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①年齢をきく

「そういえば周防さんって、何歳なんですか?」
職業とか御門君との関係をきくと、ペナルティになる答えになりそうなので当たり障りのない所を聞いてみる。

「うん?何歳だと思う?」
周防さんは楽しそうに逆に聞き返してきた。

「えーっと、にじゅう……に、か、さんっ」
「おしいっ!」
「え…じゃあ、21!」
「ちがーう。はい、時間切れ正解は24でした」
「むーー」

「失礼します、ナンをお持ちしました」
「ありがとさん」
ウェイトレスがナンの入ったカゴをおいていく。
焼きたてのナンのいい香りがする。
ここのナンは絶品で、私はだいすきだ。

「ここのナンは食べ放題なんですよ」
「へぇ、そうなんだ?」
「すごくおいしいんです。ナンは家じゃつくれませんから、つい食べすぎちゃって」
「食いだめって?」
「ですです」
周防さんと談笑していたら、視線を感じた。
顔を向けると、じっと御門くんが相変わらずの無表情で私を見ていた。

(……も、もしかして…すねてる?)
さっきも全然そうは見えなかったけど、周防さん曰く嫉妬していたって言うし…。
御門くんにも、なんか質問してみようかな…。

1.クラスを聞く。
2.辛いものがすきなのか聞く
3.どこに住んでいるのか聞く

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3.どこに住んでいるのか聞く

「ええと、あの、御門君?
御門君に聞きたいことがあるんだけど……」
私が呼びかけると、御門君は私に視線を合わせる。
……なんだかちょっと恥ずかしくなりつつも、言葉を続けた。
「その……御門君ってどこに住んでるのかな?なんて……」
私の質問に御門君が黙り込む。

(そ、そんなに難しい質問したつもりじゃなかったんだけど……)
内心困惑しながらも、ひたすら御門君の答えを待つ。

やがて、彼から返ってきた答えといえば。
「……マンションです」
その一言だけだった。

再び、場が静かになる。
御門君の答えに、どう反応していいかわからなかった。
(ちゃ、ちゃんと答えてはくれたんだよね……うん。なんかズレてるけど)

「あ、えー、えーと、そうなんだ」
結局私はそう言った。乾いた笑いを顔に浮かべながら。
正直な話、どう切り替えしたらいいかちょっと分からなかったからだ。

「冬馬、お前なー……」
その様子を見ていた周防さんが大きくため息をつく。
「おバカ」
それから、小さく呟きながら軽く冬馬君の頭を叩いた。
衝撃のせいなのか冬馬君の頭がほんの少しだけ動く。

「あ、あの、周防さん?冬馬君にも悪気があったんじゃないでしょうし……
私は気にしてませんから、ね?」
私が苦笑いをしながら止めに入ると、二人の動きが止まった。

「「…………」」
冬馬君は相変わらず無表情のまま、周防さんは驚いたような表情で。
それぞれに私を見ている。

(え?何?何なのこの反応?)

①自分の発言を思い返してみる
②妙な反応の理由を二人に聞いてみる
③とりあえず謝る

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③とりあえず謝る

「えっと、言いにくいこと聞いてごめんね、御門くん」
よく考えれば、私を守ってくれているとはいえ、プライベートにほいほい踏み込むほど親しいわけではない。

「………」
「愛菜ちゃんが謝ることないって。ずれてるのはこいつなんだから」
冬馬君は相変わらず無表情で私をみていたけれど、周防さんが苦笑する。

「おまたせしました」
そのとき丁度カレーが運ばれてくる。
それぞれのカレーをおいてウェイトレスが離れていった。

「………御門くんのカレー」
思わず見つめてしまう。
私と周防さんのカレーに比べて明らかに色が違う。
見ているだけで辛そうな黒っぽい色。

「…………」
御門くんは特に気にした様子もなく、ナンを手にとるとカレーを食べはじめた。

「俺達も食べよう、いただきまーす」
「あ、はい。いただきます」
でも、御門くんのカレーが気になってしまってつい見てしまう。
激辛のはずなのに、御門くんは表情も変えずにもくもくと食べている。

「冬馬、ちょっと分けてくれ」
周防さんも気になっていたのか、御門君のカレーをちょっと掬うとぱくっと食べた。

「………~~~~~!!!!!」
とたん、慌てて水を飲む。

「お、おまえ、良くこんなのそんな平然と……」
よっぽど辛かったのか、なみだ目で御門君を見ている。

(そんなに辛いんだ…)

1.御門くんに一口もらう
2.周防さんにどのくらい辛かったか聞いてみる
3.さっきの反応の理由を聞いてみる

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1.御門くんに一口もらう

「御門くん。私も一口もらっていい?」
「いいのかぁ? 見た目以上に強烈だぞ、コレ」
「大丈夫ですよ、辛いものは平気ですから。御門くん、いい?」
御門くんは無表情のまま、首を縦に振った。

激辛カレーはこの店の人気メニューだったけれど、食べきれる自信が無くて諦めていた。
香織ちゃんは辛いものが苦手だから、この店に来る機会もあまりなかったのだ。
(一度、食べてみたかったのよね……)

そんな事を考えていると、黒い液体がすぐ目の前まで近づいていた。
「……………」
御門くんは黙ったまま、スプーンを更に近づけてくる。
(食べろってことだろうけど……ち、近い)
スパイスの効いた香りに、少し目がしみる。

「あ、ありがとう……いただきます」

差し出されたスプーンをパクリと口の中に入れた。
その瞬間、口の中に痛みが広がる。
「……~~~~~!!!!!」
体中がブワッと焼けるように熱くなる。

「ほらっ、愛菜ちゃん。水、水っ」
周防さんがすかさずコップを差し出してくれる。
私はあおるように、その水を一気に飲み干した。

「し、死ぬかと思った……」
「ほらなぁ。せっかくお兄さんが忠告したのに無視するからだぞ」
周防さんは呆れるようにしながらも、コップに水を注いでくれた。
「…………もう、へいき?」
御門くんは少しだけ、首を傾げるようにして私に尋ねてきた。

①「大丈夫。心配してくれてありがとう」
②「御門くんは辛くないの?」
③「周防さんの忠告を聞いておけばよかったです」

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②「御門くんは辛くないの?」

「よく、わかりません」
私の問いに、表情一つ変えないまま御門君が答える。
しかしその答えはどこか曖昧なものだった。

(よくわからないって……辛すぎてよくわからないってことなのかな……?)
私が考えている間にも、御門君は無表情に黙々と食べ続けている。
(そういえば、周防さん、急に静かに……)
ふと、周防さんのほうに視線だけを向ける。
「……」
周防さんは何ともいえない複雑そうな表情で御門くんを見ていた。

「……周防さん?」
その表情が気になって声をかける。
周防さんは私の声で我に返ったようだった。
「悪い悪い。ちとボーっとしてた。……さ、早く食べようぜ?」
そしていつもの子供っぽい笑顔を私に向けて、自分のカレーを食べ始める。
「わ、は、はい」
周防さんに促されるまま、私も自分のカレーを食べることにした。
……んだけど、味がよく分からない気がする。

なんでだろう?

①さっきの激辛カレーのせい?
②御門くんの反応のせい?
③周防さんの表情のせい?

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①さっきの激辛カレーのせい?

口の中がぴりぴりして、全身が熱い。
汗を拭こうとバッグの中からハンカチを探していると、視線を感じた。
顔を上げると、御門君がバッグを見ている。
その視線の先にはチハル。
チハルはおとなしく入ったままの状態。
でも、御門くんをじっと見ているみたいだった。

(な、なんだろう…、チハルが動けるってばれてる…?)
感情の読めない二つの視線がぶつかっている……気がする。

(あ…、でもなんか御門くんとチハルって似てるかも…?)
チハルは人形だから当たり前だけれど、感情が読めないところとか…
時々良くわからない行動をしているところとか…

「ん?冬馬どうした?」
急に食べるのをやめた御門くんに顔を向け、その視線を追って周防さんもチハルを見る。
周防さんの表情からは、ヌイグルミがどうかしたのか?というような疑問が伺える。

えっと……
1「この子がどうかした?」
2「小さいときに誕生日にもらった子なんです」
3「今日新しいリボンを買ってあげようと思って…」

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3「今日新しいリボンを買ってあげようと思って…」

「思わずつれてきちゃいました、あ、あはは……」
苦笑いしながら、チハルを机の上に置く。
「そーか。じゃあ、後で小物屋かどっかに行かないとな?」
チハルの頭をなでながら周防さんが二カッと笑う。

「……」
対して、御門くんは無言のまま、じっとチハルのことを見ていた。

(な、何か気になることでもあるのかな……?
もしかして、ただのぬいぐるみじゃないって察してるとか?)
その視線に、なんとなく私が落ち着かなくなってしまう。
「あ、あの……そろそろしまってもいいかな?」
私の言葉に、御門くんは小さく頷く。
…が、完全にしまわれるまで御門くんの視線はずっとチハルに注がれたままだった。

「と、ところで二人は、今日は他に行きたいところは?」
少しでも気をそらそうと、私はすぐに新しい話題をふる。
「んー…」
私の質問に、考える様子を見せる周防さん。
少し辺りを見回し―――やがて、その視線がある一点で止まる。
「あ、アレなんか楽しそうじゃないか?」
おもむろに窓の外を指差した。
その指先を追って私たちはそちらに視線を向ける。

そこには一枚のチラシ。
「縁日?」
どうやら今のイベントホールでのイベント内容の告知のチラシのようだ。

今は夕方から夜限定での縁日をやっているらしい。

「おう。何かさ、楽しそうじゃないか?」
嬉しそうに周防さんが言った。
「……縁日……?」
御門くんはチラシをじっと凝視しながら小さく呟く。

1、「御門くん、縁日に興味があるの?」
2、「周防さんはお祭りが好きなんですか?」
3、「縁日かぁ……行ってみませんか?」

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1、「御門くん、縁日に興味があるの?」

いつもあまり反応を見せない御門君が呟いたので、おや?とおもって聞いてみる。

「……神仏に縁のある日なんですか」
「…へ?」
「あ~~~~~~、冬馬」
御門くんの言葉の意味が分からず首を傾げる私と、脱力したようにパタパタと手をふる周防さん。

「お前が思ってる縁日と違うから」
「…………?」
「こういうところでいう縁日ってのは出店、屋台のことなんだよ、OK?」
「………」
分かったのか分からないのか、チラシから視線を外した御門君は食事に戻った。

「?」
「ああ、気にしなくて良いよ。コイツがまたズレたこと考えてただけだから」
苦笑しながら、周防さんも食事を再開する。
周防さんの様子から、たぶん私が聞いても良く分からないことなんだろうな…。

「でも、これ夕方からですから、まだ時間ありますね」
「うん、そうだな~。それじゃ、先に愛菜ちゃんの買い物しちゃおうか」
「あ、はい」
「その子のリボンのほかに、買いたいものとかないの?」

えーっと…

1「リボン以外は特にないです…」
2「ちょっと服を見に行きたいです」
3「文具を見に行きたいです」

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1「リボン以外は特にないです…」

もともと何かが買いたくてショッピングモールに来たわけではない。
リボンのこともさっき思いついただけだし…。

「そっか。それじゃ、食べ終わったらとりあえず、雑貨屋にいこうか」
「はい」
「…………」
周防さんに頷く私と、無言の周防君。
なんか、こうしていると一気に兄弟が増えたみたいだ。
優しいお兄ちゃんの周防さん。
お兄ちゃんに甘える妹の私と、ちょっと反抗期な弟の御門くん。

「うん?どうしたの愛菜ちゃん?急ににやにやして」
「に、にやにやってなんですかっ、せめてニコニコと言ってくださいっ」
「はははっ、で、なんでニコニコしてるの?」

そ、それは…

1.兄弟が増えたみたいで楽しい。
2.周防さんって、お兄ちゃんみたい
3.ないしょ

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3.ないしょ

「ないしょです」
(兄弟が増えたみたいで楽しいなんて言ったら、また周防さんに子供扱いされちゃう)

「ふぅん。俺たちに隠し事するんだ?」
「そうですよ、私だって女の子ですもん。秘密にしたい事くらいありますっ」
私は胸を張って答える。

「へぇ~。だけど、愛菜ちゃんの顔にバッチリ書いてあるんだよなぁ」
周防さんはイタズラをする子供のような笑みを浮かべて言った。
「……何が書いてあるんですか?」
「兄弟が増えたみたいで楽しいってさ。かわいいよなぁ、よしよし」
そう言いながら、周防さんは私の頭をポンッと手をのせた。

(うぅ~~~、周防さんには敵わないよ)

「………………」
黙っていた御門くんの視線が私の頭に注がれた。
ジーっと無表情のまま、私の頭上だけを凝視する。
そして、御門の手がスッと私に伸びたかと思うと、ポンッと頭の上に置かれた。

私の頭に二人の手がのっている。

私は……
①周防さんを見る
②御門くんを見る
③二人の手を振り払う

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