定量目標のウェブサイトへの具体的な応用例
定量目標と聞いて真っ先に思いつくのが、ECサイトにおける「月商目標100万円」などという売り上げ目標ですが、ウェブサイトの定量目標はそれだけではありません。
次にウェブサイトならではの、「来訪ユーザー数」についての定量目標を解説します。
- 月間ページビュー 5万
- 月間日ジット 1万
- 月間ユニークユーザー 5,000人
ページビューは、HTMLページの観覧総数を指し、ビジットはセッションとも呼ばれ、ウェブサイト内での一連の行動をした固有のユーザーを指します。また、ユニークユーザーは、ビジットのような延べ人数ではなく、特定期間内に何人のユーザーが観覧したかを指す指標で、複数回訪問した場合も1つに数えられます。そのため、「ウェブサイトに、どれだけの人が関心を寄せているか」がより明確になります。
PageView(PV) |
ページを訪れた全ての人が表示したページの総数 |
ページ観覧を比較する際に使われる、最も簡単な単位。 |
Visit |
来訪者数 |
一人がアクセスしてきたのを「1Visit」とする単位。その人物が、サイト内で何ページ開いたかには関係がない。その訪問者が、サイト内で他のページに移動しても、把握するにためにはプログラムが必要になる。 |
企業のウェブサイトでは、ただやみくもにユーザーを集めるだけでは商売になりません。扱っている商品に関心のないユーザーやターゲット想定外のユーザーを数多くサイトに誘導したところで、ビジネスにはつながらないのです。
これまでは、ユーザーの質が見過ごされがちでしたが、これからの企業サイトでは、いかに有料顧客を集められるかかが勝負になります。そこで次のような定量目標を設定します。
■コンバージョンレート
コンバージョンレートとは、ウェブサイトの訪問者数に対する、「商品購入」「資料請求」「会員登録」などの、具体的なアクションを行ったユーザーの割合です。例えば、5,000人のユニークユーザーのうち、100人が商品を購入した場合のコンバージョンレートは5%となります。
コンバージョンが発生する例
ここで商品購入ボタンをクリックして、初めて「ユーザー」から「顧客」へのコンバージョンが行われます。
ホーム⇒カテゴリページ⇒商品情報ページ⇒資料請求ページ
ホーム⇒カテゴリページ⇒商品購入ページ
このコンバージョンレートは、ウェブサイトの「有料リスティングサービス」などの費用対効果を計る上で、非常に重要な指標になります。従って、サイトの運営時には、アクセスログなどをこまめにチェックし、常にどれくらいのコンバージョンレートがあるかをチェックする必要があります。
実際に、コンバージョンレートを上げるには、コンバージョンが行われているページに、いかに、ユーザーを誘導するかが重要なポイントになります。
そこで、次のような定量目標を設定することがあります。
■直帰率
直帰率とは、ユーザーが検索エンジンからやってきた場合に、入り口のページを見るだけで、すぐに、戻ってしまう割合です。
例えば、サイトのホームページで、直帰が多数行われた場合、商品購入や資料請求などのコンバージョンが行われる可能性は非常に低くなります。
直帰率を減らすためにには、魅力的なコンテンツの配置が重要になります。一見、販売に直接つながらないような、「エンターテイメント系」や「コミュニティー系」のコンテンツを通じて、「会社」「商品」「サイト:に親しみを持ってもらえれば、コンバージョンへとつながる率も高くなります。
また、「有料リスティングサービス」を利用する場合も、サイトのホームページではなく、コンバージョン率の高いページに誘導することが成功への近道です。
これらのウェブならではの定量目標を設定してはじめて、ウェブサイトの具体的な「戦略」、そして、ウェブサイト制作に対する「投資額」を検討することが可能になります。
最終更新:2007年06月06日 23:36