とか 助詞


[関連語]
弱めの表現


<語義>
①(並列)や。
②(断定を避け、そのもの以外を否定しないということを積極的に述べる婉曲、弱めの表現)など。
③(引用?)などと、というようなことを。

<経緯>
もともとは、おそらく並列の格助詞「と」と疑問の係助詞「か」だったと思われ、「○○とか○○とか」と並列した上で他にもあることを含意する(現代語の)「や」に似た機能をもつようになったと考えられる。ただし「○○とか」と単独で現われる例も当時からあった。
その後、「とか」がさらに助詞を伴うことが出来るようになり、その事物を曖昧にする機能を持った。
③は引用の「と」に「か」が付いたもので発生は違うと思われる。

<語法>
「WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。」

並列に用いられる、本来的な用法。=「や」「など」
用例多数。


「Firefox 2.0 リリース記念企画ということで、Firefox 1.5 から 2.0 ヘ移行したときにアレっと思うような変更点とか、便利な新機能を使うための Tips などを書いてみましょう。」

並列でも「とか」と「とか」が必ずしも呼応するわけではなく、「など」と呼応している例。


「仕事って、なんか就職とかそういうシステムの中で働いてると、まるで「仕事」っていう一定量の定まったパイを取り合うような、そういう感覚になってる大馬鹿者が多すぎやしないか。」

「システム」という以上、「仕事」が複雑にいくつかの要素が含まれるものとして捕えられていると考えられる。従って「就職」の他にもいくつかの要素があることを含意した用例と言える。


「今年はVM魂とか、ちょっと前に聞いたらLLとの関係を疑うような激熱な内容。」

解釈により、「他を含む」(=など)とも考えられるし、以下の「弱めの表現」とも考えられる。曖昧化とは「○○だけ、と言い切るのは危険なので他のものもありうる」というところから発想されるものであり、境界は微妙。


「プロパガンダとか」
「科学とか」

「他を含む」から「弱めの表現」への移行段階か。学術的に定義される用語に対し、「とか」によって含みを持たせることで、「厳密な意味ではなく、その周辺も含みうる」と断定を避けているものと思われる。コロケーションを調べたら、このような定義しがたい、または専門的な語が現れやすいのではないだろうか。


「メッセとかもご自由にどうぞ」
「5オクターブとか無理!! あたし3オクターブでキツイもんorz」

他が含まれているとは考えにくい例。
上、「メッセ」以外の、その周辺的な事柄も許可されると解釈しうるが、原文ではメールアドレスの後にこの一文が添えられていることから「何か意見があれば、このアドレスにメールを送ってください」という意味で書かれたことは一目瞭然である。ここでは「メッセ」(=メッセージ)という語の積極的な意味(「激励のメッセージ」などプラスの意味)を弱め、批判的なメッセージを含めた賛否両論を歓迎する、といった謙遜の態度がここに示されている。
下、もちろん「5オクターブ」以外に6オクターブ以上のものが含まれると考えられるが、これは「とか」が無くても十分に文脈で把握可能である。これは「なんて」と置き換え可能な例で、「5オクターブのような(難易度の高いもの)」と含意されている。もしここで「5オクターブは無理」としてしまうと、「5オクターブ」は無理だが他は出来るという態度を積極的に示しかねない。文脈上、「5オクターブ」以外の無理なものを示す必要はないが、「とか」を用いて謙遜の立場を示す。


「私は私の感性に合わない人でもけっこう許容してふーんオモスレーとか見ている。」
「ごめん、バーローとか言う余裕ないわ」

引用の「と」+「か」。=「などと」。発話などをそのまま引用する「と」「って」とは違い、「~というようなことを」と含意を広める。上の例は「オモスレーとか(言って)見ている」が省略されたものか。


「業界の底上げとか崇高な考えがあるなら、お前ら率先して金取ろうよを読んだ。」

同様に引用の「と」だが、意味的には「という」に対応するものであろう。=「などという」「~というような」。

<使用場面>



<実態>
〔2007.Wikipediaより〕【格助詞】はっきりしない事柄を示す意。→ぼかし表現。
corpusWWW070721〕148,000,000 ゴミ排除せず。
名前:
コメント:

すべてのコメントを見る



追記欄
最終更新:2007年07月21日 01:38