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③香織ちゃんの名前

「もしもし、愛菜?」
通話ボタンを押すと聞きなれた香織ちゃんの声が耳に飛び込んできた。
知らぬ間に身構えていたのか、肩の力がぬけていくのを感じる。

「香織ちゃん! どうしたの、休みの日に電話なんて」
「どうしたの、はこっちのセリフ! 昨日学校休んだでしょ?
そんなに怪我の具合悪いの? 大丈夫?」
電話の向こうで眉間に皺を寄せる香織ちゃんの顔が目に浮かぶようだ。

「…それでわざわざ電話くれたの?」
「悪い?」
「ううん。怪我は大したことないんだけど、大事をとってお休みしたの。
メールしとけばよかったね、心配かけてごめん」

反省して素直に謝ると、香織ちゃんは諦めたように笑った。
「まったくもう……。あ、そういえば。昨日愛菜の弟さんも早退したんだって?
脳震盪起こしたって聞いたけど、大丈夫なの?」
「うん。念のため検査もしてもらったけどなんともないって」
「そっか、良かった。でも弟さんもやるねー」

それまで神妙に話していた香織ちゃんの茶化すような声が気になって私は顔を上げた。
当の春樹は所在無さげに窓の外を眺めている。

「? 何の話?」
「聞いてないの? 女の子かばって怪我したってちょっとした噂になってるよ?」

そんな話は初耳だ。私は…
1、香織ちゃんに詳しく話を聞いてみる
2、なぜか動揺して言葉を失う
3、あとでさりげなく春樹に確認する

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2、なぜか動揺して言葉を失う

(え?)
急に香織ちゃんの声が遠くなる。

(春樹が女の子をかばって…?)
ちらりと春樹を見る。
春樹は何か考えているのか、少しうつむいて難しい顔をしている。

(そうだよね、春樹優しいもん)
困った人がいれば誰だって手を差し伸べるのが、春樹だ。

(私もいつも助けられてばかりで…)
急に苦しくなった胸に無意識に手を当てる。

「……だからね、って愛菜?聞いてる?」
「え?あ、ごめん、なに?」
「もぅ、どうしたの?本当は具合悪いのに無理してない?」
「だ、大丈夫だって」
「大丈夫そうな声じゃないわよっ!話しはまた後にするわ。今日と明日しっかり休んで元気になりなさいっ」
「う、ん、ごめん。ありがとう」
「じゃ、月曜日に。あ、具合悪かったらちゃんとやすむのよっ?じゃね」
なんとなく切れた電話を見つめる。
呼吸をするのが苦しい。

「姉さんどうしたの?長谷川先輩だったんだろ?なんかあったの?」
「え!?」
じっと動かない私を不信に思ったのか、春樹が顔をのぞきこんできた。

①なんて言おうか考える。
②春樹に昨日の話を聞く。
③なんでもないとごまかす。

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③なんでもないとごまかす。

「あ、えーっと…」
ぼーっとしているところを、覗き込まれてあわてた。

(別に怪我のこと聞くのは悪いことじゃないよね…でも、いまさらって感じも…)
春樹は自分の失態を話したがらない。

「姉さん?」
「…なんでもないよ」
「そう?」
少し眉をしかめた春樹はテーブルに置きっぱなしのアルバムを手に取る。
パラパラとめくると懐かしい写真ばかりだ。

「あ、この写真」
「……!な、なんでこんなのまで残ってるんだよ…」
小学校の演劇のときの写真。学年ごとに違う演劇をした。

「……ちぇっ、あと2ヶ月早く生まれてれば、姉さんと同じ学年でこんなことしなくて良かったのに」
春樹のつぶやきにふと自分たちが実質3ヶ月しか年が離れていないことを思い出す。

「あーそっか、5月生まれだもんね…そういわれれば、私が3月だから私が1ヶ月…というか2週間くらい遅ければ同じ学年だったんだ」

それにしても、演劇のときの春樹…
①「かわいかったよね」
②「かっこよかったよね」
③「おかしかったよね」

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②「かっこよかったよね」

「…目が笑ってるよ、姉さん」
春樹が恨めしそうにこっちを睨む。

「そう?」
「そうだよ。まったく、なんでこんな写真がいっぱいあるかな…」
そう言いながら春樹はアルバムをめくった。

アップのものから全身を写した物まで、数ページにわたって舞台上の春樹を写した写真が並ぶ。
まるで舞台演劇のパンフレットだ。

「何も不思議な事はないでしょ、なんたって王子様役だしね」
「~~だーかーらー!」
春樹は顔を真っ赤にして勢いよくアルバムを閉じた。

「そんなに照れなくたって良いじゃない。似合ってたよ、白タイツ」
「姉さん!」

再び開こうとしたアルバムを春樹は素早く私の手からもぎ取った。
(そういえば当時も王子様って呼んで怒られたっけ)

不意に蘇る懐かしい光景。
春樹が王子を演じたのは…

①ラプンツェル
②いばら姫
③白雪姫

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③白雪姫

学年ごとの演劇だったけれど、人数は結構いる。
演劇に出演する人と、舞台の外で舞台にあわせた歌や演奏する人に分かれていた。
王子様役の春樹は最後のほうにちょっとしか出番はなかったけれど…。

「うん、やっぱりかっこよかったよ」
春樹と家族になって半年くらいしかたっていない頃だったけれど、驚いた記憶がある。

「だーかーらー…」
「だって、本当にびっくりしたんだよ?春樹ってかっこよかったんだなーっておもったもん」
「………はいはい」
半分あきらめたようにため息をつく春樹。
そういえばあの後春樹はラブレターとか結構もらってた。

「そういえばあの後ラブレターとか結構もらってたっけ…」
思い出したことをそのまま口にして、ふとまた胸が苦しくなる。

「そんなの全部ことわったよ……。ねえさん、どうしたの?」
無意識に胸を押さえていた私に、春樹が心配そうに尋ねてきた。

1、「ちょっと苦しくなって…」
2、「…なんでもないよ」
3、「なんだろう?」

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1、「ちょっと苦しくなって…」

私は少し苦笑いしながら正直に言った。

すると、突然春樹の両手が私の肩に置かれる。
「……ど、う、し、てっ。そういうことを黙ってるんだよ、姉さんっ」
怒り半分呆れ半分といった感じで春樹が言った。
「えーと、さっき、急にだったし……その、ちょっとだけだったから。ね?」
「はぁーー……」
たどたどしく弁解する私に、春樹は大きくため息をついた。
そして、私から手を離す。

「もうここはいいから少し休んできなよ」
「え、だ、大丈夫だよ?」
そんな大げさな……と慌てる私の鼻先に、びしっと突きつけられる人差し指。
「ダメだよ!姉さんはそうやっていつも無茶するんだから」
「あの、でも、隆が……」
なおも残ろうとする私の後ろに回って、春樹が前へ前へと押してくる。
「俺が見てるから!姉さん、頼むから少しは自分の心配をしてくれよ!」
半ば追い出されるようして、私はリビングから出た。

「ちゃんと休んでること!いいね?」
春樹はそういい残して、リビングのドアを閉めた。
「あはは……はぁ」
残された私からは乾いた笑いと小さなため息。

(まあ、春樹も私を心配してくれてのことだもんね……)
ちょっと複雑な気持ちもあったけど、私は素直に部屋に戻ることにした。


部屋に入ってすぐ、ベッドに倒れこむ。

(なんだか、疲れたし……今だけ。ご飯まで。ちょっと……休憩……)
だんだんと意識が薄れていく。
(今だけ、何も考えずに。ゆっくり―――)

そして、私の意識は途切れた。

(……?)
ふと、誰かに見守られているような気がして、そっと目を開ける。
ぼんやりとした意識のままで目の前の人物を確認しようとするとそこには……

①御門君がいた
②周防さんがいた
③お母さんがいた

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②周防さんがいた

「よっ」
目の前の人物は軽く手を上げて挨拶してくる。

それだけなら特に問題ない。
問題なのはその距離だ。

「わぁっ!?
ち、近っ!近い!近いですっ!」
私は慌てながらも後ろに下がって距離をとる。
「ははは、お前さんはホント面白いヤツなー」
そんな私の様子を見て、その人は子供のように笑うだけだ。

「ちょ、いきなり何なんですか―――周防さんっ!」

私の口からすんなりと出てきた彼の名前。
それを皮切りにこの間の夢でのことを次から次へと思い出していく。
……どうしてずっと忘れていたんだろう?

「おー、覚えてたか。それとも思い出したか?
ま、どっちにしろえらいえらいっ」
周防さんは嬉しそうに笑いながら私の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「か、髪がぐちゃぐちゃになるからやめてくださいよぉっ」
髪をおさえて、私はほぼ無意味な抵抗を試みる。

「ほれほれー」
私の反応が面白かったのか(?)、周防さんはしばらくそのまま撫で続けていた。
…………が、やがて。
「なんか、あったか?」
不意にその手を止め、私の顔を覗き込んでくる。
「え?」
「言ったろ。お前さんは分かりやすい顔をしてるって。
疲れてるの、もーバレバレだぞ?」
周防さんが優しく笑いながら、私の頭をまた撫でてくる。
今度はゆっくりと……優しく。

「何か悩んでるんなら、お兄さんでよければ相談に乗ってやるぜ?
……ま、話すも話さないもお前さんしだいだけどな」
言いながら、「どうする?」とばかりに僅かに首を傾ける周防さん。

私は……

1.話す
2.話さない
3.曖昧に誤魔化して話す

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1.話す


「組織って、何かなっておもって…」
するりと口から出た言葉に自分でも驚く。

「組織?」
周防さんはひょいと眉を上げた。

「私をねらってるんでしょ?隆には自覚はないみたいだけれど、隆の中の武くんは組織の人みたいだし…」
組織に武くんの存在がしられていないから、今は組織の人とは違うのかもしれないけど、少なくとも組織の人だった。
力のある人のクローンを作っているというのは、武君が教えてくれた。

「まあ、ヤツは昔から手段を選ばないやつだったよなぁ…」
「え?」
苦々しげに苦笑する周防さんを思わず見つめてしまう。

「周防さん組織のこと知ってるんですか?」
「うん、知ってるよ。というか、組織を作ったヤツを知ってる」

①組織の目的を聞く。
②組織を作った人のことを聞く。
③周防さんが何故知っているのか聞く。

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②組織を作った人のことを聞く。

「どんな人なんですか?その人」
「んー………………」
問いかけると、周防さんは微かに唸りながら考え込む。

しばらくして出てきた答えはこうだった。
「一言で説明するのが難しいヤツだな。
簡潔にまとめるのがまず無理。…これは今、気がついたんだけどな」
うんうんと神妙に頷きながら、周防さんは言葉を続ける。
「手っ取り早く会えば分かるんだろうが…そりゃお前さんの望むところじゃないだろ?」
今度は私は頷く。
「じゃ、今は気にしないほうがいいと俺は思うぞ。
わからんことで無駄に悩んでもストレスたまるだけだから。なっ?」
「は、はぁ…まあ、そうですね」
周防さんは苦笑いしながら小さくため息をついた。

「にしても、お前がそこまで悩んでたとはな。
そーんな疲れた顔になるまで考えこんで…ホントに大丈夫か?
胃潰瘍になってないか?頭ハゲたりしてないか?」
そして、私の頭をポンポンと軽く叩きながら聞いてくる。
「大丈夫ですよっ。た、たぶん…(周防さん、その心配は微妙です)」
されるがままになりながらも、なんとなく微妙な心境になる私。

「それに、その…それもあるんですけど。
他にもいろいろとあってですね…はぁー」
「ふむ……なるほどな」
ごにょごにょと呟きながらため息をつく私を見て、周防さんはひとつ頷く。

「じゃあ、お兄さんから提案だ。
…どうだ、ここいらで一度ゆっくり休憩してみるってのは」
「休憩?」
休憩って、どういうことだろう?
普通に考えれば休むってこと…だよね?
「そうそう。明日一日だけは、考えるのも悩むのも全部にしてだな。
で、パーッと遊ぶんだよ!」
満面の笑みで周防さんが言う。

①「そりゃ、そうできたらいいんでしょうけど…」
②「みんなが大変なのに、そんな無責任なことできませんよ」
③「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」

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③「どういうことですか?急にそんなこと言い出すなんて」

「だから、お前さんは疲れてる。考えすぎてるんだ」
ぽんぽんと私の頭をたたきながら、周防さんが優しく言う。

「お前さんの性格じゃ無理かもしれんが、お前は悩みすぎちゃいけない」
言い聞かせるような言葉がすんなりと心に染み渡る。

「悪いことばかり考えていると、いいことはないぞ。気分転換して明るく前向きに先をみるんだ」
「でも……」
周防さんの言うこともわかる。悪いことばかり考えちゃいけない。
でも、ファントムが私の都合を考えてくれるとも思えない。

「安心しな。お兄さんにまかせなさい。明日は何も起こらない。お兄さんが一肌脱いであげよう」
そういって周防さんは私の左手を取る。

「一日だけ契約だ。明日だけ俺が君に害をなすものを近づかせない。……さあ、返事を」

契約…なんて答えよう…?

1.「お願いします」
2.「どうしてそこまでしてくれるんですか?」
3.「周防さんは味方なんですか?」

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3.「周防さんは味方なんですか?」

「味方……か」
周防さんはゆっくり呟く。
その質問をまるでかみ締めるかのように。

「その答えはイエスであり、ノーでもある」
やがて、静かにそう答えた。

「どの視点から物を見るのか、そしてお前がどのように動くのか。
……それによっても俺のスタンスは変わってくる」
周防さんの、諦めたような……寂しそうな笑い。
(どうして、そんな表情……)
なぜか強く胸を締め付けられる。

「正直に言っていい。……俺が信用できないか?」
私をまっすぐ見つめて、周防さんが問いかけてくる。

「……」
何もいえないでいると、周防さんはゆっくりと手を離した。

「ごめんな?」

「あ……」
離れていく感覚がなんだか悲しくて。
私は俯くようにして、周防さんの手をじっと見つめていた。

「なら、冬馬でも構わないぜ?」
不意にかけられたその言葉に顔を上げる。
……それとほぼ同時に、頭の上に置かれた大きな優しい手。
「大事なのは、お前の意思だ。
俺はお前に、今はゆっくり休んでほしいと思ってるんだよ。
それだけは……絶対に嘘じゃないって言える」
周防さんは、暖かい……優しい表情を浮かべていた。

「だから、俺のこと信用できないならできないで構わないさ」
そして……最後にはいつもの子供のような笑顔を浮かべたまま、そんな悲しいセリフを言った。

私は……

①「信じます、周防さんのこと」
②「……御門君なら絶対に安全なんですか?」
③「周防さんを信じたいから……まずは3人で行きましょう」

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①「信じます、周防さんのこと」

一呼吸おいて言った私に、周防さんは少し目を細めた。
「少なくとも今は…。私にもこれからのことはわからないし、どうなるかわからないけど」

ずるい言い方かもしれないと思ったけれど、今いえる精一杯のこと。
「今は、周防さんを信じます」

私の言葉に周防さんはうれしそうな、あきらめたような微妙な顔をして笑った。
「…かわらないな。相変わらず…。お前さんらしい答えだよ。でもまあ、いい答えだ」

周防さんはもう一度私の左手をとった。
「それじゃ、契約だ。明日一日お前さんを守ろう」
「…お願いします」

私の言葉に周防さんが私の左手に唇を寄せる。
周防さんが離れた後、左の手の甲に星型の小さな痣。
(今度は爪じゃないんだ…)

ぼんやりとどうでもいいことを思っていると、周防さんがどこか遠くを見るような目をしていった。
「そろそろ目覚める時間みたいだな。ちゃんと明日はゆっくり休むんだぞ」

周防さんの声がだんだん遠くなっていく……


コンコン

ノックの音に目が覚めた。
「姉さん、晩御飯の準備できたけど起きてる?」
「うん、今行く」

ぼんやりする頭を振って、部屋を出る。
リビングへ寄ると隆も起きていた。
「あ、隆。どう?疲れは取れた?」
「ああ、悪かったな。気ぃつかわせたみたいで」

そういいながら、毛布を持ち上げる。
「きにしなくていいよ。そうだ、一緒に晩御飯食べていかない?」
「よければどうぞ。実はそう思って多めにつくったので」

リビング顔をのぞかせた春樹も隆を誘う。
「あ~、どうしようかな………」

悩むように言った隆の視線が、私の左手に吸い寄せられる。
「…愛菜、その痣……さっきまでなかったよな?」
「え?」

言われて左手を見る。そこには確かに少し前まではなかった星型の痣。
   フラッシュバック。
夢での出来事を思い出す。

1.なんでもない
2.夢でのことを言う。
3.ごまかす

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1.なんでもない

「なんでもないよ」
私はとっさに手を隠す。
周防さんを信じることにしたけれど、春樹や隆が信じてくれるとは限らない。

「ふぅん……」
隆は隠した左手から視線を外そうとはしない。
じっと、見つめ続けている。

(なんとか、話題を逸らさないと……)
「ね、ねぇ、隆。さっき、春樹が持ってきたアルバムを一緒に見ましょうよ。
小さい頃の隆もたくさん写ってるんだから」
「え? ……俺はいいよ」
「どうして? いいじゃない」
「それより、愛菜のアザ……」
「晩御飯ができるまで、姉さんと見ていたらどうですか?」
再び顔を覗かせた春樹が加勢する。
(ナイスフォロー、春樹)

「だめって言っても、勝手に見ればいいのよね。えーっと……」
私はアルバムをパラパラとめくる。
「あっ、これは私の六歳の誕生会の写真だよ。隆、ちっちゃくて可愛い」
吹き消したケーキの前で何人かの子供たちが笑っている写真を指差す。

「愛菜だって、小さいだろ……」
隆はようやく左手から視線を外して、写真に見入った。
「この時に隆からもらったプレゼントの小さなテディベア。私、未だに大切にしてるんだから」
「六歳の頃にもらったのを大事にするほど、愛菜って物持ちよかったか?」
『ホントか?』という疑いの眼差しを向けられて、思わずムッとする。
「嘘なんか言わないわよ。失礼ね」
「じゃあ、その証拠の品を見せてみろよ」

①テディベアを部屋から持ってくる
②私の部屋に行って証拠を見せる
③別の写真の話に移る
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