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■ベルガ

 

アーベルジュ
アルベール=アルヴァレス  Albers Alvarez
フランドル軍にあってはアルベルジュ、ブリタニア軍に亡命してからはアーベルジュと綽名された。

人物
故国ベルガを隣国プロイツェンに滅ぼされ、その復讐のためフランドル王国軍に身を投じた、旧ベルガ騎士。
常にフランドル軍の陣頭にあってガリア中に死をもたらし続けた彼は、いつしか「ベルガ人の死神」と称され、諸国列王の恐怖の的となった。
まず東の仇国プロイツェン、そこから東進してロンバルド、ひるがえって西のカスティリヤを滅亡させ、さらに渡海して北のブリタニアに致命的な一撃を与えるなど、その目まぐるしい軍事行動の華麗さ、壮大さは他に類を見ない。
同時代の人間にとっては、敵味方を問わず、直視することさえ畏れられるほどの生きた伝説であったといえる。
 
「聖戦」の最終段階となるブリタニア遠征では、別働隊である第三陣を率いて主戦場を迂回し、一挙にブリタニア軍の後背を衝くが、作戦行動中、咄嗟にひとりの村娘を庇ったため、部下の騎士と決闘沙汰になり、ついには自分の軍団を捨てて逃亡してしまう。
ところが、その村娘が実はブリタニア女王であった事から事態がややこしくなり、なし崩し的に女王を保護する形でブリタニア軍に身を投じることになる。
それから3年間、強大な神聖フランドル帝国軍を相手に戦い続け、ブリタニアの英雄としての地歩を固めたが、帝国暦4年のヴェルセーヌ休戦調停会談において、暗殺者の凶弾に倒れる。
享年は不明。
墓碑銘には、当代の詩人・ルーナ=バラッドが彼に捧げた一節より、

多くを殺し 多くを生かした
多くを悩み 多くを為した

と刻まれた。
 


容姿
不明。20代のイケメン説から50代のナイスミドル説まで、幅広いイメージを聴き手に与えている。「約束の丘」から「聖戦と死神」までにかなりの年数が経っていること、じまんぐ声がどう聞いてもうさんくさい髭の男を連想させてしまうこと、などが理由として考えられる。
ローザが「熊のような大男だと思っていたのに」と意外そうに呟いている以上、それとは逆の、魁偉とは程遠い容貌なのだろう。
 
ちなみにこれは現代の話だが、ヨーロッパではベルギー人を「ちょっと鈍いノッポ」というイメージで括っているらしい。ベルギー人が概して長身なのは事実で、その国民性も野暮ったい、という軽い皮肉が込められている。こういう揶揄をするのはたいていフランス人で、彼らから見たら大概の外国人はバカに見える上に、フランス人とベルギー人は元々仲が悪いようだ。もっとも、“ベルギーの小男”名探偵ポアロがそうであるように、彼らの妙に高い愛国的プライドが滑稽に見えるという事もあるらしい。常に近隣の脅威に脅かされてきたベルギーという国は、地理上の必然から得た多言語制だけでなく、「我こそはベルギー人」という強烈なアイデンティティを育んでいるのだ。
フランドル人に散々利用され、ブリタニアの女王に「ばか」と一言で喝破され、なお国土回復を渇望したアルヴァレスの生き様も、ある意味それと通じるものがある。
 
…話がそれたが、要するにアルヴァレスは質朴なのっぽだった、という風貌も考え得るわけだ。


雑記
彼の出自は、王子説から平民説まで色々あるが、「アーベルジュの戦い」の中で、

母さんと木の実を拾った森・・・
父さんと釣りをした川・・・
君と約束を交わした丘・・・

という一節があり、これがアルヴァレスの事であれば、少なくとも深窓に育てられた若君というわけではないようだ。
しかし、武技に長け隣国の客将としてフランドル国王に寵遇されるあたり、文字を読めぬ平民とも考えづらく、地方領主、あるいは騎士級の出自であったと考えるべきかもしれない。
つまり、豊かな森に囲まれた平和な故国の一地方で、地方貴族の子弟として平穏な青年時代を暮らしていたのではないだろうか。

「約束の丘」の一説に

何があろうと僕は必ず 君の元へ帰って来るよ...

と誓うシーンがある。
永遠の愛を誓う、というわけではない。彼はこれから、長期にわたってシャルロッテの元を離れなければならないらしい。しかもその時のシャルロッテの答歌は

ええ信じてるわ 愛してるもの  忘れないでAlbers

だ。無事を祈るのではなく、「忘れないで」。
ということは、出征に赴くのとはちょっと違う節回しだ。
この当時、まだフランドル国王キルデベルト6世は覇業を初めておらず、ブリタニアは冬薔薇の女王の圧政下にあり、ガリアは全体的に平穏であったかもしれない。
そんな状況であれば、貴族の子弟が故郷を離れる理由は山ほど考え得る。たとえば王宮への任官。たとえば修行の旅。例えば他国大学への留学。あるいは国使の顧従…などだ。
いちいち誓いを立てているあたり、アルヴァレスが自発的に旅立ったのではないか、という気もする。
 
いずれにせよ、この夕日の丘で交わされた誓いは、恋人同士の絆を再確認するような、彼らの若い行為であったに違いなく、永別を覚悟しての悲壮なものではなかったはずだ。

 

 

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