241
1、今すぐに伝える

キッチンをのぞくと春樹がホットケーキを作っている最中だった。

「おはよう春樹」
「あ、姉さんおはよう。早いね」
「うん、目が覚めちゃった」
「姉さんも食べる?丁度焼けたけど」
「たべる~。ありがと」
春樹が焼いてくれたホットケーキを受け取りテーブルに座る。

「そうそう春樹、今日私でかけてくるね」
「どこに?」
「ショッピングモール」
「買い物?俺もついていこうか?」
「大丈夫よ。春樹も疲れてるみたいだし、ゆっくり休んで」
「俺のことは気にしなくて良いのに…。でも、気をつけて行って来てよ?何があるか分からないんだから」
「うん」

春樹には伝えたし、後は準備して出かけるだけかな。
まだ早いけど…
(あれ?)
携帯電話を見ると、メールが来ていた。
見ると一郎君からだ。時間は夜中、私が寝た後にきたみたいだ。

『電話に出られなくてすまない。なにかあったのか?』

一郎君らしい簡潔なメール。
私からの着信をみて、わざわざくれたみたいだ。
どうしよう…?

1メールで返信する
2電話をかける
3返事をしない

242
1メールで返信する

日曜日だし、まだ寝ているかもしれない。
メールで返信することにする。

”わざわざごめんなさい。
 用件は済んだので、大丈夫です”

何のために電話したのか書こうかなやんだけどやめて、簡単にすませる。

返信もすんで部屋にもどって戸を開けると、何かにぶつかる音。
(あれ?)

あけてみるとテディベアが転がっていくところだった。
「きゃー、ごめんごめん…」

私が出て行った後をついてこようとしたんだろう。
テディベアはとまると、また私のほうへヨタヨタと歩いてきた。
足元までやってきたテディベアを抱き上げる。
「ごめんね」

謝って頭をなでる。
(そうだ、この子に名前をつけようかな?)

①名前を考える
②やっぱりやめる
③”くまちゃん”でいいか

243
①名前を考える

(うん、やっぱり考えてあげよう!)
ずっとくまちゃんって呼んでた人形をじっとみる。

「誕生日にもららったんだから…って、男の子かな?女の子かな?」
神様にだって性別はあるとおもうし…。

(青いリボンをつけてるから、男の子…?)
首に巻かれたリボンをなでる。

(春に私と会ったんだからやっぱり春にちなんだ名前がいいかな?)
リボンをなでている私の手をふわふわした手で捕まえようとする仕草が愛らしい。

(そういえば結構風の強い日だったなぁ)
春だから、風が強い日が多いのは当たり前だけれど、あの日は特に強かった。
庭においていた鉢植えが、誕生日会の最中に倒れてしまったことを思い出す。

(でも、熊だし、男の子っぽい、強い名前がいいのかなあ?)
ぱぱぱっと、歴史上の人物の名前が頭をよぎる。

どうしよう?

1.チハル
2.フウタ
3.タカモリ

244
1.チハル

「よし、今日からお前はチハル。チハルって名前ね?」
青いリボンをつけているからといって、男の子とは限らない。
どちらでも通用する名前にする。
そんな、私の言葉にチハルはくるくるとその場で回った。

(喜んでるのかな?)
いまいちよく分からないが、嫌がってはいないみたいだ。

(さてと、出かける準備しなくちゃ…)
時間はまだ8時を過ぎたばかり。
けれど、着ていく服もぜんぜん決めていない。

(何を着ていこうかな…?)
クローゼットとたんすを開け、悩む。

①普段どおりのジーンズ
②かわいいワンピース
③スポーティなホットパンツ

245
①普段どおりのジーンズ

昨日の周防さんの言葉を意識する訳ではないけれど、特別めかしこむのもなんとなく気恥ずかしい気がする。
普段どおりのジーンズにレイヤード風のカットソーをあわせて床にひろげてみる。

(とりあえず、こんなかんじで良いかな。…それとももうちょっと気合入れるべき?)

広げた服を前に考えているとヨチヨチと歩き回るチハルが目に入った。
気休めとは思いつつ抱き上げて話しかける。

「ねえチハル。今日着ていく服、こういうのはどう?」
顔を覗き込むと、私を見上げてまるで「何のこと?」と問い掛けるように首をかしげた。

「これじゃ地味すぎるかな?」

重ねてきくと数秒間をおいた後、チハルはまるで子猫がするように頬擦りをした。

(…ってチハルにきいても仕方ないか)

苦笑いをしつつ、ご機嫌な様子であちこち動き回るチハルをベッドの上に座らせる。
「今日はちょっと出かけてくるから、いい子でお留守番しててね」
小さな子供に言い聞かせるようにチハルにそう言って広げた服を手にとった。

チャーラーラーチャラーラーラー

「電話?」
鳴り響く携帯電話を取り上げるとディスプレイには見知らぬ番号が映し出されている。
(知らない番号だ…普段だったら出ないんだけど)

一瞬昨日の周防さんと御門くんの事が頭の隅をかすめる。彼らは私の番号は知らないはずだけれど、もしかしたら何か急な連絡事項でもあって電話をしてきたのかもしれない。

電話に出るべきか否か躊躇していると、下げたままの腕に柔らかい感触がした。
見ればチハルがしがみついている。

「どうしたの?」

チハルは真っ黒いまん丸な目で私をみつめたまま動かない。

どうしたんだろう。

1、電話は後回し、チハルが気になる
2、チハルは後回し、電話に出る
3、どちらも気にせずに支度を続ける

246
1、電話は後回し、チハルが気になる

「チハル?」
じっと私を見つめる目が何かを訴えているようだ。
腕にしがみつくその様子は、絶対に離れないぞ、という意思を感じる。

「もしかして、置いていかれたくないの?」
さっきも私を追いかけて、戸の前まで来ていたことを思い出す。
私の言葉に反応するように、チハルが私の腕をよじ登ってきた。
携帯電話の呼び出し音が止まり、伝言モードに切り替わった。

(知らない電話番号だけど、大事な用事なら伝言入れるわよね…間違い電話かもしれないし)
私はチハルを抱き上げて、目線の高さまで持ち上げる。

「一緒には行けないのよ?」
私の言葉に、イヤイヤというように、手足をじたばたさせるチハル。
そのかわいさに、ついほだされそうになる。

(どうしよう…)

①つれていく
②言い聞かせておいて行く
③隆に相談する

247
①つれていく

つぶらな瞳に見つめられて…落ちた。

(かわいいよもぅぅぅぅ!)
「わかったわかった、つれていってあげるから。でも、絶対に動いちゃ駄目だからね?」
チハルはわかったのか動きを止めた。

「ふふ、まだうごいててもいいよ?外にでたらうごかないようにしてね?」
大き目のバックなら、チハルを入れてもって歩いても大丈夫だろう。
そういえば、あのバックはどこにしまったっけ?
室内を見回してとりあえず置いておいた携帯電話に視線がとまる。

(あ、そういえばさっきの電話…)
見ると、伝言は入っていない。
かけなおしたほうがいいだろうか?

さて、どうしよう…?

1.まずバックを探す
2.とりあえず折り返し電話をかけてみる
3.先に着替えをする

248
1.まずバックを探す

着替えは一応用意してあるので着替えに時間はかからない。
電話はメッセージも入っていないので大事な用件ではないと判断する。

(クローゼットだったかな…)
大きめだから、形が崩れないようにクローゼットの奥にしまったような気がする。

「確か、この辺……あ、あった」
青い縞のトートバッグを見つけ引っ張り出す。
外側に大きなポケットがついているので、そこにチハルを入れるとかわいいかもしれない。

「あれ?」
バッグを取り出すときに、奥のほうから一緒に引きずられて出てきたらしい箱が床に転がっている。

「なんだっけ?これ…」
手のひらより少し大きめの平たい箱。
あけてみると、かわいらしいネックレス。

「かわいい……でも、こんなの持ってたっけ?」
記憶を探るが、引っかかるものがない。

(もしかして、お母さんの?)
子供の頃からずっと使っている部屋だ。
家具などは時々配置を変えたりしているが、家具そのものはずっとそのまま使っている。
私に覚えがないとすると、お母さんが置いていったものとしか思えない。

(あ、今日着て行こうと思ってた服に合うかも…)
普段どおりの服装だと少し地味だけれど、これをつけると少しは華やぐ。

①つけていく
②つけていかない
③もう少し考える

249
①つけていく

(少しくらいならおしゃれしたっていいよね?)
結局、私はそのネックレスをつけていくことにした。

「さてと…そうと決まったら早く準備しないとね」
呟きながら時計を見る。
今から支度すればちょうどいいくらいに家を出ることができそうだ。
(遅刻だけはしないようにしないと…)
そんなことを考えながら、着替えに手を伸ばそうとすると。

チャーラーラーチャラーラーラー

「わっ」
まるではかったかのようなタイミングで流れ出すメロディ。
……携帯だ。

(えっと、このメロディは…)

1.電話の着信メロディ
2.メールの受信メロディ
3.アラームで設定していたメロディ

250
1.電話の着信メロディ

「電話だ…」
さっきは知らない電話番号だったけど…今度は?

「あれ、一郎君?」
一応メールを返信しておいたけれど、気になって電話してくれたのかもしれない。

「はい、もしもし?」
「…大堂か?」
「うん、昨日はごめんね?わざわざメールまでもらっちゃって…」
「いや、かまわない。返信は読んだからな」
(返信を読んでも電話をくれたってことは、何か別の用事なのかな?)
「それとは別件なのだが、今日これから時間はあいているだろうか?」
私の思考をよんだかのように、一郎君が言葉を続ける。

「え?今日これから…?」
「ああ、何か予定がはいっているのか?」

なんて答えよう…?

①「うん、ちょっと出かけるの」
②「知り合いと買いものに…」
③「…一郎君の用事はなに?」

|