211
①「うん、ごめんね」

本当は終わっていないといいたかった。
今までのことは誤解だとわかったから。
でも、それじゃあ隆は私のために力を使い続ける。
そうして無理をしていたら消えてしまうかもしれない。
今もこんなに苦しそうで、不安定さを感じる。

「それじゃあ…」
苦しそうに息をつく。

「今、お前の一番近くに居るのは誰なんだ?」
「え?」
「この先お前を守るのは誰なんだ?」
(私を守るひと?)
ふっと顔が思い浮かぶ。

①春樹
②一郎くんと修二くん
③御門くん
全員選んだら

212
①春樹

今一番私のそばに居て守ってくれているのは、多分春樹だ。
隆や一郎君たちとは違って特別な力はない。
けれど私は守られている。精神的に。
普通じゃない出来事に何とか耐えられるのは、普通の春樹がそばに居て私を普通でいさせてくれるから。

「……春樹、かな?」
「そうか」
隆は目を閉じたまま微笑んだ。
そのまま、呼吸が深くなる。眠ったみたいだ。

それから少しして、春樹が飲み物を持って戻ってきた。

「あれ?隆さん寝ちゃった?」
3人分のココアをテーブルに置きながら春樹が隆を見る。

「そうみたい」
私は感謝をこめて春樹に笑いかける。

「……どうしたの?」
「ううん、なにも」
不思議そうな春樹に小さく首を振る。

「気をつけろ」
「?!」
眠っていると思った隆が口を開く。

「……隆さん?いや『武』さん?」
「そう。隆が眠ったから俺が出てきた」
うっすらと目を開いて武が起き上がる。

いくら隆の中にある意識だって、勝手に体をつかっていたら隆の体は休めないのではないか?
けれど、武なら組織のことを色々教えてくれるかもしれない…

1、「何に気をつけるの?」
2、「隆に無理をさせないで」
3、「あなたなら、組織の目的を知っている?」

213
2、「隆に無理をさせないで」

聞きたいことは山ほどあった。
けれど武が出てきても隆の顔色は悪いまま。
ふっとこのまま隆が消えてしまいそうな不安が心をよぎる。

「少しなら大丈夫。愛菜にお礼とお詫びを言いたくて」
「え?お礼?お詫び?」
「そうです。事故で入院していたときのことです」
武は頷いてちょっと微笑む。

「あの時、無意識にあなたが力を使ってくれたから隆も僕も生きている」
「え?」
「あなたは隆が元気になるように、ずっと祈っていてくれた。
 そして、無意識に力を発動させて……組織に愛菜の存在が知られてしまった」
「…私が力を使った?」
確かに隆が事故にあったとき、私はずっと祈っていた。
隆が無事でありますように、元気になりますようにって。
でも、力を使った覚えは……ない。

「ずっと呼びかけていてくれた。夢うつつでずっとその声を聞いていた」
「夢?」
やっぱり私の力は、夢に関係するものなの?

①力が夢に関することなのか聞く。
②呼びかけがどうして助けたことになるのか聞く。
③お礼は良いから隆を休ませてと頼む。

214
①力が夢に関することなのか聞く。

「やっぱり、私の力は予知夢なの?」
私は武に尋ねる。

「夢……ですか。それは、少し違うかもしれない」
「え?」

(私の力は予知夢なんじゃないの?)

「きっと、予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い」
そう言って、武はやさしく微笑む。
「ねぇ、武くん。それはどういう事?」
「夢は時に深層の願望を表す……。きっと、そのせいかもしれない」

(願望って、私の?)
「あなたの祈りは尊きものです」
「隆! じゃなくて…武くん、もう少しだけ詳しく教えて!」
「あ……。もう、隆がもう限界の…ようです……」

武くんはそう言うと瞼をゆっくり閉じていく。
そして、再び呼吸が深くなった。
私は……

①春樹に話しかける
②自分の力について考える
③武について考える

215
②自分の力について考える

夢は願望を表す…確かにそういうこともあるとおもう。
でも、私は隆と水野先生にキスをしてほしいなんて願望はなかった。

(むしろ逆だったはず…)
不安がそのまま夢の形になったというのならわかるけれど…。

(あ、でもそういえば…御門君に夢で会いたいって思ったら、あえたよね…)
あれは確かに願望だった。

(結局夢なんじゃ…?)
願望はすべて夢につながっている。
けれど、武くんは少し違うという。

(少し違うってことは、全然違うわけでもないのよね?)
色々考えるが、頭の中がごちゃごちゃになる。

①今はもう考えるのをやめる
②考え続ける
③春樹に話しを振る

216
②考え続ける

(武くんが言っていたことをもう少し考えてみよう)

『予知夢だと思い込んでしまったから……。もしも夢を見るなら、なるべくいい夢のほうが良い』
そう武くんは言っていた。

予知夢だと思い込むって、やっぱり私の力は予知夢じゃないって事なのだろうか。
でも、夢をみるならいい夢のほうがいいって武くんは言った。
それって、やっぱり夢と関わりがあるって考えたほうがいいのかもしれない。

(思い込み……ってところが気になるのよね)

私が『予知夢かもしれない』って思い込むと夢が現実になるってこと?
もし私が思い込まなかったら、それは現実として起こらなかった……?

隆と水野先生のことは起きて欲しくないと思っていた事が、現実に起こってしまった。
御門君には会いたいと思ったら会えた。
これはすべて夢で見た事だ。

そして、最後に『あなたの祈りは尊い』っていっていた。
祈りって……強く思い、願うこと。
私は隆が助かって欲しいとz強く願い続けた……、そして、それは叶ったんだ。

(私の祈りと夢の関係がもう少し分かればいいんだけどな)

1.考えるのをやめる
2.もう少し考える
3.春樹に話を振る

217
2.もう少し考える

(あぁ、でも、まって…)
私は予知夢をみても覚えていない。
こんなのが力なのかと、ずっと不思議におもってた。
覚えていなければ、予知夢として全然つかえないって…。
もし、予知夢だと思っていたのが、普通の夢で…
私の不安とかが現れたただの夢だとして…

(それが現実になったって…?)
予知夢じゃなくて、私がそれを強く思ったから?
いいこと、悪いこと関係なく強く思ったからそれが現実になった…?

(まさか、ね)
「……まさか、ね」
私の心の声に重なるように、春樹のつぶやき。
おどろいて、春樹を見る。

(もしかして、同じことを考えていた?)

①「春樹は武くんのいったことどう思う?」春樹の話を聞く。
②「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。
③「隆風邪ひいちゃうかな?」考えるのをやめて隆に毛布をもってくる。

218
②「私、考えてみたんだけど…」春樹に私の予想を話してみる。

おそるおそる私は考え付いたことを口にする。

「まさか、とは思うんだけど…私が強く思ったことが現実になる…とか?」
「…………」
春樹は困ったように私を見る。

「そんなことないよねっ!?もしそんな力なら…」
もしそんな力なら…組織に狙われてもぜんぜん不思議じゃない。
ふと、脳裏に浮かんだ言葉に思わず身震いする。

「……ねえさん落ち着いて。まだ何もかも推測の域をでないんだから」
言いながら少しさめてしまったココアを私に手渡してくれる。

「それに、もしそうだとしても、全部が全部かなってるわけじゃないだろ?」
そういわれて、よく考えてみる。
確かに、思っただけでそれが現実になるなら、私の本当のお母さんは今私のそばにいるだろう。
テストなんかも軒並み100点とかとれているはず…

1、力を使いこなせてないのかな?
2、でも、そんな怖い力なら要らないよ…。
3、もう、考えても仕方ない、御門君に会いに行こう

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1、力を使いこなせてないのかな?

「私の力がまだ不十分ってこと……?」
「わからない。だけどこれは憶測に過ぎないんだから、姉さんは気にしちゃだめだ」
「うん……」

私の思ったことが現実になるのなら、こんな恐ろしい事はない。
相手に腹を立てたり恨んだりすることだって当然ある。
もしも、私が強く憎んだり恨んだりすることで、その相手を不幸にさせてしまったら……。

「……姉さん、大丈夫?」
春樹が心配そうに覗き込む。
「へ、平気だよ。それより、隆に毛布持ってくるね」

私は毛布を持ってきて、寝ている隆にそっと掛けた。

「まさか……隆に影を操る力があるなんて思いもしなかったよ」
私は春樹に声を掛けた。
「それだけじやなく、別人格まであるんだから……もう、驚くしかないよな」
春樹はそう言って、苦笑する。

隆は穏やかな顔をして眠っている。
そんな寝顔をみていると、まるで何も知らなかった頃に戻ってしまったようだ。
だけど、私も春樹も隆も、普通の生活には戻れない。

(戻れるものなら……戻りたいよ)

①隆が起きるのを待つ
②御門君に会いに行く
③最初の頃に戻りたいと強く願ってみる

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①隆が起きるのを待つ

元の場所に座りなおし、隆の寝顔をぼんやりとながめる。
ふと、手紙の内容と春樹の言葉を思い出す。

「隆の本当の力ってなんなんだろうね?」
「…え?」
唐突につぶやい言葉に春樹が一瞬疑問の表情を浮かべ、それから首をかしげた。

「ああ…なんだろう?もしかしたら本人も気づいていないのかもしれない」
副作用で操れるようになった影。
武の言うとおりなら、本来の力は別にある。

「影が見えることに意識がいってしまって、本当の力にのほうには気づいてないんじゃないかな?」
春樹が隆を見ながら言う。

「本来の力が何なのかは分からないけど…力を使うのは危険なんだから知らないほうがいいことなんだよきっと」
「そうだね」
春樹の言うことはもっともだ。

 チャーラーラーチャラーラーラー

「あ…」
唐突に携帯電話が鳴る。
あわてて取り上げて、ディスプレイを見ると…

①一郎くんの名前
②修二くんの名前
③香織ちゃんの名前

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最終更新:2007年05月18日 01:27