第一話 薔薇の花嫁

スタッフ
脚本:榎戸洋司       
絵コンテ:
幾原邦彦       
演出 :高橋 亨       
作画監督
:長谷川眞也

原画:阿保孝雄,田中  良,中村  豊,加藤裕美,岩倉和憲,菊池聡延,渡部圭祐,石川晋吾,小倉陳利,高岡淳一,後藤圭二

あらすじ
それは、昔々のお話です。あるところに、お父様とお母様を亡くし、深い悲しみにくれる、幼いお姫様がいました。そんなお姫様の前に、白馬に乗った、旅の王子様が現れます。りりしい姿、やさしい微笑み。王子様はお姫様を、バラの香りで包み込むと、そっと涙をぬぐってくれたのでした。

王子様:「たった一人で、深い悲しみに耐える小さな君、その強さ、気高さを、どうか大人になっても失わないで。今日の思い出にこれを」
お姫様:「私たち、また会えるわよね」
王子様:「その指輪が、君を僕のところへ導くだろう」


王子様がくれた指輪は、やはり、engage ringだったのでしょうか。...それはいいとして、お姫様は、王子様にあこがれるあまり、自分も王子様になる決意をしてしまったのです。でもいいの?ホントにそれで??

知ったか解説
 記念すべき第一話にして、唯一の幾原監督自身による絵コンテ、数少ない長谷川作監である。
演出の高橋亨はこれが初演出となる。

 原画陣は高橋亨も含め、長谷川が作監をやったエヴァンゲリオン8話と被る部分が多い。
「スーパーリアル麻雀」の田中良、「ナデシコ」の後藤圭二、「とんでぶーりん」の加藤裕美
「最後のパース君」渡部圭祐、GAINAXの小倉陳利、J.C.STUFFのエース岩倉和憲ら
ちょっとしたオタクなら名前を知る一流アニメーターばかりである。


 冒頭の影絵とこおろぎさとみのナレーションが視聴者の度肝を抜く。
タイトル後の一カット目は「おにいさまへ・・・」の影響を感じされる俯瞰の通学路。
ちなみにウテナ登場後のシーンがバスケットなのも「おにいさまへ・・・」の影響と見て間違いないだろうし、ラブレター張り出しの一連のシーンも同様であろう。
全体として少女マンガの記号が散りばめられている。
 
 
この回の本領はなんと言っても道場以降の展開。
まず、道場から影絵への繋ぎが秀逸。

西園寺:わかった。放課後、学園裏の決闘広場の森で会おう。
ウテナ:森って、あの立入禁止になっている森のことか?

これでシーンを切って影絵へと繋いでしまう。
つまり本来「なぜ」「どうして」の説明が有るべきところに影絵を入れているのである。
 そして圧巻の階段シーンと『絶対運命黙示録』。
コンテの時点では『絶対運命黙示録』が流れることは決定しておらず、
この部分について林明美は「コンテをもらっただけではあんなフィルムになるとは思わなかった」
と語っている。
実際、JAシーザーへの楽曲依頼はコンテ後である。
階段シーンの原画は中村豊が担当。本当は4コマ打ちだったところを幾原が1コマ打ちにしたため
独特のヌルヌルした感じになっており『絶対運命黙示録』との相性がばっちりである。

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最終更新:2007年06月30日 01:15