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憂鬱だった。

瞼を開ければ、真っ白い天井。
どこまでも清潔で・・・異常など見当たらない。
そんな天井を見て・・・

腹が立った?むかついた?

わからない、
ただあるのは「憂鬱」

異常だらけのこの体、異常が全く無い天井。
あまりにも対称的すぎて・・・

ふと思う。

男(天井に嫉妬するなんて・・・末期だな・・・)

幾度と無く流れる幸せだったころの自分
幾度と無く思い返される異常が無かったころの自分
時は無為に流れ、確実に終着駅に近づく。

別に構わない。

そう思ってる俺のところに・・・

女は現れた。

医者と共に入ってきた女。
さらりと長い黒髪。
結構美形で・・・大人しげな感じ。
大和撫子ってところか。

ちょっとした医者の説明を受けて、医者は去っていく。

女と目が合った。


女「ちょっと!なに見てんのよ!」


訂正。
大和撫子→ツンツン

偶然同じ部屋のこのツンツン。
見た目が大和撫子、中身はツンツン。
新ジャンルもびっくりのキャラッぷり。
見た目と中身がここまで違うのも・・・いやはや。

女「じろじろ見てんじゃないわよ!」

どうやらしばらく、この怒声を聞きながら生きていく必要がありそうだ。
日常を打破してくれた女に。

ふざけるな

ありがとう

どちらの言葉を心でつぶやくのか。
俺はまだ決めかねていた。

女が来てから、この部屋も人の出入りが多くなった。
千客万来、誰かが来ては、

「ツン、頑張りなさいよ!絶対良くなるから。」
「早く学校に帰ってきてね。」
「寂しいよ」
「毎日会いに来るぞ」

輝かしい友情、家族愛。
1ヶ月前、自分で経験したその出来事が。
今、女のもとで起きている。

正直言えば、羨ましかった。
俺がもし、普通の病気なら・・・
今頃は・・・

「男!頑張れよ!絶対良くなるから」
「気持ちを強く持てば、早く良くなるからな!」
「お前がいないから部活に張りが無い。とっとと直してカツを入れなおしてくれ!」

1ヶ月前の出来事。
両親のいない俺にとって、友人たちの激励は力になった。

きっと早く良くなる。

そう信じていた。


一週間が経って・・・

徐々に見舞いに来る友人は減った。
俺の病状は悪くなる一方で
目に見えて衰えていくのがわかった。

2週間が経とうとしたとき。

「男・・・悪い・・・もう俺・・・来れないよ・・・」

最後の友人、いや、親友が泣きながら伝えてきた。
当然だと・・・思う。
俺は悪くなる一方で。
日に日に死んでいってる。
それを経験する俺以上に、あいつは・・・
辛いのだ。

男「あぁ、サンキューな、治ったら・・・また一緒にゲームでもしような」

男のくせに涙もろかったあいつは、
俺のベッドで大泣きした、
そして泣き止む頃に

最後の見舞い客は・・・いなくなった。

いつの間にか、部屋は静かになっていた。

男(見舞い客は・・・帰ったんだな。)

そう思い、女のほうを見ると。
じっとこっちを見つめる女がいた。
なにやら勝ち誇った顔をしている。
そんな女を見て俺は、言い放った。

男「こっち見んな、バーロー」

とたんに女が顔を赤くするのがわかる、

女「何よ!あんただって見てたじゃない!」
男「だから言い返したんだろ?」
女「グッ!・・・」

なんというか・・・扱いやすい。
理論武装なら負けないかも、と思う。
と言うよりあいつが弱すぎる
これはしばらくいいからかいのネタになりそうだと思ってると、女が反撃してきた。

女「はん!見舞いに来てくれる両親も友達もいないの?まさかあんた学校で孤独気取ってたんじ・・」

ガチャリ

どうやら、今唯一の、俺に対する見舞い客がやってきたようだ。

私の知らない恰幅のいいおじさんが現れた、
私が知らない以上、きっと男に対する見舞い人だろう。

?「大丈夫か?男」
男「あぁ、あんまり変わらない。」
?「頼まれていたものを持ってきたぞ。何かあったら言うんだぞ。」
男「・・・あぁ、わざわざありがとう。」
?「・・・新しい入院患者か?」
男「あぁ、今日、今さっきか・・・」

そう言ったあと、知らないおじさんが近づいてくる。

?「男の叔父です。無愛想な奴ですが、いろいろと話をしてやってください。あいつは長いこと病院にいるので退屈してると思いますので・・・」

優しそうな叔父さんだった。
声に多少、棘があるのを除けばの話だが。

女「はい、私もきっと退屈すると思いますので、いろいろと話をしたいと思っています。」
叔父「ありがとう、聡明な方で嬉しいよ。じゃあ男、また明日、来るからな。」

男の叔父さんは、そういい残して病室を去った

女「ふーん、一人くらいは心配してくれる人がいたのね」

勝ち誇って男を挑発する。
なんとなくさっき言い負かされたのがチャラにした気がした。
男は反応しない。
ちょっとした沈黙が続く、いよいよ優越感に浸ってたとき。

男「心配もするだろうな、相続の手続きが終わるまでは、俺に死なれちゃ困るだろうし。」

何気ない男の一言。
その一言は、優越感に浸りかけ、言い負かされたことをチャラにした気になっていた私の心を

跡形も無くぶち壊した。

両親が死んだ俺に残されたのは、結構な遺産。
一体どこに・・・溜め込んでいたのだろうか?俺が今入院できているのはそのお金のため。
俺が死ねば・・・・・・政府に回収され、消えてなくなるお金。
その前に叔父が手続きを終えれば、晴れて叔父たちのもの。
手のひらを返したように俺のことを構う叔父に、俺は吐き気がした。




ちょっとネタが思いつかないのでつなぎ。

読んで期待してくれてる人がいれば、ハッピーエンドか、バッドエンドか意見していただきたい。

女「どういうこと?相続って?」
男「簡単に言えば、誰かが死んだ場合、死んだ人が所持してた財産を決められた人が継ぐってことだ。」
女「・・・・辞書的な意味なんて聞いてないわよ!

ボフッ!と言う音と共に男の顔に投げつけた枕が着弾する。
決して途中の海(床)に着弾するようなことは無い、命中精度はどっかの国もびっくりだ。
制裁を加えた後、息も尽かさずに言いはなつ

あんたが何で財産なんて持ってるのよ!」

男「両親・・・死んだよ、俺が入院する1週間くらい前に。」

跡形も無く・・・優越感は全てぶち壊されたはずだったのに。
男の台詞は、さらに私の傲慢さを、ぶちのめした。

おまけ

女「ッ!!、1ヶ月ちょっとで遺産の相続が完了するとでも思ってるの!?」

男「ちょwwww作者困らせんなwww」


勢いでやった、後悔はしてない。

秋風が

  紅葉を散らし

       暮れる秋

暇・・・といえば暇だった。
それもそのはず、女(ツン、と言ったか?)が来てから早一週間。
叔父が持って来てくれた漫画「迷探偵コナノ」も一週間読めば飽きる。
たいていやることと言えば・・・ずっと外を眺めて俳句を読むとか。
あとは、ツンを見舞いに来る来客人数を数えることぐらいだ。
一週間前に話したあれ以来、ツンは特に何も言ってこない。
おかげでじっと見つめてても何も言われない。
俳句が思いつかないときは彼女の容態を伺うのが俺の習慣になっていた。

そんな習慣のために、そして、俺が今この状況にあるが故に。

俺にはひらめくものがあった。

速度的にはまだ、大して早くないにせよ確実に衰えてゆく体力
医者が彼女の病気に躍起になってあらゆる薬物を投与する光景

そして極め付けが・・・

女「ッ!あ、いけない、薬飲み忘れてた。」

薬を飲み忘れると必ず見せる、痛みが走ったようなしぐさ。
そして・・・

その直後に彼女が飲む決まった薬、
一種の痛み止め。

それは・・・

俺が普段飲まされている薬と全く同じであった。


そう、彼女は。


俺と同じ病だ。



(未完です。続きは送られてくるまでお待ちください。)