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もしもポケットを拾ったら~斎藤明人の場合~ 第1話」(2007/12/02 (日) 16:35:20) の最新版変更点

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その後も、俺はフエルミラーでコピーした道具を片っ端からミラクルミキサーにたたき込んだ。 その中から二、三個よくできたものを紹介しておく。 石ころ帽子+イヤリング+天才キャップ+その辺の電気のスイッチ+サイコントローラー。 こいつは中々いい、付けていれば天才になれるし、石ころ帽子の機能はオン、オフを思うだけで切り替えられる。 ただ一つだけ問題があった。 色々と機能を詰め込みすぎたようで、 普通に付けていて不自然じゃない形、大きさにすると石ころ帽子の連続使用可能時間が三十秒ほどしか無いのだ。 まぁタンマウォッチと併用すればそれほど問題はないだろう。 次に、 スーバー手袋+ヒラリマント+光線銃+手袋。 銃身は見えていないためあまり不自然なデザインではない。 こいつを付ければ手からレーザーを打てる。 つまり、町中で突然、 “明らかに一般人と違う世界に住む黒スーツの御方” に声をかけられてもなんとかなる。 ……極力、使用機会が無いことを祈るが。 ちなみにスーパー手袋の他に市販の手袋も入れたのは、市販の手袋を別に入れなかったとき、 人差し指の部分が銃身という普段付けて歩けない代物になってしまったからだ。 ちなみにほかにも色々と作ったが、それは後のお楽しみで。 他にはこの小屋の裏に地下室をつくり、そこに今朝親父の部屋からくすねてきた万札をフエール銀行に何枚か入れたくらいか… まぁ、とりあえず今日のところはこんなもんでいいだろう… 午前中の講義が終わる前に帰らねーとな… 今日は俺受ける講義ないし… ガチャ、 タッ! 俺はドアを開け、地面を蹴ると華麗に空へ飛び… フワッ ドゴッ! 「うっ…」 …上がらなかった。 フライングブーツのみが飛び上がりそこを基点に、乗り遅れた体が回転し、 何とも情けない格好で後頭部を強打した。 「痛ぅ……」 頭の奥に鈍痛が響く。 とりあえず、お医者さんカバンで診察し異常が無いことを確かめ、気を取り直して再出発。 「重心は足の中心…足を肩幅に開いてゆっくり…」 …なんか様にならないな…真面目に、ダセェ まぁ慣れるまでだ。 フワッ 今度はきちんと、体が舞い上がった慣れてしまえば楽なもだった。 …そうだな… スキーやスノボーの感じに似ているな…… 五、六分ほど学校の上空を旋回し、慣れてきたところで自宅、明覚寺へと向け一気に加速する。 ちょっと自慢と愚痴が交ざるが、 こんな俺でもスキーだけは自信がある。 クラスの間で運動音痴のちょっと顔のいいオタクと呼ばれ、 一部の頭のビスが数本吹き飛んでいそうな趣味の悪い、ブスな女子にさえ敬遠され、 冴えないデブにさえも負けてきた俺の…… すまんかなり私怨が入った…… とにかくスキーだけはSAJ(日本スキー協会)の検定で一級と言う自慢できる物を持っているわけだ。逆に言えばそれしかないが…… 二分後… よしっ!ついた!! 「はぁ…毎日チャリで三十分以上かけて通ってたのが嘘みたいだ… さて…とっとおりて飯にするかな…ん?門の前に…人…かあれ?」 俺はかなりの高高度にいたため、ここからではよくわからないがどうも赤い服を着た人… がいるようにみえる。  こんなボロ寺に人が来るなんて… あーっくそ! 天才石ころピアスを使ったとしても降下中に効果が切れたら… 一気に時の人になってしまう! エロい事に使うとしても、 ジ〇ージ・ブッ〇ュに一泡吹かすにしても、 世界征服するにしても、 ばれない方がいいに決まってる! しかたねぇ…少し下におりてそこから登るか… 十分後… !!!! 坂を上り切った俺の目に飛び込んで来たものは、 人は人…十四歳前後の女の子だった、 しかし、門の前に立っていたのではなく、倒れていたのだ。 しかも、赤い服に見えたのは、血に染まった白い服だった。 血の水溜まりが出来ている。 情けないが、真面目にクラッときた。 血を見て気を失う奴がいるってのはあながち嘘じゃないらしい…… この娘を見つけてからすでに十分ほどがたっていた。 「おいおい…マジかよ、なんだってこんな… 出血量も半端じゃねーし……とりあえず、時間を止めて…」 カチャ その音が響いた次の瞬間動いてるものは、俺のみになった小鳥も空中で静止している。 とりあえず落ち着いて…っと時間は止めたからこれ以上事態が悪くなることは無いからな… 俺は改めてその少女を観察する。 真っ黒な髪は腰の少しうえまで伸びていて、この出血のせいだろう顔は真っ青、血は腹部の広い範囲を中心としてでている。 身長は百六十センチ程度…かな? あぁっとそれよりも、まずはお医者さんカバンだな… 俺はお医者さんカバンを取り出すと、聴診器のような部分を彼女へとあてる。 すると診断結果が出てくるわけだ。一体どんな仕組みになっているんだ? 機械がいかにもなロボットボイスで診断結果をつげはじめた。 『腹部の刀傷と全身―― 「刀傷!?刀傷って刀で切られたってのか?」 カバンに向け叫ぶ俺、しかしカバンはそんなことを気にせず(当たり前か)説明を続ける。 ――打撲。この絆創膏をはってこの薬を飲ませ、安静にしておくこと。』 機械から巨大な絆創膏とビンに入ったクリーム色の液体がでてくる。 オイオイこの出血量で輸血はし無くていいのか? まぁ、ヤレといわれても無理かもしれないが…… はぁ…それにしても、刀って… 早くも黒スーツの方々につながりが出来ちゃったかも……一般人が首を突っ込むと痛い目に合うかもな…どうする?やはり首を突っ込まないほうが… いや…この道具さえあれば、黒スーツどころか 体のどこかに赤い球体のある神の使いが実在したとしても勝てるだろう……たぶん。 それに、こんな少女を見殺しにしたら、最低な人間になっちまう…… つーかそんなことしてばれたら親父に殺されるな…… とりあえずこの娘を俺の部屋に運ぶか。 時間を止めてるからここで手当てをしてもいっこうにかまわないのだが… まぁ怪我人をアスファルトの路上に起きっぱなしってのは気分的に…な。 何?言い訳なんか聞いてないって? いや、俺が言いたいのは決してやましいことが目的でこの少女を部屋に入れる訳じゃないって事さ、 俺は人の弱みに付け入るようなことはしない…多分…理性の在るうちは… 俺は彼女をお姫さま抱っこの形で持ち上げ、部屋まで運ぶ。 このハイパー手袋(適当に命名)のおかげで軽がる持ち上げることが出来た。 まぁ服に血がべっとりと付いてしまったが、タイム風呂敷で治るだろ。 都合のいいことに今日は頑固親父がいないのだ。 おっと、手当ての続き…まずは、血を拭き取らないと… あぁ血を拭き取ってこの巨大な絆創膏を貼るって事は、服を脱がせないと無理だよな… 保てよ、保ってくれよ我が理性、我が自制心。 そして、消えてくれ心苦しい罪悪感よ。 やっぱこんなことしても何も変わらないか… 俺は精神集中(?)を終えると少女の和服の帯をほどく、そして和服に手を掻け前を開ける。 まず俺の目に飛び込んできたのは、 まだ未発達な胸でも、 うっすらと毛の生えた下腹部でもなく、 三十センチはある巨大な傷口だった。 ---- [[次話へ進む>もしもポケットを拾ったら~斎藤明人の場合~ 第2話]] [[戻る>鬱さん]] [[小説保管庫へ戻る>小説保管庫]]

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