夕貴はヘアバンドと合成した『サトリヘルメット』を起動して、目の前の子の思考を読む。
やっぱり、結局はカードを使ってしまうように仕向けるのが仕事らしい。
夕貴は遠慮なく、この子の体を頂く事にした。
「ねえ……悪魔なんだったらさ、えっちな事も結構経験してるよね?」
「え!?そ、そりゃあ……キミひょっとして、レズ?」
悪魔っ娘は意外そうな顔をした。
が、以前何人かそういう女性もいたらしく納得してくれる。
「まあね~。じゃあ、……そういえば、名前何?」
「んー、好きに呼んでくれていーよ。本当の名前は明かせないからさ」

真なる名前を知られた悪魔は支配されやすくなる。
夕貴は頭の中にあるわずかなオカルト知識を引っ張り出した。
……とすると、支配しちゃう事もできるんだ。
明日は図書館行って調べてみよっと。
あ、ネットでも充分かな。
「“ベルデレイティア”か。じゃあベルちゃんね。気持ちよくしたげるから力抜いて♪」
本物の悪魔もかくやという邪悪な微笑を浮かべる夕貴。
「キ、キミ、心が読めるのっ!?」
「ふふーん、さてどうでしょう?……あ、あたしの名前は夕貴。笹本夕貴ね」
指先をベルの胸に這わせ、藍ちゃんよりちょっとだけ大きいかな、と考えつつ、首筋に舌を伸ばす。
服を脱がす事など最初から夕貴の頭には無い。だって浪漫だから!(馬鹿)
「しっかりサービス、してくれるんだよね~?」
妖しい笑みを浮かべて、夕貴は悪魔の体を攻略にかかる。


「ひゃ!?」
またも特製『サンタイン』を飲んだ夕貴は、左手を気体に変化させてベルの体を愛撫する。
その「衣服越しに」「直接」乳首を擦られる感覚に、たまらずベルは声を上げた。
「んふふ……いい声で鳴いてよね」
「ぁん……」
媚びた声とともに、淫靡な笑顔を浮かべて夕貴を挑発する。
もう夕貴が変な力を持っているのは受け入れたか、楽しむ事を優先したようだ。
そしてベルの方もまた夕貴のお尻を軽く撫で回す。
「しっかり……サービスするよ、もちろん」
上気したベルの顔が間近に迫り、夕貴は思わずその小さな唇に舌を伸ばした。
ちゅ。
「んふ……」
「んむ……」

普通の右手でもう一度乳房を掴む。
「あ……」
押せばむにっとへこみ、掴めばむにゅっと指に沿って形を変える、触り心地のいいゴムのような丘。
たまにはこれくらい量感のある胸を味わうのも悪くない。
ぺろり…くちゅ…
「あン♪」
唇と舌を気体化して、また服越しに胸の頂上の突起をいじめる。
夕貴の局部に手を伸ばそうとしていたベルだが、身長の差から手が届かなくなってしまった。
仕方なく夕貴の胸を愛撫し始めるベル。しかし夕貴はそれからも逃げて……


「や、はぁ、ん♪」
ベルの局部に頭を突っ込む。
そして、水着のような生地でできたレオタードの「中」に、顔を入れた。
気体になっているからできる芸当。
間髪入れず容赦なく秘裂を舐め回し、ベルに快感を送り込んでいく。
「い、いいっ……気持ちいいよぉ……」
荒い息をついて、とろんとした目を夕貴に向けてくる。
さっきまでなかば演技していたようだが、今度は本物の嬌声、本物の痴態。
ここで夕貴はヘアバンドを外して机の上に置いた。
あまり心を読む事に慣れ過ぎると、つまらなくなるから。

ゆるゆるとした愛撫を続け、お互いに熱を帯びて来た頃。
「ほら……ここに立って。カード、契約してほしかったら……」
夕貴はベッドからドアノブまでロープを結び、全身汗だくのベルをそのロープにまたがらせた。
今は股間とロープの間に余裕があるが、だんだんと食い込んでいく仕組み。
「はあ……歩くんだね?いいよ、見て……」
憑かれたような視線を夕貴に送り、ベルは歩き出す。
「ひぅっ……あ……あは……っ」
漆黒のレオタードがロープによって歪められ、布地に覆われた秘めやかな場所を浮き彫りにする。
背中から見ても秘裂の形がわかるほど。
前傾した姿勢で、ベルはゆっくり秘裂を擦りながら歩いてゆく……
「んあ、あぁーっ!」
ドアまで辿りつくと、自らの秘所にドアノブが埋まる感覚に軽い絶頂を覚えてしまった。


「遅い遅い……じゃあ、これからが本番ね」
「え……?」
夕貴は軽く肩をすくめると、余韻に浸るベルを置いて部屋の外に出て行く。
パラリ、ゴン、と、何か妙な音が笹本家に響き……1・2分後、夕貴は帰って来た。
「じゃあ……こっち来て」
またも妖しい笑みを浮かべる夕貴に少し怯えながらも、ベルは言われるままに外に出る。

部屋の外に出て、理解した。
夕貴の部屋のドアノブから他の部屋のドアノブ、1階への階段、そして階段を降りてもまだ。
おそらく家中にロープを張り巡らせたのだろう。
「ここ……歩いてもらおっかな」
「う、うん。いいよ」
躊躇いながらもロープをまたぐベル。
それを見ると、夕貴はポケットから機械を取り出した。

「うやっ!?あ、ああーっ!だ、ダメぇーっ!あ、足が勝手に……きゃふん!」
ベルは歩き始めた、愛液の飛沫を飛ばすほど激しく、股間をロープに擦りながら。
普通に歩くのとなんら変わりないスピードで。
……夕貴の引いた線の上を。
『コース決定機』。
一度ロックした対象は、何があろうともこの機械で書かれた線の上を歩かなければならない。
「お願い、ダメっ、あああっ!か、感じ過ぎちゃうのぉ……もう、もう、イッちゃううう!!!」
ベルのレオタードの船底から派手に愛液がこぼれ、フローリングの床をぱたぱたと濡らした。


「ユーキ、これっ、ダメぇ!ダメだよぉ、もう、もうイッてる、イッてるからぁ!許してぇ!」
涙目になりながら訴えて来る小悪魔の懇願を、夕貴は悪魔の微笑で跳ね除ける。
「契約して欲しかったら……ゴールまで行くこと♪」
「うやっ、ムリっ、絶対ムリぃ!あ、あ、あ……ダメっ、また……また、あああああっ!!!」
イキながらも歩くスピードが緩まない。
無意識にかロープを後ろ手で掴んだが、歩くスピードは緩む事はない。
両手に感じられる、有り得ないほどびしょびしょに濡れたロープの感覚が羞恥心を煽るのみ。
「こすれて、ダメぇっ!気持ち良過ぎるっ、ユーキ、ユーキぃ!」

ようやく階段にさしかかった時、ベルの脳髄にピンクの稲妻が走った。
手すりにビッシリと渡された数本のロープはところどころコブになっている。
途絶えない、そして決して慣れる事のない快感がベルの秘裂を刺激し続ける。
「うあ、ぅ、ヘンっ、アソコが、ヘンなのぉ!」
「……どうなってるの?」
自分の胸の先端をつまみながら、夕貴はベルに問いかける。
「ドロドロで、グチャグチャで、ズルッて、ブシュッて、凄いのぉ!」
凄い。夕貴も、正気だったなら呆気に取られていただろう。
涎を垂らし、髪を振り乱し、股間からは絶え間なく潮を吹きながら、涙を流してよがっている。
こんな乱れっぷりは藍ちゃんじゃできない。
後でタイムテレビで……録画もしておこう。
と、手すりを掴む力もなくなったか、ベルが手すりを一気に滑り落ちてゆく。
「うやは、はあっ、あぁぁぁぁぁーーーっ!!!」
絶頂からさらに上まで押し上げられ、哀れこの小悪魔は気絶した。


ぺしぺしと頬を叩かれる感覚。
ベルが目覚めたのは布団の上。
「っ!?」
夕貴が上にのしかかっている。
いまだ秘所の熱が冷めていない所を見ると、まだあれから数分も経っていないのか。
ふと腰のあたりに感じた違和感に目を向ければ、ウエストまで浸食している恥ずかしい染み。
顔を赤くする悪魔っ娘に、夕貴はいたわるように語りかけた。
「ごめんね、ベルちゃん……次は優しくするからさ」
「え……ま、まだするの!?」
「だって、あたしまだ1回もイッてないもん」
そこでようやくセールスデビルとしての自覚を思い出し、別の意味で顔を赤らめるベル。
仮にも悪魔である自分が、いいように翻弄されて、自分だけ何回も達してしまうとは。
「……わかった。今度はボクに任せてよ」

背中からコウモリの翼を広げ、先端の尖った尻尾を生やす。
「わ!?あんンっっ!」
驚く間もなく翼の先端の鉤が夕貴の服を裂き、両の乳首を摘みあげる。
尻尾が夕貴の口腔に侵入し、舌を、唇を陵辱する。
「へへ、どう?ボクの本気はこんなもんじゃないよ~?」
左手から冷気を生み出すと氷片を作り上げ、それを夕貴の背骨に沿って這わせた。
「ん、んむーーーーーっ!」
ゾクゾクとする感覚に、夕貴の体の一部が激しい熱を帯びる。
お互いの体を擦り合わせ、夕貴とベルはテンションを高めていった。


夕貴自身、手放しで上手だと褒められる。
さすがに悪魔だけの事はある、床技は素晴らしい。
このままだと、さっきのベルのように踊らされる事になるだろう。
そこで。

唐突に。
夕貴は、小さな銃をベルに向けて撃った。

「ユーキ、ユーキ……お願い、もう挿れてぇ……我慢できないよ、ねえ……」
蕩けきった淫らな笑顔で、可愛くおねだりしてくる小悪魔。
夕貴も気分は最高潮。笑みを浮かべながらベルの足を掴む。
ベルの足を持ち上げて互いの秘所をくっつけると、間に布地があるとは思えない湿った音がした。
くちっ……
「ん……いい♪」
腰を動かすと、ベルのレオタードと夕貴のショーツがぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる。

『タチバガン』。
お互いの立場を入れ替える道具である。
「え、ちょっ、や、なんでボクっ!?あんっ♪」
「んっふっふ……観念しなさいベルちゃん。あたしに契約を持ちかけたのがあなたの不幸ってね」
そして夕貴はサンタイン効果で気体化した左手をソコに入れた。
文字通り、入れた。
「あ、ああぁぁぁんっ♪」


例えるなら。空気のかたまりが2人の秘所を繋いだのだ。
愛液の飛沫が、膣内を跳ね回る。
ショーツとレオタードを浸透して、夕貴の愛液がベルの膣内に滴る。
ベルの熱を多量に含んだ空気が、夕貴の膣内で溢れかえる。
内部が気体で占められているため、ナカを完全に閉じる事ができない。
「ちょっ、よ、予想外……っ」
「ユ、ユーキぃ!?なんでキミは、キミはっ……こんなに、感じるなんてぇ!」
呼吸をするたびに、筋肉を使うたびに、蠕動し、膣内の空気が入れ替わる。
その感覚は、多分普通では一生感じられないもの。
『うやはぁぁぁぁっ!?』
2人の悲鳴じみた嬌声が上がる。
「ユーキっ!?な、何したのぉ!?」
「ごめん、説明あと、ベルちゃん、お願いこのままっ!」
尿道口から気体の左手を滑り込ませた。
……これも、絶対に普通は一生味わう事のない感覚。

漆黒のレオタードの隙間から、まだまだ多量の蜜が溢れて来る。
己の秘所からも、ドロリとした熱のかたまりが沸いて来るのが感じる。
自分でも、この快楽に身を任せるのが怖くなるほどだが……
夕貴は一切手を緩める事なく、気体の左手で掻き回し、捻り、絶頂へと導いていった。
「ああァ、イクぅ、ダメぇっ……!」
「ユーキ、ユーキ、ユーキっ……!」
『ひぁぁぁぁ――あんっ、あァあっッ!!!』


興奮冷めやらぬ……数分後。
「ユーキぃ……」
ベルが、破かれた夕貴の胸に抱かれて寝転がっている。疲れきった顔で。
ん?と、夕貴は腕の中のベルを見た。
「ちゃんと契約してくれるよねぇ?」
「うん、いいよ」
「良かった……でも……」
ベルは瞼を閉じると、夕貴に身を預ける。
「ごめん、今日はこのまま寝させて……なんか……すっごい疲れた……」
「ん、お休みベルちゃん」
気分を変えてくれたこの悪魔っ娘に感謝しつつ、夕貴もまた眠……ろうとした所で。
ふと、気付いた。
「綾城家の夕飯、どうしよう……」
まさか悪魔を家に置いたまま出かけるわけにもいかないし。
「……後で、タイムベルト使って行こう」

それに。
悪魔という以前に、自分の胸で眠っている女の子をほっとくなんて、夕貴にはできそうにないから。

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御存知綾城家の晩餐。
綾城藍、綾城兄こと綾城彼方、笹本夕貴、洞沢希美香。
大人はいないが、それでも……いや、それゆえにか楽しい、家族の団欒。
……の、はずなのだが。

「…………」
「…………」
テーブルの上には冷たい空気が漂っている。
夕貴の態度がおかしい事を察知した藍がこの冷気を放っているのだ。
「……お、おかわり」
「はい」
彼方に茶碗を差し出す夕貴。
多少怯えながら藍の様子をうかがっている。
「……お、おいしいですね……いつもながら尊敬しますです」
肉じゃがをつつきながら言う希美香。
やはり藍の様子をうかがっている。
夕貴の態度が多少おかしい事には気付いているようだが……
「まだご飯はありますから、遠慮しないでくださいね」
そして、まったく態度の変わらない彼方。
この重い空気の中で、柳のように藍の「気」を受け流している。

「……夕貴さん」
藍は箸と茶碗を置くと、いよいよ口を開いた。


「また女の子と、シちゃったんですね?」
ぶはっ!
「げほ、げほげほ……」
「……え、その、え?あ、えーと……」
やたら咳き込む夕貴。顔を真っ赤にして慌てる希美香。動じない彼方。
そして、自分で言っておきながら顔を赤くする藍。
「こ、答えてくださいっ!夕貴さん!」
夕貴はとりあえずお茶を飲んで心を落ち着ける。

「えーと、藍ちゃん……はい。ごめんなさい。ヤっちゃいました」
藍の眼光に、偽る事なく答える夕貴。
ドラ○もんの道具もかたなしの、修羅の眼光である。
そして……ふぅ、と息をつくと、藍はまた茶碗を取って食事の続きにかかった。
「あ、藍ちゃん?」
「いいですよ、もう許します」
怯えながら問うてくる夕貴に、ちょっとすねたような目で答える藍。
「夕貴さんはそういう人ですからね、私もある程度は受け入れないと」

「……?」
よくわかっていないらしい希美香に、彼方が詳しく説明を始めた。
「夕貴さんは……例えば今現在の恋人である藍が『好きな人ができた』と言っても、笑って祝福する
 ような人です。独占欲というのがほとんど無い方なのですよ」
まあ激しく軟派なのは少し自粛してほしい所ですが、と続ける。


「え……やっぱり、お2人は……恋人同士だったですか」
頬を染めながら夕貴と藍の顔を見比べる希美香。
藍は恋人という単語に反応して、また顔を赤くしている。
「ん、そうだよ。少なくとも体を重ねるくらいのげぐっ!?」
藍の短棍が夕貴の首をとらえた。
顔を青くしてもだえる夕貴。顔を赤くして締め上げる藍。
そこにのんびりとした綾城兄の声。
「藍、食事中のリアルファイトはほどほどにしてくださいね」
止めてくれよ……と綾城兄を恨みつつ、夕貴は意識を手放した。

横で気絶している夕貴を見ながらの夕食会。
なかなかシュールな光景だ。
「希美香さん」
「は、はい?」
藍が希美香の目を見る。
「希美香さんは、夕貴さんの事が好きですか?」
希美香は頬を染め、少し考え込む。
私に声をかけてくれた優しい人。体を張って助けてくれた強い心の人。とてもとても格好いい人。
唯一の問題点は同性という事だが。
本当に好きなのかと聞かれると……
「こ、恋……という感情でなくてもいいですよ。人間として好き、でも」
恋という単語を口に出す事に気恥ずかしさを覚えながら、迷っている希美香に助けを出す藍。
「それは絶対に好きです!夕貴センパイの事は大好きですっ!」


言ってからその声の大きさに希美香自身驚き、顔を真っ赤にしてうつむいた。
藍は微笑むと、自分の事のように話し出す。
「夕貴さんの事がそれほど好きなら、多分、そう遠くないうちに恋人になっちゃうと思いますよ。
 まあ、付き合っていくのは少し疲れますけど……それ以上に癒してくれますし、守ってくれます
 ……私達の心を。好きだって自覚したら、夕貴さんの事好きになったんだって、誇ってください」
ああ、と希美香は思った。
この人はこんなにも長く強く夕貴センパイの事を想っていたんだ、と。
決して勝てない気がするのと同時に……少し嬉しい気持ちがあった。
こんなにも想われている夕貴センパイが、自分の事を少しでも見ていてくれるという事に。
希美香の口元がゆるむ。
それは……藍が見とれるほど幸せそうな微笑。

「……あの、いいですか?夕貴さんとお付き合いするなら、知っておいてほしい事があるんです」
彼方が口をはさむ。
普段見せない深刻な表情で。
「夕貴さんは今、あんないいかげんそうな人ですけど……昔、とても真剣に1人の女の子に恋をした
 事があったんですよ。……いわゆる初恋の相手で、初体験の相手でもあります」
やっぱり女なのか、とは言うなかれ。
本人達は真剣なのだから。
「ですが、ある事件があって……夕貴さんは、その女の子に絶交されてしまいました……裏切られた
 のも同然のように。そのショックか、どうしても恋愛に熱中できなくなってしまったんです」
ですから、と彼方は言った。
「夕貴さんが不誠実に見えても……夕貴さんを壊したくなければ、踏み込まないであげてください」


番外
「あの、彼方さん。夕貴センパイの初恋って、いつの話なのですか?」
「4年前ですが……何か疑問でも?」
「それ……小学校卒業したばかりの頃ですよね……」
「…………」
「初体験って……」
「……私に聞かないでください」