…ツンが死んだ。
安定していたのだが、容態が急変。一週間後に…。
今、これを書いているのは12月。
…何の因果か、ツンの臓器が俺に適合した。
そして生きながらえている。
遺品から無理を言って、手作りのマフラーと貝を貰った。
渡さずに終わったネックレスも手元にある。
思い出がある。
だから生きている。
俺は今、あいつの好きだった海の清掃ボランティアをしている。せっかく貰った命だから…。苦しいけど、不思議と寂しくない。
海が近いからだろうか。
ツンを近くに感じるからだろうか。
*
…そういえば
マフラーにこんな手紙が挟まっていた。
normalend
~君の夢の終りに~
『誕生日を聞くのをすっかり忘れていて、クリスマスに合わせようと思ったマフラーです。寸法はバッチリだと思うけど…。してくれるかな?
…別に嫌ならしなくてもいいのよ!
…今は手袋を勉強中です、出来たら絶対につけさしてやる(笑)
…二人分巻ける長さにしたから、今度一緒に歩こうね?』
fin
最終更新:2006年11月04日 01:44