「もしもポケットを拾ったら~斎藤明人の場合~ 第2話」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

もしもポケットを拾ったら~斎藤明人の場合~ 第2話」(2007/12/02 (日) 16:38:06) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

「うっ……」 少女の腹部の傷を見た瞬間、凄まじい吐き気に教われた俺は洗面所に駆け込み嘔吐してしまった。 …我ながら情けねぇ… その場に座り込み額に手を当て、自己嫌悪に陥る俺…… まだ少し気分が悪い。 仕方がない…まさか、刀傷があそこまで酷い物だとは思わなかった。 肉が生々しい程に裂けていた… そんな物を見て、平然としていろ等と血が苦手な俺に言うのは正直――酷だ。 俺はそう自分に言い訳をするが、やはり(タンマウォッチで時を止めているとは言え)恐らく生命に関わるであろう大怪我を負った少女を放置してこんな所に駆け込んだ自分が酷く情けなく……許せなかった。 『弱者をけして見捨てるな…そして、自分より力がある人物だろうと、気にくわない人物だろうと、困っている者には救いの手を差し伸べろ。』 俺がガキの頃から、あのハゲ親父に言われ続けた事であり、それがいつの間にか俺の座右の銘と化していた言葉だ。 「よしっ!」 パシッっと自分の頬を叩き、気合いを入れ直すと意気揚々と、自室に寝かせてある少女の元へと向かう。 「うっ……おぇぇえっ」 ※お食事中の皆様申し訳ありませんでした。 ……まさかの2連敗。 あぁ、情けねぇ~~。 情けねぇよ俺…… こんな時に何か使える道具は…… ………って……何してんだろ、俺? 「情けねぇ」とか言いつつ、何故道具に頼るんだ? 俺は再び気合いを入れ直し、自室へと歩を進める。 目の前にはベットの上に横たわる少女… なるべく傷口を見ないように近づきながら、ベットの傍らに膝を落とし、持ってきたタオルで傷口の回りの血を拭う。 「うっ……」 その生々しさに再び嫌悪感が込み上げてくるが、慣れて来たのか、さもなくば胃の中が空だからか…  再びあの醜態を晒すような事は無かったが、胃液が押し上がってくる感覚… 俺はその感覚から逃れるべく、傷口から目を反らすようにしてこべり付いた血を拭う… 目の前に居るのは和服を着ていた女の子…当然、と言っていいのだろうか? 和服の下に下着は着けていなかった。 つまり、腹部にある傷口から目をそらせば――まだ産毛程度の毛しか生えていない割れ目が飛び込んできた… それに反応してゆっくりと鎌首をもちあげる正直者の我が息子―― 「つーーっ!」 何考えてるだ俺はっ! 目の前に居るのは、14歳位の女の子で、しかも怪我人だぞっ!! 俺は、胸の奥に膨らんでいく淫らな感情に体を任せてしまいそうになるのを押さえるために、今まで向いていた方向とは反対側に目を向ける。 我ながら馬鹿だった…… そこに在ったのは、苦痛に耐える表情で固まった可憐な少女の顔…… そう、丸で女としては、まだ未熟なアソコにいきり立つ剛直を無理矢理――って自重しろ俺。 何考えてんだよ! これじゃ只のロリコンじゃねえか!! 更に状況は悪化する…こっちをを向いていると、まだ未発達な幼い胸の膨らみや、その頂点にちょこんと存在しているピンク色の可愛い乳首が……その絶景(?)と俺の脳内妄想に我が愚息はズボンの中でも暴れまわっている。 不味い……非常に不味い……このままでは、俺の自制心は、1ラウンドとたたずにKOされてしまう。 そうすれば俺は犯罪者だ…親父にでも知れようものなら、大昔に悪行を繰り返したのに、どこか憎めない自称大妖よろしく。 裏の倉庫の地下室(あるかどうかは知らないが)に何とかの槍で縫い付けられ兼ねない…… 実際、こちらには秘密道具があるのだが、精神的にかなり追い詰められており、パニックになっている今の俺の脳内からは、秘密道具と言うものの存在は締め出されていた。 仕方がなく、腹部の傷口に目を戻す… その瞬間、ニュータイプ並みの反応速度でへたり込む我が息子、と同時に駆け上がってくる嫌悪感。 それからどの位たったのだろうか… まぁ、タンマウォッチで時は止めているが、体感時間としての話だ。 酷く長く感じられたその時間は、巨大絆創膏を張り、薬を飲ませ、ベットの上に横たわる少女に、タンスの奥から引っ張り出してきた高校時代のジャージを着せて終わりを告げた。 「うぅっ……何だかやたらと疲れたな…」 拷問とも言える時間を乗り越え、タンマウォッチを切ると俺は脱力し、ベットの縁に寄りかかりその場に座り込む。 疲れに任せ、瞼を下ろすと、不意に背後に寝ている少女の胸や陰部がフラッシュバックしてきた。 一瞬の内に目に焼き付いたそれが、鮮明によみがえってくる。 うっ…不味い、最近忙しくソロプレイさえもご無沙汰の愛しき我が子が再び……ってもこの年になってソロプレイ以外経験していないんだけどな(泣) しかし――俺は斜め後ろに居る少女に目を移す。 先程とは違い、安らかな寝顔で、すぅすぅ と可愛い寝息を立てていた… ――この子が近くに居るんじゃ、まさか此処で、ソロプレイは出来ねぇし、かといって親父の部屋やお袋の部屋に、いつ親父が帰ってくるかも解らないリビングは論外だし…… …この際だ、長期間防衛を果たした童貞の称号を捨てるべく、街に繰り出すか! 街に行く準備として、プレハブ小屋の同好会室で作っておいた秘密道具を組み合わせた物を幾つか取り出す。 まず一つ目、コンタクトレンズ+タイムテレビ。 こいつは文字通り、俺の血と涙の結晶…え?どういう事かって? 俺はこいつを作る時、タイムテレビの機能を残したまま、コンタクトとして目に入れられる様にするために失明しかけたと言う事だ。 目に入れた瞬間、厚みを抜き取っておいたソレが、液体(涙)に触れる事で厚さを取り戻して……思い出してて眼が痛くなってきた…(泣) オマケに、お医者さん鞄を使ったら近視まで根治しやがったぜコンチクショー!! 一体全体どういう原理なんだ!? この時に、後で親父にハゲがなおる薬でも高額で売り付けてやると決めた俺は何て親孝行息子だ…(感 近視矯正をしなく出来たお陰で、コンタクトとしての機能を無くす変わりにタイムテレビの機能をつけられたが……使ったのは無論技術手袋だ。 更にもう一つ、虫の知らせアラームに“マナーモード”と言う画期的な機能を付けたものだ。 まぁ街中でビービーなる物を余り持ち歩きたく無いしな。 さて、準備はこの辺にしていざ行かん!悲しき称号に別れを告げる旅へと!! 「ん?あれは…」 取り寄せバックで玄関に置いてあるフライングブーツを取り寄せ用とした俺の目に、虫の知らせアラームを取り出した最に落としたらしき箱に入った三日月型の薬が止まった。 あれは…確か『月のツキ』って、道具だったよな? 飲んだら超ツキまくりとか言う……取り合えず、宇宙完全大百科端末で調べてから、副作用が無ければ飲んでみるか。 【月のツキ】ゴーゴーシュンギクから作られた三日月状の錠剤。効果としては、飲んだ者は30分間信じられない程、運が良くなる。普段不運な程効果は高い。 うむ、秘密道具に付き物な理不尽な副作用は無いみたいだな。 俺は安心すると、その三日月状の錠剤を口の中に放り込む、と飴の様な味わいが広がり物の数秒で錠剤は綺麗に溶けてなくなった。 そんな、春菊から作ったとは思えない後味を堪能しながら、先程とり寄せてベランダに置いておいたフライングブーツを履くと、ベランダから満天の星空へとダイブする。 轟と風が俺の回りで渦を巻く音、体にかかる空気の圧力、まだ数回しか味わって居ないが、俺はこの重力に逆らい、急上昇するこの感覚が病み付きになっていた。 ミラクルミキサーであらかじめ服に合成しておいたエアコンボールのお陰で身を切る様な冷たい風も爽やかな春風のように感じられた。 しかし、今は夢見心地の空中遊泳よりもチャッチャと童貞を卒業しちまうのが先だ。 俺は、未体験の快感を夢見て街の明かりを目指し、加速する。 俺は風を切って突き進む。流石に冬の空の風は冷たく、エアコンボールが合成されたせいで効果を落としているのも相成って頬を切る風が冷たいが、それも今は心地よく感じられた。 「……っと…………らない…ば…」 耳元で風が轟々と音を立てる中、微かに誰かの叫び声が耳に届いた。 その微かな声に必死さの様な物を感じた俺は飛ぶのを止め、宙で制止しその声の主を探す――居た。 コンビニの前、白いダウンコートを着た人物とセーラー服を着た人物を、バイクに乗った七八人のいかにも“田舎の不良”もしくは“オールドヤンキー”とでも言うべき奴等が囲んでいる。 先程の大声は白い服の女性が発したみたいだ。 俺はタイムテレビの機能を使い、二人の女性をアップで見てみる。 もしも、この二人が不細工だったならば、タンマウォッチで時を止め、その間にオールドヤンキー達を近くを流れる奈良井川に投げ棄てて違う女の子を探すつもりだったが―― 何と言う幸運! 流石、月のツキは伊達じゃない!! こんなナイスなシュチュで襲われている二人はかなりの美人と美少女。 何と言う漫画的展開!! 何と言う萌え――否、燃える展開!! しかも、白い服の美人さんの方は何度もキャンパス内で見かけた事があるぞ。 生物の講義の際、いつも俺と孝介の斜め前の椅子に座る人物だ。 セミロングのブロンドヘアと利発的な印象を与える大きな瞳が印象的な端正な顔立ちの彼女…… その背中に隠れるようにして震えてる子もかなりの物だ。 黒いショートの髪にメガネが似合う、所謂“委員長タイプ”の少女、着ている制服は県内有数の進学校の物だ。 「こんなチャンスが逃せるかってんだ…(ニヤ」 俺はピアスの石ころ機能をONにすると、コンビニの裏の路地まで急降下し着地する。 次の瞬間、先程の女性の物であろう…「きゃあっ」と言う短い悲鳴が鼓膜を震わす――と同時に俺は走り出して居た、そして路地から飛び出す。 丁度、男の内の一人が白い服の女性の後ろに隠れるようにしていた女子高生の腕を無理矢理引っ張り、自分の腕を少女の肩に回していた。 そして、「ねぇ、お嬢ちゃん、お兄さん達と楽しいトコ行かない?」などと耳元で囁いている。 当然、その眼鏡の少女は嫌悪感を露にしているが男性はおかまない無しだ。 白い服の女性は、眼鏡の少女を気にしながらも、背後から取り押さえられ、誘拐紛いの状態で連れ去られては堪らないため、回りの男性に刺すような目線を送っている。 その眼が語っているのは凄まじい侮蔑の言葉――だが、それがかえって男達の嗜虐心を煽っているようだ。 さてと、そろそろヒーローの登場と行きますか。 俺は路地裏から一気に飛び出す。 「女性に無理強いは良くないぜ?」 よしっ!取り合えず決まった… 一回言ってみたかったんだよなぁ…このセリフ♪ 「あぁ!?何なんだテメェはよ!口出ししてんじゃねぇよ!!」 眼鏡の少女の肩を抱いている男が振り返りながら此方へ向けて罵倒を吐く。 次の瞬間、男の声も聞かず、俺は動いていた。 人間とは思えないスピードで跳躍し、(フライングブーツの力なので当たり前)相手の脇をすり抜け、手刀を相手の脇腹にお見舞いする。 無論手袋をしたままで、たったその一発であのガタイのいい男が両膝をついて脇腹を抑え動かなくなる。 仲間がやられたのにキレたのか三人纏めて殴りかかってきたが、俺(秘密道具)の敵では無い、中国雑技団ヨロシク。 俺は三人の頭上を飛び越えると、手袋での拳打を三人に浴びせる。 三人は数メートル吹き飛び、ピクピクと痙攣している。 そして、恐怖の表情を浮かべながら逃げようとする最後の一人に、フライングブーツの力で加速した蹴りをお見舞いする。 どうやら、闘いは呆気なく終わり、勝利の女神は俺に微笑んだようだ。(当たり前) 「ふぅ、こんな物かな…」 全く“俺”の力では無いが… と、その時虫の知らせアラームが震え、視界の端に光りを反射する銀色の物体が写り込んだ。 俺は瞬時に時間を止めると、背後を振り返り、驚いた。 それは、もう腰を抜かすほどに…… 決して最初に手刀を食らわした男がナイフを俺に突き立てていた事に驚いたのではない。 まぁ確かに、それはそれでは驚くべき物だが…… 俺の目には、もっとインパクトの有るものが飛び込んできたのだ。 それは、ナイフを持った男の頭に、今まさに直撃しようという白い服の女性の足だった。 当然、そこまで高く足を振り上げれば、パンツの中が丸見えな訳であり…眼福、眼福。 しかし、こうなれるとこのまま時間を動かすのは実に勿体無い…… さて、じっくりと観察してみるか… 高く振り上げられた足により、伸びているその布は股に張り付き、そのお陰で、割れ目の形が綺麗に浮き出ている。 流石に、不良に囲まれてホテルか何処かに連れ込まれようという事態で興奮するような淫乱では無いらしく、乾ききっていたが…よく見ようと顔を近付けると、女性特有の柔らかい薫りが漂ってくる。 しかし……だ。 俺はここで一つの問題にぶち当たった。 目の前のこの娘に悪戯をして、体の一部を動かした場合、再び時を動かした時にバランスが取れず、倒れてしまうのだ。 それは、よろしく無いのでターゲット変更。 未だこちらに怯えた視線を送っている眼鏡っ娘。 君に決めたっ!! さてと…先ずは、セーラー服の前をたくし上げる。 そこにあったのは純白ブラ、こいつはハサミか何かで切ってもいくらでも直せるのだが、ここはあえて上にずらす。 小気味よくプルン!と揺れるはずの白い乳房は、時を止めているせいで歪んだ形のまま止まっている。 それにしても……でけぇ……一体いくつくらい有るんだ? さてと…次は…スカートに手をかけ、脱が…いや…思いっきり横に引き裂く。 ビリッ! といい音を立てて裂けるスカート…その向こうにあったパンツは無論ブラと同じ純白のパンツ… ちょっぴり湿っているのは、どちらかといえば、この事態にビビり、チビってしまったおしっこであろう… さてこの娘、どうしてくれよう… ---- [[次話へ進む>もしもポケットを拾ったら~斎藤明人の場合~ 第3話]] [[戻る>鬱さん]] [[小説保管庫へ戻る>小説保管庫]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: