第三話 舞踏会の夜に
スタッフ
脚本:榎戸洋司
絵コンテ:竹之内和久
演出:渡部高志
作画監督:宮田奈保美
原画:イージーフィルム,中井 準,松下純子,たかはしひでじ,華房泰堂,松本卓也,矢花 啓,玉沢動画舎
あらすじ
ウテナ:すごいじゃないか姫宮。ダンスパーティのクイーンにノミネートされたんだって?
アンシー:でも、私行きません。パーティ会場には知り合いもいませんし。
ウテナ:だから行くべきだよ。友達がたくさんできるって!
アンシー:ウテナさまがそうおっしゃるなら。でも、そのダンスパーティの裏には罠が...。
知ったか解説
七実の顔見せ回。決闘のない回はこの回が初めてである。
小黒氏の解説によると、この回は子供向けとして企画されていた頃の雰囲気を強く引き継いでいるらしい
絵コンテは「セーラームーン」のベタ恋愛モノ担当・竹之内和久。「セーラームーン」のジュピター回の人と言えば、分かる人には分かるだろう。ちなみに初代セーラームーンの三話も彼が担当している。いわゆる「凝った演出」の多いウテナでは彼のトレンディードラマ風の演出は逆に新鮮。
また、演出処理に入っているライトノベルアニメの権威・渡部高志がそのベタっぷりを加速させている。チープさとハチャメチャさがウリだけあって、カットをバシバシ飛ばし(冬芽ハーレム~ウテナと若葉~アンシーと七実の一連流れなど)、音楽の入れ方もコテコテで、それが脚本・演出を引き立てている。
作画面でも渡部高志がフォローしているだろうところも多く、寮や舞踏会場の難しいレイアウトを巧くこなしている。
グロスは上記の渡部高志も含めてイージーフィルム。後の「ヤシガニ」騒動をおこすスタジオだが、この回は渡部とコンビを組む宮田奈保美が作画監督をしているので、そこまでは崩れていない。それどころか、シリーズ全体を通しても、最も「さいとうちほ絵」に近い絵柄となっている。
原画陣には隠れた実力派アニメーター・中井準が参加。ウテナがアンシーを助けてからのシーンは彼が担当したものと思われる。