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あいつが来る/本編/第08話」(2008/10/27 (月) 21:34:37) の最新版変更点

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「石ころぼうし」を装着しての観察を続けていた俺様は、 格技場近くに併設されたシャワーで汗を流している数美に「メモリーディスク」を飛ばし、ここ数時間の記憶を抜き取る。 無人の格技場で「メモリーディスク」の中身を書き換えた俺様は、「タイムベルト」で少し過去に戻り、シャワールームに戻って記憶を抜き取られた直後の数美に記憶を書き換えた「メモリーディスク」を飛ばした。 やっぱり、空手で体を動かすのはいい。 美味しく夕食を終え入浴を済ませて布団を被った数美が思い返していた。 数美が覚えている所では、顧問からこの時間に鍵だけ開けておくと言われ、試してみたのだが、 久しぶりに一人で形稽古だけをしていても、一心不乱に体を動かしているだけで気が晴れる。 もちろん、それだけで全部どうにかなる訳ではないが、何かもやもやしたものが吹き飛ぶ様な清々しさを体に覚えながら、数美は満足して暗闇に目を閉じた。 「デバガメ君へ 今夜も格技場に来てもっといいものを見るか それ以外の方法で永久に口を封じられるか好きな方を選ぶ事 時間は…」 翌朝、帝丹高校の玄関でそのメモを見た少年は、背筋の凍る様な恐怖と共に、一抹の期待を禁じ得なかった。 その日の放課後、「石ころぼうし」を被り「タケコプター」を装着して上空から数美の同行を監視していた俺様は、絶好のタイミングと見て「タンマウォッチ」のスイッチを押す。 「かるがる手袋」を装着し、近くの廃工場に数美を運び込んだ俺様は、ベレーとサングラスと「うそつ機」を装着してから「タンマウォッチ」のスイッチを押した。 「集合場所にようこそ、天然淫乱系スーパーAV女優の塚本数美さん。 貴様の大先輩にして大恩人であるこの私こそが、今回の撮影の監督を務めさせてもらう」 企画書とメモを私ながらの俺様の弁舌は、数美に疑問を抱く間を与えなかった。 「では、早速これから撮影に入ってもらう。 貴様の才能を信じ、この流れで行くと言う以外は臨場感重視のアドリブメイン。 カメラも隠しカメラでセット済みだから、後はこの流れで貴様に任せる。 何しろ下に妹と弟が十五人、親父さんが一億円の連帯保証人になって お袋さんがホストとブランドにカード破産寸前まで入れ込んで 今日のギャラ次第では即刻一家心中という切羽詰まった身の上の 大好物のビキビキの若いチ○ポを感じただけでとろとろに溢れて来る 天然淫乱系スーパーAV女優塚本数美である貴様の事だ、きっと満足出来る出来になると確信している。 まあ、撮影開始まで飴でも舐めてリラックスしていればいい」 親切な俺様が渡した、「じんわりと効いてきて牡のフェロモンにメロメロになる媚薬だ」と解説された「アワセール」を照射された棒飴を渡された数美は、 早くも俺様の目の前でそのねっぷりたっぷりとした舌技を披露する。 「よっ」 「ああ、塚本」 カラオケボックスの前で振り返った三人の男子生徒が、意外なクラスメイトの登場にちょっと驚きを見せる。 「何?これから男同士のカラオケ?」 「あ、ああ」 あっけらかんとした数美の言葉に、男子生徒は若干の戸惑いを見せる。 空手三昧で引退したら受験生と言う数美と彼らとの接点は、同じクラスと言う以外は大きいものではない。 加えて、あの痴女騒ぎの時には最初に調子に乗って数美を卒倒させ女子生徒から白い目で見られた張本人だ。 「んなら私も混ぜてくれる?パーッていきたくてさパーッてね」 「ああ、いいけど」 数美は元来男らしくてさっぱりとした性格をしている。 命が惜しいので下手に手出し出来ないとは言え見た目もいい線行ってる。 色々あったが、それでパーッと騒ぎたいと言う事もあるのかも知れない。 あっけらかんと誘われて、クラスメイトの男子としては悪い気はしなかった。 「ん?」 「あ、いや、その格好…」 ボックスの個室でパーカーを脱いだ数美に、三人が目を見張っている。 「ああ、なーんか聞いてて面白そーだったからさー、結構気持ち良かったりー」 そう言いながら、ランニングに超ミニスカ姿の数美がぴょんと持ち歌のかかるカラオケセットへと飛び出し、マイクを握って熱唱を始めた。 が、ソファーの同級生は、その派手な振り付けを前に、とてもじゃないが美声に酔うどころの話ではなかった。 「思いっきりノーブラ」 「だろ、あんなぶるんぶるんって、あんな胸あったんだな」 「それよか」 「ああ、穿いてないの、マジ?」 ひらりとスカートが舞い、 つるりとした円の一端が見えるのに三人の目が思わず首ごとぐーっとズームアップする。 個室では、元気いっぱいにはっちゃけた数美とうわずり噛みまくった男子生徒と言う圧倒的な歌合戦が暫し展開された。 「はいー、デュエットいこーデュエットーっ!」 「はあっ!?」 「ほら、お姫様のご指名だ」 にやにや笑う友人に男子生徒の一人がドンと押し出される。 ほとんど一人でノリノリに熱唱する数美の隣から解放された少年は、ふらふらとステージを離れどすんとソファーに座り込んだ。 無理もない、と、友人たちは思う。 生きた心地のしない天国。それが、この時の数美の相方の偽らざる感想だった。 これを無断でやれば確実にセクハラ、否、犯罪に両足突っ込んで、司直の手を煩わせる事なくこのボックスに鎮魂歌が流れる事になる。 数美に握られた自分の手が、数美が導くままにそんな事こんな事をしまくった。 それこそ女から男へのセクハラ以外の何物でもないのだが、 その掌に残る、その肌触りまで直接知った張りのある胸の、お尻の感触、 しまいにはぎゅーっと首を小脇に抱えられた頬に残る弾力、 その恐怖と誘惑のアンビバレンツは、端で見ていても思考をぶっ壊すに十分だと想像出来る。 「ふーっ」 その全ての始まりである数美がどさっと元気よくソファーに掛け、お腹丸出しのランニングの裾でぱたぱたと顔を扇ぐ。 その、ぷるんと豊かな膨らみの頂きが見えるか見えないか、ぐーっと首が寄ってしまう三人に、 数美は一瞥をくれると一瞬ぺろっとシャツをまくり上げ、ニッと笑みを浮かべた。 「どう?見えた?」 「あ、いや…」 「遠慮しなくていーって、分かってんだからって分かってなかったらバカでしょこれ」 「いや、その、塚本、無理しなくていいからさ」 ケラケラ笑う数美に男子生徒の一人が言う。 「いや、別に無理してないし。そんな気ぃ使わなくてもだいじょーぶだから」 そう言ってる辺りで、内線が鳴った。 「んー、もーちょい遊びたいかなー、誰かん家行っていいー?」 三人は誘惑に負けた。 これまでの経緯もあり、これ以上はヤバイんじゃないかと三人の中にも危惧はあったが、 目の前にはたわわに実ってこぼれ落ちそうな甘い果実。 そのヤバさこそ、思春期の野郎共にとって一番欲しい予感をさせるもの。 結論として、三人の中で当分家族の帰って来ない家の部屋に数美と三人の男子生徒は上がり込む事となる。 「でも、男子も大変だねー」 「ん?」 「ほらー、さっきからさー、もう帰りずっと歩きずらそうで大変だってー。 まぁ、そんなの見せられて私もちょっとヤバ目だけどね。 どう?もっと見たい?」 床に座った数美が膝を立てて言う。 立っている三人からは谷間も太股も弾力を示して艶々と輝いているのが丸見えだ。。 「いいよー、私に勝ったらねー」 「お、おい、勝ったらってまさか…」 「な訳ないでしょー、そんな命懸ける程のモンでもないんだから」 いや、十分ある、と別にお世辞でもなく三人は突っ込みたかった。 「なあ、やっぱ空手してると有利なのかこれって?」 「知るかよ、そういや毛利なんかも凄い得点出したとかって」 「早く言えバカ!」 「はいはい、敗者は往生際よく、堂々と立つ堂々と、ほらー、堂々と立ってんじゃないのー」 床にあぐらをかいてキビキビと言う数美の脇で、全裸になった二人の男子生徒がヤケクソの直立不動を決める。 しかし、数美がこんな下ネタ系だと思わなかったと言うのが計算外にしても、見下ろしている前では谷間丸出しのぶかぶかランニングシャツからはいつ乳首がこぼれるか分からず、 ヒラヒラの超ミニスカはあぐらをかいた数美の中心を辛うじて隠しているだけ、 それは堂々と直立もすると言うものだ。 「んー、やっぱ私天才?土下座で降参ってオプション付けてもいーけど」 そんな数美の隣では、トランクス一枚の姿で最後の一人がコントローラーを握っている。 「い、いや、やってやる」 「おーっし、その意気その意気」 数美がカラカラ笑ってゲームを再開する。 家庭用ゲーム機に移植された格闘対戦ゲーム「グレートファイタースピリット」での勝負は、"負けたら脱ぐ"という至ってシンプルなルールでスタートした。 数学的にも経験則からも、圧倒的に有利な戦いだと思われたが、別段反則をしている訳でもなさそうなのにこの結果、これは数美の言葉が正しいとしか思えなかった。 しかし、軌跡は起こった。 「あれ?あれっ?」 「おーっし、コンボ決まった」 「行け、行け行け行けっよっしゃーあっ!」 「ふーっ、そう言うのあるんだー」 キャラのKOと共に一息ついた数美が、がばっとランニングを脱いで不敵な笑みを浮かべた。 その見事な膨らみと左腕を巻いているとは言え堂々とした態度は、感服するより他なかった。 「よーし、最後一本勝負!」 「おいおい、いいのかよ?」 「土下座する気ないし」 「いや、しなくていいけど…」 「逃げる?」 「…やる!!」 対戦相手の男子生徒が、執拗なまでの数美の絡みにごくりと生唾を飲んでゲームに向かった。 彼にとって非常に危険な戦いだった。 コントローラーは片手では操作出来ない、出来たとしても勝負にならないのは当然の事。 そんな数美の隣にいては、健全な男子生徒が平常心でプレイするのは極めて困難になる。 だが、危険なのは、数美も同じ事だったらしい。 それはまあどっちが恥ずかしいか考えてみれば当然と言えば当然の話だったが、 とにもかくにも、ギクシャクとした対戦となるのは当然の事だった。 ほぉーっと溜め息をつく他なかった。 同年代の女の子の裸を間近で見る機会など、この非モテ三人衆には本来無縁の事。 しかも、普段は健康的で美少女と言ってもいい、その意味では最も縁遠い相手。 それが、三人の目の前で、生まれたままの姿でちょこんと正座をしている。 ぷるんと張りのある、男っぽい雰囲気の割りにはしっかりと主張する膨らみ、 その頂きの可愛らしいぐらいのピンク色の乳首も、艶めいてすら見える漆黒のヘアーも、 それが全部目の前にある。 「じゃ、優秀賞品の贈呈でーす、はい立ってー」 そんなものとっくにこの目で貰っていると思っていたウイナーを数美が促し、ウイナーはトランクスに見事なテントを見せながらその場に立ち上がった。 「じゃあー、私もー、準優勝トルフィーでももらおうかな」 「は?」 ウイナーが止める間もなく、トランクスがばっと下ろされ、 テントの骨組みは数美の口に納められた。 「お、おいつかもっ、おっ…」 白い泡がちらりと溢れた唇をぺろりと舐め、ちらっと挑む様に上を見た数美の瞳には、途方もなく淫靡な光が見えた。 「なんでもね、私、強い男にすごーく興奮するの、興奮して、濡れ濡れになっちゃうの」 塚本数美の像を破壊する甘い声、妖しい言葉、淫らな行動の一つ一つ。 生まれたままの姿で跪かれ、上目使いに見つめられ、ぺちょぺちょと再びその口で刺激されては堪えられる筈がない。 しかし、一度ぐらいの放出で力尽きるには彼は余りに若かった。 「はうああっ!」 ころんと床に仰向けに寝そべり、大きく脚を開き既に濡れそぼった所を丸出しにして 更に手でそこをぐっと押し開く数美を前に、 ウイナーは最早考える力すら失った様にぐいっと押し込み、数美は甲高い声でそれに応じた。 「はうっ、あっ、いいよっ、そんなになっちゃってピンピンで痛そう。 ここまで見せあっこしちゃったんだから、オ○ニーだったらしていいよ、 いいよ、いいよっ!」 「あ、ああっ」 「塚本っ!」 「うっ、くうっ!」 「あああっ!!」 マットの上にウイナーが横たわり、その上で彼の腰に跨った数美がぎしぎしと腰を振っている。 数美はもちろん、彼女に覆い被さり思いを遂げていたウイナーまで友人たちによる迸る熱いパトスの洗礼を受けたからには、舞台が留守宅の浴場に移るのもやむを得ない所だった。 それで、さっきシャワーで顔を洗いざっと洗い流した所だったが、 結局はさ程広くも無い民家の風呂場に成人近い男女がぎゅう詰めになり 数美の両手が逞しく熱くたぎったものを握ってしごいている。 「ごめんねー、数美の底なし淫乱オマ○コだったら三人ぐらい全然オッケーなんだけど、 やっぱり勝負は勝負だから、けじめつけないとさー」 「い、いや、いい、全然いい」 「ああっ、いいっああっ!」 しごかれた上にじゅぽっと吸い込まれ、数美の右隣の男子が悲鳴を上げる。 風呂場だから遠慮無用とばかりに、しごいては食らい、しごいては食らいの果てに、 数美の顔には次々と勢いよく噴射しどろっと垂れ流される。 その度に、数美の顔には見た事も無い淫靡な笑みが浮かぶが、 それを見る度に、数美の顔を欲情で汚した張本人の脳裏には、 塚本数美にこんな事をしたら次の瞬間自分には拳が飛んで来るとの妄想が走り、 冷たくなる背筋が改めて男を興奮させる。 そんな有様を見上げながら、逞しく腰を振られては、とてもじゃないがその下で持久戦を戦うのは無理な話だった。 そんな彼の上で、狭い風呂場に甲高い喘ぎ声を反響させながら 頬を染め、くたっと脱力した数美が浮かべたはにかみ。 息を呑むほどのその可愛らしさは、例えそれが体力の限界を振り切るものであっても、 数美が求めるロスタイムに同意する事への十分過ぎる動機、理由となって若い獣達を改めて燃え上がらせた。 にこにこ笑った数美が、照れ笑いを浮かべる三人の少年に見送られ、ひらひら手を振って家を後にした。 「石ころぼうし」を装着して静かにその後を追跡していた俺様は、 数美が角を曲がり、人気の無い道に出た所を見計らい、 「瞬間固定カメラ」と「チッポケット二次元カメラ」で順番に数美を撮影し、 出来た写真を先ほどの廃工場に運び込む。 そこで再び監督スタイルで「うそつ機」を装着した俺様は、その写真に湯を浴びせ現れた数美を「瞬間固定カメラ」で撮影する。 「あー、塚本数美さん、あなたが以前ここで私から言われた事は、全部嘘ですのでよろしく」 数美が驚く暇もなく、俺様は「メモリーディスク」を飛ばして前回廃工場に運び込まれる前から今までの数美の記憶を抜き取った。 記憶の消失を疑問に思う暇も与えず、再び「瞬間固定カメラ」で数美を撮影した俺様は、 工場の事務室で回収した「メモリーディスク」の記憶を改ざんし、 「石ころぼうし」を被って「タイムベルト」で若干時間を遡り、 「メモリーディスク」で記憶を抜き取られた直後の数美に 記憶を改ざんされた「メモリーディスク」を飛ばす。 考えがまとまる前のきょとんとしている数美を 「瞬間固定カメラ」、「チッポケット二次元カメラ」で撮影し、 別の路上で写真に湯を浴びせて現れた数美を「瞬間固定カメラ」で撮影し、 数分間にセットした「ワスレンボー」で数美の頭を触れる。 これで、数美はAV女優塚本数美としての記憶を失い、 「メモリーディスク」によって改ざんされた記憶によって、 自分がここにいる事に就いて納得出来る様に記憶の辻褄が合わされるのだ。 そう。AV女優塚本数美は、生まれる度に消滅するのだ。一仕事ごとに。 それが俺様の決めた鉄則であり、神を足蹴にすると言う大罪を犯したこの牝には相応しい罰と言うもの。 俺様は抑えきれない笑みを数美に向けつつ、フラフラ歩いてゆく後姿を見送った。 ---- [[次話へ進む>あいつが来る/本編/第09話]] [[小説保管庫へ戻る>小説保管庫]]

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