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*ちげぇ(違ぇ) 形容詞 ---- [関連語] ←[[チガくて]] →[[音の転化(母音+い→ええ)]] ---- <語義> 違う、異なる。正しくない。そうではない。 <経緯> 「違う」という本来動詞が形容詞化したもの。「違い」という名詞を経て、送り仮名「い」からの類推で形容詞化したとも考えられるが、その途中形態(すなわち「違う」または「違ぇ」が使用される状況での名詞「違い」が使用される可能性)が無いことから、動詞から直接形容詞化したとも考えられよう。 同様の形容詞化の例としては、古くから名詞(形容動詞?)「同じ」に連用形「同じく」があること、なやし方言においては形容動詞化接辞「~みたい(な)」に連用形「みたく」があることなどが挙げられる。 「同じ」は名詞的で、連用形としては「同じで」「同じように」または「同じに」?がある。「~みたい」には「~みたいに」という形式がある。同様に「違う」にも連用形「違い」があるが、テ形を要求するときに「違って」ではなく形容詞的活用「違くて」が発達した。この発達史を見ると、「違くて」が先に現われ次いで「違ぇ」が生じたのだろうか。 [[異音(母音+い→ええ)]]に見るように、特に形容詞において終止形「あい」という母音連続で終わる場合、東京方言などで「ええ」に変わることは多いが、「違う」のように「あう」が「ええ」と変化する例は見られない。また「違い」という形容詞の例も見られない。この結果、終止形「い」無き形容詞が誕生した。 <語法> |ちが-| |     |後続の要素| |未然形| わ/お |く/かろ |ない、う| |連用形| い/っ |く/かっ|ます、て、た| |終止形| う   |(ちげぇ) |。| |連体形| う   |(ちげぇ)/-|とき| |仮定形| え   |けれ|ば| |命令形| -  |-|。| 文語の助詞によく見られる二系統の活用を持つ。終止形(辞書形)としては「違う」を立てるのが妥当であろう。形容詞的でありながら、「-い」という終止形は認められない。また連体形としては動詞系列が使用されやすいのでは。両系列の使い分け、分布はどのようになっているかは今後の研究が待たれる。 実際の使用から見ると、女性は終止形において「違ぇ」が使われにくいように感じる。他の活用では、女性にも広く形容詞方活用が使用される。 なお、IME上では「ちがかった」と入力しても「違かった」と変換されない。しかしながら検索では43,400件と「ちがかった」よりも圧倒的に多い([[ちがくて]]参照)。「間違い指摘」のような文脈でのメタ的使用が多い一方で、変換に段階を踏んででも使用される例が増えてもいることが示される。かなり定着しているのでは。 さらに「違うくて」17,600 「ちがうくて」1,110 のような例も。この数字は次の2通りの様相を示したものと考えられる。①漢字変換のしにくさから、発音上「ちがくて」と発しているが表記上「違うくて」としている。②実際、「ちがうくて」と発音している。日本人による他品詞の形容詞化が、語根に侵食しにくい例(「同じ→同じく」「好き→好きく(ない)」「きれい→きれいかった」(実際の発音は「キレカッタ」に近い発音も多いが外国人日本語学習者の誤用に見られる「キレカッタ」よりは若干「レ」の母音が長く感じられる。))に倣うものか。これだと形容詞的な語であるゆえに活用が変化したという説からして「ちがうくて」の語形の矛盾が感じられるが、1)形容詞的活用した後、「違う」という語源意識で「ちがうくて」の「う」音が挿入された。または2)上記の様に「ちがい」という形容詞形が見られない(=非連続的である)ことから、形容詞的な語形が原因で形容詞的活用が生じたのではなく、語義が形容詞的である(状態性を持っている)ゆえに生じた変化ではないか、とも考えられる。いずれにせよ他の状態性動詞に同類の活用がない以上、折衷案として両者の理由が絡み合って生じた活用であると現時点では述べるに留める。 すると「ワ行五段活用」「状態性動詞」である他の語に類例がありえそうだが…。「嫌う」「笑う」「憩う」とかはどうだろうか。 <使用場面> ---- <実態> 〔2007.Wikipediaより〕【形容詞】1990年代から使われ始めた言葉。「違かった」「違くない?」という表現についておかしいんじゃないかと言われる前から素行不良者の間で使われていたが、語源は同じである。 〔[[corpus>コーパスとしてWWWを利用した若者言葉研究]]WWW070702〕ちがかった994 ちがくない17,900 ちげぇ45,200 なんとなく、①児童語②女性語③外国人日本語学習者の間違い、として頻出か。 #comment_num2(size=50,vsize=3) ---- 追記欄
*ちげぇ(違ぇ) 形容詞 ---- [関連語] ←[[チガくて]] →[[音の転化(母音+い→ええ)]] ---- <語義> 違う、異なる。正しくない。そうではない。 <経緯> 「違う」という本来動詞が形容詞化したもの。「違い」という名詞を経て、送り仮名「い」からの類推で形容詞化したとも考えられるが、その途中形態(すなわち「違う」または「違ぇ」が使用される状況での名詞「違い」が使用される可能性)が無いことから、動詞から直接形容詞化したとも考えられよう。 同様の形容詞化の例としては、古くから名詞(形容動詞?)「同じ」に連用形「同じく」があること、なやし方言においては形容動詞化接辞「~みたい(な)」に連用形「みたく」があることなどが挙げられる。 「同じ」は名詞的で、連用形としては「同じで」「同じように」または「同じに」?がある。「~みたい」には「~みたいに」という形式がある。同様に「違う」にも連用形「違い」があるが、テ形を要求するときに「違って」ではなく形容詞的活用「違くて」が発達した。この発達史を見ると、「違くて」が先に現われ次いで「違ぇ」が生じたのだろうか。 [[異音(母音+い→ええ)]]に見るように、特に形容詞において終止形「あい」という母音連続で終わる場合、東京方言などで「ええ」に変わることは多いが、「違う」のように「あう」が「ええ」と変化する例は見られない。また「違い」という形容詞の例も見られない。この結果、終止形「い」無き形容詞が誕生した。 <語法> |ちが-| |     |後続の要素| |未然形| わ/お |く/かろ |ない、う| |連用形| い/っ |く/かっ|ます、て、た| |終止形| う   |(ちげぇ) |。| |連体形| う   |(ちげぇ)/-|とき| |仮定形| え   |けれ|ば| |命令形| -  |-|。| 文語の助詞によく見られる二系統の活用を持つ。終止形(辞書形)としては「違う」を立てるのが妥当であろう。形容詞的でありながら、「-い」という終止形は認められない。また連体形としては動詞系列が使用されやすいのでは。両系列の使い分け、分布はどのようになっているかは今後の研究が待たれる。 実際の使用から見ると、女性は終止形において「違ぇ」が使われにくいように感じる。他の活用では、女性にも広く形容詞方活用が使用される。 なお、IME上では「ちがかった」と入力しても「違かった」と変換されない。しかしながら検索では43,400件と「ちがかった」よりも圧倒的に多い([[ちがくて]]参照)。「間違い指摘」のような文脈でのメタ的使用が多い一方で、変換に段階を踏んででも使用される例が増えてもいることが示される。かなり定着しているのでは。 さらに「違うくて」17,600 「ちがうくて」1,110 のような例も。この数字は次の2通りの様相を示したものと考えられる。①漢字変換のしにくさから、発音上「ちがくて」と発しているが表記上「違うくて」としている。②実際、「ちがうくて」と発音している。日本人による他品詞の形容詞化が、語根に侵食しにくい例(「同じ→同じく」「好き→好きく(ない)」「きれい→きれいかった」(実際の発音は「キレカッタ」に近い発音も多いが外国人日本語学習者の誤用に見られる「キレカッタ」よりは若干「レ」の母音が長く感じられる。))に倣うものか。これだと形容詞的な語であるゆえに活用が変化したという説からして「ちがうくて」の語形の矛盾が感じられるが、1)形容詞的活用した後、「違う」という語源意識で「ちがうくて」の「う」音が挿入された。または2)上記の様に「ちがい」という形容詞形が見られない(=非連続的である)ことから、形容詞的な語形が原因で形容詞的活用が生じたのではなく、語義が形容詞的である(状態性を持っている)ゆえに生じた変化ではないか、とも考えられる。いずれにせよ他の状態性動詞に同類の活用がない以上、折衷案として両者の理由が絡み合って生じた活用であると現時点では述べるに留める。 すると「ワ行五段活用」「状態性動詞」である他の語に類例がありえそうだが…。「嫌う」「笑う」「憩う」とかはどうだろうか。 <使用場面> ---- <実態> 〔2007.Wikipediaより〕【形容詞】1990年代から使われ始めた言葉。「違かった」「違くない?」という表現についておかしいんじゃないかと言われる前から素行不良者の間で使われていたが、語源は同じである。 〔[[corpus>コーパスとしてWWWを利用した若者言葉研究]]WWW070702〕ちがかった994 ちがくない17,900 ちげぇ45,200 なんとなく、①児童語②女性語③外国人日本語学習者の間違い、として頻出か。 #comment_num2(size=50,vsize=3) ---- 追記欄

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