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試作機(ビギナーズ王国機)デザイン公募の提出用ページ

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windsearcher

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試作機(乗り物)
一般性能要求(要点)
 試作機は航空、低軌道宇宙での戦闘を考慮した試作戦闘機である。大型のスクラムジェットエンジンを一発装備し、着脱不能の大型増加燃料タンクを本体に滑らかに接続した。
 武装はレーザーと、ガンポッドである。大気内限定でミサイルも装備した。
大きさは30mを越える巨人機である。

白銀のテストフライト

 風がゆっくりと雪を舞い上げる。
機体の各種チェックを終えた犬士の整備士達が離れた場所から白銀色の試作機の様子を見守る。

 管制センターからの周辺気象情報が表示されたヘルメットのHUDを透かしてコクピット外をゆっくりと降る雪が見える。
飛行服が下半身を締め付けるのを意識しつつ、リストファンを開き、推力偏向ノズルを下方に向ける。
外の雪が下へ流れる速度が速くなると共に高度計が示す数値が上昇し始める。
ある程度の速度と高度が得られた時点で操縦桿を引き、機体を引き起こして上昇速度をさらに上げ続ける。
視界を曇天の空が埋め尽くす中、天に向けて機体は加速していく。

速度が上昇するに従い、見る間に雲が眼前に広がり、雲の中に突入する。

補助ブースターを点火。
瞬く間に雲を突き抜けると青空が広がり、速度は上がり続ける。

マッハ1、2、3、4

ドンドン強くなるGに耐えつつエンジンの方式をターボファン方式からスクラムジェット方式へと切り替える。
音速を超えて上昇を続ける機体のエアインテークから大きく深呼吸をするかの如く、大量の大気を吸い込む。
十分な酸素を取り込んだ大型のスクラムジェットエンジンは咆哮を上げながら、その本来の力を発揮し始める。

対流圏を突破し、


成層圏通過

中間圏!

 青かった空も暗くなり、視界の端で微かにレッドスプライトの光が見えた気がする。
機体の速度はいよいよ第一宇宙速度に近づいてくる。
ここでスクラムジェットエンジンの推力に任せて一時的に停止していた補助ブースターを再び点火。
液体燃料ロケットの推進力が最後の一押しとばかりに機体をさらに押し上げる。

速度の上昇に伴い、強くなり続けるGと下半身の締め付けに耐え続ける。
マッハ・・・24!!

遂に第一宇宙速度到達した機体は、大気の青と宇宙の黒がせめぎ合い、緩やかな曲線を描く水平線に向かって、滑るように落下を開始した。

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 低軌道宇宙に到達した試作機は大気と宇宙の境界面を滑るように進みながら、次の試験の為の目標物を探す。HUDに遥か前方に存在する無数の密集したスペースデブリの雲を示す情報が表示される。
補助ブースターによる軌道修正で機首をスペースデブリに向け、一気に突き進む。

/*/

 無数のデブリが密集してできた濃密なデブリ・クラウドは無重量空間にゆっくりと漂う。
まるで雲の切れ目から太陽光が差し込むが如く一条の光が奔る。
と思うと数瞬遅れて次々と無数の光のナイフが縦横無尽に雲を切り裂き、薙ぎ払う。
灰色の雲にぽっかりできた黒い孔を一瞬で白銀の光が潜り抜け、飛び去っていく。

基本コンセプト

 本機のコンセプトは大きく分けて2つあります。

 1つは何時でも何処からでも即座に低軌道宇宙にまで到達し、宇宙からの脅威に対処する専用要撃機の作成です。本試作機の開発はシーズン1中に度々ニューワールドを危機に陥れた宇宙からの強襲による核爆撃やレーダー施設や宇宙開発センターなどの重要拠点への爆撃を阻止する為の複数ある計画の1つとして立案されました。対地攻撃などの汎用的な機能を完全に切り捨て、対空・対宙戦闘に絞り込む事で性能の向上を図っています。

 次に2つ目のコンセプトは整備・補修性の向上させ、手軽に扱える要撃機を作る事です。一般的に航空機は整備や維持に多大なコストがかかってしまう為、非常時に備えて取り敢えず配備するといった事が難しい兵器です。一方で要撃機はその性質上、もしもの時に備えて事前に配備していないければその役割を果す事は難しいです。

 そこで機体設計時に少しでも整備に配慮した設計を行い、可能な限りの整備・維持のコスト低減を目指すというのがもう1つの本試作機のコンセプトです。

整備風景

 ハッハッハッ、弾む息が白く染まる。
ここは北国のビギナーズ王国にある飛行場の一角。
ふわふわもこもこの自前の毛皮に覆われた犬士達が元気良く動き回り、テストフライトを終えた試作機の整備を行っています。

 試作機の側で右に左にゆっくりと尻尾を振りながら自己診断装置の診断結果を待つ整備班長。
ピタッと尻尾を止めると整備マニュアル片手に自己診断装置を確認して部下に指示を出し始めました。
どうも幾つかのユニットの不具合を示すランプが点灯していたようです。
指示に従ってハンガーから数匹の犬士達が予備ユニットを故障箇所のユニット用の外部点検扉までエッチラホッチラと運び込むと手早く故障ユニットを交換しています。

 一方、所変わってここ物資集積所は毎日運び込まれる補給物資やテスト機材、逆に開発部へ送り返される故障したユニットなどが頻繁に行き来する空港でも最も賑やかな場所の1つです。リスト片手に故障ユニットの種類や個数を指差し確認をしている犬士や故障具合について膝を突き合わせて相談している犬士整備士達の姿を良く見かける事ができます。ここで集積された故障したユニットは報告書と共に各ユニットの開発部に送られ、さらなる改善に役立てられる事になります。

こうした犬士達と開発部の地道な努力と試行錯誤によって試作機は少しずつ完成に近づいていきます。

機体の特徴

推進装置

 主要な推進装置は大型のスクラムジェットエンジンで、内部にターボファンエンジンとしても機能するように機構が追加されており、速度に応じて切り替えます。運動性の向上と垂直離着陸機能の付与の為にノズルは推力偏向ノズルを採用すると共に、機体の背面にリストファンを設置しました。
 低軌道宇宙に短時間で到達する為の加速や姿勢制御や軌道修正用の補助ブースターとして液体燃料ロケットを使用しており、これには酸化剤が搭載され、燃料はスクラムジェットエンジンのものと同じ大型増加燃料タンクから供給されたものを共用する事で省スペース化を図っています。

武装

 武装に関しては対空・対宙戦用に複数門のレーザーとガンビットを搭載しており、状況に応じて使い分けます。また万一大気圏内に到達した敵機や核弾頭などを迎撃する為に対弾道弾ミサイルを改修したミサイルが2つだけ搭載されています。

操縦・アビオニクス関連

 コスト低減の為にAIは搭載していませんが、その分、アビオニクスには力を入れており、操縦系に用いられたフライ・バイ・ライトと合わせて充実した性能を誇ります。特にデータリンク機能を強化しており、同型機間や宇宙開発センターなどとデータリンクを行い、情報を共有化したり、お互いの電子機器に負荷を分散させて各種複雑な演算処理を行う事が可能です。またハッキングなどの緊急時には外部との接続部分を物理的に切断し、アビオニクスを再起動させる仕組みが備えられています。(この機構は独立しており、手動でしか起動させられないようになっています。)

整備について

 機体の各種主要装置をユニット化する事で損傷が酷い場合には予備パーツに交換する事で即座に整備を行う事も可能です。またユニット化は損耗が激しいユニットを量産する事で製造コストを抑えたり、改善したユニットに換装しやすいというメリットも生み出しました。
 自己診断装置(BIT)を装備しており、エンジンやアビオニクス等の不具合を自動診断プログラムを走らせるだけで容易にチェックできます。さらに点検・装備・燃料供給などに使用する外部点検扉が各所に数多く設置され、ユニットの交換などの整備を行いやすくしています。
 そして入念なテストフライトと整備を繰り返し、蓄積したノウハウを元に整備マニュアルを作成しました。この結果、試作機の開発はかなりの時間を要する事になり、ターン8から開始されていた計画はターン10でようやく日の目を見る事となりました。

機体の外観などについて

 コクピットはパイロット1名、コパイロット1名の計2名用になっており、翼は大気圏内の超音速飛行に適したダブルデルタ翼を採用しています。また垂直離着陸機能を付与する為の機構の追加や各種主要装置のユニット化に加えて空気抵抗を調整しやすいようにレーザーやガンビット、大型増加燃料タンク、補助ブースター等を機体内に内臓するようにした結果、当初の予定よりもスペースがかなり取られた結果、巨人機となってしまいました。因みに要撃機である事と維持・整備費がかかる事からステルス性は完全に切り捨てています。
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