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③隆に部屋の戸をあけないように言う。

「ちょっと待って!あ…開けない…で…」

と言いかけたところで、無情にもガチャリと扉が開かれた。

「………………」
「………………」
隆はドアの取っ手を握り締めたまま、固まっている。
私もチハルに抱かれたまま、絶句してしまった。

「なななな、何だよこれは……」
「えええ…えっと……」
説明しようとするものの、動揺でうまく頭がまわらない。

「あっ、隆。ねえ、知ってる? 愛菜ちゃんってすごくいい匂いがするんだよ」
チハルは私を抱きしめたまま、隆に笑いかける。
その言葉でようやく正気を取り戻した隆は、大股で私とチハルに割り込み、無理やり引き剥がした。

「いくら隆だって、邪魔しちゃ駄目だよ」
チハルはぷーっと頬を膨らませると、隆から私を奪い返す。
けれど、また無言の隆によってグイッと引き剥がされてしまった。

「隆のいじわるー! これならじゃまできないよ……えいっ」
「きゃっ」
チハルに手を掴まれたかと思うと、ふわりと体が浮く。
そして胸の中にすっぽりと納まっている自分に気付く。
どうやら私はチハルにお姫様抱っこをされてしまったようだ。

「どう? もう邪魔されないよ?」
チハルは得意げに私を見つめ、にっこり笑った。

私は……
①「チ、チハル…。下ろして」
②「た、隆。あのね、この子はチハルよ」
③黙って様子を見る

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①「チ、チハル…。下ろして」

昨日の夜も似たようなことがあったなと思いつつ、私は慌ててチハルに言う。
隆はかすかに眉をしかめて私たちを見ている。

「えー、ボクまだ愛菜ちゃんをぎゅーってしてたい」
「そ、それじゃあご飯食べてからね?ほら、私おなかすいたな」
「そっか、ニンゲンはご飯食べないと弱っちゃうんだった。わかった!愛菜ちゃんがご飯食べるまでまってる!」
チハルはそういって、私を下ろしてくれる。
ほっとため息をつくと、隆が不機嫌丸出しの声で言った。

「で?どういうことだ?」
「えーっと…。この子チハルなんだけど…」
「…は?チハル?」
隆は私の後ろに立っているチハルをまじまじと見る。

「お前本当にチハルか?またなんでそんなにデカくなってるんだ?」
「なにいってるのさ隆。ボクはボクだよ。ちっちゃいと愛菜ちゃんをぎゅーってできないからおっきくなったんだ」
隆に対してはそれなりに愛想のいいチハルは、にっこり笑いながら言った。
けれど言っていることの意味は、はっきり言って隆にはちんぷんかんぷんだろう。

「本当にチハルなんだな…。てか、ガタイばかりでかくなって中身かわってねぇし」
それでも隆は苦笑いしながら隆はチハルに手を伸ばすと、少し高い位置にある頭をわしゃわしゃと撫でる。

「にしても、でかくなったなぁ…」
「へへっ、隆よりおっきいよ」
言いながら、チハルは私にしたように隆にぎゅーっと抱きつく。

「うわっ、なにすんだ!?」
慌てた隆がチハルから飛びのく。

「ん~、やっぱり愛菜ちゃんのほうがいいや。やわらかくって、いいにおいできもちいい」
「あのなぁ…そんな当たり前のこと俺で試すな!」
隆はため息をつく。
なんだかんだ言っても隆は面倒見が良い。呆れたように言いつつも笑っている。

「姉さん!隆さん!?ご飯食べないの!?」
そのとき、下から春樹の声が聞こえた。

「あ、行かないと」
「だな。俺も腹減った」
私と隆が部屋を出ようとすると、そのままチハルもついてくる。

チハルがこの姿だと春樹びっくりしちゃうな…どうしよう。

①このまましたいようにさせておく。
②子供の姿に戻るように言う。
③部屋で待つように言う。

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①このまましたいようにさせておく。

(説明すればわかってもらえるだろうし、このままでいいかな)

「それじゃ、チハルも行こうか」
私がそう言うと、嬉しそうに「うん」と頷いた。

一階に降りると、すでに春樹がテーブルに夕食を並べていた。

「あっ、姉さんに隆さん。もうすぐ………」
テーブルにサラダを置き顔を上げた春樹が目を丸くした。

「あの……隆さんの友達ですか? もしよかったら夕食を一緒にどうですか」
「ボクのこと?」
チハルは自分を指さしながら尋ねた。
「ええ。少し多めに作ったので」
「うん! みんなと一緒に食べたい」
チハルは楽しそうに、その場でくるくると回った。
大きくなったせいで、いつもの行動もかわいいというより少しアブナイ人に見えてしまう。

「あはは…喜んでもらえて嬉しいです…」
対応に困ってしまったのか、春樹も苦笑している。

「もう一膳用意しますから、ちょっと待ってて下さい」
そう言うと、隆はキッチンに消えていった。

「おい、愛菜。春樹のやつ完全に勘違いしているぞ」
春樹に聞こえないように、小声で隆が話しかけてきた。
「タイミングを逃しちゃって……」
「ていうか、チハルって飯食えるのか?」
「し、知らないよ」
「とにかく…春樹に説明しないとな。もし言いにくいなら、俺から言ってやろうか?」

どうしようかな

①春樹に説明しに行く
②隆に説明してもらう
③チハルに食事できるのか尋ねる

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①春樹に説明しに行く

「ううん、自分で説明してくる。隆は座ってて」
「そうか?」
隆は私の言葉に頷いて、椅子に座る。
私はそれを目の端で見ながら、春樹に続いてキッチンへ向かう。

「春樹?」
「何?姉さん」
「あのね、さっきの人なんだけど…チハルだから、そんなに気を使わなくても良いよ?」
「……え?」
春樹が動きを止める。

「説明しようと思ったんだけど、さっきタイミング逃しちゃってさ、ははは…」
「ねえねえ、愛菜ちゃん、ボク愛菜ちゃんの隣にすわってもいい?」
そのとき、チハルがキッチンへ顔をのぞかせる。

「あ!春樹それボクのご飯?」
にこにことチハルが春樹が手に持った茶碗を指差す。
どうやら春樹がご飯をくれるといったことで、チハルの中で春樹の好感度があがったらしい。

(…餌付け?)
ふと脳裏に浮かんだ言葉に笑いが漏れる。
私の笑いに春樹は気づいたが、チハルは気づかなかったらしい。
春樹のそばに軽いステップを踏みながら近づくと、いきなりぎゅーっと抱きついた。

「!?」
突然のことに春樹が固まる。

「チ、チハル!?」
私も驚いて思わず声を上げる。

「どうした?」
私の声に隆もやってきて、春樹に抱きついたチハルをみると一瞬目を丸くし、それから大笑いする。

「はっ、ははははっ、お、お前、みんなに抱きついてるのかよ?ぷっ、ふ、はははは」
隆は何とか笑いをおさめようとするが、なかなかうまくいかないらしい。

「?」
そんな中チハルは抱きついた春樹を不思議そうに見て体を離し、それから自分の手を見て首をかしげ、再度春樹に抱きつく。
今までにない行動に、私はチハルにたずねた。

「チハル?どうしたの?」
「春樹、変。愛菜ちゃんと違うのに、愛菜ちゃんと同じくらいきもちいい」
そこでようやくショックから立ち直ったらしい春樹が、チハルから飛びのくように離れる。

「なにするんだ!」
「?」
「ははは、くっ、ははっ」
春樹は、赤くなったり青くなったりしながら怒っている。
チハルは不思議そうな顔で、春樹と自分の手を交互に見ている。
隆は何とか笑いをおさめようとがんばっている。
とにかくそんなに広くないキッチンに4人もいては狭いことこの上ない。

さてどうしよう。
①とりあえず、ご飯にしようという。
②チハルになにが変なのか聞く。
③春樹と隆に落ち着けという。

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①とりあえず、ご飯にしようという。

「私、お腹ペコペコだよ。とりあえず、ご飯にしよう」
私は大げさにお腹を押さえて、訴えた。
「そうだな。俺も背中と腹がくっつきそうだ」
隆も私の意見に乗ってきた。

「……後は俺がやるから、姉さん達は座ってて」
多少、納得いっていないように見えたけれど、春樹はいつもの冷静さを取り戻したようだ。

(なにが変なのか気になるけど、食事中、チハルに聞けばいいか)

私達はそれぞれのテーブルにつく。
隆は私の向かい側の席、チハルは私の隣に腰を下ろした。

しばらくして用意を済ませた春樹も席に座り、私たちはようやく食べ始めた。

「やっぱり、すごいな。うちの母親より美味いぜ、この肉じゃが」
隆は春樹の作った肉じゃがを頬張りながら、感嘆の声をあげた。
「うちのははおやより美味いぜ、このにくじゃが」
オウム返しで、チハルも肉じゃがを頬張りながら真似をする。
その姿に思わず笑ってしまう。

「そう言えば…家に来ることを嫌がっているって聞いてたんだけど、よかったの?」
不意に気になって、私は隆に話題を振った。
「そ、それは…気が変わったんですよね、隆さん」
なぜか春樹が隆に同意を求めるように、話に割り込んできた。

「ああ、その話か。うちの両親から愛菜の料理を食わされるって聞いてたんだ。
俺はまだ死にたくないから、コンビニで済ませるって言っただけさ」
(しれっとした顔で、今ヒドイ事を言われたような…)
「ちょっと! どうして私の料理で隆が死ぬのよ」
「死なないにしても、腹は壊すだろうな」
大きな口でサラダを食べながら、隆は平然と答えた。
「春樹には敵わなくても、お腹を壊すような料理をつくった覚えはないんだけど!」
ムカついた私は隆に食ってかかる。

「覚えは無くても、お前の料理は破壊的なんだって」と憎まれ口をたたいた後「……少しは自覚してもらわないと…俺が困るんだよ…」と聞こえないような小声で呟いた。

①「どうして隆が困るのよ」
②「えっ? 今、何か言った?」
③何も言わない。

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②「えっ? 今、何か言った?」

何かつぶやいた隆に尋ね返すと、隆はなんでもないと首を振る。

「なによ…、言いたいことがあるならはっきり言いなさいってば」
「『すこしはジカクしてもらわないと、おれが困るんだよ』」
そのとき、チハルがにこにこと笑いながら言った。

「え?」
「…バッ…!」
(隆の真似…?)
さっきも肉じゃがを食べながら、隆のまねをしていたチハルを思い出す。

「チハル、さっき隆がそう言ったの?」
「うわーーーーーー」
「ちょっと、隆うるさい!」
「隆さん、それじゃあ肯定してるのと同じですよ…」
「……ぐ」
春樹の言葉に、隆が真っ赤になって口をつぐむ。

(そこで口をつぐむってことは、私の料理が破壊的だっていってるようなものじゃない!)
私の怒りに気づいたのか、隆と春樹が話題を変えようと急に話し出す。

「そ、そんなことより、チハル!お前ご飯食べて平気なのか?」
隆がチハルに話を振る。

「そうだ、そういえばさっき、俺が変とかなんとか…どういう意味?」
春樹もチハルに尋ねた。

二人同時にたずねられてチハルが困ったように私を見た。

①隆の質問に答えてもらう。
②春樹の質問に答えてもらう。
③そんな話題転換にだまされない。

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③そんな話題転換にだまされない。

チハルに向かって黙ってうなずくと、私は口を開いた。
「ちょっと、隆。話をはぐらかさないでよ」
「まぁ、姉さん…落ち着いて」
なだめようとする春樹に鋭い視線を向け、私は言葉を続けた。

「私の料理が破壊的だっていってるようなものじゃない!」
「ひねくれてんなぁ。どうして素直に認めないんだよ、お前は」
隆は呆れたように呟いた。

「ひどーい。ねえ、春樹。私の料理が普通だって隆に言ってよ」
「……………」
春樹は聞こえなかったフリをして、お味噌汁を飲んでいる。
(春樹まで……!)
味方の引き入れに失敗した私は、苦し紛れにさっき隆が言葉に詰まっていた話を蒸し返す。

「仮に私の料理が下手だとして…どうして隆が困るのよ」
「……ぐっ」
動揺したのか、隆はご飯を喉に詰まらせている。
それを見ていたチハルが不思議そうな顔をしながら、口を開いた。

「だってぇ、隆は愛菜ちゃんがまだ大好きで、あきらめられないんだもん。
今は一緒にいられるだけでいいから、元気付けてほしいって…ボクを起こすお願いで言ってたよ。
そうだよね、隆?」
チハルは無邪気に笑いながら、隆の方を見た。

ドンガラガッシャーン

隆は椅子から盛大に転げ落ち、真っ赤になりながら立ち上がる。
「てめーは余計なこと言うなっての!!」
チハルに向かって叫んだ後、「嘘だから!コイツに言った願いは全部嘘だからな!」と言いつつ、乱暴に座りなおした。

私は
①動揺する
②隆のお願いが嘘かチハルに確認する
③別の話題を振る

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③別の話題を振る

「……あっそう」
私はため息をついて味噌汁をすする。
私の料理に対する隆の評価は気に喰わないが、それならそれでこっちにも考えがある。

「まあいいわ。私隆にはもう絶対にご飯つくってあげないから!この先、春樹より料理がうまくなっても隆にだけはぜーーーーったいに食べさせない!」
「お、おい愛菜…」
隆が情けない顔をしているけれど、私は隆を無視してチハルに話しかける。

「ねえ、チハル。チハルって食事しても平気なの?」
「いま食べてるよ?」
「えーっと…うん、そうだね。でももともとチハルってテディベアでしょ?食事の必要はないじゃない?」
「うん。でも今はニンゲンだから食べられるよ?」
「それは、今は完全に人になってるってこと?」
「完全にニンゲンにはなれないけど、すごく近くなってるとおもうよ」
チハルは言いながら味噌汁を飲む。
その仕草が、春樹にそっくりだ。
もしかしたらみんなの真似をしているのかもしれない。

「それならもし鳥になったとしたら、空もとべる?」
春樹の問いに、チハルはちょっと考えて頷く。

「やったことないけど、たぶん飛べるよ」
「へえ…便利なんだな」
隆も気を取り直したのか興味津々とチハルを見る。

「ボクもともと人形だけど、チカラが強くなったからブッシツのシガラミからカイホウされるんだって」
「どういうこと?」
「ん~、よくわからないけど、いろんなものになれることかな?」
チハルも良くわかっていないみたいだ。

(っていうか、誰かに聞いたみたいな話方よね?)

どうする?
①さらに詳しくたずねる
②春樹が変だと言っていたことを聞く。
③もう話は終わりにする。

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①さらに詳しくたずねる

「チハル。まるで誰かから聞いたみたいな話し方よね?」
「うん。えらい神様がいってた」
「えらい神様?」
チハルは口に入ったものをゴクンと飲み込み、私に説明し始めた。

「ボクはまだ精霊だけど、しょーかくすればいつか神様になれるって前に話したのおぼえてる?」
「うん。聞いたような気がするよ」
「精霊にも、神様にもランクがあるんだ。ボクは愛菜ちゃんの力のおかげで、精霊の中ではえらい方になったの」
チハルはエッヘンと胸を張って言った。
「チハルってすごいんだね」
私が言うと、チハルはもっと褒めてとせがんできた。
小さい時のように頭を撫でてあげると、気持ちよさそうに目を細めた。

「でもね、力があってもボクはまだ生まれて時間がたってないから、神様にはなれないんだ。
ネンコージョレツって言うのかな。これからはジツリョクシュギのジダイなのにね」

(チハルって意外に難しい言葉を知ってるのね…)

「じゃあ、お前に色々教えてくれたのは上司ってことか?」
興味深く話に聞き入っていた隆が口を挟んだ。
「ニンゲンの世界におきかえればそうだよ。ボクにメイレイしたりするしさぁ…」
頬を膨らませて話すところを見ると、その上司のことを好きではないのかもしれない。

「神様の世界も縦社会だったなんて、皮肉みたいだ…」
春樹も苦笑するしかないという顔をしている。
「確かに、夢も希望も無いよなぁ」
隆も春樹の意見に賛成するように、頷いた。

「でも、コウリツ的にセカイのチツジョをたもつためにはしかたがないんだって」
チハルは他人事のように言うと、食事を再開した。

あと話すことは…
①春樹が変だと言っていたことを聞く。
②「セカイのチツジョ?」
③食事を終える

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①春樹が変だと言っていたことを聞く。

「そういえば、さっき春樹が変だっていってたのあれはなんだったの?」
私が訪ねると、春樹もチハルをじっと見た。

「んーとね、愛菜ちゃんは当たり前なんだけど、春樹も愛菜ちゃんと違うのにぎゅーってすると気持ち良いの」
「私は当たり前なの?」
「うん。愛菜ちゃんはトクベツなの。だからぎゅーってしても気持ちいのが当たり前なんだよ?」
「そ、そうなんだ?」
チハルはにこにこと答えてくれるけれど、言っていることはさっぱりわからない。

「ちなみに隆は気持ちよくなかったのよね?」
「うん」
「それじゃあ、気持ち良いってどういうふうに気持ち良いの?」
「えーっとね、ほわほわで、じわじわで、ぬくぬくなんだよ!」
「「「………」」」
思わず春樹と隆と顔を見合わせてしまう。
二人もなんとも言いがたい顔で、視線を交し合う。

「そ、それは、私も春樹も同じなの?」
「うん、同じだよ?」
ますますわからない。

「ねぇ、どういうことだと思う…?」
私はお手上げ状態で春樹と隆に聞く。

「俺に聞くなよ…」
隆もさっぱりわからないというように肩をすくめる。

「………チハル、気持ち良いと何か良いことがある?」
少し考えていた春樹がチハルに尋ねる。

「良いこと?んーと、ボクのチカラが強くなる!」
「「「え!?」」」
「だから春樹、変。春樹はフツーなのに、きもちいい。隆はフツーじゃないのに気持ちよくない」
「要するに、私か春樹にくっついてると、チハルは力が強くなるって言うこと?」
「うん!」
「隆じゃだめなのね?」
「隆はきもちよくないもん」
「……わるかったな」

それってどういうことだろう…?

①チハルと春樹の相性が良い?
②実は春樹にもなにか力が?
③私にはお手上げ、他の二人に聞く
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