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「村人Aさん-第1話」(2009/06/20 (土) 18:08:45) の最新版変更点
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「ふぁ ぁ・・・」
硬い地面の感触、昨日はあのまま寝ていたらしい
そういえばヘンな夢を見た気がする・・・
確か○EATHNOTEのリンゴフェチな死神だとか・・・
「・・・・・・」
なんだかダルい・・・動きたくない・・・
どうせ学校に行っても・・・いや学校で寝てるのか・・・ロクな事は無いだろうな・・・
「痛ッッ・・・」
体中が凝り固まってる・・・こんなカタい地面の上で寝てりゃ当然・・・
「タイヘンそうだねぇ~・・・」
!!
「あ、どーも、お先に朝食を失礼してるよ」
昨日の『アノ声』・・・
体の痛みをこらえつつ、はいつくばった姿勢のまま上を見上げるとそこには・・・
─猫がいた─
もとい、猫のような何かがいた
顔や服の間から見えるのは現実にはまずいないであろうアニメがかったトラ猫
赤い貴族風の洋服に身を包み、何故か浮かんでいるミニチュアサイズのソファーに腰掛けながら
小さなティーカップで優雅にお茶をたしなんで・・・
あれ、今のって何かヘンじゃね?
もう「現実にはまずいないであろう」の辺りで既にヤバいよね?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!
ソファーから立ち上がったこの猫もやはり・・・浮かんでる・・・やっぱマジックマッシュルーム的な・・・
「ちょ、まぁまぁまぁマテマテマテ少し落ち着け、コレは夢でも幻覚でもねぇから
だから精神科とかそんなコトは考えるなって、お前は正常だよ、保障する」
あ、喋った・・・って、この声は・・・
昨日のオバケさんか・・・こんなの保障されてもなぁ・・・
「違ッッ・・・そうとしか思えないだろうけど『人として』傷付くからそういう呼び方は止めてください!!」
じゃなんて呼ぶんだよ、てかお前明らかに人じゃねーだろ
「トラえもんでお願いします、あ、ツッコまないで、言いたいことは分かるけどツッコまないで」
その無茶苦茶著作権法違反の匂いがするネーミングの方は・・・
「ぶっちゃけお前・・・何なの?何しに来たの?」
「あーうん、イジメられるダメ少年のトコにドラ○もんが来たっつったら用件は一つでしょ」
言った・・・今言ったよ・・・明らかに認めてるよコイツ
「少し黙ってくれ」
何も言ってませんが?
「・・・・・・ok【考えるな、感じろ】って伝説の言葉を・・・」
ノリいーな、オマエ・・・
─そんなミニコントを繰り返すこと30分(体感)─
「このポッケ・・・マジで『アレ』?」
手に持った白い布切れ・・・
外見は普通だが穴の中はまるで小宇宙のような光景が広がっている
「うん、勝手に使っちゃっていーよ(笑)」
「・・・・・・○ュークってことは最後にオレを殺したり・・・?」
小さな顔を横に小刻みに振る
「しないしない、オレは単に暇が潰せりゃそれでいーの
あ、いらないんだったら別に・・・今すぐ返してもらうけど?お望みならこの記憶も消すよ?」
考えるまでもないよね・・・?
「僕は・・・「【僕は新世界の神にな(ry】とかってボケは求めてない」
ス ミ マ セ ン で し た ・ ・ ・
「ていうか○イトが一生かけてやろうとしたのもそのポッケなら5分で出来るぞ」
モノホンかどうかが疑わしいんだよな・・・
「じゃあタメシに道具出せばいいじゃないか」
ヨシ
「地球破壊爆弾~」
取り出す→戻す
この間0.1秒
「おま・・・初っ端からアブないモン出すな!!」
多分本物だって事でいいだろう、別にニセモノでも手放す気にはなれないが
「で・・・好きなことって・・・人殺しでもアリ?」
「アリ」
「コレを最終処分場に捨てるのはアリ?」
「任せる」
「お前を消すってのは?」
「・・・出来るモンならどーぞ・・・あ、やっぱ・・・いや・・・えーとあの・・・
(間)
カンベンしてください」
「冗談だよ・・・こんなステキな玩具を有難う」
─ありがたく使わせてもらうとしよう─
その後、鹿山は姿を消し、3日が経った・・・
─とある無料ブログ作成サイトにて─
どうも、まずは自己紹介
私は泉 真帆、私立の高校で一応不良やってます♪
タバコ吸った事は2~3回、男性経験はありません^-^ オナニーは少しした事があるかな?
スリーサイズは内緒^^結構グラマーだよ?
いつもはクラスの気の弱い男の子をイジったりして充実したキャンバスライフを送ったりしてます;;
でもそんな男の子が何故か突然いなくなっちゃったの~、もうヒマでヒマで死にそうです~A^-^)アセアセ
こんなブログを作っている少し不良な女・・・泉 真帆
毎日の退屈凌ぎだった鹿山がいなくなり、ヒマに任せてブログなどを作ろうと思い立った
中学時代は割と普通、鹿山をイジメているのに参加し、そのまま不良達の中に引き込まれていった
しかしそんなミーハーな彼女が今まで調子に乗ってこれたのは、共通のイジメる対象と
その微妙に色気も漂う端麗な容姿からだった、彼女の前では男は殆どが媚び、自分をより良く見せようとし
それが彼女を紙一重で救っていたのだ・・・が
イジメる対象がいなくなってしまった以上、泉は不良の世界にズカズカ踏み込んでくるバカ女
そうなると話は違ってくる、男等は泉を『仲間』から『女』へと認識を改め
女達は泉を男達にチヤホヤされる存在のように疎ましく感じるだろう
その内、遅かれ早かれ足抜け不可な事になるのは目に見えていた
それをいちはやく察知し、手の平を返すように不良達から身を引き、病欠を決め込んだ・・・が
「あーあー・・・ヒマだよ~・・・」
誰の声も期待してはいなかった
・・・ただ今の状況を声に出す事に何か意味があるかのように思いたかっただけだ・・・
「確かにヒマそうだねぇ・・・きっとこれから忙しくなるよ?」
返事を返してくる人間がいるとは思ってなかった─しかもその声は・・・
「え、あれっ・・・?」
目の前のベッドには最近見ていなかったイジメられっ子
「・・・!?・・・!?」
入ってきた気配なんて微塵も無かったけど・・・?
朝からパソコンに向き合ったりで部屋は一度も出てない・・・
それなのにベッドの上に・・・無理だ、不可能だ
「な・・・どうやって入ってきたの!?」
「さァて・・・どうやってでしょう?」
すっとぼけた返事をしながらベッドを降りる
「ちょ・・・何だよ・・・」
「何でしょうか?」
ゆっくりとした速度で歩いてくる、普段には感じられない威圧感に気圧される
─なんかキャラ違ってるよコイツ─
「待・・・待て、来るなっ!!」
言葉では強気に出るものの、その裏にある弱気は一目瞭然
そんな形だけの言葉など意味を持つわけが無く、すぐ目の前まで迫られていた
そしてゆっくりとした速度で・・・さも当然のように顎をつままれる
軽く握っているようだが、万力で固定されているかのようにビクともしない
「いいか、3日後の8:00にお前を拉致監禁する」
え・・・
「それが成功した場合、お前は人権だの何だのは無視され、俺に好きなように遊ばれる玩具となる」
「なっ・・・!!」
予想だにしなかった言葉に驚き、振り払おうとするが、その腕も軽く握られただけで動かなくなった
「・・・・・・!!」
「いいか、3日だ・・・3日以内に準備しろ・・・人を集めろ、武器を持て、どんな事をしてでも阻止しろ・・・」
頭の中に直接響いて来るような脅しの文句、その言葉に私は、何故か心底恐怖していた
こんなの・・・普段笑いものにしてるヤツの言葉じゃないか・・・何ビビってるんだ私は・・・!!
「『これ』は・・・今の話が白昼夢などでは無い事を証明する為の道具になってもらおう」
そんな事を言うと、今まで私が座っていた椅子を持ち上げ、指先で軽々とへし折ったかと思うと
そのままグニャグニャと鉄塊になるまで折り曲げ、その場に乱雑に放り投げた
「3日だ・・・3日だぞ・・・」
段々意識が遠のき、やがて途絶えた
目が覚めたのは夕方になってからだった・・・
深夜の公道、その一角を占拠するバイクの群れ そう、族の集会である
「オイオイ、今更帰るなんて言い出すんじゃねーぞ」
「うぅ・・・」
少し場違いな気がする、その何倍も後悔しているが・・・もう引き返せないような道に踏み込んでる
何でこうなったんだろうなぁ・・・確か・・・
あの後・・・目覚めてから、数時間呆けていた
警察や親に相談してみようにも、何と説明してよいか分からず・・・
嘘と思いたかったが、全てはグシャグシャになった椅子が語ってくれた
今日と次の日は、そのような形で時間だけが過ぎていった
三日目になり、いよいよ焦ってきた所で、
ストーカーの被害に遭っている、誘拐の予告までされている、と警察に訴えたが・・・
全く相手にされず・・・ただの虚偽妄言という烙印を押されて帰る事になった
このままでは確実にヤバいと─真帆が最後に頼ったのは─不良達だった
毎日行われている族の集会、そこに自分も参加させて欲しいと頼んだのだ・・・
流石にいくらバケモノ染みた力があろうと
この人数の中にいればその間は安全そのもの、手出し出来る訳がない
8時まで・・・
「あと15分・・・」
しかし、族の集会などには初めて来たが、異様な雰囲気に包まれている
というかこの近くだけ雰囲気が明らかにオカシイ
「え・・・?」
辺りを見回すと同姓がいなく、男のみが目をギラつかせ、こっちをチラチラと伺っている
「あれ・・・皆!?」
他の仲間は・・・見当たらない
助けを求めて辺りに目を走らせる・・・が、見慣れない男しか見えない
そうこうしてる内に男の一人が声をかけてきた
「あのさ・・・お姉ちゃん・・・今何歳・・・?」
ヒィィ・・・
「じ、15です・・・」
「へへっ・・・15だってさ・・・」
「ホォ・・・ならまだバージンか・・・」
「この歳相手って犯罪じゃねぇ・・・?」
ヤバそうな会話が飛び交っている
ここまで来るとハッキリ身の危険を感じられる
「どうせこの女も『こういう』トコに来るなら何があるか分かってるだろ」
「じゃあコイツ犯されに来たんか」
「違ってもカンケーねーだろ」
「むしろ据え膳食わなきゃ男が廃るってモンじゃね?」
「ここまで調子こかせてそのままトンズラこかせるなんて考えナメ過ぎだろ」
「ここがどういうトコかキッチリ教えてあげなきゃなぁ・・・」
─そう、彼女はナメていたのだ─
─いくら何でもこんな怪しげな集会に来るなど自殺行為─
─それを分かった上で来ざるを得なかった、しかし頼る相手を根本的にナメていた─
最早形振り構ってられる状態じゃない・・・が、悲しきかな・・・逃げ道が無い
身の回りはグルリと取り囲まれ、バイクとゾッキーが行く手を阻む
(あう・・・あうぅ・・・早く逃げなきゃ・・・)
どうにか逃げるタイミングを計っている、その小さな肩に、無遠慮に手が置かれる
「オジョーチャン、何探してるの・・・へへ・・・」
ついに恐れていた事態・・・周りの男の一人が痺れを切らしたようだ・・・
「なにも・・・探してるわけじ・・・ゃないです!」
強くその手を振り払う
「痛ェな・・・クソガキャァ・・・」
「え・・・」
「オーイ皆、手がイタイよー、この女にケガさせられたよー」
「何?あーホントだ、こりゃヒデェ・・・」
「バイカーが手ェ怪我しちゃってどうすんの・・・」
「ソイツよりも怪我させた奴の方が問題じゃね?」
「確かに、どうオトシマエ付ける気なんだろうかなぁ・・・」
小さな寸劇、大根芝居・・・しかし流れがどうなっているかはよく分かる
「え・・・だって・・・こんなのでケガするわけ・・・」
目の前の迫力に圧され、少しずつ後さずるが・・・屈強そうな大男にぶつかる
「逃げようったってそうはイカないよ☆」
「何、このアマ、逃げようとしてたのか」
「どうするよ」
話がおかしな方向に・・・
「とりあえず当事者同士で話を付けるのが一番だな、てわけでお前はどう思う」
ここでさっきの男が出てくる・・・そして絶望的なGoサインが出る
「オレの手を滅茶苦茶にしたコイツは・・・皆で犯ってくれ」
「えっ・・・やっ・・・」
目の前の男達が待ってましたとばかりに詰め寄ってくる
逃げようとしても後ろの巨漢に押さえつけられて動けない
「ちょ・・・えぇぇぇぇっ!!」
ウソ・・・ウソよね・・・?
私・・・こんなトコロで処女散らすの・・・?
冗談じゃないよ・・・
手が痛いってった人が上に乗って・・・
周りを煽ってる・・・スカートを力づくで毟り取られた・・・
皆が騒いでる・・・煩くて何も聞こえない・・・
あれ・・・?騒ぎすぎじゃない?
それに何か・・・悲鳴?絶叫が・・・皆何だかこっちに興味がないみたい・・・
周りに誰もいない・・・いなくなった・・・どうなってるの・・・?
----
[[小説保管庫へ戻る>小説保管庫]]
「ふぁ ぁ・・・」
硬い地面の感触、昨日はあのまま寝ていたらしい
そういえばヘンな夢を見た気がする・・・
確か○EATHNOTEのリンゴフェチな死神だとか・・・
「・・・・・・」
なんだかダルい・・・動きたくない・・・
どうせ学校に行っても・・・いや学校で寝てるのか・・・ロクな事は無いだろうな・・・
「痛ッッ・・・」
体中が凝り固まってる・・・こんなカタい地面の上で寝てりゃ当然・・・
「タイヘンそうだねぇ~・・・」
!!
「あ、どーも、お先に朝食を失礼してるよ」
昨日の『アノ声』・・・
体の痛みをこらえつつ、はいつくばった姿勢のまま上を見上げるとそこには・・・
─猫がいた─
もとい、猫のような何かがいた
顔や服の間から見えるのは現実にはまずいないであろうアニメがかったトラ猫
赤い貴族風の洋服に身を包み、何故か浮かんでいるミニチュアサイズのソファーに腰掛けながら
小さなティーカップで優雅にお茶をたしなんで・・・
あれ、今のって何かヘンじゃね?
もう「現実にはまずいないであろう」の辺りで既にヤバいよね?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!
ソファーから立ち上がったこの猫もやはり・・・浮かんでる・・・やっぱマジックマッシュルーム的な・・・
「ちょ、まぁまぁまぁマテマテマテ少し落ち着け、コレは夢でも幻覚でもねぇから
だから精神科とかそんなコトは考えるなって、お前は正常だよ、保障する」
あ、喋った・・・って、この声は・・・
昨日のオバケさんか・・・こんなの保障されてもなぁ・・・
「違ッッ・・・そうとしか思えないだろうけど『人として』傷付くからそういう呼び方は止めてください!!」
じゃなんて呼ぶんだよ、てかお前明らかに人じゃねーだろ
「トラえもんでお願いします、あ、ツッコまないで、言いたいことは分かるけどツッコまないで」
その無茶苦茶著作権法違反の匂いがするネーミングの方は・・・
「ぶっちゃけお前・・・何なの?何しに来たの?」
「あーうん、イジメられるダメ少年のトコにドラ○もんが来たっつったら用件は一つでしょ」
言った・・・今言ったよ・・・明らかに認めてるよコイツ
「少し黙ってくれ」
何も言ってませんが?
「・・・・・・ok【考えるな、感じろ】って伝説の言葉を・・・」
ノリいーな、オマエ・・・
─そんなミニコントを繰り返すこと30分(体感)─
「このポッケ・・・マジで『アレ』?」
手に持った白い布切れ・・・
外見は普通だが穴の中はまるで小宇宙のような光景が広がっている
「うん、勝手に使っちゃっていーよ(笑)」
「・・・・・・○ュークってことは最後にオレを殺したり・・・?」
小さな顔を横に小刻みに振る
「しないしない、オレは単に暇が潰せりゃそれでいーの
あ、いらないんだったら別に・・・今すぐ返してもらうけど?お望みならこの記憶も消すよ?」
考えるまでもないよね・・・?
「僕は・・・「【僕は新世界の神にな(ry】とかってボケは求めてない」
ス ミ マ セ ン で し た ・ ・ ・
「ていうか○イトが一生かけてやろうとしたのもそのポッケなら5分で出来るぞ」
モノホンかどうかが疑わしいんだよな・・・
「じゃあタメシに道具出せばいいじゃないか」
ヨシ
「地球破壊爆弾~」
取り出す→戻す
この間0.1秒
「おま・・・初っ端からアブないモン出すな!!」
多分本物だって事でいいだろう、別にニセモノでも手放す気にはなれないが
「で・・・好きなことって・・・人殺しでもアリ?」
「アリ」
「コレを最終処分場に捨てるのはアリ?」
「任せる」
「お前を消すってのは?」
「・・・出来るモンならどーぞ・・・あ、やっぱ・・・いや・・・えーとあの・・・
(間)
カンベンしてください」
「冗談だよ・・・こんなステキな玩具を有難う」
─ありがたく使わせてもらうとしよう─
その後、鹿山は姿を消し、3日が経った・・・
─とある無料ブログ作成サイトにて─
どうも、まずは自己紹介
私は泉 真帆、私立の高校で一応不良やってます♪
タバコ吸った事は2~3回、男性経験はありません^-^ オナニーは少しした事があるかな?
スリーサイズは内緒^^結構グラマーだよ?
いつもはクラスの気の弱い男の子をイジったりして充実したキャンバスライフを送ったりしてます;;
でもそんな男の子が何故か突然いなくなっちゃったの~、もうヒマでヒマで死にそうです~A^-^)アセアセ
こんなブログを作っている少し不良な女・・・泉 真帆
毎日の退屈凌ぎだった鹿山がいなくなり、ヒマに任せてブログなどを作ろうと思い立った
中学時代は割と普通、鹿山をイジメているのに参加し、そのまま不良達の中に引き込まれていった
しかしそんなミーハーな彼女が今まで調子に乗ってこれたのは、共通のイジメる対象と
その微妙に色気も漂う端麗な容姿からだった、彼女の前では男は殆どが媚び、自分をより良く見せようとし
それが彼女を紙一重で救っていたのだ・・・が
イジメる対象がいなくなってしまった以上、泉は不良の世界にズカズカ踏み込んでくるバカ女
そうなると話は違ってくる、男等は泉を『仲間』から『女』へと認識を改め
女達は泉を男達にチヤホヤされる存在のように疎ましく感じるだろう
その内、遅かれ早かれ足抜け不可な事になるのは目に見えていた
それをいちはやく察知し、手の平を返すように不良達から身を引き、病欠を決め込んだ・・・が
「あーあー・・・ヒマだよ~・・・」
誰の声も期待してはいなかった
・・・ただ今の状況を声に出す事に何か意味があるかのように思いたかっただけだ・・・
「確かにヒマそうだねぇ・・・きっとこれから忙しくなるよ?」
返事を返してくる人間がいるとは思ってなかった─しかもその声は・・・
「え、あれっ・・・?」
目の前のベッドには最近見ていなかったイジメられっ子
「・・・!?・・・!?」
入ってきた気配なんて微塵も無かったけど・・・?
朝からパソコンに向き合ったりで部屋は一度も出てない・・・
それなのにベッドの上に・・・無理だ、不可能だ
「な・・・どうやって入ってきたの!?」
「さァて・・・どうやってでしょう?」
すっとぼけた返事をしながらベッドを降りる
「ちょ・・・何だよ・・・」
「何でしょうか?」
ゆっくりとした速度で歩いてくる、普段には感じられない威圧感に気圧される
─なんかキャラ違ってるよコイツ─
「待・・・待て、来るなっ!!」
言葉では強気に出るものの、その裏にある弱気は一目瞭然
そんな形だけの言葉など意味を持つわけが無く、すぐ目の前まで迫られていた
そしてゆっくりとした速度で・・・さも当然のように顎をつままれる
軽く握っているようだが、万力で固定されているかのようにビクともしない
「いいか、3日後の8:00にお前を拉致監禁する」
え・・・
「それが成功した場合、お前は人権だの何だのは無視され、俺に好きなように遊ばれる玩具となる」
「なっ・・・!!」
予想だにしなかった言葉に驚き、振り払おうとするが、その腕も軽く握られただけで動かなくなった
「・・・・・・!!」
「いいか、3日だ・・・3日以内に準備しろ・・・人を集めろ、武器を持て、どんな事をしてでも阻止しろ・・・」
頭の中に直接響いて来るような脅しの文句、その言葉に私は、何故か心底恐怖していた
こんなの・・・普段笑いものにしてるヤツの言葉じゃないか・・・何ビビってるんだ私は・・・!!
「『これ』は・・・今の話が白昼夢などでは無い事を証明する為の道具になってもらおう」
そんな事を言うと、今まで私が座っていた椅子を持ち上げ、指先で軽々とへし折ったかと思うと
そのままグニャグニャと鉄塊になるまで折り曲げ、その場に乱雑に放り投げた
「3日だ・・・3日だぞ・・・」
段々意識が遠のき、やがて途絶えた
目が覚めたのは夕方になってからだった・・・
深夜の公道、その一角を占拠するバイクの群れ そう、族の集会である
「オイオイ、今更帰るなんて言い出すんじゃねーぞ」
「うぅ・・・」
少し場違いな気がする、その何倍も後悔しているが・・・もう引き返せないような道に踏み込んでる
何でこうなったんだろうなぁ・・・確か・・・
あの後・・・目覚めてから、数時間呆けていた
警察や親に相談してみようにも、何と説明してよいか分からず・・・
嘘と思いたかったが、全てはグシャグシャになった椅子が語ってくれた
今日と次の日は、そのような形で時間だけが過ぎていった
三日目になり、いよいよ焦ってきた所で、
ストーカーの被害に遭っている、誘拐の予告までされている、と警察に訴えたが・・・
全く相手にされず・・・ただの虚偽妄言という烙印を押されて帰る事になった
このままでは確実にヤバいと─真帆が最後に頼ったのは─不良達だった
毎日行われている族の集会、そこに自分も参加させて欲しいと頼んだのだ・・・
流石にいくらバケモノ染みた力があろうと
この人数の中にいればその間は安全そのもの、手出し出来る訳がない
8時まで・・・
「あと15分・・・」
しかし、族の集会などには初めて来たが、異様な雰囲気に包まれている
というかこの近くだけ雰囲気が明らかにオカシイ
「え・・・?」
辺りを見回すと同姓がいなく、男のみが目をギラつかせ、こっちをチラチラと伺っている
「あれ・・・皆!?」
他の仲間は・・・見当たらない
助けを求めて辺りに目を走らせる・・・が、見慣れない男しか見えない
そうこうしてる内に男の一人が声をかけてきた
「あのさ・・・お姉ちゃん・・・今何歳・・・?」
ヒィィ・・・
「じ、15です・・・」
「へへっ・・・15だってさ・・・」
「ホォ・・・ならまだバージンか・・・」
「この歳相手って犯罪じゃねぇ・・・?」
ヤバそうな会話が飛び交っている
ここまで来るとハッキリ身の危険を感じられる
「どうせこの女も『こういう』トコに来るなら何があるか分かってるだろ」
「じゃあコイツ犯されに来たんか」
「違ってもカンケーねーだろ」
「むしろ据え膳食わなきゃ男が廃るってモンじゃね?」
「ここまで調子こかせてそのままトンズラこかせるなんて考えナメ過ぎだろ」
「ここがどういうトコかキッチリ教えてあげなきゃなぁ・・・」
─そう、彼女はナメていたのだ─
─いくら何でもこんな怪しげな集会に来るなど自殺行為─
─それを分かった上で来ざるを得なかった、しかし頼る相手を根本的にナメていた─
最早形振り構ってられる状態じゃない・・・が、悲しきかな・・・逃げ道が無い
身の回りはグルリと取り囲まれ、バイクとゾッキーが行く手を阻む
(あう・・・あうぅ・・・早く逃げなきゃ・・・)
どうにか逃げるタイミングを計っている、その小さな肩に、無遠慮に手が置かれる
「オジョーチャン、何探してるの・・・へへ・・・」
ついに恐れていた事態・・・周りの男の一人が痺れを切らしたようだ・・・
「なにも・・・探してるわけじ・・・ゃないです!」
強くその手を振り払う
「痛ェな・・・クソガキャァ・・・」
「え・・・」
「オーイ皆、手がイタイよー、この女にケガさせられたよー」
「何?あーホントだ、こりゃヒデェ・・・」
「バイカーが手ェ怪我しちゃってどうすんの・・・」
「ソイツよりも怪我させた奴の方が問題じゃね?」
「確かに、どうオトシマエ付ける気なんだろうかなぁ・・・」
小さな寸劇、大根芝居・・・しかし流れがどうなっているかはよく分かる
「え・・・だって・・・こんなのでケガするわけ・・・」
目の前の迫力に圧され、少しずつ後さずるが・・・屈強そうな大男にぶつかる
「逃げようったってそうはイカないよ☆」
「何、このアマ、逃げようとしてたのか」
「どうするよ」
話がおかしな方向に・・・
「とりあえず当事者同士で話を付けるのが一番だな、てわけでお前はどう思う」
ここでさっきの男が出てくる・・・そして絶望的なGoサインが出る
「オレの手を滅茶苦茶にしたコイツは・・・皆で犯ってくれ」
「えっ・・・やっ・・・」
目の前の男達が待ってましたとばかりに詰め寄ってくる
逃げようとしても後ろの巨漢に押さえつけられて動けない
「ちょ・・・えぇぇぇぇっ!!」
ウソ・・・ウソよね・・・?
私・・・こんなトコロで処女散らすの・・・?
冗談じゃないよ・・・
手が痛いってった人が上に乗って・・・
周りを煽ってる・・・スカートを力づくで毟り取られた・・・
皆が騒いでる・・・煩くて何も聞こえない・・・
あれ・・・?騒ぎすぎじゃない?
それに何か・・・悲鳴?絶叫が・・・皆何だかこっちに興味がないみたい・・・
周りに誰もいない・・・いなくなった・・・どうなってるの・・・?
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