短編その①  藍

今日は夏祭り。まだ夕方なのに、立ち並ぶ出店に人が集まり始めていた。
藍はお神輿の出入りを見る係だが、出る時と入る時以外は相当暇である。
神社の売店で御守りなどを売っているものの……お客は無し。
「……ん……ぅ……」
暇、だが。
さっきから藍は外部からの刺激をその体に受けていた。
衣の前開きから手を差し入れられるかのような感触。
緋袴の上から、股間をぐにぐにと揉まれるかのような感触。
「(と言うより……夕貴さんの手つきなんですけど……)」
顔を赤らめながら、藍はその感覚を甘受していた。
夕貴の主張を受けて、下着を着けていない藍。
襦袢だけでは吸いきれない量の愛液が、緋袴を濡らす。
「(人が……いるのに……)」


藍の感じているものは、やはり夕貴が与えているものだった。
「んふふ……目潤ませちゃって、可愛い」
使ったのは『コピー取り寄せ機』。
売店のカウンターに座っている藍は、こちらからだと宙に浮いているように見える。
夕貴は藍の秘所に、緋袴ごと指を沈めた。

つぷ、と音が藍の体内に響く。
肉を震わせる振動に、藍は耐え切れず大きな吐息を漏らした。
まばらとはいえ、人の目のある所で性的な絶頂を迎えようとしている、その羞恥と背徳が藍を攻める。
「あ、ア、あああ」
ハッと口を押さえる。さいわい、聞こえた人間はいなかったらしい。
衣の袖を噛んで声を殺し、最後の律動に備えた。
「駄目……ぃ……ぁ…………~~~~~~ッ!!!」
カウンターに突っ伏して荒い息をつく。
木の椅子、藍の座っていた所は、盛大に濡れて変色していた。





短編その②  夕貴

「んっ……む、ぐむ……ンンッ!」
暗い屋根裏部屋に、夕貴の喘ぎが響く。
藍のために『新種植物製造機』で作っていた触手植物の試験運用。
衣服は身に付けず、両手を床について四つん這いの姿勢で……
普段夕貴はタチ役に回っているが、たまにはこういうのもいい。
「っ!♪」
膣内が太い茎で満たされ、菊門には細い蔦が数本まとまって抽送を繰り返していた。
口の方には、もう一体の植物が出入りしている。
そして……天井に植わっている三体目の植物が、夕貴の体を持ち上げた。
敏感な双丘を断続的に捻り回し、そして、夕貴は自由になった両手で、伸びてきた茎をしごきだす。
夕貴は脚を肩幅よりも大きく開き、宙ぶらりんの体勢で完全に腰の力を抜き……快楽を享受する。
「イっ、くっ!っあ、あああああ!」
両手で握った茎から噴出する白濁液を浴び、植物の出来栄えに満足して気をやった。


「さてと……次はどうするかな」
シャワーを浴びた夕貴、次の段階を考える。
いつでも植物を呼び出せるように、しまえる四次元試験管みたいなものを作るのも悪くない。
あと、『植物改造エキス』のオリジナルブレンドとして作るのもいいだろう。
「あ、ヘンな液出すのもいいかも知れない♪」
買っておいた媚薬をいくつかポケットから出し(四次元ポケットの中にしまうなよ)、
『グレードアップ液』を使って……

数分後。
笹本邸の屋根裏部屋からこの世のものとは思えない悲鳴が響き渡った。

「これ、原材料にトウガラシ使ってあるじゃないですか。熱をもたらすローションですよ、これ」
「媚薬と一口に言っても色々あるんですから、気をつけてください……」
綾城兄妹の呆れた声。秘所の痛みで立てなくなった夕貴は、助けを呼ぶしかなくなったのである。
「うっうっうっ……反省してまーす」






短編その③  彼方

綾城家の彼方の自室にて。今日も夕貴が遊びに来ていた。
「そういえば、綾城兄ってひみつ道具使ってエロい事しようとか思わないの?」
彼方は飲んでいたお茶を吹き出した。
「けほっ、けほっ、こほ……いきなり何を言い出すんです」
「普通に考えて16、7って一番ヤリたい年頃かなって……ごめん、普通じゃなかったね綾城兄」
「ええ。私は普通ではありませんから」
湯のみに新しくお茶を注ぐ。
「でも……『ヤジウマアンテナ』で助けに入る時は、色々考えてるんですよ」
夕貴の湯のみにもお茶を入れつつ答える彼方。
「心を読んだりする道具を使いますと、本質も少々わかりますから……普通の女性は、9割以上の人が
 犯される事に対して全く快感を感じませんが……中にはマゾヒスティックな方もいらっしゃいます」
そういう時は、処女でもない限り一度達してしまうまで助けには入りません、と言う。
「読者の皆さんのためにね」



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最終更新:2007年06月10日 11:41