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③御門君の名前を伏せて説明する

私はしばらく考えて話すことに決めた。
このままじゃいつまでたっても前に進めない。
(御門くんのことは、知らない男の子ってことにしておけば問題ないよね…)


「関係あるかわからないけど…」
そう前置きして私は夢での出来事を話した。

「大堂、そいつは君を主と呼んだんだな?」
「う、うん……」
「なんだよー、俺には話してくれなかったのに兄貴なら話すの~?」
「だ、だって、普通に夢だとおもうじゃない……」
修二君がぷーっとふくれる。

「いいんだいいんだ、俺なんて……」
わざとらしくいじける修二君を無視して、考え込む一郎君。

「おもいだした。時々学校で感じる残滓……あれと同じ感じだ」
一郎君は私をじっと見たままつぶやいた。

「ん?残滓?………あ~、いわれてみればそうかも」
一郎君の言葉に修二君もじっと私を見つめて頷いた。

結局二人だけわかってる……
1.「残滓ってなに?」
2.「二人だけわかってずるい!」
3.「あれは普通の夢じゃないの?」

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3.「あれは普通の夢じゃないの?」

「……そうだな。少なくとも普通の夢ではないだろう」
一郎君がゆっくりと頷く。
なんとなく私もそんな予感がしていたから、その返事は予想通りのものだったんだけれど。

「でもさ~、詳しいことはよくわからないよね~」
修二君が頭の後ろで手を組んで、一言呟く。

今度は三人で黙ってしまった。

「……これはあくまで俺の憶測に過ぎない、という前提で聞いてくれ」
やがて、そう切り出したのは一郎君だった。
その一言で私と修二君は一郎君に注目する。

「現時点での、俺の考えている可能性は……大堂とそいつが、何かの契約をしているか。
あるいは、大堂の力がその夢に作用しているかだ」
「どうして、そう思うの?」
私が問いかけると、再び一郎君は押し黙る。
……考えを整理しているのかもしれない。

少し間をおいてから、一郎君は難しい顔のままで考えるようにしながら答える。
「契約の可能性は、大堂が”主”と呼ばれていた点。
そいつの”あの人との約束”という言葉にそれが含まれているのかもしれない。
そして、大堂の力の可能性というのは……大堂、感覚がいつもの夢に比べてリアルだと言っていたな?」
私は頷く。
それを確認すると、一郎君は話を続けた。
「それが深く関わっているような気がしてならない。
……まあ、詳細がわからないから断言はできないが」
一郎君はそこで言葉を切った。

その推測を聞いて、私が思ったのは……

1、何かの契約をしている?
2、私の予知夢の力が強くなった?
3、どちらでもない、別の可能性がある?

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2、私の予知夢の力が強くなった?

私と御門くんが……何かの契約をしている?
(うーん?)
考えてはみたけれどあの夢の出来事以外思い当たる節が無い。
少なくとも私は、だからそこに別の要素が入ってくるとちょっとわからないけれど。

だとすれば、私の力が強くなったって可能性のほうが強くなるわけだけど。
(あの夢、なんだか中途半端だったような気もするし……)
ふと、昨日の夢を思い返してみる。

『……あなたが逃げずに、立ち向かうというなら』
どうしてああなったのかがそもそもわからない。
気がついたら御門くんが目の前にいて、そう話し始めていた。
あそこが完全に夢の始まりだとすると……ちょっと唐突な気がしなくもない。

(それに……どうしてそこまで私のことを……)
私があれこれ考えていると、一郎くんが口を開く。

「なんにせよ、そいつのことを詳しく調べる必要があるな」
その一言で私は思考を現実に引き戻された。
そうだ……こうなる可能性だって当然あったんだ。

どうしよう……調べられれば御門くんを確実に巻き込んでしまう。
けど、その一方で御門くんのことをもっと知りたいという気持ちもあった。

「あ、あのっ!」
私はとっさに口を開いた。

①「今はまだ、調べなくてもいいんじゃないかな?」
②「じゃあ、お願いしてもいいかな?」
③「私が調べてみたら、ダメかな?」

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③「私が調べてみたら、ダメかな?」

私の言葉に一郎君も修二君も驚いた顔をする。

「だめだ、危険だ」
「だめだよ、愛菜ちゃんに何かあったらどうするの?」
二人がほぼ同時に首を振る。

「で、でも、その男の子の顔は私しか知らないし…それに、私が主なら私を傷つけるようなことはしないと思うの」
二人は視線を交わす。視線だけで会話をしているみたいだった。

「……じゃ、学校でだけ!学校にいるときだけさがす!それならいいでしょ?」
「………なんで学校にいると思うんだ?」
一郎君が当然といえば当然の疑問を投げかける。

「え?だって……一郎君さっき学校で「ざんし」?を見たって言ったじゃない」
以前に学校で会っているとはいえない。
一郎君のさっきの言葉を言い訳にする。

「それって、学校にその男の子がいるかもしれないてことでしょ?」
「それはそうだが…」
難しい顔をして一郎君が黙り込む。

「姉さん、どうしたの?……なんで一郎先輩もいるんですか?」
そのとき、春樹が戻ってきた。
さっきまでいなかった一郎君の出現に、眉根を寄せる。

春樹すごく不振そう…
1、「修二君を探しにきたんだって」
2、「……偶然よ」
3、「春樹、結果どうだった?」

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3、「春樹、結果どうだった?」

「検査の結果は問題なしだったけど……こっちの方は問題があるみたいだね」
そう言って、春樹は私と双子の間に割り込む。

(このままじゃ、話がややこしくなりそう)
「ぐ、偶然なの。待合室に一郎君がいるからびっくりしたのよ。ね、修二君」
「え? あ……そ、そうなんだ。いきなり兄貴がいるんだもんなぁ、ホントに驚いたよ」
修二君と顔を見合わせて、無理やり笑顔を作った。

「何を言っている。俺は大堂と修二に話があってここまで来たんだ」

一郎君の言葉に、私と修二君は固まってしまう。
(なんで私たちのフォローを無駄にするかな)

「話って……また姉さんを狙う組織って話ですか? それとも得体の知れない力の話ですか?」
「君はまだ俺たちの話を疑っているようだな」
「当たり前です! 信じられるわけがない」

私だって夢のことがなければ、一郎君や修二君の話をまったく信じることが出来なかった。
……だけど、今なら確実に何かが起きているって事は分かる。
春樹に分かってもらうべきなのか、それともこのまま巻き込まないほうがいいのか。

私は……
①自分で話をする
②一郎君と修二君に話をしてもらう
③ごまかす

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②一郎君と修二君に話をしてもらう

私は春樹にかけるべき言葉が見つからない。

「どうすれば信じるんだ?」
その間に一郎君が春樹に問いかけていた。

「どうすればって……そうだ、あなた達のいう力を見せてください。見せられるものなら、ね」
「わかった。見せればいいんだな。修二」
「はいはい」
「「え?」」
いやみたっぷりに言った春樹の言葉に、あっさりと一郎君が頷く。
春樹も私も驚く。

「幸い二人そろっている。俺達はずっと大堂についていてやることができないから、、弟である君がきちんと大堂を守ってくれるなら、力くらい見せてやる」
「ま、疲れるけどね~」
「ちょ、ちょっと!春樹を巻き込まないで!」
私は慌てて一郎君の腕をつかむ。

「姉さん……、俺はいつでも姉さんを守りたいと思ってる。姉さんを守らせてよ?」

なんて答えよう…

1.「これは私の問題だから…」
2.「…でも、危険かもしれない」
3.「そこまで言うのなら…」

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1.「これは私の問題だから…」

私はやんわりと春樹の意思を拒む。
「姉さん……でも」
何かを続けようとする春樹を制して、私は首を横に振った。
(春樹は、巻き込まないって決めたんだから……だから、ごめんね)

そして、今度は一郎君に話しかける。
「……一郎君もよく考えて行動して。
一郎君や修二君は私さえ守れれば何でもいいの?」
自分で思ったより突き放すようなキツい言葉になってしまったかもしれない。
そう思ったけれど……同時に少しでも私の気持ちが伝わってくれればとも思う。
「春樹は私の大事な家族なの。
安易に巻き込んだりして、春樹に何かあったらどうするの?」

言いながら、私は実の母のことを思い出していた。
もしも春樹があんなふうに……突然、私の前からいなくなるような事になってしまったら?
(考えたくもない……そんなの、嫌だよ)

「もう、悲しい思いをするのは嫌なの……」
それ以上言葉を続けられなくて、私は話すのをやめた。

訴えかける私の言葉に、誰も何も言わなかった。
きっとそれぞれに思うところがあるのだろう。

今日何度目かの沈黙。
ただ、重い。

1、「春樹、帰ろう」春樹の腕を引っ張る。
2、「春樹、先に帰ってて」一郎君や修二君と話を続ける
3、「春樹も一郎君たちも、よく考えて」一人でその場を後にする。

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1、「春樹、帰ろう」春樹の腕を引っ張る。

けれど、春樹は動かなかった。
こぶしを固め、何かに耐えるように立ちつくしている。

「どうしたの、春樹?」
「姉さん……聞いてほしいんだ」
春樹は私の肩を掴んで、まっすぐな瞳を向けてきた。

「家族になる時、俺は……姉さんや父さんを酷く傷つけたんだ。だから……
もう二度と家族を悲しませないって誓ったあの約束は……今も、ずっと変わっていないから」

出会った頃の春樹を思い出す。
そうだ、家族になる時に春樹は約束してくれたんだ。

「姉さん、すっかり忘れていただろ?」
「うん。でも、思い出したよ」
「だから……家族だからこそ姉さんを守らせてよ、ね?」
春樹の真摯な態度に気持ちが揺らぐ。

「本当は、ずっと忘れていて欲しい汚点だったんだけどな……」
そう言って、春樹は苦笑した。

私は……
①それでも春樹を巻き込みたくない
②春樹に協力してもらう
③一郎君と修二君を見る

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③一郎君と修二君を見る

困ったような私の視線に修二君はにこっと微笑み、一郎君はいつもの冷静な視線を返す。

「愛菜ちゃん、よく考えて?俺達はどちらでもいい。というか、どちらかというと弟くんの協力はうれしいよ」
「君達はいま同じ状況にある。すべて中途半端な情報のみ与えられた状態。その状態にずっとおかれる気持ちは君にもわかっているはずだ。知らなくていいことというのはあるがな」
(春樹も同じ気持ち…)
一郎君の言葉が重くのしかかる。

「あー、俺は知っておいてもらったほうがいいと思うよ」
唐突に修二君がどっちでもいいという言葉を翻す。

「よく考えたら、知っといたほうがいい。組織が動いたら、愛菜ちゃんを利用するために家族に、弟君に危害が及ぶかもしれない」
その言葉に私は青ざめた。

「……その可能性もあるな。知っているのと知らないとでは、何かあったときの対応が変わる」
一郎君も言葉を添える。

「どっちにしろ、愛菜ちゃんの家族というだけで巻き込まれる可能性はあるんだよ」

そんな……
1.春樹に協力してもらう。
2.春樹を巻き込まない。
3.沈黙する

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1.春樹に協力してもらう。

「分かった……」
私はしぶしぶ頷いた。

「ありがとう、姉さん」
春樹はうれしそうに笑うけれど、私は重い気分のままだ。

「それなら、俺たちの力がどういうものか見せてやるよ」
そういって修二君と一郎君が春樹の後に立つ。
二人で春樹の肩に触れた。

「一度目を閉じろ」
一郎君の声に春樹が目を閉じる。

「よし、あけていいぞ」
修二君の声に春樹が目を開ける。

「わかるか?」
「なんだ、これ…」
「コレが俺たちが見ている世界だよ」
「大堂をみてみろ」
その言葉に春樹が私を見る。
春樹の顔が見る見る驚きに変わる。
私は一体どういう風に見えているのだろう?

「……姉さん?」
「そ、コレが力を持ってる人間だ」
「普通の人とは違うだろう?」
「さて、もういいかな。目を閉じて」
その言葉に春樹が目を閉じる。
その間に双子は春樹から手を放した。

「目を開けてもいいぞ」
一郎君の言葉に、春樹が目を開ける。

「コレで信じてもらえる?」
「………ああ」
春樹が頷く。

①「私はどういう風にみえてるの?」
②「私も見てみたい」
③なにもいわない

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