261
③御門くんに好みの色を聞いてみる。

(一応本人にも聞いておいたほうがいいかな?)
いろいろな色のシャツを見ながら、私はそんなことを思った。

「私、ちょっと御門君に聞いてきますね」
「おう」
周防さんに見送られながら、私は試着室の前へと歩いてくる。

「御門君?ちょっといいかな?」
ノックをしながら呼びかける。
「はい」
中からはすぐに御門君の返事が聞こえてきた。
そして、ほぼ同時に試着室のドアノブが内側から回される。

それを見て、ふと脳裏に浮かんだのはさっきの光景。
何故か嫌な予感が頭をよぎる。

「あ、いいの!いいから、開けないで!そのまま聞いてっ」
慌てて言うと、ピタリとドアノブの動きが止まった。
……どうやらすんでのところで止まってくれたらしい。

(ま、間に合った……)
内心ほっと胸をなでおろしつつ、本題に入る。
「あのね?御門君って、何色が好きなのかな?」
「…………色?」
聞き返された言葉に私は頷いた。
「うん」

反応はすぐには返ってこなかった。
ほんの少しだけ沈黙が訪れる。

(だ、大丈夫かな……?)
心配になりつつも、私は御門君の答えを根気強く待つ。

やがて、内側から聞こえてくる御門君の声。
けれどそれは質問の答えではなくて。
「………………あなたは?」
「え?私?」
「はい」
私が御門君に質問しているはずなのに、質問をそのまま返されてしまった。

御門君なりに考えて、迷っているのだろうか?
……それとも、そういうのもよく分からなかったりするのだろうか?

疑問に思いつつも私は考える。

(私の、好きな色……)
うーん、どれかと言えば……

1.暖色系の色が好き
2.寒色系の色が好き
3.モノトーン系の色が好き

262
2.寒色系の色が好き

「赤とか黄色とかよりは、青とか緑のほうが好き、かな?」
ちょっと考えて答える。
そういえば、チハルの首に結んであるのも青いリボンだ。
私の好みを知っている隆が選んだのだから当たり前だけど…。

(そういえば、チハルのリボンもだいぶ色あせちゃったな…)
鞄のポケットに入っているチハルを見て、後でリボンを見に行ってみようかと思いつく。

「…………青と緑」
長い沈黙の後、御門君の思案するような声。

「御門君は?」
「………緑」
最初の問を返すと、御門君の答えが返ってきた。

「分かった緑ね?ちょっと待ってて」
御門君の答えを聞いて、周防さんのところへ戻る。

「御門くん緑色が好きみたいです」
「へぇ?そうなんだ……にしても、よく冬馬から答えを引き出せたなあ」
「そうですか?……あ、これとかどうでしょう」
「それもいいが、こっちはどうだ?」
「あー、そっちもいいですね…」

私が手に取ったのは、淡い緑色のシャツ
周防さんが手に取ったのは、深緑色のシャツ

さて、どうしよう…

①淡い緑色を持っていく
②深緑色を持っていく
③両方持っていく

263
③両方持っていく

―――両方試着してもらって、それから考えてもいいよね?

「じゃあ、両方持っていきましょうか?」
「そうだな」
私の言葉に頷くと、周防さんは私の手から淡い緑色のシャツをそっと取った。
「んじゃ、俺が持ってくよ」
そして、私に背を向けて試着室のほうへと歩いていく。

何気なく、そのまま様子を見守ることにする。

さっきの私と同じように、試着室のドアをノックする周防さん。
やがて、中から御門君が出てきた。
「………」
周防さんはふたつのシャツを御門君に見せながら笑顔で何かを話している。
御門君は特に頷いたりすることもなく、ただ差し出されたシャツをじっと見つめていた。

そんな二人を見ながら私は、

①御門君のことが気になっていた。
②周防さんのことが気になっていた。
③二人のことが気になっていた。

264
①御門君のことが気になっていた。

ほとんど無表情で、何を考えているのかさっぱりわからない。
無口だけれど、言葉は普通に話せる。
真面目そうだけど、夜中に家の前にいたりする。
なぜか微妙に常識がずれていて、行動が読みにくい。

(ほんと、不思議な人だよね御門くん…)
「愛菜ちゃん」
ぼーっとしていると、周防さんがにこにこと私を手招きしている。

「はいっ」
周防さんの隣に立つと、御門君が淡い緑のシャツを着て立っていた。

「愛菜ちゃんが選んだほうが良いっていうから、こっちにきめちゃったよ」
「え?あ、はい」
「…………」
「このまま着ていけるようにしてもらうよ。愛菜ちゃん、ごめん。これ返しておいて。冬馬ほら、レジいくぞ」
「いってらっしゃい」
私は、周防さんから深緑色のシャツを受け取ると元の場所へ戻した。
レジのほうを見るとまだ並んでいるところだった。

(レジにいっちゃうと他のお客さんの邪魔かしら…?)

1.二人に合流する
2.店の中を見て回る
3.店の外で待つ

265
3.店の外で待つ

私は店の外に出て、二人が会計を済ませるのを待っていた。

(よかった。御門君の服、とっても似合っているな)

買ったジーンズの裾を切らずに済んだのは、御門君の足が長い証拠だ。
制服では気付かなかったけれど、長い手足と均整の取れた体つきは日本人離れしている。
レジで並ぶ周防さんと御門君は、いい意味でとても目立っていた。

(もしかして、二人ともかなりかっこいいんじゃないのかな……)
そう考えると、夢の中で『デート』と言った周防さんの言葉が頭をかすめた。
思わず気恥ずかしくなって、うつむいてしまう。
(これはデートじゃなくて、気晴らしだよ、気晴らし)

「愛菜ちゃんお待たせ……って、あれ? 顔が赤いみたいだけど大丈夫?」
周防さんはクスッと笑いながら、私に尋ねる。
「いえ、なんでもないです」
「そう? 意外と俺たちがイケてるかも…なんて思ってたんじゃないの?」
身をかがめ、周防さんは楽しそうに私を覗き込む。
「………!」
「初々しいねぇ。だけど、男に対してもう少し耐性をつけた方がいいかもしれないな」
「本当になんでもないです」
「そんな嘘つきにはお仕置きだぞ~」
そう言って、周防さんは私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「か、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてくださいっっ」
髪をおさえて、私はほぼ無意味な抵抗を試みる。
「ほれほれー」
周防さんは笑いながら、しばらくそのまま撫で続けていた。

少しの間、私をいじめて(?)いた周防さんがようやく手を止めた。
「おっと。冬馬が妬いてるし、このくらいにしておくかな……」
「…………」
御門君はあいかわらず無表情に私を見つめている。

私は
①御門君に話しかける
②周防さんに話しかける
③二人の様子をみる

266
①御門君に話しかける

「嫉妬って…、なんで御門くんが嫉妬するのよ、ねぇ?」
「…………」
御門くんに同意を求めるが、案の定無言で見つめられるだけ。

「………」
「え?」
スッと御門くんが近づいてきたかと思うと、さっき周防さんがしたように私の頭をなで始める。
周防さんと違うのは、ぐしゃぐしゃになった髪を整えるような丁寧なものだということ。

「……っぷ、は、あはは、な、だから……ははっ、言ったろ?……っぷぷ」
びっくりする私と、頭をなでつつける御門くんを見ながら、周防さんが爆笑する。
予想外のことに、私は呆然とされるがままになっている私。

「み、御門くん、髪大丈夫だから……」
「………」
我に返った私の言葉に、御門くんは頭をなでるのをやめた。

(び、びっくりした…)
「さてと、次はどうする?」
ほてった顔に手を当てていると、周防さんがたずねてきた。

時間を見ると、もう少しでお昼。
チハルの新しいリボンもみたい。
周防さん達は何か他にほしいものはないのだろうか?

1.早めに昼食にする
2.チハルのリボンを見に行く
3.周防さんたちにどこか行きたいところはないか聞く。

267
1.早めに昼食にする

「少し早いけど、先にご飯にしませんか?日曜日で混みそうだし」
「うん、それがいいかもしれない」
周防さんも時計を確認して頷いた。

「それじゃ、移動しようか?」
「はーい」
「…………」
「ところで愛菜ちゃんは朝なにたべてきたの?」
「えっと、ホットケーキです。周防さんと御門くんは?」
「俺?俺は普通にご飯に味噌汁だったなぁ~」
「………」
「……御門くんは?」
「………」
無言のままじっと見つめてくる御門くん。

「冬馬は、どうせ食べてきてないだろ?」
「………」
周防さんの言葉に、かすかに頷く御門くん。

「そうなんだ?」
「冬馬はいつものことだよな。愛菜ちゃんは何が食べたい?」

私はこういうところに来ると大体ファーストフードで済ませちゃうけど…。
御門くん朝食べてないならちゃんと食べられるようなところが良いかも。
でも、和食は周防さんが朝食べてきたって言ったし…。

①ファーストフード
②ファミレス
③名物カレー専門店

268
③名物カレー専門店

「フードコートに名物カレー専門店があるんです。そこにしませんか?」
「俺はいいけど。冬馬、お前は?」
周防さんは御門君に尋ねる。

「……………おととい」
「オトトイ?」
御門君の言葉の意味がわからず、私は思わず聞き返した。
「一昨日、あなたの夕食はカレーでした」

(……おとといは確かにカレーだったけど、なぜ御門君が知っているんだろう)

「どうして御門君が私のおとといの夕食を知っているの?」
「…………」
御門君はじっと私を見つめている。
答えが返ってくるのを私は辛抱強く待った。

「……つながってるから……わかります」

御門君には仮契約で守ってもらっているんだった。
だけど、食べたものまで御門君にわかってしまうなんて……。
もしかして私がトイレに入ったりしても御門君に筒抜けなのかな。

(そ、それは困るよ!)

「ストップ! それ以上話すとペナルティだけどいいのかな、お二人さん?」
周防さんが私たちの会話に割って入る。

私は……
①周防さんに言うことをきく
②御門君にさらに尋ねる
③とにかくカレーが食べたい

269
①周防さんに言うことをきく

(そ、そうよねっ、今日はこういう話はなしだもん、後で御門君に聞こう…)
「………」
「はい、いい子いい子」
口をつぐんだ私たちの頭を、周防さんが子供にするようになでる。

「で、愛菜ちゃんはおとといカレーだったみたいだけど、いいの?カレーで」
「家で食べるカレーと専門店のカレーは別物ですから」
「確かに、ちがうよなぁ~、やっぱりスパイスとかかね?っと、冬馬カレーでいいか?」
「………」
無言で頷く御門君を確認して、周防さんは頷いた。

「それじゃカレーにすっか。混む前にレッツゴー」
「はいっ」
「………」
歩き出した周防さんについて歩きながらふと、疑問が浮かぶ。

「周防さん、ここに良くくるんですか?」
「ん?いや?できた頃に一回だけかな?どうして?」
「足取りに迷いがないので…よく来るのかなと……」
「あ~、ほら入り口にモールの全体図と店の案内があったのみたから」
「確かに…ありましたね」
でも、立ち止まってまで見ていない。

(一瞬見ただけで全部覚えちゃった…とか?まさかね、大まかに覚えてるだけよね)
「さて到着~、とりあえず入ろう」
「はーい」
店内に入るとお客さんはまだまばらで、好きな席に座ることができた。
メニューを開きながら、周防さんがたずねてくる。

「何食べる?」
「う~ん……」
私が好きなのは、このへんだけど…今日はどうしようかな?

①ベジタブルカレー
②チキンカレー
③激辛カレー

270
①ベジタブルカレー

「愛菜ちゃん、決まった?」
周防さんはメニュー表を見ながら尋ねてきた。
「私はベジタブルカレーにします」
「了解。冬馬は?」
その時、ウェイトレスが注文をとりにやって来た。

「俺はビーフカレー、この子はベジタブルカレー。お前はどうするよ?」
周防さんに促され、御門君はメニュー表をゆっくり指差す。
「激辛カレーでよろしいでしょうか?」
ウェイトレスの質問に御門君は無言で頷いた。

オーダーの確認を済ませると、ウェイトレスは去っていった。

目の前には、周防さんと御門君が座っている。
(よく考えたら、この二人の事を何も知らないのよね……)

まずは…すぐに答えてくれそうな周防さんに何か質問をしてみようかな。

①年齢をきく
②職業をきく
③御門君との関係をきく

|