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8時30分。 一般の連中はとっくに起床していて、男は仕事、女は家事、と活動真っ最中な時間。 だがどうしたことか。 俺の姫君は起きる気配すら見せねぇ。 「土方。」 「………」 「おい、土方!」 「…ん……」 「起きろ。」 「…眠い。」 しゃーねーなぁ。 「起きねぇと犯すぜ、トシちゃんよォ。」 「今起きます…。」 やっぱりな。 こいつは耳元で囁かれるのがスゲェ苦手なんだよな。 「ほら、早くしねぇとメシが冷めちまうぜ。」 「お前がつくったのか?」 「単独行動で江戸に来るときは、てめぇのメシくらいてめぇでつくってたぜ。」 「友達いねぇのか。」 「うるせぇよ。生憎俺にはそんなもんはいらねぇ。」 お前がいるからよ、土方。 ---- 「なぁ、土方ァ。」 「なんだよ。」 「暇。どっか行かねぇか。」 「お前、自分が指名手配犯だってこと知ってるよな?」 「3日間しかねぇんだからよ。楽しもうぜ。」 「副長の俺がテロリストと一緒にいる所を見られたらヤバイだろーが。」 「遠くへ行きゃあいい。」 俺は持っていたチケットを土方に見せた。 「温泉旅館2名さま 風呂は貸切…。」 「部下から貰ってよォ。この間始末した幕府のお偉いさんが持ってたって話だ。」 「温泉…かぁ。」 なんだかんだ言って嬉しそうな顔をしている土方。 「2泊3日だ。行かねぇか?」 姫君はゆっくりとうなずいた。 ----
8時30分。 一般の連中はとっくに起床していて、男は仕事、女は家事、と活動真っ最中な時間。 だがどうしたことか。 俺の姫君は起きる気配すら見せねぇ。 「土方。」 「………」 「おい、土方!」 「…ん……」 「起きろ。」 「…眠い。」 しゃーねーなぁ。 「起きねぇと犯すぜ、トシちゃんよォ。」 「今起きます…。」 やっぱりな。 こいつは耳元で囁かれるのがスゲェ苦手なんだよな。 「ほら、早くしねぇとメシが冷めちまうぜ。」 「お前がつくったのか?」 「単独行動で江戸に来るときは、てめぇのメシくらいてめぇでつくってたぜ。」 「友達いねぇのか。」 「うるせぇよ。生憎俺にはそんなもんはいらねぇ。」 お前がいるからよ、土方。 ---- 「なぁ、土方ァ。」 「なんだよ。」 「暇。どっか行かねぇか。」 「お前、自分が指名手配犯だってこと知ってるよな?」 「3日間しかねぇんだからよ。楽しもうぜ。」 「副長の俺がテロリストと一緒にいる所を見られたらヤバイだろーが。」 「遠くへ行きゃあいい。」 俺は持っていたチケットを土方に見せた。 「温泉旅館2名さま 風呂は貸切…。」 「部下から貰ってよォ。この間始末した幕府のお偉いさんが持ってたって話だ。」 「温泉…かぁ///。」 なんだかんだ言って嬉しそうな顔をしている土方。 「2泊3日だ。行かねぇか?」 姫君はゆっくりとうなずいた。 ---- 「お部屋は301号室になります☆」 「あっ、ハイ。分かりました。」 「夕食は7時30分からになりますので…。」 ああ、イライラする。 あの受付の女、俺の土方が美形なもんだからアピールしまくってやがる。 俺のもんに手ぇ出すとは、いい度胸じゃねぇか。 あっ!土方に向かって上目使いしてきやがった。 何ベトベトしてんだよ女! 土方も何話し込んでやがる。畜生、ムカつく…。 ほお、つまり嫉妬ですか。 悪ぃかよ。目の前で惚れた相手が口説かれてんだぜ。 まあ、悔しいのが普通でしょうな。 分かるか。ところでてめぇは誰だ? 管理人だよ管理人。 …俺に何のようだ? 「いい加減話を進めろバーカ。」って言いに来た。 んだとゴラァ。 てめーの心境だけでこの文終わらせていいのか? …チッ… 分かったらさっさと土方を助けろよ晋ちゃん。 誰が晋ちゃんだ。 好きでもない相手にからまれて、土方がかわいそうでしょーが。 ……… 「お布団は何枚になさいますか??」 「えっと、2枚で…」 「1枚でいいぜ。どうせもう1枚は使わねぇんだからよ。」 「なっ///お前何言って・・・。」 「ほら、とっとと行くぜ。」 そう言うと俺は土方の腕を引っ張っていった。 土方が振り返ったので俺もそっちを見ると、そこには2人の関係を見せ付けられた受付人の泣きじゃくっている姿が見えた。 ---- 「高杉。」 「何だ?」 「お前、気づいてたんだろ。その…、」 「あの女がお前に惚れてるってことをか?」 土方は首を縦に振った。 「それがどうしたよ。」 「あの場であんなこと言わなくてもいいじゃねーか。」 「………。」 「あんな事言ったら傷つくって分かってるのに。」 「………。」 「高杉?」 「ムカつくんだよ。」 「え?」 俺は土方を押し倒した。 そして、 「ん……っ」 強引に口づけをした。 「お前が他のヤツに好かれるのが気に入らねぇ。」 「高杉。」 「俺だけを好きでいろよ。」 「…今さら言われなくても分かってる…。」 「ハッ、嬉しいぜ十四郎。」 「////っ」 突然名前を呼ばれたせいか、はたまた耳元で囁かれたせいか、土方は頬を赤らめた。 ああ、何で こんなにも、 コイツが愛しいのだろう。

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