?」
「……い、いえ……きゅう……き、気持ちいい……です……はん!」
粘土のような感触で藍の全身を覆い、特に胸のあたりの部分を重点的に撫で回す。
そして、ざらついた発泡スチロールのような感触で藍の背骨に沿って攻め上げるのだ。


「あ……セ、センパイ……これって、センパイなんですか?」
スポンジのような感触が希美香の全身に回った。
そして……
「あふっ、やはあああああん!!」
ふりかけをパラパラとこぼす事で極小の鉄球のような感触を表面に浮かせた、夕貴の左手が乳首を摘む。
強烈な感触に甘い悲鳴をあげる希美香。

「ああっ!はっ!あゥん!いっ、はぁ!ああんっ!くゥん!」
ほわほわひらひらとした布状の感触がベルの秘部の中をくすぐる。
普通ならすぐに濡れて変形してしまうが、今の夕貴の体はもともと液体。
ぴちゃぴちゃと溢れてくるベルの愛液すらも取り込んで、その布状の部位は回転を早めた。

ぺしぺしと顔を叩く、藍と希美香から生えた尻尾の感触が心地よい。
小悪魔ベルなんて、その激しく動く尻尾を自分自身の後ろの穴に差し込まれているのだ。
もともと肛門の性感は背徳の所業と言われ、悪魔である彼女が快感を覚えないわけがない。
夕貴は液状の肉体とさまざまな質感の肌を最大限に使い、3人の少女達を絶頂に導いてゆく。
「夕貴さっ……!も、もう私、私ぃ……ダメ、ですぅ……!」
「センパイ、好き、好きです、どんな形でも……!好き、ですぅ!」
「ユーキぃ!イク!イクよぉ!ボク、イっちゃう!アイ、キミカ……イってぇぇぇ!」
藍と希美香が体を合わせている所に、ベルまでも指を伸ばして来た。
その手が2人の尻尾をとらえ……重なり合っている2人の秘部の間へと差し込んだ瞬間。
『ああああああああ!!!』
「イ、イクよぉぉぉ!うあっ!ひ、ああああああっっっ!」


カポーン……
「……夕貴さん、なんで空の桶を置きなおすんですか?」
「いや、なんとなく情緒が」
綾城家の浴室。
全員、耳も尻尾も消え、酔いのさめた頭でボーっとしていた。
その頭の中は……
「恥ずかしい」。これに尽きる。
(まさか本当に3人も相手しちゃうなんて……あたし、本気で精力無限のエロエロ魔人かも知れない……)
(希美香さんに好きだ好きだと連呼してしまいました……私って軟派……)
(藍さんならまだしも、会ったばかりのベルさんにあんな事を……)
(悪魔ともあろうものが、フツーの女の子達に翻弄されてしまった……)
『はあ~』
冷静になった時に、酔った時の記憶がはっきり残っているのは本当に恥ずかしい。
自分が自分でなくなる……のではなく、本当の自分が全開になるというのは……
まあ、こんな事で付き合い方が変わるほど少女達の絆は浅くない。
また明日から、楽しい日常に戻るだろう。

『…………』
「ねえ藍ちゃん……あたし達、1時間もお風呂入ってなかったよね……」
「…………」
「なんでこんなに綺麗になってるんだろ……」
お風呂から上がった少女達を待っていたのは、綺麗にセットされた乾いた布団4組だった。
綾城彼方。侮れない少年である。