1 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 21:09:46 ID:???
  • リレー形式で話を作れ
  • 話の最後には選択肢をつけること
  • 選択肢は1つのみ選ぶこと(複数選択不可)
  • 次に進める人は選択肢を選んだ後それにあった話を作り、1000レス目でED
  • 途中にキャラ追加、話まとめなどO.K.
  • 話を続けるときは名前欄に通し番号を入れること
  • 今回はトゥルーEDを目指すこと。主要人物の死亡(モブはOK)、誰かとくっつけるのは無し
  • 450KBを超えたら気づいた人が注意を促すこと
  • 新規で書き込みする方はwikiを一読すること

▼前スレ
選択肢を選んで1000レス目でED 2
ttp://game14.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1179654105/

▼過去スレ
選択肢を選んで1000スレ目でエンディング
ttp://game14.2ch.net/test/read.cgi/ggirl/1140272497/

▼まとめwiki 
ttp://www22.atwiki.jp/1000ed/

2 名前:名無しって呼んでいいか?[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 21:10:22 ID:???
登場キャラクタ-
大堂愛菜:高校二年の主人公 。予知夢を見る(但し起きると内容は忘れている)
        本人に自覚はないが、とても力が強いらしい。3月生まれ。

大堂春樹:愛菜の義理の弟(高1)。好きな人がいるらしい。
愛菜よりしっかりものなので兄にみられがち。旧姓は高村春樹

湯野宮隆:愛菜の幼馴染。ファントム(ミスト)を操る能力がある(事故後能力発祥)。
       モノに宿る八百万の神に働きかける能力もある(先天的能力)。愛菜と同じクラス。

武 :隆の裏人格(クローン)。ファントム(ミスト)を隆とは別に操ることができる。
       存在を組織に知られていないが、組織の命令には逆らえないらしい。

宗像一郎:放送委員の委員長。水野を利用している。「見える力」がある。

宗像修二:一郎の双子の弟でテニス部エース。一郎と同じく「見える力」をもっている。
他人を見下しているところがあり不誠実とおもわれているが、愛菜にはなぜか協力的。№711

近藤先生:厳格だが生徒思いの男性教師。春樹の担任。美波とは同級生。

水野先生:隆とキスしていた音楽教師。組織の一員、主流派。

長谷川香織:愛菜の親友。愛菜と同じクラス。

御門冬馬:感情表現に乏しい。言葉遣いは丁寧。愛菜を守る契約をする。
       3年2組に在籍。№673

高村周防:高村研究所の反主流に属する。明るいお兄さん的存在の24歳。
       能力は高い。変わった能力らしい(修二談)。

チハル  :愛奈が隆からもらった熊のぬいぐるみ。隆の力で動くようになる。
       力が強くなり、いろいろなものに変身できる。人の強い負の感情に弱い?

大堂志穂:愛菜の実の母。冬馬の名付け親。現在行方不明。
       組織に所属していた。

湯野宮美由紀:隆の姉。大学の寮に入っている。

桐原   :春樹のクラスメイトで許婚?彼氏がいる。
       お菓子作りが得意でプロ級。

大宮美波:地下通路でであった反主流派の人。能力者で力は強いらしい(修二談)。
       周防と同じくらいの年齢、声を聞かなければ女性と間違えそうな容姿。
       能力の一つに高い治癒能力がある。

大宮 綾 :美波の妹。コードNo543。16歳で他界。
(こよみ)  弱い治癒能力を持っていた。

熊谷裕也:春樹の精神世界で会った無骨で気さくそうな男だが、組織の一員で主流派。
     愛菜を器と呼ぶ。№535

眼鏡の男:春樹の精神世界で会うが、何もかもが謎。

3 名前:636[sage] 投稿日:2007/12/12(水) 21:11:37 ID:???
②もう少し後にする

なんとなくすぐに行くのも躊躇われて、私はソファに座りテレビをつけた。
丁度明日の天気予報が流れてくる。

(明日は雨が振る確立50%か。そういえば雨って久しぶり?)
ここしばらく曇ることはあっても雨が降った記憶が無い。

(でも、文化祭の準備してるから降らないで欲しいなあ)
大きなものを作るときは一時的にグラウンドを使ったりするし、足りないものを買出しに行くときも雨が降っていたら大変だ。
そんな事を思いながら、テレビを見ているとリビングの戸が開く音がした。
振り向くと、隆が立っている?

(あれ?もう寝たんじゃなかったの?)
不思議に思いながら、紙とペンを取る。

『どうしたの?』
「あなたが僕に会いたいと言っていたので、隆が寝たところで身体を借りました」
『え?じゃあ、武くん?』
「はい」
頷く武くんに私は思う。

(隆の行動って、武君に筒抜けなんじゃないの……。てことは隆が言ってたお礼も知ってるってことよね?)
でも、一応頼まれたことだし、隆がお礼を言っていたことを書いてみせる。
武くんはそれを見て小さく微笑むと、私の向かいのソファーに座った。

「隆が僕の存在を知ってから、感謝されているのは知っていました。
 僕は彼でもあるんですから、感謝されるというのは少し変な感じもしますね」
『そう?でも、隆と武くんは別の人格だし変じゃないと思うな』
「そうですか?でも、僕こそ隆に感謝してるんですよ。
 隆が事故にあってくれたから、僕はあの研究所から出ることが出来た……。
 それで僕に聞きたいことがあるんですよね?」
(あ、そうだった)

えーっと……
①一郎くんと修二くんについて
②鏡のことについて
③熊谷さんのことについて

4 名前:637[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 00:04:37 ID:???
①一郎くんと修二くんについて

『あの…一郎くんと修二くんって知ってるよね。
その二人の事について知っていることがあれば教えてくれないかな』

私がノートに書くと、武くんは首を横に振った。

「僕が研究所にいた時、見かけた事はありますが……詳しい素性までは知りません」
『何でもいいから、思い出せないかな』
「オリジナルとコピーはそれぞれ違う場所で暮らしていましたので…。本当にすみません」
『オリジナルとコピー?』
「あっ、すみません。説明不足でしたね。僕たちで例えるならオリジナルが隆でコピーが僕です。
本物とクローンの事ですね。研究所はオリジナルを手に入れられない時、僕達のようなコピーで補完していたようでした」
『あれ? 16年前からクローンは作られなくなったんだよね』
私は昨日聞いた、美波さんの言葉を思い出しながらペンを走らせた。
「はい。ですから僕はコピーの中では一番年下でした」

武くんはとても穏やかな口調で教えてくれる。
大雑把で素直じゃない隆と同一人物とは、とても思えない。

(そっか。一郎くんと修二くんについて詳しくは知らないのね)

私がガックリと肩を落としてしまったのを見て、武くんは考え込みながら口を開いた。

「ちょっと待ってください。もしかしたら……」
その言葉に、私は再び武くんを見つめる。

「さっき隆と鏡についてお話されてましたよね。それで少し気になる出来事を思い出しました」
『気になる出来事って? 些細なことでも教えて』
「宗像兄弟を見かけた時なんですが……確か、八年前の事ですね。
あの双子には特別な見る能力があるとの事で、被験者の定期検査の時に幹部達と同行していたんです。
検査の順番待ちをしていた時……幹部たちが「鏡が剣を見つけた」と騒ぎだしたんです。
僕は偶然居合わせただけでしたし、まだ小さな子供で言葉の意味まで理解できませんでしたが、
今思うと、鏡というのは宗像兄弟を指していたのかもしれません」

(そういえば……)

一郎くんが以前、研究所に居た時の話をしてくれた時、
「俺たちは能力を買われ、能力者を大勢見てきた。各個人の力の数値化と適正化が施設の目的だった」
という内容の話していた。武くんが言っている「定期検査の時に幹部達と同行」っていうのは一郎くんが話していた出来事だろう。

(見つけたって……被験者の定期検査の時だよね)

『仮に鏡が一郎くんと修二くんだとして……剣を見つけたって……』
「あいにく、誰だと特定は出来ませんが、被験者の誰かだと思います」

私は…
①考える
②定期検査の時の事をもう少し詳しく聞いてみる
③研究所について詳しく聞いてみる

5 名前:638[sage] 投稿日:2007/12/13(木) 18:29:27 ID:???
①考える

(組織は『剣』を探していた?)
もちろん探していたから「見つけた」と言ったのだろう。

(鏡と剣……)
組織はずっと何かを探している。それは確かだ。
剣は8年前に見つかった。
けれど、まだ何かを探している。
私の脳裏に、夕食前に見たテレビの内容が浮かぶ。

(三種の神器、鏡と剣と勾玉……?)
鏡が一郎くんと修二くん。
剣は組織の被験者のだれか。
勾玉は……?
探しているのは『勾玉』なのだろうか?
けれど鏡も剣も勾玉も当然人ではない。
力の質とかそういうものを比喩してそう言っているだけかもしれない。

(あー、もう。わからなくなってきた)
「どうしましたか?」
『あ、なんでもないよ。ちょっと考え事してただけで……』
私は不意に、脳裏に浮かんだ言葉にペンを止めた。

「愛菜さん?」
『ねえ、器について聞いたことない?』
「器ですか?」
夢の中で会った眼鏡の男と、熊谷さんが私をそう呼んだことを思い出したのだ。
武君はすぐに頷いた。

「器という言葉自体は組織では良く使われます。僕たちも『力の器』と呼ばれていました」
『力の器?』
「はい、組織内では被験者としてナンバーで呼ばれていましたが、対外的には『力の器』として説明をしていたようです。
 『被験者』では人として扱っていることになりますが、『力の器』ならばモノと一緒だということなのでしょう。
 つまり、力を持っている被験者はすべて『力の器』だったといえます」
武君の言葉に、私は再度考え込む。
そういえば……

①眼鏡の男の人は『本来の姿ではないただの器』って言ってた。
②熊谷さんは『大切な器』って言ってた。
③やっぱり考えても仕方ない、寝よう。

6 名前:639[sage] 投稿日:2007/12/14(金) 23:50:50 ID:???
①眼鏡の男の人は『本来の姿ではないただの器』って言ってた。

『本来の姿ではないただの器』ってどういうことだろう。
力を持っている被験者はすべて『力の器』だと武くんは言っているけど……。

『ねえ、武くん。力を持っている被験者、つまり能力者全員が『力の器』なのよね』
「はい。言い換えれば『能力を有する身体を持つモノ』ということです」
『『能力を有する身体を持つモノ』かぁ。力ってそもそも何? 超能力みたいなものなの?』

私の問いに、武くんはゆっくり答えだした。
「超能力が超自然の能力を言うのであれば、僕やあなたが持っている能力は間違いなく超能力ですね。
力とは太極という世の中に満ちる原理を能力に変換したものです。大きく分けると、内なる力と得る力の二種類あります」
『二種類?』
「はい。内なる力とは自身の生命力そのものです。楽に出せる代わりに、無理をすると命を落とすこともあります。
得る力とは世の中に満ちるエナジーやファントムなどで生気を集め、力とするものです。高度な技を必要とし、体力と精神力を消耗します。
両方とも特別な身体……いわゆる器でないと力は発動しません」

(……以前、一郎くんが説明してくれてたことだよね。と言っても、やっぱり理解できないけど……)

『二種類の特徴が違うってこと?』
「そうです。外部から力を得る時は、精神力と体力が続く限りは無限です。
術者の気が乱れていたり、未熟だと、バランスが崩れてエナジーに魂が取り込まれてしまうこともありますから注意が必要ですね。
もう一方は、生命力そのものを削って力にするので有限です」
『……とにかくどっちの力も無闇に使うのは危険そうだね』
「はい。ですからリスクの少ない得る力に長けている者ほど、力が強いとされています。弱い者は薬を用いて矯正したり、生命力のみでしか力の発動ができません。強い力を持つ者はごく一部だけなので、ほとんどの『力の器』は使い捨てにされます」
『使い捨て……』
「『力の器』がモノとして扱われていたのは、それらの理由からでしょう。クローンも完全に打ち切られた現在では、少数の『有能な力の器』しか残っていないと思います」

(『力の器』って酷い扱いだよね)

組織が能力者を人間扱いしてないのが何より許せない。
私がムカついてもしょうがないと分かってはいるけれど、不機嫌に字を書いていく。

『『力の器』って言い方、私は嫌だな』
「そうですか? 僕にはよくわかりませんが……」
『ムカツクよ。武くんも怒るべきだよ。ふざけるなって組織の人達に言ったらよかったのに』

書きなぐった字を見て、武くんは優しい笑みを私に向ける。

「……隆の身体に入って約三年になりますが、隆も…そして、あなたもとても不思議な人です」
『??』
私は首をかしげて、微笑んだままの武くんを見る。
「変な意味ではないんです。隆もあなたも……いつも人のために怒ったり泣いたりしますよね」
『そ、そんなことないよ』
「いいえ。そんなあなた達の考え方が理解できませんでしたが、最近、ようやくその意味が分かってきました。
僕たち被験者に足りない何かを、あなた達は持っているようです」

①『ところで、本来の姿ではないただの器ってどういう意味だと思う?』
②『じゅあ、私の力は内なる力かな得る力かな?』
③『被験者に足りない何か?』

7 名前:640[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 03:17:29 ID:???
③『被験者に足りない何か?』

「優しさ、思いやり……被験者の僕たちに足りないものをあなた達は沢山持っています」

武君は物腰も柔らかで、私や隆よりもよっぽど優しく見える。

『私なんかより、武君の方が絶対に優しいよ。今も丁寧に説明してくれたし、素敵だと思うよ』
「素敵……ですか?」
『うん。すごく素敵だよ』
「そ、そうでしょうか……」

急に武君の顔が赤くなり、下を向いてしまった。

『どうしたの?』
「あの、その……女性に素敵と言われたことが無かったので、とても恥ずかしくなってしまって……」
『えっ! そんな恥ずかしがられたら、言った私の方がもっと恥ずかしくなるよ』
「すみません」
『べ、べつに謝らなくてもいいよ』
「すみません」

(武君ってもしかして、照れ屋?)
そんなことをボンヤリと考えていると、はにかんだままの武君が私を覗き見るようにして口を開いた。

「あの…愛菜さんに謝らなくてはならない事があるんです」
『何を?』

武君に謝られることなんてあったっけ? と記憶を巡らせても思い当たることがなかった。
「水野先生と隆の事で、あなたを泣かせてしまいました」

夢が現実になってしまった、水野先生と隆の二度目のキスシーン。
あれは隆ではなく、武君が入っていた時に起こった出来事だったのを思い出す。

『そうか。あの時、隆の中に入っていたのは武君だったよね』
「はい。水野先生と接触していたことが気がかりで、あの日の授業中、居眠りの際に入れ替わっておいたんです。
放課後、隆のフリをしたまま音楽室に行くと、水野先生がキスをしてきて、思わず頭が真っ白になってしまいました。
そして、『口裏を合わせなさい』と強く言われて、それにまで従ってしまったんです。
組織が隆を思い通りにしようとしている事も知っていましたが、愛菜さんを泣かせてしまったことで、更に動揺してしまって……。
どうも僕は女性に対して不慣れというか、意識しすぎてしまっていけないのです。
言い訳にしかなりませんが、本当にすみませんでした」

私は…
①許す
②許さない
③女性が苦手な理由があるのか尋ねる

8 名前:641[sage] 投稿日:2007/12/16(日) 22:53:27 ID:???
①許す

『いいよ。もう済んだことだもん』

私の書いた文字を見て、武くんは嬉しそうに顔を崩した。

「それじゃ、隆とまた付き合って頂けるんですね。よかった……。僕が破局させてしまったんではないかと、悔やんでいたんです」
『元鞘に戻るわけじゃないよ』
「えっ!? なぜですか」

武くんは納得できないのか、身を乗り出してきた。

『付き合ったときは嬉しかったし、楽しかったけど……。もう少し、真剣に考えてみようかと思ったの。
今回の事で付き合うって、楽しいだけじゃなく、辛い事もあるってわかったから』
「でも……」
『別に嫌になったわけじゃないんだよ。もっと自分自身がしっかりしなきゃいけないと思っただけなんだ』

春樹が出て行ったのも、声が出なくなったのも、私自身の弱さのせいだ。
それが分かっているからこそ、今は誰とも付き合えない。

「そうですか……」
武くんは諦めたように、ドサッとソファーに座り込んだ。
『ごめんね』
「いいえ。……そうですよね、全部分かっているからこそ、隆はあなたの側に居るんでした」
『すごく感謝してるんだ。けど、改めて言う機会も無いしね』
「安心してください。愛菜さんの気持ちは、もう伝わっていますよ」
そう言って、武くんはまた穏やかに笑った。

『あっ、そうだ。せっかく出てきてくれたのに、飲み物も用意してなかったね。ちょっと待ってて』

私は立ち上がると、キッチンでコーヒーを用意する。
リビングに戻って、コーヒーカップをいつものように隆に差し出した。

「ありがとうございます」
武くんが受け取ろうとしたところで、一瞬、私たちの手が触れ合った。
すると、武くんの顔が真っ赤になっていく。

「うわっ。ご、ごめんなさい」
私は首を振って、平気だよと伝える。
だけど、武くんは耳まで赤くさせたまま、何度も謝っていた。
(……本当に女の子が苦手なんだね)

次は何を聞こうかな
①『ところで、本来の姿ではないただの器ってどういう意味だと思う?』
②『そういえば、武くんは私の力が何か知ってるんだったよね?』
③『武くんはどうして女の子が苦手なの?』

9 名前:642[sage] 投稿日:2007/12/17(月) 18:36:16 ID:???
①『ところで、本来の姿ではないただの器ってどういう意味だと思う?』

「本来の姿ではない、ですか?」
ノートを覗き込んで武君は首を傾げた。

「どういうことでしょう?力に目覚めていないとか、使いこなせていないとか、そういうことでしょうか?
 すみません、分からないです」
そういいながらも自信がないのか、武君は私に頭を下げた。

『あ、ちょっと気になっただけだし気にしなくて良いよ』
「いえ、お役に立てずすみません」
『だから気にしなくて良いってば』
隆の姿で、律儀に頭を下げる武君に少し調子が狂う。

『武君が知らない言葉っていうことは、組織にはそういう人がいなかったってことなのかな?』
「あなたがそう言われたのですか?」
武君は私をまっすぐに見て尋ねてきた。
私が頷くと、少し考えるような間をおいて口を開いた。

「それでは、もしかして高村の一族の伝承に関係があるのではないでしょうか?」
『伝承?』
「はい。高村には古い言い伝えがあるようだと、能力者の中には結構知られています。
 隆のように精霊や妖精のようなものの声を聞く人もいますから。
 そういう能力者が精霊たちの会話を時々教えてくれました。
 ただ、精霊たちの言葉は人間には意味の分からないことも多々あるようで、話しの内容すべてを把握できず、伝承があるようだということしかわからないのですが……お役に立てず申し訳ありません」
『謝らないでよ、高村の一族になにか言い伝えがあるって分かっただけでも一歩前進かもしれないしさ』
しきりに恐縮する武君に笑って見せると、途端に真っ赤になる。

(なんか、武くんの反応って新鮮だなあ)
女の子が苦手と言っているけれど、単に免疫がないだけな気がする。

『伝承の話ならもしかしたら周防さんに聞けばもう少し詳しく分かるかもしれない。後で聞いてみるよ』
(教えてくれるかは分からないけど……)
「そうですか。それがいいかもしれません」
ノートをみて武君は頷いた。
なんとなく二人の間に沈黙が落ちる。

そうだ、
①冬馬先輩、美波さんに連絡するとか言ってたけど……。
②あした声でなかったら学校どうしよう……。
③春樹に聞けば、伝承のことが分かるかな?

10 名前:643[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 01:01:46 ID:???
②あした声でなかったら学校どうしよう……。

声が出なくなってしまった事を、学校でどう説明していいものか分からない。
嘘をつくにしても、良い案が出てこない。
私がジッと考え込んでいると、沈黙に耐えられなくなったのか武君が呼びかけてきた。

「あの……愛菜さん。どうかされたんですか?」
『うん。明日も学校があるのに、このまま声が治らなかったらどうしようかと考えてたんだ』

武君は「そうですね……」と言って、コーヒーを飲んだ。
そして、コーヒーカップをゆっくり置くと、口を開いた。

「そんなの適当に誤魔化しとけばいいんじゃないか?」
私は驚いて、目の前の武君を見る。
「愛菜は心配症なんだって。マスクでもしてりゃ、クラスの奴らだって風邪だと思うはずだろ」

『隆?』と、声も出ないのに話しかけてしまう。
「ん? どうした、愛菜」
目の前に居るのは、どう見ても隆そのものだ。私は急いでペンの蓋を開ける。
『えっ、あれ、武君だよね? それとも、本当に隆?』
私は混乱したまま、ノートを見せた。

「すみません。僕です、武です。隆が言いそうな事を真似してみました。
こんな風に、案外、人って簡単にだませると思うんです。気にしなくていいと思いますよ」

そう言って、にっこりと笑った。

(うー。本当にビックリした)

私のために演技したのだろうけど、なんとなく面白くない気持ちになる。

(なんだか悔しいなぁ)

①『私を騙すなんて……ひどいよ!』と泣きまねをしてみる
②不意打ちで手を握ってみる
③普通に別の質問をする

11 名前:644[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 17:19:44 ID:???
②不意打ちで手を握ってみる

(よしちょっとだけ仕返ししちゃおう)
私は、向かいに座る武くんに届くように身を乗り出す。

「どうしたんですか?」
私の行動に首を傾げた武君の手を、伸ばした両手で握る。
途端、ポンと音がするんじゃないかと思うくらい一気に真っ赤になった。

(うわー、面白いかも?)
思いつつ、にっこり笑って見せると不意にふらりと身体が倒れてきた。

(え?)
慌てて手を離して身体を引くと、武君は勢い良くテーブルに頭をぶつけた。

「いっ!?」
とたん、小さな悲鳴を上げて額を押えつつ身体を起こす。

『大丈夫?』
私は慌ててノートに書くと、武君はきょとんとした顔をしてリビングを見回す。

「あれ?俺寝てたはずだよな?なんでここにいるんだ?」
額をさすりながら、不思議そうに私に尋ねてくる。

(え?隆?でもまたお芝居かも……)
『隆?武君?』
「ん?なんだ、武と話をしてたのか?おれは、隆だぞ」
『本当に?』
「なんだよ、嘘ついてどうすんだ?」
どうやら本当に隆のようだ。

(急に隆にかわるなんて、武君一体どうしたんだろう……?)
不思議に思っていると隆が口を開いた。

「で、武とちゃんと話しは出来たのか?」
『うん、でも一郎くんと修二くんのことは良く知らないって』
「そうか、残念だったな。他に何か言ってたか?」

他に……?
①『器について話したよ』
②『隆について話したよ』
③『それより武君はどうしたの?』

12 名前:645[sage] 投稿日:2007/12/18(火) 21:55:52 ID:???
②『隆について話したよ』

「ふーん。そうか」
興味なさそうに呟いたつもりだろうけど、その顔には「気になる」と書いてある。
私は隆を覗き込み、二ッと笑う。

『ねぇ、私たちが何を話したか聞きたい?』
「別に」
『本当に聞きたくないの?』
「興味ねぇよ。それより、俺の頼んでおいたこと、ちゃんと言ってくれたのか?」

隆は私から視線を逸らし、不機嫌に言った。
面白がっているのが、よほど気に入らないのだろう。

『言ったよ。だけど、隆の気持ちを知ってたみたい。多分、隆の考えてることが分かるんじゃないかな』
「本当か?」
私は隆の問いに『うん』と、頷いて答えた。

「何だよ。俺は武って奴の考えてることなんて知らないぞ。アイツだけ分かってるなんて不公平だ」
『私に怒ったって知らないよ。もし文句があるなら、今度は自分で言ってよね』
「俺の中に居るんだから無理だ」
『手紙とか、録音とか、伝える方法はいくらでもあるよ』
「面倒だ」

(もう……仕方ないなぁ)

「で、俺のことを何って言ってたんだ? まさか、悪口じゃないだろうな」
やっぱり気になるのか、隆は改めて尋ねてきた。
私は首を振って、否定しながらノートに言葉を書いていく。
『隆のことを褒めてたよ。優しくて思いやりのある人だって。よかったね』

私の言葉を見て、隆の顔が赤くなっていく。
「お、男に褒められても、気持ち悪いだけだ」

(動揺するとすぐに赤面するのは、隆も武くんも一緒だよね)

他に報告することは…
①『器について話したよ』
②『力について教えてもらったよ』
③『剣について気になることを言っていたよ』

13 名前:646[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 01:39:42 ID:???
②『力について教えてもらったよ』

「一体、何を教えられたんだ?」
気を取り直したのか、隆はいつものように尋ねてきた。

『うーん。難しいことを言ってたから、あんまり良くわからなかったんだ』
「なんだぁ? それじゃ意味ないだろう」
呆れ気味に、隆は声を上げた。
隆の態度など気にせずに、私は話を進める。

『でも、少しは分かったよ。力ってね、自分の生命力を使う方法と、エナジーとか、ミストを使って外から力を貰うん方法があるんだって。知ってた?』
「そんなのとっくに知ってるぜ」
『へ? そうなの?』
せっかく身につけたばかりの知識を披露したのに、隆の言葉に拍子抜けしてしまう。

「お前……。俺が水野から生気を奪ってミストを強化してた事、忘れてないか?」

(あっ、そういえば……)

『水野先生が積極的だからって、流されるままキスしてた事だね』
「うぐっ…」
言葉を詰まらせ、隆は固まってしまった。
その態度に、思わず苦笑が漏れる。これ以上いじめても可哀想なので、私は話題を元に戻す事にした。

『ミストって、生気を奪うだけじゃなくて、貰うことも出来たんだね』
「ま、まぁな。そもそも、ミストも力の一つだからさ。得た生気はミストを介して俺の力にもなるんだよ」

幼馴染でずっと一緒だったのに、隆の方が私よりも力に関しての知識は豊富なのが納得できない。
一体、どうやって手に入れていたのだろうか。

『隆って……組織の関係者じゃないのによく知ってるね。そんな知識、どこから手に入れてるの?』
「チハルみたいな奴らからたまに教えてもらったんだよ。何語だよって言葉も多いけどな」

(へぇ、精霊とか妖精に教えてもらってたんだね……)

後は……
①『器についても教えてもらったたよ』
②『剣について気になることを言っていたよ』
③『伝承について話したよ』

14 名前:647[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 11:31:25 ID:???
③『剣について気になることを言っていたよ』

「剣?」
隆は首を捻って、思い出したように頷いた。

「そういえば飯のときにお前言ってたな、三種の神器がどうのって」
『うん、8年前組織で「鏡が剣を見つけた」って騒ぎがあったんだって』
「鏡が剣を?」
『うん、小さくて言葉の意味は理解できなかったけど、鏡っていうのは一郎くんと修二くんのことだったかもしれないって言ってたよ。
 三種の神器と関係あるか分からないけれど、なんとなく気になってるんだよね』
「それじゃあ宗像兄弟が、その『剣』ってヤツを見つけたってことか?
 で、お前はそれが気になってるって言うんだな」
私が頷くと、少し俯いて何か考えているようだった。

「それじゃあ、宗像兄弟に聞いてみるのが一番だろうな。あした早速聞いてみようぜ」
『でも、教えてくれるかな?』
「うーん……、宗像兄のほうは難しいかもしれないなあ。
 宗像弟ならお前が頼み込めば教えてくれるんじゃないか?
 いや、まてよ……、アイツに貸しを作ると後々面倒か?」
『何が面倒なの?』
「いろいろだよ」
説明するのが面倒なのか、ひらひらと手を振りながら隆は言葉を続けた。

「そうだ、組織で騒ぎになったなら、美波さんに聞けば分かるんじゃないか?あの人8年前19くらいだろ?宗像兄弟よりは当時のこと覚えてるんじゃないのか?」
『あ、そうかも?』
「そうしようぜ……。
 なぁ、もし組織が三種の神器って呼ばれるものを探してるとすると、宗像兄弟が鏡、そして8年前に剣、二つは揃ってることになる」
『そうなるね』
「じゃあ今組織は最後の一つ勾玉を探してるんじゃないのか?
 そして、組織はお前に目をつけた。お前が勾玉ってことはないのか?」

(私が勾玉……?)

①『そんなのありえないよ』
②『そうなのかな……?』
③『まだ結論を出すには早すぎるよ』

15 名前:648[sage] 投稿日:2007/12/20(木) 21:18:19 ID:???
②『そうなのかな……?』

勾玉かもしれないと言われても、全くピンと来ない。
なんとなく私にも力があることは判ったけれど、どんな力なのかも未だにわからないままだ。
私の態度を見て、隆が眉をひそめる。
「随分、心許ない言い方だな。真剣に考えてるのかよ」
『だって……』
「勾玉だろうとそうじゃなかろうと、組織が愛菜に目をつけてるのは間違いないんだ」
『うん』
「この騒動の中心にお前が居るんだ。ちゃんと自覚してんのか?」

隆が覗き込むように問いただしてくるけど、今の私には答え様が無かった。
ペンを握って、しばらく考えてから書き込みだす。

『中心って言われても……一体、どうすればいいのか分かんないよ』
「まぁ、知らないことが多すぎるからな。だが、最後の選択肢はお前に懸かってるかもしれないぜ」
『そうなの?』
「多分」
『多分って…どうしてそう思うの?』
「カンだ」

(カンって……適当だなぁ)

ジト目で隆を見つめると、隆は溜息を漏らしていた。
だが、顔を上げて私を見据えた瞳がいつになく真剣な事に気付く。
隆は声のトーンを低くして、諭すように話し出した。

「……とにかく俺が言いたいのは、もしもの時、愛菜も戦わなくちゃならない覚悟をしろってことだ。お得意の博愛精神が通用しなくなる場合もあるんだぞ」
『博愛精神って……そんなつもりないよ』
「お前は争いや戦いを好まないからな。そのくせ、無謀だから始末に終えない」
『そんな事無いよ』
「実際、声を失ったじゃないか。危機感持てよ。力は無くても、せめて狙われていることを自覚しろ」
『自覚はしてるつもりだよ。だけど、香織ちゃんが倒れていたら放っておけないもん』
「外見は長谷川でも、中身は敵だっただろうが…」
隆は小声で言い捨てると、私を見ようともせず、さっきよりも深く溜息を吐いた。

(何を怒っているの? 意味わかんないよ)

私はペンの蓋を閉め、ノートも閉じる。
コーヒーカップをお盆に載せ、立ち去ろうしたところで、隆に手首を掴まれた。

「待てよ。美波さんに連絡するなら、俺が必要じゃないのか?」
声の出ない私はテーブルにお盆を置き、再びソファーに腰を下ろした。

「真面目に答えてくれ。生身の敵が襲ってきたらどうだ? 人間相手に、血を流し合う覚悟はあるのか?」

①ある
②ない
③わからない

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