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春樹889~890
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③修二君に話しかける

「あの、あのね修二くん」

私は何か言わなくちゃいけない気がして声を掛けた。
大きな声で呼ばれた修二くんは、困った顔のままで向き直る。

「私にとって修二くんも同じ。代わりなんていないよ」
「愛菜ちゃん?」
「修二くんは修二くんだから。一郎くんとも冬馬先輩とも違う。
さっきは怖いことされたからつい大嫌いって言ったけど、意地悪だって思ったけど、
それでもやっぱり私の大切な友達だもん」

まくしたてる様な早口になる。 強引にされた事は許せないけど、かといって嫌いになれない。

「だからね、修二くんの代わりは誰にも出来ない。いくら一郎くんの……」
「二度振るだけじゃ足りず、わざわざ友達宣言まで。愛菜ちゃんは手厳しいなぁ」

私の言葉に被せるように、修二くんは言った。
苦笑を漏らし、壁に頭を預けている。

「わ、私はそういう意味で言ったんじゃなくて……」
「言わなくてもいいよ。愛菜ちゃんもようやく気付いたんでしょ?俺が兄貴のコピーだって事にさ」

私は何も言えずに黙り込む。どんな言葉を掛けていいのか分からない。

「俺は俺。兄貴は兄貴。そう言いたいんだよね」

私は黙ったまま頷く。 これだけはどうしても伝えて、分かってもらいたかった。

「ずっと前から薄々気付いていたよ。だからこそ、俺は兄貴とは別の方法を選びたかったんだ。
運命に従う窮屈な生き方より自由を選びたかったし、支えていくより一緒に並んでいたかった。
だから兄貴には黙っているように言われていたけど、愛菜ちゃんに力の話をしたんだからね」

修二くんは壁に預けた頭をあげて、私を見る。

「けど愛菜ちゃんはそのせいで色々大変だったみたいだね。やっぱり迷惑だった?」

①迷惑だった
②迷惑じゃない
③何も言わない

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②迷惑じゃない

(最初はすごく途惑ったけど……)

もし知らないままだったら、私は何も出来なかったはずだ。
意味も分からず状況に巻き込まれ、組織の道具として利用されていたかもしれない。
修二くんが本当のことを言ってくれたから、今、私はここに居る。

「迷惑じゃなかったよ」
「本当に?」

修二くんは確認するように言った。
私は大きく頷いて、壁に体を預けたままの修二くんを見る。

「修二くんが力の存在を教えてくれたから、私が私で居られたんだよ。 だからね、ちっとも迷惑じゃなかったよ」

修二くんに対して、不信感が全くなくなった訳じゃない。 けど話してくれたことにはとても感謝している。
だから私は修二くんに胸を張って笑顔で答える。

「むしろすごく感謝しているんだ。言ってくれてありがとう」

私の顔を見て、修二くんは顔を少し微笑むと静かに目を伏せる。

「どうかした? 目を閉じて考え事?」
「愛菜ちゃんには敵わないなと思って」
「どういうこと?」
「やっぱり好きな子の笑顔はいいね。こっちまでつられて笑顔になっちゃうもん」
「えっと……あの……」
「そんな困った顔しなくてもいいよ」
「私そんな顔してないよ……」
「してる。すごく迷惑そうな顔だ」
「ち、違うよ。私の顔はもともとこんなだし……」

恥ずかしくて、両手で顔を覆う。
そんな私の行動が可笑しかったのか、楽しそうに声を立てて笑った。

「ホントからかうと面白いよね」
「からかってたの?」
「だってすぐ真に受けるんだもん」
「もう!」
「許してよ、愛菜ちゃん」
「そんな風だから冗談か本気か判断に困るんだよ」
「あーあ。かわいいのに眉間にしわを寄せちゃ駄目だよ」

私は……
①考える
②修二君を見る
③修二くんに話しかける

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③修二くんに話しかける

(もう仕方ないなぁ……)

「修二くんは悪ふざけばっかりなんだから」
「愛菜ちゃん相手だとついね」
「なぜか許せちゃうから、これは修二くんの長所なんだよね」
「褒めてくれるんだ?」
「私には真似出来ない。だから羨ましいよ」
「愛菜ちゃんはやっぱり優しいなぁ。そういう所がたまんなく好き」

いつものスキンシップのように軽口をたたきながら、スッと手を伸ばしてきた。

(……っ!!)

さっきの事が頭をよぎり、反射的に身をすくめた。
以前のように話す事はできても、触れられる事に関しては恐ろしさが先立つ。
そんな私の様子に修二くんは伸ばした手を止めた。

「……悪かったよ」
「な、何が?」
「……さっきはどうかしてたんだ、俺」
「修二くん?」
「色んなことが重なって頭グチャグチャで。強引だったよね。ホントごめん」
「……………」

触れようとした手を力なく落とし、修二くんは私を見る。

「お詫びになるか分かんないけど、愛菜ちゃんが望むように契約してあげる」
「………えっ!?」
「そんなに驚かないでよ。愛菜ちゃんが望んでたことでしょ」
「で、でも……本当に契約してくれるの?」
「もちろん」
「また冗談でしたってのは無しだからね」
「まさか。ホントのホント。本気だよ」
「もう怖いこと抜きで……契約してくれる?」
「わかってるよ。反省してるんだ、これでもね」

(やっと契約してくれる気になってくれた)
修二くんがようやく契約してくれる。これは大きな前進だ。

「ありがとうね。……修二くん」
「ただし条件つきで」
「条件……?」
「振られ損だけは勘弁してほしいからさ」
「ど、どういう事?」
「鈍いなぁ、愛菜ちゃんは相変わらず」

そう言うと、修二くんは私の胸元を指差した。

私は……
①考える
②修二君を見る
③修二くんに話しかける

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②修二君を見る

私は修二くんを見上げる。
修二くんはそんな私を見つめてから「ここだよ」と改めて指差した。

「な、なに?」
「俺には愛菜ちゃんの戸惑いや怯えが見えるよ」
「そっか。修二くんには感情みたいなものも見えるんだもんね」
「微かにって程度だけどね。まったく厄介だよ」
「厄介なんだ」
「そりゃそうさ。そのくせ不完全だし」
「二人で一つの神器だからだよね……」
「こんな不完全で厄介な力でもさ。使わなくちゃいけない時くらいは見極めないと」
「うん……」
「愛菜ちゃんが寝たきりなんて、俺の寝覚めも悪いし」
「今は動けているけど一時的なものだと思う。だからやっぱり修二くんの協力がほしいよ」
「ならそこにある気持ち、全部弟くんに伝えてみれば?」
「春樹に伝える……」
「そう。その素直な想いをさ」

私自身まだこの気持ちに戸惑っている。
気持ちを突き詰めていくと、戻れなくなりそうで怖くなる。

「…………」
「愛菜ちゃん自身がとにかく素直になること。それが条件」

(契約の条件……)

「約束だよ。俺のココも愛菜ちゃんから卒業できないんじゃ困るからさ」

修二くんは拳で胸を軽く叩きながら言った。

①「うん。約束する」
②「ちょっと考えさせて」
③「無理だよ」

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①「うん。約束する」

「声が震えてるみたいだけど?」
「や、約束は守るよ!」
「ホントにできる?」
「たぶん……」
「ふーん。そんなに気持ちの整理がついていないんだ」
「だって家族だから」
「でも弟君は高村だから血は繋がってない訳でしょ」
「五年間も弟だったんだよ。私も姉らしくしなくちゃっていつも思っていたし」
「急に気持ちは変えられないって事?」
「うん」
「くだらないな。もっとシンプルに考えればいいのに」

(シンプルって言われても)

自分でもウジウジとしている自覚はあった。
とはいっても今までの事を急に変えてしまうことなんてできない。
自分の心にブレーキがかかったみたいに動けなくなる。

「なるほど。諦めるのはまだちょっと早いかもね」
「なにが早いの?」
「気にしないで独り言だから」
「そう?」
「失敗したら一番に俺を選んでね。めげずに立候補しようと思ってるからさ」

冗談とも本気とれる眼差しを私に向けてきながら、修二くんは人懐こく微笑んだ。

①「立候補ってなんのこと?」
②「修二くんってば……」
③「そろそろ契約しようよ」

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③「そろそろ契約しようよ」

目覚めてからかなり時間がたっている。
窓の外はすっかり真っ暗になっていた。

「あんまり待たせるのも可哀想だし、そうしようか」
「可哀想? 何のことかな」
「下にね、弟くんと湯野宮と精霊を待たせてるんだよ」
「そうなんだ……」
「契約するんでしょ。俺の気が変わらないうちに済ませたほうがいいんじゃない?」

修二くんの気まぐれには何度も振り回されてきた。
言うとおり、すぐにでも契約を済ませたほうが良さそうだ。

「じゃあ……お願いできるかな」
「うん。いいよ」
「………………」
「………………」
「………………」

私は緊張しながらその時を待つ。
だけど修二くんはなかなか動こうとしない。

「あのさ、愛菜ちゃん」
「なに?」
「待ってるだけじゃ、どこに契約していいのか分からないんだけど」
「どういうこと?」
「愛菜ちゃんは自分が望む場所に契約してほしいんだよね」
「うん」
「じゃあちゃんと場所を示してくれなくちゃ」
「あっ、そうだね。ごめん」

(どこにしようかな)

私の右手の甲に契約の印が刻まれている。
これは三種の神器の鏡、修二くんの対である一郎くんのものだ。
左手の甲は冬馬先輩。額には香織ちゃんの印がそれぞれ刻まれている。

①右足の裏
②左足の甲
③右手の平

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③右手の平

「右の手の平にお願いしようかな」
「了解。それじゃ、手を出して」

促されるまま、私はためらいがちに右手を出す。
すると修二くんがその手首をゆっくり掴んできた。
私は反射的に手をサッと引っ込めてしまう。

「愛菜ちゃん……契約する気ある?」
「も、もちろん」
「まぁ怖がらせたのは俺なんだけどさ」
「大丈夫。もう平気だからお願い」
「わかった。じゃあ始めるよ」

修二くんは私の前に跪くと大きく息を吸った。

「過去の契約を破棄し、わが主を大堂愛菜と定める」

(いよいよ始まったんだ。これで体の自由が戻る)

「八咫鏡の半身として、尊き願いの為に、この身を捧げる。
そして、知恵と力を貴女のために振るうことを誓う」

懐かしいような、暖かいような不思議な感覚に包まれる。

「主たる君の望みのままに……」

右の手の平、一郎くんが契約した反対側に修二くんの唇が当たる。
新たな強い力が入り込んでくるのを感じた。

私は……
①目を開ける
②気を失う
③話しかける

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②気を失う

いつものように夢の中に落ちていく感覚で目を覚ます。今度はどこへ誰と会うのだろう。

(主たる君の望みのままに……か)

気を失う寸前に聞いた言葉。神器が契約の際に使う文句だ。
私の望みのために神器のみんなは力を貸すと言ってくれている。

(けどその望みが何なのか分からないよ)

ただ体の自由を取り戻したいとばかりを考えていた。
本来の目的は巫女として力を使うことにある。

薄暗い靄の中に一つの影が見えた。
影は次第に大きくいき、目の前に光り輝くほど美しい女性が現れた。
私はこの人物をよく知っている。

「壱与! 壱与だよね!?」
「はい。はじめまして」
「そっか。一応……はじめましてになるんだっけ」
「そうですね」
「けど始めましてとはとても思えないよ」
「私たちは身も心も、最も近い存在ですから」
「生まれ変わりだしね。でも本人に会うと変な感じだよ」
「ふふふ。本当に奇妙に思えますね」

私たちは顔を見合わせて笑う。
壱与は私よりも年上みたいだけど、背がとても低くて少女のようにも感じる。
実際目の前にしてみると、印象がずいぶん違うようにも思えた。

「あなたのことはいつも心の中で感じていました」
「そうなの?」
「ええ。ずっと父が私の事を見守ってくれていると思ってました。けれど……」

壱与はそっと私の手をとった。その手は冷たかったけれど、柔らかくてすごく安心する。

「その正体は……愛菜。あなただったのですね」

①「私の名前、知っていたんだ」
②「壱与はなんのために現れたの?」
③「ところでここはどこ?」

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①「私の名前、知っていたんだ」

「あなたは私に最も近い存在であり、恩人でもあるのですから」
「恩人って……壱与が人喰い鬼になった事かな」
「はい。帝を殺めようとした出来事です」

壱与は少し遠い目をしていた。
私には最近の出来事でも壱与にとっては、もう昔の記憶なのだろう。

「あの時はなんとかしなくちゃと必死で。ついしゃしゃり出ちゃったんだよね」
「やはり……愛菜は私の中で追体験をしていたのですね」
「うん。壱与が何をしたか、考えていたかが手に取るように分かったよ」
「だから私を救ってくださったのですね」
「救ったなんて。ただ助言できればと思っただけだよ」
「いいえ。父に成り代わって私を救い導いてくれださった事、感謝の言葉もありません」
「……導いてなんて大げさだよ。それにあの言葉はお母さんんからの受け売りなんだし」
「愛菜のお母様ですか?」
「うん。この愛菜って名前の由来を聞いてね。その時すごくいい言葉だなって思ったから」
「ですから私に?」
「うん。だから私が考えた訳じゃないんだよ」
「そうですか。素敵な言霊を紡ぐお母様なのですね」

お母さんの事を壱与が褒めてくれる。それが自分の事以上に嬉しく思えた。

「でも私ってこんな事ばっかりしてるから……よくお節介だって言われちゃうんだ」
「そうなのですか?」
「うん。そのせいで馬鹿だって言われたりもするし」
「では……私もその馬鹿の仲間入りですね」

壱与は微笑みながら、澄んだ目で私を見る。それはすべてを包み込むような優しい眼差しだった。

「私がここに来たのは、あなたの迷いを感じたからなのですよ」
「私の迷い……?」
「ええ。私もお節介に来たのですよ、愛菜」

(きっと私の相談にのってくれるって意味だよね)

私の迷いは……
①春樹のこと
②巫女としてのこと
③望みが見つからないこと

900
②巫女としてのこと

「壱与。すべての神器と契約したんだけど、これからどうなるの?」
「きっとあなたが強く念じれば……世はあなたの望むように変わっていくはずです」

(また同じ……)
神器との契約でも、壱与も『私が望むまま』という。私は何を望めばいいのだろう。

「壱与は私が何を望むべきだと思う?」
「それは……私には答えられません」
「どうして?」
「神器と契約したのは愛菜自身ですから」

(そう言われても。うーん)
私は思わず考え込んでしまう。

「望みが浮かばないのですか?」
「みんなから望みを託されているのに、こんな事じゃ駄目なんだけどね」
「そうですね……愛菜の今の力をもってすれば世の理を捻じ曲げる事すら可能でしょう」
「そ、そんなにすごい力が私に備わっているの?」
「はい」

(そんな大きな力、私に扱えるのかな)

「なんだか分不相応な気がするよ」
「愛菜は身に宿した力を持て余しているのですね」
「そうだね。この力って、あまり好きじゃないんだ」
「……では何も望まない、というのはどうでしょう」

(えっ?)
壱与の口から予想外の言葉が飛び出す。

「……何も望まないって、今そう言ったよね」
「ええ。言いました」
「巫女の壱与がそんな事言うなんて意外だよ」
「望みが浮かばないのであれば、現状こそが望ましいという事ですから」
「そんなものかな」
「あなたがその力を信じ強く望まなければ、力そのものも発揮されません」
「じゃあ、私が迷っている限り変わらないってことだね」
「……仮に世の理をも捻じ曲げるほどの力を発現させた時は、その負荷で無事ではいられないでしょう」
「それは……命懸けってこと?」
「はい」

(命懸けで叶えるべき望み……か)

私は……
①それでも何もしないなんて出来ない
②やっぱり現状がいい
①考える
②修二君を見る
③望みが見つかったらまた考える
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