時をかける少女 レビュー (ジャンル:SF青春ドラマ)

監督:細田守
アニメーション制作:マッドハウス

評価


ストーリー キャラクター 声優 映像・作画
15点 12点 12点 17点

合計56/100点

感想

世間的には評価の高い作品だったようなので、結構期待してたんですが。

決してストーリーの内容自体は悪くないと思います。
ただ、「人物描写」、「映像の有効活用」この二つがしっかりして ストーリーが活きる。
それを改めて感じさせられた作品です。

【グラフィック】
これは、「良い」の一言でしょう。細かい所まで描いてくれてます。
そんな中でも、見難くなる事は無くて 快適に見る事ができます。

ただ、この映像を活かしきれていたとは到底思えません。

【演出、声優】
効果的な演出は一切無いと思う。
この映像を活かそうという姿勢も感じられなかった。
それと、演技の安定感がない。
だからといって、プロを使えと言っているわけではありません。
上手い、下手というより、時々キャラが別人になってしまうのが気になりました。
収録している時に、チェックをして毎回同じ雰囲気を出せるまで撮りなおすべきでしょう。
声も演出の一つである事は間違いない。

【キャラクター】
紺野真琴は普段の言動等でそれなりに表現できていたと思います。
頭ではなく反射的に考える、感情的な人間。
だから彼女の行動を見ていて、特別嫌な気持ちにはなりませんでした。
でも、とにかく他のキャラクターは内面描写が薄すぎる。
そこに何かが「居る」、何かを「言っている」程度でしかない。
だから、何が起こっても、どうでも良く感じる。
短い時間で内面描写を描くには映像も100%有効に使うしか方法はないでしょう。
しかし演出うんぬんの前に、キャラクターを造形するという気すら無かったように感じました。

【ストーリー】
ストーリーのテーマと内容自体は分かりやすくて、良かったとは思います。
ただ、内面描写が薄いせいで、タイムトラベルがストーリーの展開にしか影響しないから、見ていても退屈。
青春恋愛ドラマの要素をきっかけにしてはいたが、内面描写が薄いせいで、この要素も薄くなっています。

私は紺野真琴が好き勝手にドタバタしているだけの作品に見えました。

最終更新:2007年05月16日 13:24