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  *  *  * 「どこでもドア」と「タイムベルト」を駆使した結果、 俺は、ハルヒの自宅自室に移動していた。 携帯電話をささっと操作して某ウェブサイトを呼び出した所、 サイトの時刻表示は午前一時を表示していた。 ハルヒの五感六感の鋭さを知り抜いている俺は「石ころぼうし」を被ったまま、 一時間にセットした「グッスリまくら」をハルヒの頭の下に挿入しておく。 「シナリオライター」を着火すると、ハルヒは布団から出て床に立ち、 シナリオ通りにその場で丸裸になり一度万歳してから、 こちらで用意した下着とジャージを着用する。 脱ぎ捨てられたパジャマと下着は一旦回収しておく。 後は、シナリオ通りベッドに腰掛けたハルヒを 「ペタンコアイロン」で圧縮して「チッポケット二次元カメラ」で撮影する。   *  *  * 「ちょっと、何よこれっ!?」 ハルヒの素っ頓狂な叫び声に、バスに同乗していた面々が一斉に目を覚ました。 確かに、真冬に自宅で就寝していたら、目が覚めたら新緑の郊外でバスに揺られていた、 なんて体験をしたら悲鳴の一つも上げたくなるだろう。 ハルヒ本人が最大級に超常現象だとは言え、自覚的超常現象経験値で言えば俺の方が上の筈だからな。 「ふえぇー」 「なんだぁー」 「ん、何を騒いでるんだハルヒ?」 「キョンッ!?だってあんた…」 「あー、今日と明日の休みを利用してSOS団不思議探索ハイキングロードに出発しようって 張り切ってたのはハルヒお前だろ」 「ん?あ、うん」 「で、長門だけ出発直前になって親戚が危篤だかなんだかで欠席になったから、 俺達と引率の朝比奈先生。ついでに団長様が気前のいい所を見せてクラスからも何人かの大盤振る舞い、 古泉のご親戚からの全面協力ありって事で着くまでバスの中で一休み、って事だっただろうが」 「かたづけラッカー」を吹き付けた「うそつ機」によって、一同納得いただけた様だ。 その後ももう少し細かい設定上の補足をしておいた訳だが、 進行の展開上、古泉以下機関の皆さんには「うそつ機」で事前に話を通してある。 だから「ウルトラストップウォッチ」と「ワスレンボー」を組み合わせて、 今の話だけさりげなく機関の皆さんの頭から消去する。 「目的地まではもう少しかかりますので皆さん朝ご飯をどうぞ」 バスガイド姿の森さんが、あの笑顔で朝食を先頭に座る古泉に渡していく。 運転しているのは新川さんで、 「機関」の皆さんには、明け方の薄闇の中、 他の面々が「グッスリまくら」で確実に熟睡している間に目覚めてもらい、 「うそつ機」を装着した俺との事前打ち合わせと準備を済ませてもらった。 それで準備完了した森さんと言えばこれこの通り、実によく似合っている似合い過ぎている。 最初に男、次に森さんが交代交代にバスに搭乗し、 その間他の者は外に出ている形で着替えを行った訳だが、 どこから見ても初々しい新人バスガイドにしか見えない森さんに出会った俺は、 古泉、新川さんと言った「機関」の面々は片道十分ほどのコンビニエンスストアまで買い出し、 森さんはバスに残ってちょっとした連絡、と言う指示を、 「機関」の黒幕として発令する事を即断していた。 「ウルトラストップウォッチ」で時間停止中にさささっと携帯の指令メールを作って、 時間停止解除と共に、俺が「機関」の黒幕である事を知っている、 そして、俺の手で「機関」の北高関係全面責任者の地位に就いた森さんの携帯に後ろ手で送信してだ。 で、バスの中で森さんが改めてバスガイドの制服をきっちり整えルージュを引き直し、 古泉達が買い物袋を下げてバスに戻って来てから、新川さんの運転でバスは駐車場を出たって流れだ。 「あれ、キョン朝ご飯は?」 「先に済ませた。目が冴えてたんでな」 「グルメテーブルかけ」で用意した竹皮包みの大玉おむすびと カップスープ式に森さんが魔法瓶から紙カップ注いで回った呉汁、ペットボトルのお茶に 旺盛な食欲を見せるハルヒの問いに、俺は返答する。 朝食も終わり、バスが目的地の駐車場に停車する。 ぞろぞろとほとんどの面々がバスを出た後で、俺は「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押す。 そして、バスの中に戻り、まずは森さんの腕時計と携帯電話を拝借してバスの外に置く。 その後でバスの中に戻り、「ウルトラストップウォッチ」のスイッチを押した直後に 「きょうじき」のスイッチを押して、バスの中での一時間が外の一秒になる様に設定する。 森さんは、「機関」の黒幕であり俗称セフレとして決して非友好的とは言い難い関係を樹立している俺との 事前の打ち合わせ通り、バスの通路の真ん中で制服を脱ぎ下着を外し、 確かに、そう、例えば森さんの様な美人のナイスバディであれば その素晴らしいオールヌードをそのままポンと目の前に差し出されてもヒャッハー過ぎる。 だが、この、それも制服から一つ一つそこに至る過程を丹念に目視する事が出来る。 これが又実に贅沢でありかつそそる光景である事にそうそう異論は無いだろう。 そして、着席した俺に、身に着けていた全てを別の席上に丁寧に畳んだ森さんは、 うむ、一般的には無礼に当たり古泉辺りの行動であれば拳で語り合うに値する尻を向けると言う行為も、 文字通りの尻そのものを、それも森さんが向けたと言う事を加味すれば決して責めるに当たらない むしろ歓迎ウェルカムだろうが、だからと言って即座に、とは行かないのが今の俺だ。 そんな俺に、繰り返しになるが森さんは、畳み終えてからくるりと振り返り、 無邪気と言うか蠱惑的と言うか凄まじいと言うか、そんな恐ろしい程に素晴らしく可愛い笑みを向けてくれた。 文学的な表現はこの際二の次だ、俺の下半身が最も直接的にその感情を表現しているからな。 「はむ、ん、んっ、キョン、さんっ」 そのまま森さんには立ってもらったまま、俺は立ち上がり森さんの背後に回る。 耳から首筋を吸い立てながら、小柄ながら割と大きい柔らかなバストを背後から掌に収め強弱の力を込める。 森さんの声も、乳房からするりとさらさらな草むらを通過してその下に潜り込んだ俺の指先も、 それだけで熱っぽい潤みを帯びて誘いに満ちた光を帯びる。 俺の指がさらさらとした茂みの下でぷっくり膨らんだ硬い粒を捉える。 たっぷりと蜜を乗せた指で遠巻きから幅を狭めてこね回してやると森さんの声のピッチが速く高く変化する。 ま、この状況だ、いくら「きょうじき」を使っているとは言え気が急くのはやむを得まい。 まして、森さんには、不思議パワーの多少の事は「うそつ機」で納得してもらっているとは言え、 本来ならばハルヒが世界をぶっ壊さないか気が気ではない状況で こうしてどっしり構えて楽しんでもらっているんだからな。実に見事な胆力よ。 「あんっ、あんっ、あっあっあっあっあぁーっ」 森さんは前向きバス座席の背もたれを横から掴み、 俺はそんな森さんの腰を抱えて貫きひたすらに突きまくる。 急いでいる、等と言う言い訳はいらん。 森さんのしなやかな腰つきとその中で俺を捉えた蜜と肉のとろける感触を前にして強がりも何も無い。 「あー、あっ、あぁーっ」 最後の一撃、力一杯押し込み、 そして俺の中からの放出が森さんの奥深く更にその先へと解き放たれた事を身をもって確認する。 森さんはと言えばがっくんと首を下に振り、一度大きく息を吐いている。 「あっ、キョンさん、そんな…」 「いえいえ」 今はメイドではないのだから、用意したお絞りで森さんから綺麗に拭い去る事に問題は無い筈だ。 その返礼として、森さんは俺の前に跪いて自らの舌と口内粘膜による清掃を開始したため、 ここはやはり、一時的に森さんの頭に純白のカチューシャを装着する。 それが終わり、着替えの一時的な障害として一時的にカチューシャこそ外されたものの、 最終的には、森さんは見慣れたメイド姿へと変化を遂げた。 せっかくなので、「ビデオ式なんでもリモコン」で 非の打ち所の無いメイド姿に至るまでの過程を十数回繰り返し拝見してから、 「ワスレンボー」でループ中の記憶を飛ばしておく。 そこまで終わってから、「きょうじき」でバスの中の時間進行を元に戻し、 即座に「ウルトラストップウォッチ」で時間を停止する。 時間が停止している間にバスの外と中を往復した俺は、 森さんに腕時計と携帯電話を返却しておく。 ああ、俺の腕時計と携帯電話もバスの外に置いておいたけどな。 そして、バスの外の俺が元いた筈の場所に移動する。 「あれ、キョン?」 そして、再びバスの中に移動する俺と新川さん、森さんを見てハルヒが声を上げる。 「はーい、キョンくんは先に行ってちょっとしたイベントの用意があるそうでーす。 それでは、ここはら湖畔の別荘まではハイキングコースになりますので…」 窓から見た所、引率名目の朝比奈さん(大)の言葉に、どうやらハルヒも納得した様だった。 行き先の貸し切りロッジに着いた所で、俺は二人に一仕事お願いして、 「うそつ機」で適当な説明をした上で二人とは別行動を取る。 屋根裏部屋に入った俺は、 そのまま「タイムベルト」でハルヒご一行様の到着まで未来に向けたタイムスリップを行う。 到着した面々には、俺は急な買い物で街に出かけた、ついでに携帯電話も忘れて行った、 森さんがそう説明する手筈になっている。 ハルヒ達が到着したのを屋根裏部屋から確認すると、 「石ころぼうし」と「感覚モニター」を装着してランチタイムの会場に潜伏する。 せっかく森さん達が粉から作ったうどんパーティーなのだから、 俺としても参加者に「感覚モニター」のアンテナを取り付けてちょいちょいとつまみ食いを。 その後、ハルヒ達は一風呂浴びたので俺としても「石ころぼうし」を装着したままハルヒ達に同行。 風呂を上がった頃合に俺も買い物帰りを装って合流。ああ、古泉達も風呂上がりらしいな。 そのままビンゴゲームなどをしながら夕刻を待ってここにいる全員を一旦眠らせ、 今朝バスの中で目覚めて以降の記憶を「メモリーディスク」で改ざんすると言う荒技をやってのけた。 次に目覚めた時は、ここにいる面々は体育館側に向かうマイクロバスの中。 「メモリーディスク」によって自分が今どういう状況であるかも都合良く理解した上でだ。 やっぱり、バスを動かすためには、「機関」の皆さんへの事前根回しはやっておかないとな。   *  *  * 「ん、んー…」 「あ、目、覚めた?」 既にまぶしいぐらいの照明が点灯した体育館のど真ん中。 「水加工用ふりかけ」で作られた水ソファーの上で、 被せられたタオルケットをズリ下ろして身を起こした国木田がごきごきと頭を揺らした。 白いTシャツにハーフパンツ姿で辺りを見回す国木田の目の前で、腰を屈めた榎本リーダーがにっこり笑う。 ああ、あの先輩の優しい笑顔はなかなかパンチ力があるからな。 起き抜けに頬の色が変わるってのも理解は出来る。 「えーっと…」 「うん、国木田くん、今回撮影の手伝いで色々頑張ってくれたから、 終わったらそのままバタンキューって。ここで寝かせておいてあげたの」 「あ、そうだったんですか…」 「あ、国木田目ぇ覚めたぁ?」 「へ?」 視界から外れた所から聞こえる脳天気な声に、国木田の目が丸くなる。 と、言うのは、色々な手段でこの体育館を撮影中であるカメラ映像にちゃんと記録されていた。 「ふふっ、国木田くんもクラスメイトだもんね。 せっかくだから呼んじゃった。特に涼宮さんと長門さんは私達の大恩人だし」 「ほらー、いつまでも寝くたばってたらお肉なくなるっての国木田ぁーっ」 「と、言う事だから、適当なタイミングにね」 国木田の顔を覗き込む様に腰を屈めていたエプロン姿の榎本先輩が、 にっこり笑ってくるりと背を向けてパタパタ立ち去るのを、 国木田は身を起こして見送りながらぎょっと目を真ん丸くしていたな。 「ああ、キョン、P」 「じゃなくてキョンの方だ。兄貴は事情があって帰った。お疲れさん助かったって伝言だ。 つー訳で、後は俺が仕切る」 両腕を大きく広げたりしながらこちらに近づいて来た国木田に、 俺も囁きながら労い方々の言葉を掛ける。お前は実に頑張ったよ、うん。 つー訳で打ち上げ始まっちまってるから食え食え。 「うわぁー、なんか凄いねー、これってここで大丈夫なの?」 俺の言葉に、きょろきょろと周囲を見回した国木田が言う。 まあ、ここまででも大概非常識と言うか一発出入り禁止と言うか即刻警察な暴挙を繰り返して来た筈だが、 それでもベクトルの違う暴挙である以上頭のいい国木田が懸念するのは無理は無い。だから俺は言う。 「許可は取った、心配ない」 「ふーん」 「そーそー、ごちゃごちゃ言ってないでどんどん食べなさいどんどん!」 まあ、細かい事は気にしないのと面倒見がいいのがセット、ってのが団長様のパターンだからな。 但し、細かい事は気にしないってのは、 本来こいつ自身の行動に関する不文律にしてSOS団憲法第一条の筈なんだが。 だけどまぁ、すっかり日の落ちた公営体育館のど真ん中で、 鉄製の1/2円柱に四本脚を付けたタイプのバーベキューコンロを何台も持ち込んで、 灼熱そのものの備長炭の上で網焼きの焼肉食べ放題。 どっからどう見ても初期ハルヒすら笑えない 純然たるDQN行為って奴に堂々たる大々的に手を染めてるんだ、心配するのがまともだ。 うん。まあ、これがSOS団なら、俺が心配しないなら誰が心配するって話なのだが、 あいにく今の俺は全面免責事項な神様権限があいつからこっちに委譲されてるみたいなモンだからな。 床は知っての通り「水加工用ふりかけ」でほぼ全面コーティング。 天井は今度こそ「かるがるつりざお」と「つづきをヨロシク」で釣り上げられた防弾ガラスで ほぼ全面的に封鎖されてガラスとガラスの隙間もパテで塞がれ、 そのガラスの方々には換気扇が取り付けられて大量の換気扇が「スペースイーター」の超空間トンネル経由で 吸引した煙を外部に置かれた別の防弾ガラスの向こう側へと排出して行く。 換気扇は市販の材料と「天才ヘルメット」と「技術手袋」で製造された手動発電機つきのもので、 手動発電機は「つづきをヨロシク」が常時稼動させている。 吸い込みすぎるのもまずいので、空中の使用しないスペースに浮上している別の防弾ガラスからは、 別の場所に設置した換気扇から吸引された空気がこの体育館へと流入している。 まあ、こうでもしないとこんなふざけた真似は出来ないからな。 「ん、美味しい。いい肉だねキョン」 ああ、確かに旨い。 少なくともまともに生きてりゃ一生涯の内片手の数でも食えりゃいいモンを惜しげもなくだからな。 牛は海辺の草原牧場で育った三歳の処女牝。 海辺の草原牧場で育った1/2歳の羊、それに確かな農場から入手した地鶏や季節の鴨。 それに加えて最高の野菜。 これはみんな「フリーサイズぬいぐるみカメラ」の着ぐるみ着用した俺の事を 「うそつ機」によって大親友にして大恩人と信じて疑わない、 人脈も金脈も識別眼も確かな国際的大富豪が購入して俺に引き渡したものだ。 無論、牧場の百や二百まとめ買い出来る相手であっても資金は俺が出している。 その気になればリアルタイムで注文通りの品物を入手出来ただろうが、 敢えて引き取り日の約一年前に依頼をしておいた。「タイムベルト」様々だ。 豚に関しては以前「地球セット」で加工中のものが山ほどあったから、その中から一番いいものを用意した。 さすがに枝肉のまんまじゃ厳しいから、 集めた食材はその大富豪所有のハードもソフトもウルトラスーパーデラックスな厨房で 必要な分だけ切り分けてもらって、 後は慈善パーティーにでも使って下さいって事で 経費は現金こちら持ちで快くお引き取りいただいたって訳さ。 「いやー、フルコースだなこりゃ。 肉もうんまいけど、これどこだよ食った事ねーぞぉ」 ゴリゴリボリボリと歯ごたえも愉快に、 谷口の箸は金網の上でじゃんじゃん焼けている臓物やら軟骨やらを次々と確保している。 今までの流れでこいつだけ外れた場合、展開的に国木田辺りが怪しむ恐れもあるし、 俺もそこまで薄情な人間ではない。 しかし、この内蔵フルコースも確かに乙なモンだ。 大富豪に依頼して、牛一頭丸ごと買い取った後は肉は二週間ほど熟成させた訳だが、 同じ牛の内臓各部位は詰まりなんだ、 天国に案内して解体して下処理する所までを最高スピードでやってもらったものを直後に引き取った。 引き取った後、ケースごと「ペタンコアイロン」で圧縮、「チッポケット二次元カメラ」で収納して 念のため「ハマグリパック」に写真ごと詰めてついさっきまでプランターで保存しておいたからな。 他の羊や鶏や鴨も内蔵は同じ方法で保存、肉は適度に熟成させて引き取り期日を迎える。 この面倒な依頼を大富豪様は快く引き受けてくれた。 それだけの事はあるさこの旨味は。 「お待たせしましたー」 相変わらずのインチキスマイルを振りまく古泉共々、 俺が何をしているのかと言えば食缶からのスープの給仕だ。 焼肉の下ごしらえは見事な手際のハルヒ以下先輩達も加わった女性陣にお任せって事で、 こっちは俺と谷口と古泉の三人作業の男料理って奴だ。なかなか好評だったぜ。 と言う訳で、タンのスープとテールのスープをすすりながら 各種ホルモン料理でちょっと舌の感覚を変えた後、 改めて森さんがバチンバチンとハサミを入れている骨付きカルビ、やっぱ肉だよ肉。 あ、ハラミも頼んます。無論、タン塩の分のタンは別に確保済みだ。 あー、どうもどうも新川さん。金網に鉄板乗っけてサーロインステーキ旨そうですね、 いい感じにレアに焼けたみたいで。   *  *  * 「今日はお疲れ様ですぅー、ガーリックライスいかがですかぁー?」 「あ、いただきます」 「あ、ありがとう、ございます」 肉が一段落した辺りで紙皿に盛ったガーリック・ライスを渡されて、 俺と一緒に国木田がぺこりと頭を下げる。 ああ、素晴らしい天使の微笑み。まぶしすぎて直視出来ないか国木田よ。 「うん、おいしいわねぇこれー。じゃんじゃん食べなさいキョンも国木田もっ」 俺達の側でばくばくとかっ込むハルヒににこにこと愛想笑いを浮かべながら、 国木田はつつーっと視線を外す。 まあ、団長様が代表して恩に着せるってのも文句は無いが、 元々俺が手配したモンなんだがなこれ。 今回は肉重視で赤身の旨味にこだわってみたが、やはり、肉が旨いと脂も上等って事だな。 バーベキューセットの金網に鉄板を乗せて、同じ牛から採った脂で刻み大蒜を炒めて飯を混ぜ込む。 これだけなんだが、実に旨い。焼肉には最高だ。国木田もどうやらその事に気付いたらしいが、 ハルヒなんぞは早速お代わり、焼肉パーティーって意味、分かってるか? セルフサーヴィスなんてどこへやらのハルヒの紙皿に、 朝比奈さんも相変わらずの天使の微笑みで盛り付けて、 ハルヒは再び怒濤の勢いで食らい始める。相当肉食ってた筈なんだがな、内臓にも一切躊躇なしで。 ま、元気なのはいい事だ。 今年の北高生の中でSOS団バニーを知らない者がいたなら健忘症を心配した方がいいだろうが、 こうやってその伝説のバニー、それも二人揃って。 そんな素晴らしいモンをここまで間近に目にした奴はそうはいないだろう。なあ、国木田。   *  *  * ガーリックライスに、さっぱりとしたフルーツゼリーまで終わると流石に胃薬所望の達成感に近い満腹感だ。 「やっぽーっ、国木田くん聞いてるよぉー」 けたたましい程の笑い声と共に、 国木田の隣に座る俺の視界は素晴らしく豊かな髪の毛で塞がれていた。 もっとも、食後の僅かな休憩中に準備は済ませておいたがな。 「自動販売タイムマシン」で購入した「かべ紙焼肉屋」(オリジナル設定) に待機していた分身国木田と本体国木田の精神を 「入れかえロープ」で交換して、今こっちにいるのは肉体的には分身の国木田だ。 無論、「ウルトラストップウォッチ」と「タイムベルト」を駆使した結果、 席を外した事に気付く者もいなければ「ワスレンボー」で本人の記憶からも抹消済みの出来事だ。 「今日はめがっさ活躍してくれたって、ENOZのみんなも大満足っさぁー。 あたしにもその伝説って奴を見せて欲しいにょろー」 かくて国木田はずるずると連行されていく。 さり気なく手首関節ぐらいキメてんじゃないのかね。 ほら、国木田は手近な水マットに寝かされて服がぽんぽん飛んで。 ああ、世の中褒め言葉にもグラマー系とかスレンダー系とかデルモ系とか色々あるが、 圧倒的な緑の黒髪とバランス系としては完璧に近いプロポーションが迫力満点に揺れ動く様は 常々ハイテンションで張りのある美声と相まって圧巻で最高だった、と、だけ言っておこう。 あっちじゃあ火傷防止のためだけのエプロンなんて四枚まとめてとっくに放り出されてる。 ENOZ超肉食ハーレムに呑み込まれてんだ、笑ってられるのは今の内だぞ谷口。 「いやいや壮観ですねぇ」 「全くだ」 「それでは、僕も失礼しまして」 「ああ、頑張れよ」 相変わらずのインチキスマイルを張り付けた古泉とそんな会話を交わしていたのもついさっきの事。 「さあっ来なさいっ!ああっ!! おっ、おおおっ!!あっ、あっあっあぁーっ!!!」 「ふんっふんっふんっふんっ!!」 「いやいや、まだまだ若い者に引けはとりませんぞ」 森さんに率いられた古泉以下「機関」の皆さんも今は総出で体育用具室行きだ。 雑用や力仕事もあるって事で、「機関」の中から適当に見繕ってここに来てもらってた訳だが、 なんと言うかまあ、あの扉の向こうも見てみたい様な遠慮したい様な。 「うふふっ、はーい、キョンくん楽にしてくださーい」 はいはい楽にします楽にしますとろけちゃいます既に準備万端です。 シャワーコーナーに水マットを持ち込んで仰向けに寝そべった俺の足側で、 神々しいまでに素晴らしく見事なロリ入りグラマープロポーションを てらてらと白く輝かせてはにかみ立っている朝比奈さん(小)が、 その場にしゃがみ込んで段々と俺の足下から俺の体に重なって来る。 無論、朝比奈さん(小)がそうである様に俺も又一糸まとわぬ姿でだな。 おおっ、き、来た、来た来た、来たっ。 俺の脚からその上ににゅるにゅるにょろにょろ、 ああ、あっちのにょろにょろは第三ラウンド辺りか?干涸らびる前にやめといてやって下さいね。 話を戻そう。にゅるにゅるぬるぬる這い上って来る内に、 ローションで濡れ光る柔らかなはざまににゅるっとばかりに呑み込まれた。 「あ、んっ、キョン、くんあんっ」 柔らかにして張りのある絶品の膨らみは、感度も極めて高いらしい。 すっかり奮い立った俺の逸物を挟んで上下しているだけでも、 天使の笑顔はえも言われぬ紅の何かに包まれて弾けそうになる。ま、先に弾けたのは俺って事だったが。 そうなったらなったで、桶に用意した濡れタオルで顔を拭った朝比奈さん(小)は、 そのままマットに胡座を掻いた俺の真ん前に顔を埋めて 栗色の髪の毛をぞろりとマットに垂らしてもごもごと口で清めて更に奮い立つまでなんとも勿体ない。 ---- [[次話へ進む>J・S・KYONの休息/最終刊f2]] [[小説保管庫へ戻る>小説保管庫]]

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