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あいつが来る/本編/第04話」(2014/04/09 (水) 16:43:05) の最新版変更点

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「いやああああああっ!!!」 「どうしたの蘭姉ちゃんっ!」 朝日が差し込む中、絶叫に気付いたコナンは蘭の寝室へと駆け込む。 「蘭、姉ちゃん?…」 寝室では、床でガタガタ震える数美が蘭を振り解こうとしていた。 「数美先輩っ?」 「あいつが来た、あいつが来たんだよあいつがあいつがぁあいつが来たんだよぉ あいつがあっ!!」 「数美さん、数美さんっ!?」 「コナン君ごめんね!守ってあげられなくてごめんあんなあんな事して私私私いいいっ!!」 “…何だ?…これは、やっぱり…” 「先輩、誰もいませんよ先輩」 ハッとした数美が、荒い息を吐きながら周囲を伺った。 「…いない…痛くない…」 呟いた数美が、パジャマの中に手を突っ込んで色々と探ってみる。 「また、夢?…」 「夢、見たんですか?あの時の…」 「…ごめん…コナン君…」 “…重症だな…” 数美と違って記憶ごと痕跡を消されたコナンが、一瞬数美に探偵の目を向けていた。  起きた時、やばかったこれが新一の体だったら、と変な所でほっとした、内容すら覚えていない微かな夢の欠片の事などとっくに忘れていた。 「おお、工藤君か?」 放課後、電話ボックスの受話器を通して、コナンは目暮の声を聞いていた。 「はい、それで、塚本数美さんの件、もう少し詳しく伺いたいのですが」 変声機を手にしたコナンが言った。 「うむ、本来わしは担当外だし、事件の性質上工藤君と言えども余り多くは教えられないのだが、塚本数美君は現場で鉄道警察隊に保護されてから今に至るまで主犯はあの男だと言い続けている。 それで、担当外ではあるが、哀君からの連絡を受けた佐藤君が蘭君園子君を保護しつつ関係部署に過去の経緯を連絡し、現場からの通報を受けた所轄と機動捜査隊がそのまま捜査に当たった。 初動は発見と同時に任意同行、拒絶時には緊急逮捕も辞さない方針で動いていた。 現場周辺では発見されず本人は休職中、自宅にも本人や妻の実家にも姿がなかったため逮捕状を請求して指名手配寸前まで行ったのだが、検証令状を取って携帯電話の位置情報を確認したところ午前中から一貫して横浜市内をうろついていたためそれは中止となった。 もっとも、その時は何らかのアリバイ工作としか思われていなかったがな」 「でも、それは本当だった、そう言う事ですか?」 「ああ、そう言う妙な状況だったため、神奈川県警への応援要請は躊躇されてな。 機動捜査隊と一課の性犯罪担当が把握された携帯電話基地局の範囲に集結、 そこで発見したあの男は任意同行にも素直に応じて午前中から横浜をぶらついていたと供述したよ。 本人の供述と携帯電話の基地局が示す足取りに就いても大体の裏が取れたが、やはり決定的だったのがデパートの届出だ。 対応したカウンターの担当者の供述や出勤シフト、あの男の自筆指紋付きの届出用紙、 そしてあの男の映ったデパートの防犯カメラ映像からも、塚本数美君が電車に乗って襲われた時間 同じ場所にいる事は絶対出来ない。これでは逮捕も起訴も出来ない」 「しかも、DNAも白、ですか」 「君だから事件の話として言うが、数美君の全身から採取された精液、科捜研も滅多にないぐらい酷い検査だったと言っていたが、その結果は、塚本数美君の供述と突き合わせると、あの男は、あの男と一致するDNAを持つ犯人は、犯行グループの中に含まれてはいなかった。 証拠不十分ではなく、物証はあの男がそこにいなかった事を示している、そう結論づけざるを得なかったよ」 「僕がお願いした件も」 「ああ、あの男及びその血縁者の精液は、あそこで採取されたものの中には存在しなかった。それが結論だ。 率直に言おう、性犯罪担当としては、塚本数美君の被害者調書がある限り事件は暗礁に乗り上げたまま、それが実際の所だ。 とにかく共犯者だけでも上げようとしたが、あれだけの人数が丸で煙の様に消えた。いつの間にか周辺のどの防犯カメラにも映る事なく姿を消している。 理論的には可能だとしてもあれだけの人数が一人たりとも捕まらずにするすると消える事が出来るのか、今度は一課から初動で駅周辺を固めた筈の所轄、機捜隊への不信が出て上も頭を痛めている所だよ。 しかも、この時期に例の“逃げ三矢”が東京に現れた。 無論、塚本君の事件はあれだけの事件だ、そう簡単に諦めるものではないが、我々も駆り出されているあの事件、一課、特に性犯罪担当の主眼はどうしてもそっちに持って行かれている」 「分かりました。僕も、抱えている事件の事もありますが出来るだけの事はするつもりです。 蘭の…帝丹高校の関わっている大事件ですから」 電話ボックスを出たコナンは、ふーっと息を吐いて眼鏡を指で上げた。 「ああ、コナン君、いらっしゃい」 数美の自宅を訪れたコナンを、数美は部屋に上げていた。 「それで、忘れ物って?」 「うん…聞きたい事があったの、忘れちゃった」 「少年探偵団?駄目だって、子供が手ぇ出す事件じゃないよ」 数美は、優しい声でコナンに言う。 「うん…でも、一つだけ。替え玉、って事はなかった?」 「替え玉?」 「うん。もしかしたら、数美さんを陥れるために、誰かがその男そっくりに整形手術とかして、それで…」 「ないね」 ちょっと考えてから、数美が答えた。 「あの顔、あの声はあいつの声だった。最初の痴漢の時、私もあそこにいたんだし。 そう、あれは間違いなくあいつ、あいつだった、あいつが、あいつがいた…」 「数美さん?」 目が見開いた数美が、胸を掴んで口をぱくぱくさせ始めた。呼吸数が急激に上がってるのが分かる。 “…やべっ!” 「ビニール袋持って来てっ!」 「ごめんなさい…」 玄関先で、しょぼんとしているのはコナンの本心だった。 「いいって、気に掛けてくれてありがと」 数美が、腰を曲げてくしゃくしゃとコナンの頭を撫でる。 目の前に優しく、そしてどこか気弱な笑みをコナンは見た。 「蘭姉ちゃん、数美さんは?」 帰宅したコナンが蘭に聞いた。 「うん、お家に帰るって」 「…そう…蘭姉ちゃん、ああ言うの、PTSDって言うんだよね…」 「…そうだね…許せないよ、数美先輩が嘘言う筈無いのに…」 「数美さんは、嘘言ってないのかも」 「当たり前よ」 「だから…数美さんにとっては、嘘じゃないのかも。 それは、事実ではないのかも、でも、数美さんにとっては真実なのかも…」 「うん…」 黒いジャンパーにジーパンはいいとして、ハンチング帽にサングラス、白い風邪用マスクと、 十分通報に値する姿で深夜にうろついている以上、この時の俺様には通報される事なく目的を遂行する自信が満ち溢れていた。 国道に近くちょっとした店と住宅が並ぶ一角であるが、この時間の通行人通行車は存在しない事は「タイムテレビ」で入念に確認しておいた。 そして、目的地である個人事務所兼住宅のあった二階建ての建物。 既にその経営は破綻し現時点で住人は存在しない。 「タイムベルト」で少し未来に行き、「石ころぼうし」を被ってこの辺りの金融機関を回って担当者を割り出し「友情カプセル」を貼り付けて最近における大体条件に合う倒産をピックアップしてもらってから聞き出した事の記憶を「メモリーディスク」で消去する所からこの物件を探り当てた。 その側面の窓を狙い、脚立で上ってテープとガラス切りで穴を空けてそこから手を突っ込み開錠する。 窓から中に入り、裏口を開錠し、用意しておいた飛ばしの携帯電話を使う。 程なく、一台のワンボックスカーが表に到着する。 そこから出て来たのは、俺様が「分身ハンマー」で分身した、分身Aとでも呼んでおこう。 ただし、今の俺様の格好では目立ちすぎるので、サングラスはいいとして付け鼻に付け顎に付け髭で運転している間唇を歯の間に挟んでいる。 痕跡は残さなければならないがどこにカメラがあるか分かったものではないと言うのはなかなかに面倒なものだ。 どんな馬鹿でも堅物でも超常現象であると認める様な頭の悪い真似はここでは出来ない。 俺様と分身Aは建物に入り、共に一度変装を解いてから改めてスキー帽型黒覆面を着用する。 「きょうじき」で建物の中の一日がそれ以外の一分になる様に設定した俺様は、二階の住居スペースに入ると、床にマットレスを敷き、その上にチッポケット二次元カメラで撮影した一枚の写真を置いて湯を垂らす。 それは、すぐにハンカチを詰められた口をテープで留められ、後ろ手錠姿でぐったりする捕獲したての獲物に早変わりした。 早速、俺様は獲物の胸倉を掴み、目覚めのビンタを大きく4、5発叩き込む。 ようやく自分の身に起きた事と自分の立場を理解したらしい、リサーチ時は割と愛嬌のある丸っこい顔立ちが今は大きく腫れ上がり、目を一杯に見開いて震えながら俺様を見る無様な有様、実にそそる。 俺様としてはそのご期待に違わぬ様、挨拶代わりのキックを存分にお見舞いしてから切り出しナイフと我が神の手でバリバリと余計な包装を引き裂き茶色い下着をむしり取る。 獲物と言うに相応しく、目の前には素っ裸の牝が口と手を塞がれ転がっていた。 「よーし、立て」 俺様の命令に首を横に振った以上、当然その胴体には俺様の蹴りが叩き込まれる。 「んー、んんんー!!」 「ちょっとしたシツケの行き過ぎで山に埋めちまうってのはよくある事でもよー、 あれ穴掘るの結構疲れるんだ、その前にさっさと協力してくんねぇ、かっ!!」 バシーンと吹っ飛ぶ会心のビンタを張られた牝豚が、食べ頃に熟れた尻から何度でもいい音を立てて俺様の掌を受け止めてからふらふらと立ち上がる。 「おーし、そのままそのまま…」 既に逆らう心も折られたと見え、俺様の目の前では真っ裸のがに股でガクガク脚を震わせる笑える姿が開陳されている。 「動くなよー、動いたらあんなモンじゃすまねーぞー」 目の前で腫れ上がった頬にぼろぼろと涙が伝うのを眺めながら、俺様はライトを取り付けたデジカムをそちらに向ける。 今時のガキも発育がいいが、今度は四捨五入すれば三十路と言う事で、なかなか旨そうに熟れている。特にここなど。 「お毛々の下の淫乱腐れマ○コ、 ほら、こーやって開いて中までしっかり照明付きで撮影してあげますからねー。 これがこんな風に男のチ○ポ呑み込んであーしてこーしてって 生の教材で教えてやったらいいだろーなー、なー中村せんせーよ」 淫売に決まっている腐れマ○コの前にしゃがみ、ライトで照らし時折指をねじ込みながらじっくりとレンズを向ける。 表情を伺う事が難しいのが実に残念だ。 「あっ、あっあっ、あぁー…」 とうに必要の無くなった口と手の拘束を外され、もっと頑丈な拘束を掛けられた精神のままにマットレスの上で、素っ裸のまま大きく脚を開いて座る中村は、俺様の命に従い俺様の目の前で自慰行為を披露していた。 左手でまあまあの熟れ具合の乳房を掴み、右手で尖った芯やその奥をまさぐる。 そのまま、ぐちゅぐちゅとまさぐる指を蜜で濡らし、甲高い声を出して果てて見せた。 俺様とて、必ずしも鬼だと言うばかりではない。 傷薬代わりに腫れ上がった顔面に注ぎ飲ませてやった500ミリリットルペットボトルの緑茶には、 少しずつ女の性感を高めエロい刺激に敏感になる媚薬だと解説したアワセールを照射する事で些かでも苦痛を和らげる事が出来るにくい配慮をしておいた所だ。 その秘かなる心遣いへの感謝と屈服の証として、 俺様がズリ下ろして披露した勝者の逞しいポールにむしゃぶり付きその口で清める栄誉を与えられた中村は、 普段は少しは愛嬌があるのであろう垂れ目気味の目からぼろぼろと涙を流しながら我が栄光のポールを一心にしゃぶり続け、その名誉ある役目の証を残すべく、 それを授けた俺様直々に上から横からその顔面をデジカムのデータに刻んでいく。 跪き、ぐぷぐぷ難い暴漢の汚らしいものを口から出入りさせながら、普段はちょっと垂れ気味なのが可愛らしいくらいの、今は半ばふさがった中村の目から頬にぼろぼろと涙が伝う。 そんな有様を、目の前の暴漢は上から、横からそんな情けない顔をねっとりと撮影している。 「おらー、出るぞ出るぞー」 暴漢は、中村の黒髪を掴み、ぐっぐっと力を込めて中村の口の中に強かに放った。 唇の端から一筋垂らしながら飲み干す顔も、目の前で撮影されていた。 既に、手錠は外されオ○ニーを強要された。全裸で大きく脚を開かされ、乳房を掴みながら指で直接刺激すると言う、した事も無いあざといやり方で。 それもこれも全て撮られた。未来永劫に残る傷として。 暴力は怖い、本当に怖い、殺されると思う、そうでなくてもあれには耐えられない。 それに加えて、今は絶対に考えたくない事がある。 それは、自分が思っている通りであるのならば、今ここで自分の人生は完全に破壊されたと言う事。 中村も、まあまあいい歳である。職場を離れれば、ちょっと焦るぐらいの気持ちで相手を探す、そのために多少積極的な行動も考える。 それまで学生時代社会人、生身の一人の女として一応の経験はして来たつもりだ。 だから、激しすぎる暴力はさておき、ここで一通り通り過ぎれば、それだけなら何とかなるかも知れないと言う思いはある。 だが、今、中村が考えている通りの、ほんの何時間か前の中村自身も決して無縁ではなかった、 その事態であるのならば、それは、人生の破滅以外の何物でもない。 「何だよおいー、人生の終わりみたいな面しやがって」 目の前の暴漢が、中村の黒髪をぐいっと掴み上げた。 「俺様も随分と楽しませてもらったがあんたいい線いってるぜ中村先生。 まあ、そん中でちょっとシツケが行きすぎて埋められた馬鹿女もうじゃうじゃいるけど 表に出ないで平穏無事に過ごしてる上玉も結構いるモンでなー、 ま、最もつまらん連中が事件って事で表に出てる訳だ。 どうなるかは先生の頑張り次第って奴だなー」 「ああっ、下さい、下さいっ、実里の腐れマ○コにぃ、 ご主人様の、ご主人様の逞しいチ○ポぶち込んで下さいぃ」 マットレスの上に四つん這いになった牝豚が、俺様に真っ赤に熟れた尻を振るのに飽きたらず、開いた脚の間から見えるぬめぬめとした果実を指でぐいっと押し広げて懇願する。 俺様がおもむろに牝豚の望みをかなえてやると、一撃目で盛りの付いた甲高い声を響かせる。 脂の乗った女の腰を抱えて存分に中をかき回し、 マットレスの上に腰を下ろして牝豚中村の体を持ち上げ、 ぶるぶると震える乳房からぐっと下の生々しく貫かれている所まで 目の前で分身Aが手にするデジカムのレンズを向けられても、 中村は甲高い声で喘ぎながら腰を振り続け俺様を中に呑んで貪り続ける。 うむ、死に至る病は十分にこの牝豚の脳味噌に寄生したらしい。 その経過を存分に楽しんだ後は、そこに至る決定的瞬間を思うだけで、実に、エレクトするものである。 その証拠に、俺の抱えている腕の中で牝豚らしくひいっと声を上げてのけ反る中村の中で、 俺様も存分に偉大なる遺伝子の塊を激しい脈動と共に放出しながら、 医学的に不自然にならない範囲でこなせる体位の数を心の中で指折り数える。 それが増えれば増える程、後の楽しみも又倍増すると言うもの。 早朝、待ち合わせ場所に一人の男が待っていた。 そこに辿り着いた俺様がトラックを降りる。 「この時間にここを通ってここで受け渡しをして欲しい。 後金は先方から払わせる。前金は受け取っただろうがこれはチップだ」 俺様は、目の前の男に財布からごそっと一万円札を渡す。 「無論、持ち逃げなどと言う時は、地獄の底まで追い込む。 ケースの鍵は先方が持っている、中身については君が知る必要の無い事、分かるな」 無論、分かっている筈だ、あれだけの前金を弾んだのだからまともな仕事である筈が無い。 「今更考えている暇は無い筈だ。もう、すぐそこまで追い込みが掛かっているのだろう。 さっさと終わらせて少しは楽になれるのなら私も嬉しい」 それは確かだ。「石ころぼうし」を被って黒に近い金融業者に潜入し、 使えそうな人間に「友情カプセル」を貼り付けて尻に火の付いたトラックの転がせる奴の事を聞き出し、聞き出した事を「メモリーディスク」で忘れさせてから更にリストアップされた候補をタイムテレビや自家用衛星で観察し、俺様直々に厳選したのだから。 トラックの運転席で、運転手が苛々と腕時計を見ていた。 すぐ近くに小学校、信号待ちだ。 その時、運転手はガクンと車高が落ちる感覚と、背後からの何か爆発する様な落ちる様な物騒な音を感じた。 そして、わらわらと群れ集まる小学生の大群も。 外から、悲鳴ともなんとも付かない異様な声が聞こえてくる。 飛び降りた運転手は、人混みをかき分けながら、確かに異様なものを見た。 幌付きトラックは荷台に檻を積んだトラックに早変わりし、 檻の中では、鉄パイプを組んで作った異様な人形に全裸の女性が拘束されている。 女は玉を噛ませる革の口枷を填められ、大きく脚をM字に開き腰を持ち上げられて 剥き出しの黒いかげりの下で二本のバイブレーターが深々と突き刺さったまま稼働していた。 その隣に鎮座する、少なくとも簡単は抱えられないサイズのテレビの画面には、 同じ女が、全裸で、後ろから男に貫かれてながら髪を振り乱しよがり狂う有様が、 ぶち抜かれぐちゅぐちゅ出入りしている部分も剥き出しに喘ぎ声の大音響と共に映し出される。 「むふふふふはははははははははははははひゃあーーーーーーーーーーーっっっっっっっ!!!」 自宅マンションの一室で、俺様はその成り行きを偵察衛星の映像で確認した。 祝福の雄叫びを終えると、そのまま「どこでもドア」で別のマンションの一室へと移動する。 ここは、下調べ済みの単なる留守宅であり、 テーブルの上にはインターネット起動済みのノートパソコンが置かれている。 このインターネット接続に至るまでの契約を行った男は、とっくに山の肥やしになっている。 「石ころぼうし」を被って暴力団幹部の自宅に上がり込み「友情カプセル」を貼り付けて 殺ってそうな奴を聞き込んでから「メモリーディスク」で聞き出した記憶を消すやり方で 手繰って行き、余り遠くない過去に下らないトラブルで埋められて 未だに見付かっていない下らない奴を見つけ出し、「タイムベルト」で少し時間を遡って、 その下らない奴に「うそつ機」を使って信用を得て金で買収し インターネットが使える様に契約をさせてから「メモリーディスク」でその事を忘れさせて手に入れた。 そのネット接続されたノーパソに大量に開かれたウインドウは、全て同じとある巨大匿名掲示板群に属するスレッドに接続されている。 同じ巨大匿名掲示板群であるが、接続されているのは全て別々の掲示板に属する別々のスレッド。 しかし、投稿フォームは全て同じ状態になっている。 本文には同じ文章とURL、トリップだけが違う同じハンドルネーム、メール欄は空白。 準備は万端、投稿フォームの書き込みボタンを次々と押していった俺様の手さばきこそ、芸術。 ---- [[次話へ進む>あいつが来る/本編/第05話]] [[小説保管庫へ戻る>小説保管庫]]
「いやああああああっ!!!」 「どうしたの蘭姉ちゃんっ!」 朝日が差し込む中、絶叫に気付いたコナンは蘭の寝室へと駆け込む。 「蘭、姉ちゃん?…」 寝室では、床でガタガタ震える数美が蘭を振り解こうとしていた。 「数美先輩っ?」 「あいつが来た、あいつが来たんだよ!あいつがあいつがぁあいつが来たんだよぉ あいつがあっ!」 「数美さん、数美さんっ!?」 「コナン君ごめんね!守ってあげられなくてごめん!あんな事して私私私いいいっ!」 “…何だ?…これは、やっぱり…” 「誰もいませんよ先輩」 ハッとした数美が、荒い息を吐きながら周囲を伺った。 「…いない…痛くない…」 呟いた数美が、パジャマの中に手を突っ込んで色々と探ってみる。 「また、夢?…」 「夢、見たんですか?あの時の…」 「…ごめん…コナン君…」 “…重症だな…” 数美と違って記憶ごと痕跡を消されたコナンが、一瞬数美に探偵の目を向けていた。  起きた時、やばかったこれが新一の体だったら、と変な所でほっとした、内容すら覚えていない微かな夢の欠片の事などとっくに忘れていた。 「おお、工藤君か?」 放課後、電話ボックスの受話器を通して、コナンは目暮の声を聞いていた。 「はい、それで、塚本先輩の件、もう少し詳しく伺いたいのですが」 変声機を手にしたコナンが言った。 「うむ、本来わしは担当外だし、事件の性質上工藤君と言えども余り多くは教えられないのだが、塚本数美君は現場で鉄道警察隊に保護されてから今に至るまで主犯はあの男だと言い続けている。 それで、担当外ではあるが、哀君からの連絡を受けた佐藤君が蘭君園子君を保護しつつ関係部署に過去の経緯を連絡し、現場からの通報を受けた所轄と機動捜査隊がそのまま捜査に当たった。 初動は発見と同時に任意同行、拒絶時には緊急逮捕も辞さない方針で動いていた。 現場周辺では発見されず本人は休職中、自宅にも本人や妻の実家にも姿がなかったため逮捕状を請求して指名手配寸前まで行ったのだが、検証令状を取って携帯電話の位置情報を確認したところ午前中から一貫して横浜市内をうろついていたためそれは中止となった。 もっとも、その時は何らかのアリバイ工作としか思われていなかったがな」 「でも、それは本当だった、そう言う事ですか?」 「ああ、そう言う妙な状況だったため、神奈川県警への応援要請は躊躇されてな。 機動捜査隊と一課の性犯罪担当が把握された携帯電話基地局の範囲に集結、 そこで発見したあの男は任意同行にも素直に応じて午前中から横浜をぶらついていたと供述したよ。 本人の供述と携帯電話の基地局が示す足取りに就いても大体の裏が取れたが、やはり決定的だったのがデパートの届出だ。 対応したカウンターの担当者の供述や出勤シフト、あの男の自筆指紋付きの届出用紙、 そしてあの男の映ったデパートの防犯カメラ映像からも、塚本数美君が電車に乗って襲われた時間 同じ場所にいる事は絶対出来ない。これでは逮捕も起訴も出来ない」 「しかも、DNAも白、ですか」 「君だから事件の話として言うが、数美君の全身から採取された精液、科捜研も滅多にないぐらい酷い検査だったと言っていたが、その結果は、塚本数美君の供述と突き合わせると、あの男は、あの男と一致するDNAを持つ犯人は、犯行グループの中に含まれてはいなかった。 証拠不十分ではなく、物証はあの男がそこにいなかった事を示している、そう結論づけざるを得なかったよ」 「僕がお願いした件も」 「ああ、あの男及びその血縁者の精液は、あそこで採取されたものの中には存在しなかった。それが結論だ。 率直に言おう、性犯罪担当としては、塚本数美君の被害者調書がある限り事件は暗礁に乗り上げたまま、それが実際の所だ。 とにかく共犯者だけでも上げようとしたが、あれだけの人数が丸で煙の様に消えた。いつの間にか周辺のどの防犯カメラにも映る事なく姿を消している。 理論的には可能だとしてもあれだけの人数が一人たりとも捕まらずにするすると消える事が出来るのか、今度は一課から初動で駅周辺を固めた筈の所轄、機捜隊への不信が出て上も頭を痛めている所だよ。 しかも、この時期に例の“逃げ三矢”が東京に現れた。 無論、塚本君の事件はあれだけの事件だ、そう簡単に諦めるものではないが、我々も駆り出されているあの事件、一課、特に性犯罪担当の主眼はどうしてもそっちに持って行かれている」 「分かりました。僕も、抱えている事件の事もありますが出来るだけの事はするつもりです。 蘭の…帝丹高校の関わっている大事件ですから」 電話ボックスを出たコナンは、ふーっと息を吐いて眼鏡を指で上げた。 「ああ、コナン君、いらっしゃい」 数美の自宅を訪れたコナンを、数美は部屋に上げていた。 「それで、忘れ物って?」 「うん…聞きたい事があったの、忘れちゃった」 「少年探偵団?駄目だって、子供が手ぇ出す事件じゃないよ」 数美は、優しい声でコナンに言う。 「うん…でも、一つだけ。替え玉、って事はなかった?」 「替え玉?」 「うん。もしかしたら、数美さんを陥れるために、誰かがその男そっくりに整形手術とかして、それで…」 「ないね」 ちょっと考えてから、数美が答えた。 「あの顔、あの声はあいつの声だった。最初の痴漢の時、私もあそこにいたんだし。 そう、あれは間違いなくあいつ、あいつだった、あいつが、あいつがいた…」 「数美さん?」 目が見開いた数美が、胸を掴んで口をぱくぱくさせ始めた。呼吸数が急激に上がってるのが分かる。 “…やべっ!” 「ビニール袋持って来てっ!」 「ごめんなさい…」 玄関先で、しょぼんとしているのはコナンの本心だった。 「いいって、気に掛けてくれてありがと」 数美が、腰を曲げてくしゃくしゃとコナンの頭を撫でる。 目の前に優しく、そしてどこか気弱な笑みをコナンは見た。 「蘭姉ちゃん、数美さんは?」 帰宅したコナンが蘭に聞いた。 「うん、お家に帰るって」 「…そう…蘭姉ちゃん、ああ言うの、PTSDって言うんだよね…」 「…そうだね…許せないよ、数美先輩が嘘言う筈無いのに…」 「数美さんは、嘘言ってないのかも」 「当たり前よ」 「だから…数美さんにとっては、嘘じゃないのかも。 それは、事実ではないのかも、でも、数美さんにとっては真実なのかも…」 「うん…」 黒いジャンパーにジーパンはいいとして、ハンチング帽にサングラス、白い風邪用マスクと、 十分通報に値する姿で深夜にうろついている以上、この時の俺様には通報される事なく目的を遂行する自信が満ち溢れていた。 国道に近くちょっとした店と住宅が並ぶ一角であるが、この時間の通行人通行車は存在しない事は「タイムテレビ」で入念に確認しておいた。 そして、目的地である個人事務所兼住宅のあった二階建ての建物。 既にその経営は破綻し現時点で住人は存在しない。 「タイムベルト」で少し未来に行き、「石ころぼうし」を被ってこの辺りの金融機関を回って担当者を割り出し「友情カプセル」を貼り付けて最近における大体条件に合う倒産をピックアップしてもらってから聞き出した事の記憶を「メモリーディスク」で消去する所からこの物件を探り当てた。 その側面の窓を狙い、脚立で上ってテープとガラス切りで穴を空けてそこから手を突っ込み開錠する。 窓から中に入り、裏口を開錠し、用意しておいた飛ばしの携帯電話を使う。 程なく、一台のワンボックスカーが表に到着する。 そこから出て来たのは、俺様が「分身ハンマー」で分身した、分身Aとでも呼んでおこう。 ただし、今の俺様の格好では目立ちすぎるので、サングラスはいいとして付け鼻に付け顎に付け髭で運転している間唇を歯の間に挟んでいる。 痕跡は残さなければならないがどこにカメラがあるか分かったものではないと言うのはなかなかに面倒なものだ。 どんな馬鹿でも堅物でも超常現象であると認める様な頭の悪い真似はここでは出来ない。 俺様と分身Aは建物に入り、共に一度変装を解いてから改めてスキー帽型黒覆面を着用する。 「きょうじき」で建物の中の一日がそれ以外の一分になる様に設定した俺様は、二階の住居スペースに入ると、床にマットレスを敷き、その上にチッポケット二次元カメラで撮影した一枚の写真を置いて湯を垂らす。 それは、すぐにハンカチを詰められた口をテープで留められ、後ろ手錠姿でぐったりする捕獲したての獲物に早変わりした。 早速、俺様は獲物の胸倉を掴み、目覚めのビンタを大きく4、5発叩き込む。 ようやく自分の身に起きた事と自分の立場を理解したらしい、リサーチ時は割と愛嬌のある丸っこい顔立ちが今は大きく腫れ上がり、目を一杯に見開いて震えながら俺様を見る無様な有様、実にそそる。 俺様としてはそのご期待に違わぬ様、挨拶代わりのキックを存分にお見舞いしてから切り出しナイフと我が神の手でバリバリと余計な包装を引き裂き茶色い下着をむしり取る。 獲物と言うに相応しく、目の前には素っ裸の牝が口と手を塞がれ転がっていた。 「よーし、立て」 俺様の命令に首を横に振った以上、当然その胴体には俺様の蹴りが叩き込まれる。 「んー、んんんー!!」 「ちょっとしたシツケの行き過ぎで山に埋めちまうってのはよくある事でもよー、 あれ穴掘るの結構疲れるんだ、その前にさっさと協力してくんねぇ、かっ!!」 バシーンと吹っ飛ぶ会心のビンタを張られた牝豚が、食べ頃に熟れた尻から何度でもいい音を立てて俺様の掌を受け止めてからふらふらと立ち上がる。 「おーし、そのままそのまま…」 既に逆らう心も折られたと見え、俺様の目の前では真っ裸のがに股でガクガク脚を震わせる笑える姿が開陳されている。 「動くなよー、動いたらあんなモンじゃすまねーぞー」 目の前で腫れ上がった頬にぼろぼろと涙が伝うのを眺めながら、俺様はライトを取り付けたデジカムをそちらに向ける。 今時のガキも発育がいいが、今度は四捨五入すれば三十路と言う事で、なかなか旨そうに熟れている。特にここなど。 「お毛々の下の淫乱腐れマ○コ、 ほら、こーやって開いて中までしっかり照明付きで撮影してあげますからねー。 これがこんな風に男のチ○ポ呑み込んであーしてこーしてって 生の教材で教えてやったらいいだろーなー、なー中村せんせーよ」 淫売に決まっている腐れマ○コの前にしゃがみ、ライトで照らし時折指をねじ込みながらじっくりとレンズを向ける。 表情を伺う事が難しいのが実に残念だ。 「あっ、あっあっ、あぁー…」 とうに必要の無くなった口と手の拘束を外され、もっと頑丈な拘束を掛けられた精神のままにマットレスの上で、素っ裸のまま大きく脚を開いて座る中村は、俺様の命に従い俺様の目の前で自慰行為を披露していた。 左手でまあまあの熟れ具合の乳房を掴み、右手で尖った芯やその奥をまさぐる。 そのまま、ぐちゅぐちゅとまさぐる指を蜜で濡らし、甲高い声を出して果てて見せた。 俺様とて、必ずしも鬼だと言うばかりではない。 傷薬代わりに腫れ上がった顔面に注ぎ飲ませてやった500ミリリットルペットボトルの緑茶には、 少しずつ女の性感を高めエロい刺激に敏感になる媚薬だと解説したアワセールを照射する事で些かでも苦痛を和らげる事が出来るにくい配慮をしておいた所だ。 その秘かなる心遣いへの感謝と屈服の証として、 俺様がズリ下ろして披露した勝者の逞しいポールにむしゃぶり付きその口で清める栄誉を与えられた中村は、 普段は少しは愛嬌があるのであろう垂れ目気味の目からぼろぼろと涙を流しながら我が栄光のポールを一心にしゃぶり続け、その名誉ある役目の証を残すべく、 それを授けた俺様直々に上から横からその顔面をデジカムのデータに刻んでいく。 跪き、ぐぷぐぷ難い暴漢の汚らしいものを口から出入りさせながら、普段はちょっと垂れ気味なのが可愛らしいくらいの、今は半ばふさがった中村の目から頬にぼろぼろと涙が伝う。 そんな有様を、目の前の暴漢は上から、横からそんな情けない顔をねっとりと撮影している。 「おらー、出るぞ出るぞー」 暴漢は、中村の黒髪を掴み、ぐっぐっと力を込めて中村の口の中に強かに放った。 唇の端から一筋垂らしながら飲み干す顔も、目の前で撮影されていた。 既に、手錠は外されオ○ニーを強要された。全裸で大きく脚を開かされ、乳房を掴みながら指で直接刺激すると言う、した事も無いあざといやり方で。 それもこれも全て撮られた。未来永劫に残る傷として。 暴力は怖い、本当に怖い、殺されると思う、そうでなくてもあれには耐えられない。 それに加えて、今は絶対に考えたくない事がある。 それは、自分が思っている通りであるのならば、今ここで自分の人生は完全に破壊されたと言う事。 中村も、まあまあいい歳である。職場を離れれば、ちょっと焦るぐらいの気持ちで相手を探す、そのために多少積極的な行動も考える。 それまで学生時代社会人、生身の一人の女として一応の経験はして来たつもりだ。 だから、激しすぎる暴力はさておき、ここで一通り通り過ぎれば、それだけなら何とかなるかも知れないと言う思いはある。 だが、今、中村が考えている通りの、ほんの何時間か前の中村自身も決して無縁ではなかった、 その事態であるのならば、それは、人生の破滅以外の何物でもない。 「何だよおいー、人生の終わりみたいな面しやがって」 目の前の暴漢が、中村の黒髪をぐいっと掴み上げた。 「俺様も随分と楽しませてもらったがあんたいい線いってるぜ中村先生。 まあ、そん中でちょっとシツケが行きすぎて埋められた馬鹿女もうじゃうじゃいるけど 表に出ないで平穏無事に過ごしてる上玉も結構いるモンでなー、 ま、最もつまらん連中が事件って事で表に出てる訳だ。 どうなるかは先生の頑張り次第って奴だなー」 「ああっ、下さい、下さいっ、実里の腐れマ○コにぃ、 ご主人様の、ご主人様の逞しいチ○ポぶち込んで下さいぃ」 マットレスの上に四つん這いになった牝豚が、俺様に真っ赤に熟れた尻を振るのに飽きたらず、開いた脚の間から見えるぬめぬめとした果実を指でぐいっと押し広げて懇願する。 俺様がおもむろに牝豚の望みをかなえてやると、一撃目で盛りの付いた甲高い声を響かせる。 脂の乗った女の腰を抱えて存分に中をかき回し、 マットレスの上に腰を下ろして牝豚中村の体を持ち上げ、 ぶるぶると震える乳房からぐっと下の生々しく貫かれている所まで 目の前で分身Aが手にするデジカムのレンズを向けられても、 中村は甲高い声で喘ぎながら腰を振り続け俺様を中に呑んで貪り続ける。 うむ、死に至る病は十分にこの牝豚の脳味噌に寄生したらしい。 その経過を存分に楽しんだ後は、そこに至る決定的瞬間を思うだけで、実に、エレクトするものである。 その証拠に、俺の抱えている腕の中で牝豚らしくひいっと声を上げてのけ反る中村の中で、 俺様も存分に偉大なる遺伝子の塊を激しい脈動と共に放出しながら、 医学的に不自然にならない範囲でこなせる体位の数を心の中で指折り数える。 それが増えれば増える程、後の楽しみも又倍増すると言うもの。 早朝、待ち合わせ場所に一人の男が待っていた。 そこに辿り着いた俺様がトラックを降りる。 「この時間にここを通ってここで受け渡しをして欲しい。 後金は先方から払わせる。前金は受け取っただろうがこれはチップだ」 俺様は、目の前の男に財布からごそっと一万円札を渡す。 「無論、持ち逃げなどと言う時は、地獄の底まで追い込む。 ケースの鍵は先方が持っている、中身については君が知る必要の無い事、分かるな」 無論、分かっている筈だ、あれだけの前金を弾んだのだからまともな仕事である筈が無い。 「今更考えている暇は無い筈だ。もう、すぐそこまで追い込みが掛かっているのだろう。 さっさと終わらせて少しは楽になれるのなら私も嬉しい」 それは確かだ。「石ころぼうし」を被って黒に近い金融業者に潜入し、 使えそうな人間に「友情カプセル」を貼り付けて尻に火の付いたトラックの転がせる奴の事を聞き出し、聞き出した事を「メモリーディスク」で忘れさせてから更にリストアップされた候補をタイムテレビや自家用衛星で観察し、俺様直々に厳選したのだから。 トラックの運転席で、運転手が苛々と腕時計を見ていた。 すぐ近くに小学校、信号待ちだ。 その時、運転手はガクンと車高が落ちる感覚と、背後からの何か爆発する様な落ちる様な物騒な音を感じた。 そして、わらわらと群れ集まる小学生の大群も。 外から、悲鳴ともなんとも付かない異様な声が聞こえてくる。 飛び降りた運転手は、人混みをかき分けながら、確かに異様なものを見た。 幌付きトラックは荷台に檻を積んだトラックに早変わりし、 檻の中では、鉄パイプを組んで作った異様な人形に全裸の女性が拘束されている。 女は玉を噛ませる革の口枷を填められ、大きく脚をM字に開き腰を持ち上げられて 剥き出しの黒いかげりの下で二本のバイブレーターが深々と突き刺さったまま稼働していた。 その隣に鎮座する、少なくとも簡単は抱えられないサイズのテレビの画面には、 同じ女が、全裸で、後ろから男に貫かれてながら髪を振り乱しよがり狂う有様が、 ぶち抜かれぐちゅぐちゅ出入りしている部分も剥き出しに喘ぎ声の大音響と共に映し出される。 「むふふふふはははははははははははははひゃあーーーーーーーーーーーっっっっっっっ!!!」 自宅マンションの一室で、俺様はその成り行きを偵察衛星の映像で確認した。 祝福の雄叫びを終えると、そのまま「どこでもドア」で別のマンションの一室へと移動する。 ここは、下調べ済みの単なる留守宅であり、 テーブルの上にはインターネット起動済みのノートパソコンが置かれている。 このインターネット接続に至るまでの契約を行った男は、とっくに山の肥やしになっている。 「石ころぼうし」を被って暴力団幹部の自宅に上がり込み「友情カプセル」を貼り付けて 殺ってそうな奴を聞き込んでから「メモリーディスク」で聞き出した記憶を消すやり方で 手繰って行き、余り遠くない過去に下らないトラブルで埋められて 未だに見付かっていない下らない奴を見つけ出し、「タイムベルト」で少し時間を遡って、 その下らない奴に「うそつ機」を使って信用を得て金で買収し インターネットが使える様に契約をさせてから「メモリーディスク」でその事を忘れさせて手に入れた。 そのネット接続されたノーパソに大量に開かれたウインドウは、全て同じとある巨大匿名掲示板群に属するスレッドに接続されている。 同じ巨大匿名掲示板群であるが、接続されているのは全て別々の掲示板に属する別々のスレッド。 しかし、投稿フォームは全て同じ状態になっている。 本文には同じ文章とURL、トリップだけが違う同じハンドルネーム、メール欄は空白。 準備は万端、投稿フォームの書き込みボタンを次々と押していった俺様の手さばきこそ、芸術。 ---- [[次話へ進む>あいつが来る/本編/第05話]] [[小説保管庫へ戻る>小説保管庫]]

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